2007年07月07日

ビリーバブル フレンズ3-4その26

[Scene: Central Perk, Joey and Phoebe are there]
セントラルパーク。ジョーイとフィービーがいる。
フィービー: Okay, so we got some more good rejections, lots of stuff to work on. (よし、それじゃあ、またいくつか「良い拒絶」をもらったわよ。取り組むべき材料がたくさんあるわ。)
ジョーイ: Okay, shoot. (わかった、話して。)
フィービー: Okay, um, oh, the zoo commercial. (わかった。例の動物園のCM。)
ジョーイ: I didn't get it? (それ、ゲットできなかったの?)
フィービー: No. They said you "weren't believable as a human being." So you can work on that. (ダメだったわ。担当者が言うには、あなたは「人間として believable ではない[なかった]。」って。だから、そのことについて励めばいいわね。)

rejection 「拒絶」とは、オーディションで落とされたことを指すわけですから、それが good であるはずはないのですが、フレンズ3-4その23 でジョーイが言っていたように、その落ちた理由をはっきり聞くことで自分の欠点・弱点がわかり、それを克服しようと努力することができるわけですね。
だから、ジョーイにとっては「役に立つ、ありがたい」という意味で、good と言っているわけです。

believable は文字通り「信じられる」という意味から「信用できる」という意味にもなるようで、a believable politician なら「信用できる政治家」になります。

それに否定を表す接頭語 un- がついた unbelievable は、日本語でも、アンビリーバブル(アンビリーバボー)という風にカタカナ表記され、「信じられない」という意味として有名ですよね。
悪い意味だけではなくて、「信じられないほどすごい、素晴らしい、驚くべき」という良い意味でも使います。
ロングマン現代英英辞典では、
unbelievable:
1. very good, successful, or impressive (synonym: amazing)
2. very bad or shocking (synonym: terrible)


今回のセリフでは、そのオーディションの担当者たちが、"Joey isn't (or wasn't) believable as a human being." と言った、ということですね。

これがもし、"You are (or were) unbelievable!" と言ったのだとしたらどうでしょう。
上にも書いたように、unbelievable には良い意味と悪い意味の両方があって、その時の口調でどちらの意味にも取れますが、オーディションの感想として聞くと、普通は「信じられないほど素晴らしい。」という誉め言葉に聞こえる気がします。
今回のセリフは、unbelievable と言わずに、not believable を使っているのがポイントでしょうか?

ここの解釈は、私もあまり自信がないのですが…。
「君は believable ではない」、それも、as a human being がついているので、「人間として信じられない、信用できない」ということになるのかな、と思います。
ジョーイの人間性、というか、何かまたトンチンカンなことをして、演技うんぬんよりも他の部分で担当者をあきれさせた、ということなのかと思うのですが…。

このCMは動物園のCMなので、「信じられないほど”素晴らしい”動物園、信じられないほど珍しい動物がいる動物園」のようなキャッチフレーズを使っているのかもしれません。
わざわざ as a human being がついているのは、そういう「信じられないほど素晴らしい動物たち」に対して、という意味で、対照的に使っているのかな、と思います。

これが、They said you "were unbelievable as a human being." だったとしたら、信じられないほど素晴らしい動物たちに対して、ジョーイは「人間として、信じられないほど”とんでもない”ヤツだった」という解釈も可能ですね。
動物園のCMに登場するのに、「人間としての一定の基準を満たしていない」みたいな感じに聞こえなくもないです。

ただ、unbelievable と not believable では少しニュアンスが異なると思うので、weren't believable を were unbelievable とは言い換えられない気がするのです。
私の受けたイメージでは、unbelievable という誉め言葉に使われる表現を言い換えた not believable を使って、「信用できない」とけなしているセリフなのかなぁ、と思うのですが、どうでしょう?
(我ながら、わかりにくい説明で申し訳ありません。)

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posted by Rach at 09:08| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちわ。

実際に見ていないのではっきりとは分からないですが。人間としての基準を満たしていない、の方じゃないかなと思います。
「人間としてほんものらしくない」って感じですかね。
かわいそうなジョーイ。。。。。
Posted by YN at 2007年07月07日 20:48
YNさんへ
上に「人間としての基準を満たしていない」という解釈を書いた時は、were unbelievable = were terrible のイメージからそう書いたのですが、weren't believable as a human being でも、人間として必要な believable の基準を満たしていない、という意味になりますね。「not ... as 名詞」の形が、「(名詞)として、(十分に)…でない」というニュアンスになりますよね。

ロングマン現代英英辞典では、
believable: something that is believable can be believed because it seems possible, likely, or real
つまり、「believable なものは、可能性がある、または本物のように見えるので、信じられる」

この real の感じが、YNさんのおっしゃる「ほんものらしい」という感じなんでしょうね?

今、気付いたのですが、このセリフの面白いところは、その後に、So you can work on that. と言っている部分でしょうか。そんな人間として根本的な欠点(?)を指摘されているのに、それについて努力すればいい、と言っても、一体どうやればいいんだよ、って感じですよね。
イタリアンアクセントは勉強すれば上手になるかもしれませんが、この人間として believable かどうか、について、簡単そうに、"you can work on that." と助言しているのが面白い、ということかな、と思いました。
Posted by Rach at 2007年07月08日 10:52
こんにちは

端的に言うと、動物園を背景にしたジョーイは「ヒト」に見えないということだと思います。
Posted by mq at 2018年07月28日 12:58
mqさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
動物園のCMに「ヒト」として出ているのに、他の動物たちと同じレベルで見分けがつかない、みたいな感じでしょうか?
「ヒトとして信じられるものとは言えない」→「ヒトには(到底)見えない」ということになり、「ヒトの役なのに、ヒトっぽく見えないからボツ」みたいなひどい理由で断られたという面白さ、ということなのでしょうね。

貴重なご意見ありがとうございました。
Posted by Rach at 2018年07月29日 22:57
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