[Scene: Monica and Rachel's, Monica and Rachel are comforting Chandler]
モニカとレイチェルの部屋。モニカとレイチェルがチャンドラーを慰めている。
レイチェル: Honey, this will help. (hands him a tub of ice cream) (ハニー、これが役に立つわよ。)
と言って、チャンドラーにアイスクリームの容器を手渡す。
チャンドラー: So, I finally catch up to her and she says this relationship's going too fast and we have to slow down. (それで、最後に俺は彼女に追いつく。すると彼女は、この関係はスピードが速すぎるから、スピードを落とさないといけない、って言うんだ。)
レイチェルとモニカ: Uff. (あぁ。)
モニカ: That is never good. (それは完全にダメね。)
チャンドラー: Then I got all needy and clingy. (それで俺は、ジャニスの愛を求め、しがみついて執着する状態にすっかり陥ってしまったんだ。)
ト書きの tub ですが、これは「蓋付きの小さい容器」のことですね。
フレンズ3-3その19 には、a big tub of jam 「大きい容器に一杯入ってるジャム」という表現が出てきました。
そこで、tub について詳しく説明しています。
ちなみに、缶ジュースの口金のつまみを指すタブの綴りは、tab になります。
needy and clingy について。
ロングマン現代英英辞典には、
needy: needing and wanting a lot of love and attention
つまり、「多くの愛や思いやりを必要としている、欲している」。
動詞 cling は cling to の形で「…にくっつく、くっついて離れない、しがみつく、すがりつく」という意味になり、clingy はその形容詞形ですね。
ロングマン現代英英辞典では、
clingy: someone who is clingy is too dependent on another person, and will often hold onto them - used to show disapproval
つまり、「clingy な人は、他人に依存し過ぎている、そして、しばしば他人にしがみつく。非難を示すのに使われる。」
「そんなこと言わないで、もっとちゃんと話し合おうよ」という感じで、相手の手や身体を掴んで離さなかった、みたいな感じですね。
もちろん、精神的に cling to 「執着する」という意味合いで、実際に「しがみついた」わけではないかもしれませんので、「食い下がった、しつこく粘った」みたいなことかもしれません。
I got all needy and clingy. をうまく日本語に訳しにくいのですが、ジャニスが「焦らず落ち着かなきゃ」みたいなことを言うので、離すまいと余計にムキになって、相手を need し、相手に cling (to) する状態にすっかり陥ってしまった、という感じでしょうか。
レイチェル: Okay, wait a minute, wait a minute, wait a minute. Maybe it's not so bad. How did you leave it? (わかったわ、ちょっと待って、待って、待って。そんなに悪くないかもしれないわよ。どんな風にそのやり取りは終わったの?)
チャンドラー: She said she'd call me. (ジャニスが、「私があなたに電話するわ」って言った。)
レイチェルとモニカ: Ohh! (both grab their stomachs in pain) (あぁ! [二人とも痛みで自分の胃を掴む[胃が痛いと押さえる])
チャンドラー: Oh God. (あぁ、だめだ。)
モニカ: Welcome to our side of the tunnel. (トンネルの私たちの側(の出口)へようこそ。)
女性陣二人にもそんな風に言われた経験があるんでしょうね、それを思い出して、胃がキリキリしているのです。
私から電話するわ、と言われてしまうと、こちらはただ待つことしかできない、そしてたいていそういう場合は、電話はかかってこないものなのですね(泣)。
またトンネルの話が出てきましたが、フレンズ3-4その13 に出てきたチャンドラーの比喩では、トンネルを抜けると、そこはコミットメントの恐怖がない世界が待っているはずでした。
でも、今回はそれとは別の出口に出てきてしまったようです(笑)。
モニカが our と言っているのは、「恋愛の敗者の」という意味でしょうね。
レイチェルはロスという恋人がいますが、モニカはいませんので、私や私と同じような恋人がいない人間の仲間ね、私たちの世界へようこそ、という感じでしょう。
チャンドラー: This ice cream tastes like crap, by the way. (ところで、このアイスクリーム、ものすごくまずいね。)
レイチェル: Yeah, well, that's that low-cal-nondairy-soymilk junk. We sort of, we save the real stuff for those really terminal cases. (えぇ。それは、ローカロリーで、乳成分を含まない、豆乳を使った、クズのような食べ物だもの。私たちは、本当の末期患者の為に、本物のアイスクリームはとってあるのよ。)
モニカ: You know, when you start to get screwed over all the time, you gotta switch to low-fat. (ずっと落ち込むことになったら、低脂肪(ローファット)に切り替えないといけないわ。)
レイチェル: Yeah, you do. (えぇ、そうね。)
豆乳のアイスクリームって食べたことないんですけど、おいしいんでしょうか?
今食べているのは、おいしさよりも、太らないことを主目的にした食べ物のようなので、確かにあまりおいしくなさそうですね。
case は「ケース、事例、状況」ですが、「(ある病気の)患者」という意味もあるようです。
terminal は名詞では「ターミナル、終点、終着駅」などで、形容詞では「(病気・患者が)末期の」という意味になります。
terminal case はこの場合は、「末期(症状の)患者」(terminal patient)という意味で使っているのだと思います。
(「末期の状況」でもいいのかもしれませんが…)
for those really terminal cases で、そういう思いっきり落ち込んでもう立ち直れそうにない人たち、に対して、おいしい本物をとってある、ということのようです。
今はクズのような最低のアイスクリームを食べているけど、今より状態がひどくなったら、豆乳よりも一ランク上のローファットに切り替えないといけないと言っていますね。
the real stuff (本物)は、きっと高脂肪・高カロリーなのでしょうが、落ち込んだ時には、太ることなんか気にしないで、そういうのをいっぱい食べてやる、やけ食いしてやる、という感じですね。
(Rach からのお願い)
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そのチャンドラーがある動物をneedyだから嫌いだと言ってしまったことで非難囂々のシーンがありました。7-8ダイ・ハード4が上映中ですが主人公のマクレーン刑事がclingyな状態になるシーンがなぜかフレンズの6-23で見る事ができます。
「俺をもっと見て見て! 注目して!」と子供のようにあれやこれやと人の注意を引くようなことをする、という感じの needy ですよね。よく子供がやりますが(笑)。
7-8 では、愛好家の多いある動物のことを、needy で jumpy だと言っていましたねぇ。
ダイ・ハードは1しか見てないのですが、6-23 でブルース・ウィリスがゲスト出演した時の演技は大爆笑でしたね。あの演技で、エミー賞のコメディ部門ゲスト男優賞を受賞したらしいです。
隣のヒットマン(原題: The Whole Nine Yards)でマシュー・ペリーと共演したのが縁でゲスト出演したんでしたね?(その映画、見てませんが…笑)
「commitmentされていない人の」(婚約、結婚されていない)
かもしれません。
そうですね。この tunnel は commitment の話ですから、「男女が深く付き合う」のとは反対側の、という意味で、仮に付き合っていたとしても、軽いお遊びの場合は、our side of the tunnel になるのでしょうね。