ジョーイを見るなり逃げ出したフィービー。変な言い訳をします。
フィービー: Oh, Joey! Oh, okay, see, I didn't recognize you wearing, in those....pants. (あぁ、ジョーイ! ほら、さっきはあなたに気付かなかったのよ、ほらそんな…パンツをはいているから。)
ジョーイ: Look listen, that TV movie I went in for? Did you hear anything? I think I got a shot at it. (ねぇ、聞いてよ。俺が試験を受けた例のテレビ映画は? (結果について)何か聞いた? 俺、あれはバッチリだった[うまく行った]と思うんだけど。)
フィービーはジョーイだと気付かなかった、と言い訳していますが、彼がはいていたのは、ごくごく普通のパンツです。
いつもと違う服だったから、あなただってわからなくて…と言おうと思ったけど、結局言い訳に使えなくて、言いよどんでしまった、ということですね。
ジョーイがいるのに気付いたけど無視しようとした、つまり、会うと都合が悪いので逃げ出した、ということがわかります。
go in for は「…に参加する、…を受験する、(試験を)受ける」という意味。
ロングマン現代英英辞典では、
go in for something (phrasal verb): to do an examination or take part in a competition
つまり、「試験を受ける、または試合に参加すること」ということですね。
ジョーイが役をゲットできなかったことで罪の意識を感じたフィービーは、エージェント役を下りる、と言うのですが。
ジョーイ: No! No, no you can't quit! You're the best agent I ever had! Look Pheebs, rejection is part being an actor. You can't take it personal. (ダメ! ダメ、やめちゃだめだよ! 今までのエージェントの中で、フィービーは最高なんだよ。ねぇ、フィービー、拒絶は「俳優であること」の一部なんだ。それを個人的に(自分のこととして)受け取っちゃだめなんだ。)
フィービー: Not personal, really? Well, they said that they never met an Italian actor with a worse Italian accent. (個人的には受け取らない? 本当に? じゃあ、担当者は言ってたわ。あれよりひどいイタリアンアクセントのイタリア系俳優を今まで見たことないって。)
ジョーイ: They actually said that? (本当にそんなこと言ったの?)
と悲しそうな顔をするジョーイ。
"rejection is part being an actor." という文章が面白いな、と思います。
俳優という仕事は、そんな風にオーディションに落ちて断られることはつきものなんだ、俳優をしている限り、拒絶されることは当然ある、拒絶を気にしていたら俳優なんかやってられない…みたいな感じですね。
rejection や actor の部分をいろいろ変えて応用が利きそうです。
You can't take it personal. なんですが、最初は、この you がフィービーを指しているのだと思いました。
オーディションに落ちたのは、エージェント役をやっていた君のせいじゃないんだから、君が気に病むことはない、ということかなぁ?と最初は思ったのですね。
でも、フィービーが "Not personal, really?" と言って、ジョーイに対する評価がどんなものであったかについて述べていますね。
つまり、you は一般の人、もしくは「もし君が俳優だったら、俳優というものは」という感じで、「俳優は拒絶されるのも仕事のうちだから、それをいちいち、だから俺はダメなんだ…とかって落ち込んだりしてはいけないんだ。」という意味の、take it personal ということなのかな、と思いました。
ところで、「個人的に」と副詞なので、本来であれば、personally になると思うのですが、このセリフでは、personal と形容詞になっていますね。
フレンズ2-13その1 でも、"Don't take it personal." という表現が出てきました。
ネットで "take it personal" をフレーズ検索してみると、235,000件、"take it personally" をフレーズ検索してみると、1,120,000件のヒットがありました。
やはり、personally の方が使用実績は多いようですが、personal の方も決して少なくはありませんね。
DVDの英語字幕は、実際の音声の通り、take it personal と書いてありますが、ネットスクリプトでは、"you can't take it personally." と書いてあります。
このスクリプトを書いた人にとっては、take it personally の方が自然だ、ということなんでしょうね。
they never met an Italian actor with a worse Italian accent. は「担当者は、より悪いイタリアンアクセントのイタリア系俳優を見たことがない」と言っています。
もちろん、ジョーイのアクセントと比較して worse 「それより悪い」ということですから、つまり「ジョーイは、今まで見た中で、イタリアンアクセントが一番下手なイタリア系俳優だった」と言っているわけですね。
悪い結果を個人的には受け取らないと言っておきながら、やはりショックを隠せないジョーイです。
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日本語から考えては駄目ですよ。personalという形容詞でなければならないのだ。副詞では駄目。
コメントありがとうございます。
日本語から考えたわけではなく、英英辞典に載っているのも、もっぱら take it personally の方なので、やはりそちらの副詞を使う形がスタンダードなのだろうと思ったということです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
Please don't take it personally - he doesn't want to see anyone.
という例文が出ていました。
take it well などと同じような、take it+副詞の形だと私は捉えました。
以上が私の見解ですが、あくまで私個人の考え・解釈にすぎませんので、1つの意見としてお聞きいただけると幸いです。