2007年06月26日

母音を買う フレンズ3-4その16

[Scene: Chandler and Joey's, Chandler and Janice are having dinner]
チャンドラーとジョーイの部屋。チャンドラーとジャニスはディナーを食べている。
ジャニス: So, how come you wanted to eat in tonight? (それで、どうして今夜は家で食べたいと思ったの?)
チャンドラー: 'Cause, I wanted to uh, give you this. (hands her a present) (それは、俺が君にこれを渡したかったから。[ジャニスにプレゼントを手渡す])
ジャニス: Ohhh, are you a puppy! (opens it) Contact paper! I never really know what to say when someone you're sleeping with gives you contact paper. (あぁ、あなたって可愛い子犬ちゃんね! [プレゼントを開ける] コンタクト・ペーパー! 一緒に寝る間柄の人からコンタクト・ペーパーをもらった時に、何て言ったらいいのかよくわからないわ。)
チャンドラー: Well, wait there's, there's more. See the contact paper is to go into your brand new drawer. (gives her a drawer) See, the drawer actually goes in my dresser. (あぁ、待って。まだあるんだ。ほら、そのコンタクト・ペーパーは君の真新しい引き出しに付けられることになる。[ジャニスに引き出しを渡して] ほら、その引き出しは俺のドレッサーに実際にはまるようになってる。)

eat in は「(自分の)家で食事をする」ということで、「レストランなどでの外食ではない」ということですね。

contact paper は、英辞郎には「印画紙、密着紙」と書いてあり、DVDの日本語では「粘着シート」となっていました。

Find Contact Papers and other Shelf Liner & Contact Paper at Aubuchon Hardware というサイトには、いろんな模様のコンタクト・ペーパーが並んでいます。
そのサイトのタイトルに、shelf liner 「棚の裏地(?)、棚の裏につけるもの」という言葉がありますので、棚や引き出しの中に使うもののようです。
また、その商品を見ると、裏側に目盛りのようなものがついているので、棚や引き出しに合う長さに切るために、そういう目盛りがついているのだと思われます。
ただ置いておくだけではズレてしまうので、きっとシールのようにその目盛りのついた裏紙は剥がせて粘着状になっている、だからDVDの訳が「粘着シート」になっているんだと思いますね。

someone you're sleeping with は、「一緒に寝ている誰か」ということで、恋人という意味ですね。
恋人のくれるプレゼントとしては、コンタクト・ペーパーというのは意外だと言いたいわけです。


ジャニス: Oh, you didn't have to do this. (あぁ、こんなことしてくれなくても良かったのに。)
チャンドラー: Yes, I did. Yes, I did. Because, you're my girlfriend, and that's what girlfriends should, should get. (いや、しなくちゃいけないことなんだ。だって、君は僕の恋人だろ。そして、俺のあげたものは恋人が手に入れるべきものなんだ。)
ジャニス: Well, I gotta buy a vowel. Because, oh my Gawd! Who would've thought that someday Chandler Bing would buy me a drawer. (あぁ、私は母音を買わなくちゃ。だって、”オー、マイ、ガウド[ゴッド]!”だもの。いつの日かチャンドラー・ビングが私に引き出しを買ってくれるなんて、誰が考えたかしら?)

さて、今日の問題は、この I gotta buy a vowel. というフレーズです。
直訳すると、「私は母音を買わなくちゃ。」ということなのですが…。

フレンズ3-1その12 で、Wheel of Fortune 「ホイール・オブ・フォーチュン」というアメリカのクイズ番組について説明しました。
そこで、この buy a vowel というフレーズが使われるそうです。
Wikipedia 英語版: Wheel of Fortune (US game show) にも Buying a vowel という項目が載っています。
このゲームはワードゲームで、何と言う言葉が隠されているかを当てるゲームなのですが、自分の手持ちのお金で、隠されている文字の母音を「買う」ことができるんですね。
母音が表示されると、ものすごいヒントになりますから、手持ちのお金を減らしてもそのヒントをゲットしようとするわけです。

この番組は有名なので、その buy a vowel というフレーズは一般的に使われるようになっているみたいですね。
まずは、一般的に使われている意味について説明し、それから、今回のジャニスのセリフではどういうニュアンスで使われているかを考えてみたいと思います。

Urban Dictionary では、buy a fu**ing vowel の意味がいくつか載っています。
一番支持が高い(賛成票が多い)語義は以下の通り。

buy a fu**ing vowel:
Phrase borrowed (more or less) from TV's "Wheel of Fortune", indicating disrespect for someone's mental abilities. Since generally the contestants on Wheel aren't exactly Einstein, telling someone to buy a fu**ing vowel is about equivalent to "Get a clue, moron!"
例) You think the War on Drugs is working? Buy a fu**ing vowel!


訳すと、「(事実上)テレビのホイール・オブ・フォーチュンから借りられたフレーズで、誰かの知能(精神能力?)を軽蔑することを示唆する。ホイールの競技者はたいてい、「まさにアインシュタイン」のようではないので(訳注:天才ではない、という意味)、誰かに"buy a fu**ing vowel" と言うことは、「糸口を見つけろよ、ばか」と言うのとほぼ同じである。」
例文) 「ドラッグとの戦いがうまく功を奏してるって思ってる? 糸口を見つけろよ!」

この上の語義を見ると、命令形で使った場合は、「お前はわかってないねぇ」みたいな意味になる、ということですね。

ホイール・オブ・フォーチュンで、答えがわからない場合は、お金を払って母音を買ってヒントをゲットするので、そこから buy a vowel = get a clue 「手掛かりを掴む、糸口を見つける」という意味で使われるようになったのですね。
「お金を払ってでも、そのヒントを見つけないと」ということなので、相手に命令形で使うと、「そうでもしないといつまで経ってもわからないだろ?」という感じの、相手を馬鹿にした表現になるのでしょう。
フレンズ2-17その18 でも clue という単語が出てきました。
フィービー: That was my first clue. (それが私が最初に気付いた糸口ね。)
というセリフで、そこで、clue という単語について詳しく説明しています。

ここで改めてジャニスのセリフを見てみたいのですが、そういう一般的な意味を当てはめると、「私は糸口を見つけなくちゃ。お金を払ってでもヒントを買わなきゃ。」→「あなたのやっていることが、ヒントなしでは全然わからないわ、理解できないわ。」という意味に解釈することも可能だと思います。
が!
私は少し違った解釈をしてみました。

ネットスクリプトでは、oh my Gawd! と書いてあるのですが、DVDでは、oh, my God! と書いてあります。
これはジャニスのいつもの決まり文句ですよね。
いつもは、"Oh... my... God!" と手振りを付けながら、3つの単語を区切ってゆっくり言うのですが、今回はあまり区切らずに一気に言っています。
その言い方を聞いていると、"Well, I gotta buy a vowel. Because, oh my Gawd!" というセリフが、「そうね、私は母音を買わなきゃ。なぜなら、オー・マイ・ゴッドだから。」と、「オー・マイ・ゴッド」が、母音を買わなければならない「理由」である、と言っているように聞こえるのです。

そこで私が思ったのは…。
ジャニスが驚いた時の決めゼリフ、"Oh, my God!" の出だしの Oh の発音は [ou] (オウ)で、アルファベットの母音の文字 O の発音 [ou] と同じです。
だから、母音を買ってこれから O、つまり、Oh を言うぞ、と観客に思わせて笑わせているのかなぁ?と。
「母音を買わないと、「いつものヤツ」が言えないわ。」「母音を買わなくちゃ。だってこれから O [Oh], my God! って言うのに必要だもの。」という感じでしょうか。
オーだけではなく、ゴッドも母音がないと発音できませんから、ゴッドのことも含めて言っているのかもしれません。
ゴッドの発音が、いつものジャニスと少し違うのは、その母音を強調したいからかもしれない、とも思いました。

実際の観客の反応を見ると、I gotta buy a vowel. と言った時点で笑っているのですが、その時点でそこまで想像して笑っているのかどうかはよくわかりません。(観客の拍手が聞こえたりもしていますが…)
ただ「わからない、びっくり、一体どうしちゃったの?」という驚きを表しているだけの Oh, my God! なのかもしれないので、私の深読みしすぎかもしれませんが…。
because は「理由を表す接続詞」の中で一番意味が強く、「なぜなら…だから」という感じなので、母音との関係を考えると、出だしが母音の O と同じ音で始まることと関係がある、という私の解釈もアリかなぁ、と思うのですが、どうでしょう??

(Rach からのお願い)
今回の記事、面白いと思われた方は、下のランキングサイトをクリックして下さい。
皆様のお陰で、ランキングも好調です。
皆様の応援が、とても励みになっています。ありがとうございます。
人気blogランキング
にほんブログ村 英語ブログ

posted by Rach at 11:06| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、いつもご丁寧にお返事ありがとうございます&お疲れ様です♪

「buy a vowel」の意味、わかりました!

ありがとうございました!

この素敵なブログにはほんといつも助けていただいております。

ここまで来れたのもRachさんの著書と出合ったおかげ。

まだまだリスニング力が付いたとは思えないのですが、Rachさん目指して継続して行きたいと思います。

追伸:Rachさん、とてもお綺麗でびっくりです(^o^)
Posted by さるっち at 2009年01月21日 11:25
さるっちさんへ
こちらこそ、温かいコメントありがとうございます。追伸も含めまして(笑)、いろいろとお褒めいただき、大変嬉しいです。

この buy a vowel については、あくまで私の解釈なので、これが「アタリ」かどうかはわからないのですが、やっぱり、母音と Oh... が関係ある気がするんですよね。
ドラマを英語で楽しんでいる、と言っても、私は私なりの解釈で楽しんでいるに過ぎなくて、それが脚本家の意図したことと一致しているかどうかはわかりません。ただ、答えがないなりに、自分で仮説を立てて、多分こういうことなんだろうな、とか思いながら楽しんでいる人間もいますよ、ということを知っていただけたらなと思っています。一緒にお楽しみいただけたら、とても嬉しいです。
これからもよろしくお願いします!
Posted by Rach at 2009年01月22日 11:30
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。