ジョーイ: Okay, what else? (わかった、他には?)
フィービー: Um, the off-Broadway play people said that you were "pretty but dumb." (あぁ、オフ・ブロードウェイのお芝居の担当者たちは、ジョーイは「pretty だけど dumb だ(かわいいけど、おバカだ)」って言ってた。)
ジョーイ: Oh. (おぉ。)
フィービー: Oh no wait, I'm sorry. That's "pretty dumb." (あぁ、違う、待って。ごめんなさい。今のは、"pretty dumb"(かなりバカ)だった。)
pretty は日本語でプリティになっているように、形容詞で「かわいい、きれいな」という意味ですが、副詞として、形容詞や副詞を修飾すると「かなり、相当、ずいぶん、非常に」という意味になります。
この場合は、形容詞ではなく、dumb を「さらに強調する」(笑)「非常に、かなり」という意味だったのですね。
おバカと言われながらも、ルックスだけでも誉められたことを一瞬喜んだジョーイでしたが、その後の訂正の言葉は、彼にはかなりキツいものでしたね。
この pretty に関しては、日本人なら余計に聞き間違いして喜んじゃいそうですね。
今、私のこと、プリティって言った!?みたいに。
エステルのところに戻るというジョーイ
ジョーイ: Yeah, well, don't get me wrong, you're a better agent than she is, but at least with her, I don't want to blow my pretty dumb brains out. (あぁ、誤解しないでくれ。フィービーはエステルより素晴らしいエージェントだよ。でも、少なくとも彼女といると、俺のこのかなりおバカな脳みそを爆破したい[吹き飛ばしたい]と思うことはないから。)
エステルは嘘ばかり言って本当のことを言ってくれないから勉強にならない、とは言うものの、あまりに正直なコメントを聞かされると、自分のバカさ加減が情けなくなってきて、今の担当者が言っていた「かなりおバカ」な脳みそをドッカーンと爆破したくなる(ピストルで自殺する、という意味も含まれてる?)と言っているのですね。
やはり pretty dumb という言葉はかなりショックだったようで、全く同じ表現を使っています。
立ち去ろうとするフィービーに、
ジョーイ: Wait a minute, did you just make all that stuff up to get out of being my agent? (ちょっと待てよ。フィービーは、俺のエージェント役を辞めるために、今のを全部でっち上げたんだな?)
フィービー: (in a coy tone) Oh, he caught me. I am so busted! ([はにかんだ、恥ずかしそうな声で] あぁ、ジョーイにわかっちゃった。もうダメね(おしまいね、大失敗ね)。)
ジョーイ: (in a really, really bad Italian accent) That's-ah what I suspected-ah. ([非常に非常にひどいイタリアン・アクセントで] 俺が予想していた通りだよ。)
make up は「(物語を)作る、でっちあげる」という意味。
フレンズ2-8その4 にも出てきました。
DVDの英語字幕では "he caught me." となっているのですが、ネットスクリプトでは "you caught me." となっています。
音声は微妙でよくわかりませんが、意味としては、you caught me. と同じで、you であるジョーイのことを、少し距離を置いて he と表現している、ということでしょうか?
You caught me. は「あなたにわかっちゃった。ばれちゃった。」ということ。
フレンズ1-5その4 にも出てきました。
bust は burst (爆発する)から変形した単語で、「…を破裂・破産・破滅させる、だめにする、(人を)逮捕する」。
その過去形を形容詞的に使った busted は「捕まえられた、やられた、破滅した」という意味になります。
ロングマン現代英英辞典では、
busted: (American English spoken informal)
[not before noun] caught doing something wrong and likely to be punished
つまり、「何か悪いことをしているのを見つかって、罰せられる可能性がある」
最後に、また例のイタリアンアクセントを使うジョーイ。
「そんなことだろうと思ってたよ。」という感じで、さもフィービーのたくらみがわかっていたかのように言っていますが、実際は最後の最後に気付いただけですよね(笑)。
最後のやり取りを聞くと、結局、ジョーイに対する数々の鋭い批判は、全部フィービーがでっちあげた(make up)ものだった、ということのようですね。
ですから、pretty dumb の話なども、実際のオーディションの担当者が言った言葉かどうかもわからないのですが、フィービーが完全にでっち上げたものだとすると、友達としてそこまで言うか?!という感じもしますし、それを言えるのがフィービーなのかもしれません。
(Rach からのお願い)
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>Oh, he caught me.
>you caught me. と同じで、you であるジョーイのことを、
>少し距離を置いて he と表現している、ということでしょうか?
そうか、こういう使い方あるんですね〜
よく本を読んでいて、こういう距離を置いた言い方出てくる気がします。2人しかいない場面で、いきなりhe/sheとか出てきて、一体誰の事?って思うことがよくあるんですが、この説明を読んだ後、なるほど!って思いました。英文と接する機会(量)がまだまだ少ないなぁと感じた瞬間でした! ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
you なのに he/she で表現している、という場面に遭遇することありますよね。こういうものはなかなか文法書で説明しにくい部分であって、実際のドラマの流れを見ながらでないと、雰囲気も掴みにくいと思います。そういうものに少しずつ馴染んでいけるのが、生きた英語の宝庫である、ドラマで学ぶ楽しみであり、効果ですよね(^^)
こちらこそ、私の説明に、なるほど!と思っていただけて嬉しいです。ありがとうございました!