ジョーイ: (on TV) Boy, you said it, Mike. (rips open the carton and spills milk on the counter) Aw! There's got to be a better way! ([テレビの画面で]もう、君の言った通りだよ、マイク。[カートンを破いて開けて、ミルクをカウンターにこぼす] あー! もっと良い方法があるはずなのに!)
マイク: And there is, Kevin! (それがあるんだよ、ケヴィン!)
ジョーイ: Can we please turn this off? (お願いだから、こんなの消そうよ!)
レイチェル: Noo way, Kevin! (だめよ、ケヴィン!)
Kevin の発音は「ケヴェン」みたいな感じですね。
ジョーイが番組中で呼ばれている名前に合わせて、「ケヴィンは黙ってて!」と早速使ってみるのがおかしいです。
マイク: There is a revolutionary new product that guarantees that you'll never have to open up milk cartons again. Meet the Milkmaster 2000! (画期的な新しい商品があるんです。その商品は、あなたの手でもう二度とミルクカートンを開ける必要がなくなることを保証します。ご紹介しましょう、ミルクマスター2000です!)
ロス: (to Chandler) Are you intrigued? ([チャンドラーに]興味をそそられる?)
チャンドラー: You're flinging, flanging right I am! (ロスの推理はびっちりばっちり正しいよ[実に興味をそそられるよ]。)
meet は「会う」ですから、直訳すると、「ミルクマスターに会ってくれ、ミルクマスターとのご対面です!」みたいな感じでしょうか。
intrigue は他動詞で「(人の)好奇心[興味]をそそる」。
be intrigued by[with] だと「…に興味をそそられる」、intriguing は「好奇心[興味]をそそる、おもしろい」という形容詞になりますね。
さて、昨日の記事、フレンズ3-4その1 に引き続き、またまた、flinging, flanging が出てきました(笑)。
flinging, flanging については、昨日の記事のコメント欄で、ためになる情報を教えていただきました。
コメントを下さったネイティブのお二人は、
「flinging, flanging は fu**ing のダサい言い方だ」
と表現しておられました。
それが一番わかりやすい説明だと思います。
また、その同じコメント欄で、別の方から、flinging は freaking という言葉と関係があるのではないか?というコメントをいただいたのですが、やはり関係があるようです。
長くなりますが、まずはその freaking から見て行きたいと思います。
Urban Dictionary で freaking を調べると、他の語義と並んで3番目にこう書いてあります。
freaking: damned, lousy, (a euphemism for fu**ing, see also frigging)
訳すと、
「freaking は、damned や lousy の意味で、fu**ing の婉曲表現(euphemism)。frigging も関連語。」
そして、その frigging の意味は、同じく Urban Dictionary では、
Frigging: A lazy or otherwise cleaner alternative to Fu**ing, Freaking, etc.
Tip: Say this word as an alternative to Fu**ing when in the presence of your mother/respected person/etc. to save yourself from getting bitchslapped.
訳すと、
「frigging は、fu**ing や freaking などの「気を抜いた、不精な?=lazy」言い方、あるいはその反対の「よりきれいな=cleaner」言い方。
ヒント:自分の母親や尊敬する人がいる時に、下品な言葉遣いを注意されないようにするために、この frigging を fu**ing の代わりに使え。」
つまり、flinging, flanging, freaking, frigging は全部、fu**ing の代わりに使う表現、ということになりますね。
そう言えば、どの言葉も、f で始まって -ing がついています。
flinging, flanging を見た時に、どうして fu**ing が思い浮かばなかったのか、我ながら不思議です。(Oh, bonehead, bonehead! →私って、おバカ!)
ということで、flinging, flanging は fu**ing を「言い換えたもの」だ、と断言できると思います。
ネイティブのお二人は、damn を darn と表現することも含めて、それを「ダサい言い方」と表現されています。
一方、日本語の辞書では、「darn は damn の婉曲表現(euphemism)」だと説明してあります。
婉曲表現とは、「直接それとは言わないけれども、それに似た言葉でその言葉を連想させる」という「直接的、露骨ではない、”遠回し”な表現」のことですね。
「みだりに神の名を唱えてはいけない」ということで、God の代わりに、Goodness を使う、などと同じです。
そういう「下品にならないように、露骨にならないように気を使ってしゃべる人」というのは、だいたい「お年を召したご婦人」(←old lady, elderly lady を上品に表現した日本語…笑)で、イメージとしては「レイチェルのママ」みたいな感じのご婦人でしょうかねぇ。
だから、「おばさんっぽい」言葉に聞こえて、「ダサい」という印象を与える、ということなのかなぁ、と思います。
ただ、「ダサい」という日本語は、もちろん、時代遅れ、古臭い(outdated)な感じもありますが、若者に対しても使う言葉ですよね。
私のイメージでは、
「ダサい」= uncool, unattractive
つまり、「かっこ悪い」ことをズバっと表現したのが「ダサい」なのかなぁ、と思います。
今回のセリフの場合は、視聴者に「おばさん、おばちゃん(elderly ladies)」が多いインフォマーシャルにぴったりの表現だと言うことなんでしょう。
若者だったら、「今どき、そんな言葉は使わねーよ!」「久しぶりに聞いたぜ、その言葉!」という感じの、「イケてない、若者っぽくない言葉」「おじさん、おばさんが使う言葉=若者が使う最先端のクールな言葉とは正反対の言葉」という感じでしょうか?
ですから、「ダサい」表現、だと言ってもいいでしょうし、「おばさんっぽい」表現、と言ってもいいかもしれません。
チャンドラーは、You're right. 「君の言う通りだ。」の right を flinging, flanging で強調しているのですね。
I am の後ろには、intrigued が省略されている、ということでしょう。
やっぱり、この表現には独特の雰囲気があって、この言葉で遊ばずにはいられない、この表現を使わないではいられない、という感じのチャンドラーです。
日本語では、ひと昔前の表現をわざと使って、
「ディスコでギャルとフィーバー(←死語)」
などと表現したりしますが、そういう感覚と似ているような気もします。
意味としては、「君は、実に正しいよ。僕は(この商品に)興味がある。」ということでしょう。
(Rach からのお願い)
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英訳するとLet's introduce the Milkmaster 2000.にしてしまいそうですが、大仰になって日常会話では使わないと思います。人を紹介するときの決まり文句のI want you to meet 〜は2−7で出てきました。 Rachel : Everybody, this is Paolo. Paolo, I want you to meet my friends. This is Monica.
「ジョー・ブラックをよろしく」は、これまた見ていないのですが(笑)、原題は「Meet Joe Black」というんですね。つまり、「ジョー・ブラックに会ってくれ、ジョー・ブラックを紹介するよ」ということで、「ジョー・ブラックをよろしく」なのかぁ…。なかなか洒落た邦題ですね。
最近多い、英語をそのままカタカナのパターンだと「ミート・ジョー・ブラック」で、お肉(meat)の話かと思ってしまう?(笑)…と言うのは冗談にしても、ただ「ジョー・ブラックに会う」という意味だと思う人はいるでしょうね。実は、命令形の meet で、それが人を紹介する時の決まり文句だ、ということですね。
それを丁寧に言うと、I want you to meet... になるわけだ。
それを直訳して、「…に会って欲しいの、会って欲しい人がいるの」みたいにしてしまうと、何だか自分の親に、恋人を紹介する時のフレーズみたいで、それこそ大仰(おおぎょう)な感じ(笑)。
「ご紹介しましょう」という役を誉めていただきありがとうございます。私はあまりインフォマーシャルとか通販番組は見ないんですが、「次は、…をご紹介します。」と言って、商品の説明が始まりますよね。そのイメージでそんな風に訳してみました。
質問ではないのですが、Rachさんの意見を
聞かせて下さい。
rips open the cartonについて
この表現の辞書の解説(詳細下記)に
全く同意できないのですが、
Rachさんは、どう思われますか?
最初、私はこの表現をさらっと読み流してました。
しかし、よくよく考えるとopenの品詞は形容詞です。
形容詞がこの位置に来るのはおかしいと思い、
改めてripを辞書で調べました。
以下、ジーニアス英和大辞典より引用
rip
[SVOC]O〈物〉を裂いて・・・にする
rip a parcel open
《◆しばしばOとCの位置が入れ替る;→open》
引用おわり
つまり、rips open the cartonはSVOCのOCが
入れ替わった形らしいです。一見もっともらしい
解説ですが、私はこの説明に全然納得いきません。
確かにSVOCのOとCが倒置する事はあります。
TOEICではPlease see attached the file that 〜が
メール文でよく出てきます。
ただし、この表現はthe fileが関係代名詞thatで
修飾されて長くなっている事による倒置です。
しかし、the cartonや例文のa parcelはたいして
長くありません。にも関わらず、倒置が
発生というのは、なかなか受け入れがたいです。
→openと辞書に載っているので、openも
確認してみました。
以下、ジーニアス英和大辞典より引用
push the door open
戸を押してあける(=push the door, so that it is open)
《◆開いている状態をいう。動作をいう場合は
push open the door
戸を押しあける(=open the door by pushing)
という;この2様をとる動詞は他にはbreak, burst, blow, cut, fling, kick, pull, swing, throwなど》
引用おわり
※ここでは、SVOCとSVCOで状態か動作か
言い分けると書いてありますが、
ランダムハウス英和大辞典ではイコールと
書いてあったので、細かい違いは無視します。
※実際、その3ではrip it openが出てきますが
状態ではなく、動作を表してます。
ここで挙げられているbreak, burstなどの動詞は
みんな、物に対して、物理的作用を及ぼしている
イメージの単語が多いですよね。
なので、rips open the cartonは、
『SVOCだが例外的にOとCが倒置したもの』
と捉えるより、
『openは形容詞だが、特定の動詞と結びつき、
例外的に副詞的に用いられる』
と解釈した方が同じ例外でもスッキリする気が
するのですが、如何でしょうか?
コメントありがとうございます。
問題の rips open the carton は、ト書きの部分ですね。
ジーニアスにあるような「しばしばOとCの位置が入れ替る」という説明は、私の手持ちの辞書には載っていませんでした。
rip open the carton も、rip the carton open もどちらも使われることがあるとすると、私も、mizさんの
『openは形容詞だが、特定の動詞と結びつき、
例外的に副詞的に用いられる』
という意見に賛成したいところだと思います。
rip open the carton と、rip the carton open というカタチを見ると、例えば、put away something と put something away (put it away) のように、場所の移動が可能な句動詞(phrasal verb)と似ている気がしますよね。
open は形容詞なので、本来は、away のような副詞と同じような使い方はできない気がするのですが、rip something open という「形と並び」が、open を副詞のように使っているように見せているため、put something away を、put away something にするのと同じような感覚で、「まるで句動詞のように(動詞+副詞のように)」使っているのが、rip open something なのかなぁ、と思うわけです。
open は本来は形容詞だということで、そういう「句動詞的な」使い方はどんな動詞とでもできる、ということではなく、日本語で言うと「切り開く」に当たる cut open などのような、「その動詞の動きに伴って open になる状態がもたらされる」タイプの動詞とのみ、そういう使い方が可能である、ということかなと思うのですね。その動詞群がまさに、ジーニアスで「この2様をとる動詞」として紹介されていたようなタイプの動詞なのだろうと。
ですから、rip (something) open をまるで「句動詞(動詞+副詞)」のように使って、rip open something のように使っている、というのが、今回のト書きの rip open the carton なんだろうな、と私も思いました。
興味深いご意見ありがとうございました!(^^)
やっぱり、openを副詞的にとらえた方がスッキリしますよね!!
自分では自分の解釈が正しいと思いつつ、
由緒ある辞書に全然違う解説があったので
怖じ気付いてしまいました・・・(汗)
ちなみに、ロングマンとオックスフォードも
調べたんですが、詳しい説明はありませんでした。
英英辞典はニュアンスの解説が詳しく、
例文も単語の特徴をとらえたものが多い点は
とても良いのですが、文法的解説が少ないのが
玉に傷だな〜と、ちょっと思いました。
結局、私は英和と英英の併用スタイルです。(^_^)
こちらこそご丁寧なお返事ありがとうございます。
はい、open を副詞的にとらえた方がスッキリ!すると、私も思いました^^
辞書や文法書には、それぞれ編纂者の感覚が投影されているので、時には「自分の感覚と違うなぁ」と感じるものも出てきますよね。いろんな解釈や説明を読んで、なるほどそういう解釈もあるのか、、などと感心しつつw 最終的には自分が納得できるもの、一番しっくりくるものを選んで行かれたら良いのかな、と思ったりしています。
上の open については、私も英英を調べたのですが、この件に関する適切な説明は見当たらなかったです。英英辞典の利点はまさにおっしゃる通りの部分ですが、「文法的解説が少ない」というご意見にも納得です。私は英和では、「研究社 新英和中辞典」をいつも使っているのですが、「用法」と書かれた文法的解説がいつもとても役立っています。
私も基本的には併用スタイルですね。ここぞという時、というか、誰かを納得させたい時(笑)には、英英の語義を引用して、これでどうだ!みたいに使うことが多いです。英英の語義を味方につけておくと、仮にネイティブの方と議論することになった場合でも、「私、負けない!」と言える強さを持てるように思うわけですね。日本語に関する議論になった時に、外国人の方が広辞苑の語義を持ち出して対抗しようとしたら、日本人でもちょっとひるむかも、、みたいなことと同じでしょうか^^
いつも興味深い点をご質問いただきありがとうございます。これからもよろしくお願いします。