ジョーイは、イタリアンアクセントが下手だ、と言われて落ち込んでいます。
フィービー: Yeah. Ooh God, there's that face again! See I can't do this job! I... (えぇ。もういやよ。またその顔だわ! ほら、私はこの仕事はできない! 私は…)
ジョーイ: No, no, no, see that's why you have to do this job, agents always lie. You know, Estelle just says stuff like, "They went another way." But this? I can use this. (in a very bad Italian accent) I canna work on a new accent. (そんなことないよ。だからこそ、君はこの仕事をしないといけないんだ。エージェントっていうのはいつも嘘をつくんだよ。ほら、エステルはただ、「方向性が違ったのよ。」みたいなことを言うんだ。でも、今回は? このことを利用できるんだ。[非常にまずいイタリアンアクセントで] 新しいアクセントに取り組むことができるんだ。)
go anothe way は「別のある方向に行く」なので、「進む方向が違う、求める[目標とする]方向が違う」という感じで、「求めていたものが違った。捉え方・感覚が違った」という感じなのかと思うのですが…。
DVDの日本語訳では、「”縁がなかった”とか言ってごまかすだけだ。」となっていましたが、確かに、日本語の断りの常套句である「ご縁がなかった、ということで…」に感覚は似ているのかな、と思います。
can use は直訳すると、「…を使うことができる、利用できる」ということですが、この can を過去形 could にした形、could use 「…が得られたらありがたい」は、よく使われますね。
フレンズ1-22その1 にも出てきました。
この場合の could は婉曲、もしくは仮定法の could で、「もしそれがあれば、それを利用できる」→「あると助かる、是非それが欲しい、あるとありがたい」という意味になるのですね。
work on は「…に取り組む、励む」。
ロングマン現代英英辞典では、
work on somebody/something (phrasal verb):
1. to spend time working in order to produce or repair something
2. to try very hard to improve or achieve something
つまり、1. は「何かを作り出す、または修理するために働いて時を過ごす[時間をかけて働く]」、
2. は「何かを上達させるため、または達成するために一生懸命トライする」。
フレンズ2-24その4 では、
モニカ: Maybe that's what you need to work on. (多分、あなたが取り組むべき問題はそこね。)
という表現が出てきました。
最後のセリフで、ジョーイはイタリアンアクセントで話しています。
DVDの英語字幕では、"I can work on a new accent." と書いてあるのですが、それを
「アイ・キャンナ・ワーク・オンナ・ユー・アカセンテ」
みたいな感じで発音しています。
だから、ネットスクリプトでは、can を canna と書いてあるのですね。
さらに、英語で accent の発音は「アクセント」とアの部分を強調しますが、イタリア語っぽく言うと「アカセンテ」になるわけですね。
ただ、ト書きにも書いてあるように、これは下手な見本のようです(笑)。
イタリア語と言えば、フレンズ1-7その4 で初登場したパウロはイタリア人でしたので、彼の話す英語はイタリアンアクセントだった、ということでしょうね。
他に私の知っているものでは、アニメ映画「カーズ(Cars)」に出てくるフェラーリ好きのキャラクター、ルイジ(Luigi)が、(どうやら)イタリアンアクセントの英語を話すようです。(実は、私が聞いても、それがイタリアンアクセントなのかどうか、よくわからない…笑)
その友達のグイド(Guido)は、"Pit stop!" などの簡単なフレーズを除いては、イタリア語しか話さないキャラでした。
「カーズ」のオリジナルの英語版で声をアテているのは、トニー・シャルーブ(Tony Shalhoub)という俳優さんです。
Wikipedia 英語版: Tony Shalhoub
ウィキペディアによると、彼はレバノン系らしいのですが、Wings というTVドラマで、イタリア系タクシードライバーを演じていたことで有名だ、とのこと。
今回もイタリア系の車を演じているわけですから、きっとイタリアンアクセントの上手な俳優さんだ、ということなのだと思うのですが…。
ちなみに、日本語吹替版ではパンツェッタ・ジローラモさんが声をアテておられるので、まさに「イタリアンアクセントの日本語」をしゃべっているわけですね。
イタリア語しか話さないグイド(ルイジの友達)と、主役のライトニング・マックィーン(Lightning McQueen)とのやり取りがあるのですが、マックィーンは相手にわかるように、イタリア語を混ぜて話しているようです。
そのセリフを一部取り上げると、
Uno lappo! Don't need any help. I work solo mio.
No pit stoppo. Comprendo?
イタリックで書いた部分が、イタリア語だと思われる部分ですが、見た目もかなり英語とは違いますね。
特に、語尾に -o などの母音が来るところが特徴的でしょうか。
日本人はどうしても最後の子音に母音を入れてしまう、つまり bat を「バット(to)」、map を「マップ(pu)」などと発音してしまいがちなのですが、イタリア語も語尾は子音だけでは終わらず、母音がつく傾向にある、ということでしょうか?
(イタリア語はさっぱりわかりませんので、詳しい方は教えて下さい。)
それで、accent も「アカセンテ」みたいに、語尾に妙な母音を入れてイタリアンっぽくしている、という感じかなぁ?
映画「カーズ」でルイジが話す英語が本当にイタリアンアクセントなのかどうか私にはわからない、と上に書きましたが、彼の話す英語は、明らかに American English とは異なっているのですが、イタリア語の特徴が出ているのかどうか、私にはよくわからないのです。
ジョーイがやったような、語尾に妙な母音が付く感じ、もないですし…。
でもルイジの設定を考えると、絶対にイタリアンアクセントの英語を話しているはずなので、やっぱりあれがそうなのかな?
詳しい方は教えて下さい。(こればっか…笑)
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私の印象としては、語尾に母音がつく、というのに加えて、アクセントが単語の真ん中に来て、その母音を強くするだけではなくてはっきりと「長く」発音する、というのがイタリアンぽいかな、と。
例えば、Americaは「アメーェリカ」に近くなるかな。Italyを英語圏の人は「イタリー」(イは一応一番強い。と言うか、後ろが弱い。Americanは「イラリ」みたいに聞こえる。Britishっぽくしようとすると「イトリ」に近いかな)と言うけど、イタリア人は「イータリィ」としっかり「イ」を2回言うという感じ。
最後に母音がつく、というのは日本人以上ですね。相撲を「スモゥ」とか「スモー」ではなく、「スモウー」と発音する、というのがいい例かも。
Rachやんが例に挙げた、CarsのLuigiの英語は、発音だけではなくて、話の持って行き方というか、情熱的なところがステレオタイプなイタリアンという設定になってるんだと思いますが、私の知ってるイタリア人2夫婦はもっとおとなしいぞ(笑) ま、その辺は誇張が許されるでしょう。発音も、「普通のイタリア訛」よりはおそらく誇張されてると思います。ま、映画だから。
マックィーンの "I work solo mio."の台詞の時、彼の口がきっちりすぼまっていて、英語的でない発音をしっかりとしようとしているのが表現されてますね。
外国人の話す英語を聞くと、iという文字を「アイ」と発音するのが如何に英語独特か、と言うことを思わざるを得ません。ジョーイの台詞を聞いてないのですが、彼が一人称単数代名詞のIをどう発音してるかで、「イタリア訛の下手さ加減」がわかるかも。イタリア訛を強調するなら、この単語は「イ」か「アーイ」かどちらかにシフトすると思うんだけど、これが普通に英語的な二重母音になってると下手っぴ感アップ!と言わざるを得ませんね。
イタリア訛に関連して。
アルゼンチンという国は、イタリアからの移民が多いのですが(そのせいか美男美女が多い・・これはさておき)、そのせいか、アルゼンチン訛のスペイン語、というのは、南米の中でも特徴的です。
ESLで、コロンビア人のお嬢ちゃんがアルゼンチン人のお兄さんをからかって、彼のアルゼンチン訛をまねていて笑ってしまいました。で、このアルゼンチン人のお兄さんの喋る英語と、イタリア人のおばさんの喋る英語は何だか似てました。
貴重な情報ありがとうございます。
「アクセントが単語の真ん中に来る」というのは、accent を「アカ”セ”ンテ」と発音したのがまさにそれなんでしょうね。
最後に母音がつくのは、「日本人以上」ですか。確かに、マックィーンの話すイタリア語は、最後に -o ばっかりついてますよね。solo mio もそうだし、stoppo, comprendo も全部、彼の口はきっちり「すぼまって」いました(笑)。
余談だけど、日本のアニメってしゃべってる時はただ口を開けたり閉めたりしているだけだけど、アメリカのアニメはセリフに合った口の動きをするんですよね。カーズはCGだから、それが余計に顕著で、口の動きがとてもリアルでした。
Luigi について。
「話の持って行き方というか、情熱的なところがステレオタイプなイタリアンという設定になってるんだと思います」
というのはまさにその通りですね。
セリフが大袈裟なんだもん(笑)。
I must scream it to the world!
My excitement from the top of someplace very high!
(日本語吹替えでは、「大声で叫びたいよ! 高い山のてっぺんから!」)
とすぐに盛り上がるのですが、フェラーリはよく知らない、というマックィーンに、
Luigi follow only the Ferraris. (フェラーリしか興味ない。)
と言って、去って行っちゃうんですよね。
確かにステレオタイプだ。みんながみんな、こんな人ばかりじゃないでしょう、って(笑)。
ジョーイのセリフですが、一人称代名詞の I は、英語の普通の I の発音 [ai] と同じようでした。そこに下手っぴ具合が出てるということなんですね? can と accent だけ、妙にイタリア語っぽくして、その一部だけ「とってつけたように」なっているのが、おかしい、ということなのでしょう。
アルゼンチン訛り…って想像もつきませんね。うらやましいなぁ、いろんなアクセントの言葉が聞けて(笑)。お国訛りの英語がいろいろ区別できるようになったら楽しいですよね。
毎回、勉強させていただいています。
このシーンの最後で、ロスがランボーもどきで、撃たれて死ぬっていうシーン、笑えました・・・
実際こういうの男の子大好きなんですよね。ボクも大人にやってもやっていましたけっこう・・・(笑)
コメントありがとうございます。拙ブログで勉強して下さっていること、本当に光栄に思います。
わざわざ廊下まで出てきてやっているのが面白いですね。撃たれた音までリアルに真似しちゃって^^ うちの上の子が男の子なので、「こういうの男の子大好き」っていうの、非常によくわかります(^^)