(phone rings) 電話が鳴る。
チャンドラー: (answering phone) Hello. Hi, Janice! Can you hold on for a second? Okay. (to Monica and Rachel) Okay, what do I do? ([電話に出る] はい、ジャニス! ちょっと待ってくれる? [モニカとレイチェルに] さぁ、どうしよう?)
レイチェル: Shhh...I don't know, this is totally unprecedented. (どうしたらいいかわからないわ。こんなこと、全く前例がないもの。)
モニカ: If-if-if we ever did what you did, a man would never call. (もし私たち(女性)があなたがやったことをしたとしたら、男は絶対に電話してこないわ。)
レイチェル: Yeah. (そうよ。)
チャンドラー: Hello! (なぁ、どうしたらいいんだよ!)
モニカ: Oh wait, you know what, I got it, I got it, pretend like you just woke up, okay, that will throw her off. Be sleepy! (あぁ、待って。ほら、わかったわ。今起きたばかりだってふりをするのよ。それで彼女をまく[混乱させる]ことができるわ。眠たそうにして!)
レイチェル: Yes! And grumpy! (そうよ! それから、不機嫌にして!)
チャンドラー: What are you...? Stop naming dwarfs! (on phone) Hello, Janice. Hi, I'm so glad that you called, I know I've been acting really weird lately. And, it's just because I'm crazy about you, and I just got...stupid, and, and scared, and....stupid a couple of more times. I'm sorry. (listens) Really?! (listens) Really?! (君らは何を… 小人の名前を挙げるのはやめろ! [電話で]はい、ジャニス。君が電話してきてくれて嬉しいよ。最近の俺は妙な行動してるって自分でもわかってる。それはただ、君のことが大好きだからだ。それでバカなことをして、怖くて、でまた何度もバカなことをした。ごめんよ。[電話を聞きながら]ほんとに? ほんとに?)
レイチェル: He's soo lucky. If Janice were a guy, she'd be sleeping with somebody else by now. (チャンドラーはものすごーくラッキーね。もしジャニスが男なら、今頃は他の人と寝てるところよ。)
チャンドラー: (on phone) I love you too. (俺も愛してるよ。)
モニカ: Aw, it's soo unfair! (they both start digging into the 'good' ice cream) (あぁもう、なんて不公平なの!)
二人は”とっておきの”アイスクリームをつつき始める。
unprecedented は「先例・前例のない、空前の、前代未聞の、かつてない」。
precedent は名詞で「先例、慣例」、形容詞で「先行する」という意味になります。
precede は「…の先に立つ、…を先導する」、the preceding page だと「前のページ」ですね。
throw off は「(人を)迷わせる、うろたえさせる、(追跡者・追っ手を)まく」
ロングマン現代英英辞典では、
throw somebody/something off (phrasal verb):
2. to get free from something that has been limiting your freedom
4. to escape from someone or something that is chasing you
つまり、2. は「自分の自由を制限している何かから自由になること」、4. は「自分を追いかけてくる誰かや何かから逃げること」。
grumpy は「気難しい、不機嫌な」。
この会話では、"Be sleepy!" "And grumpy!" "Stop naming dwarfs!" というのが一つのジョークになっています。
dwarf は「小人(こびと)」。
ここで、チャンドラーが言っているのは、「白雪姫と七人の小人(Snow White and the Seven Dwarfs)」の小人のことですね。
Wikipedia 英語版: Snow White and the Seven Dwarfs (1937 film)
Wikipedia 日本語版: 白雪姫 (アニメ映画)
英語版ウィキペディアの Characters という項目に、Grumpy も Sleepy も載っていますね。
日本語版ウィキペディアには、7人の小人さんの日本語名も載っています。
今回出てきた Grumpy は「おこりんぼ」、Sleepy は「ねぼすけ」という名前です。
ウィキペディアにはその小人さんの写真が載っていないので、ちょっと探してみました。
楽天市場 木彫り調フィギュア グランピー ディズニー・トラディション
このグランピー、ものすごーく不機嫌な顔をしています(笑)。
楽天市場 木彫り調フィギュア 七人の小人 ディズニー・トラディション
上のサイトでは7人が揃っていて、左から4番目がスリーピー、右から2番目がグランピーですね。
起きぬけで、まだ頭がはっきりしていないふりをすれば、ジャニスもこれじゃ話にならないわ、と電話を切ってしまうだろう、と二人は考えたのですね。
それで、寝起きの典型的な状態である、sleepy で grumpy な状態になれ、と言ったのですが、それがまさにそういう性質・性格の小人の名前でもあったので、スリーピーとか、グランピーとか、次々と小人の名前を挙げるのはやめてくれ、と言っているのです。
タカアンドトシ風に言うと、「(スリーピー、グランピーって、俺は)白雪姫の小人か!」という感じですね。
モニカとレイチェルは心配して慰めてあげていたのに、ジャニスの方から電話してくる、というあり得ない展開になって、またラブラブ状態に戻ったチャンドラー。
unfair だと言いたくなる気持ちもわかります。
アイスクリームを食べる時って、結構固いですから、スプーンで掘る、または、ほじくるようにして食べますよね。
それを dig into と表現しているのが面白いな、と思いました。
固い土を掘ってるのと似た感覚ですよね。
結局、チャンドラーではなく、モニカとレイチェルの二人が上等のアイスクリームを食べることになってしまったんですね。
(Rach からのお願い)
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Stop naming dwarfs! 何で dwarf は dwarfs になるけど、elf は elves になるんですか。不思議ですね。(o.O)
プロポーズをするつもりでした、そうとは知らずに相手の女性は「ケーキの中に婚約指輪を入れて
プロポーズするなんて男のセンスを疑うわ」みたいなことをいわれたら男性は出鼻をくじかれるというか、気勢をそがれますよね。女性の台詞が男性の意気込みをthrow off させます。体験ではありません、フレンズの中の話でありました。You are throwing me off.ちょっと黙ってて大事なところだから。
話を戻して申し訳ないのでスが、前々回フィービーとジョーイの台詞ですがジョーイが勝手にフィービーのエージェントをやめるための作戦(実際は本当の伝言だった)と思いこんだ事をフィービーはお互いの利益になると考えてジョーイの勘違いを黙って受け入れたということではないでしょうか? フィービーのはにかんだ台詞、ジョーイ自慢げでひどいアクセントがそのことを物語っていると思うのですが。フィービーのジョーイ対する優しさでフィービーはこざかしい嘘はつかないと思います。
そうですね。日本の場合でもそうですが、やはりコメディは面白おかしく作ってあるので、現実の人間関係とは違った感じに描かれているのでしょうね。
でもやはりアメリカ人の世界観みたいなものを垣間見ることができたりして、日本人にとってはいろいろと学ぶことが多いです。(もちろん、「これがアメリカ人の姿そのものだ!」と思ってしまってはいけないと思いますが…笑)
dwarf の複数形については、ロングマン現代英英辞典に、
(plural) dwarfs or dwarves
と書いてあります。
DVDの英語字幕では、記事に書いたように dwarfs になっているのですが、
The One Without A Name... Yet: Scripts 3-4
http://www.geocities.com/Hollywood/9151/304.htm
のネットスクリプトでは、
stop naming dwarves!
と書いてありました。
私が学校で複数形を学んだ時は、knife → knives, wolf → wolves のように習いました。ですから、私の感覚としては dwarves の方が自然な感じがします。ネットスクリプトを書いた人も、dwarves の方が自然だったのでしょうね?
特に、elf 「小妖精」と dwarf とはキャラクター的にも似ていますし(笑)、どうして、elfs はダメなのに、dwarfs はOKなのでしょう?? 確かに大きな謎ですね(笑)。
「ケーキの中に指輪」の話は、フレンズでは 10-5 に出てきますね。ネタバレ(spoiler)になるといけないので詳しく書けないのが残念なのですが、このエピソードでは他のプロポーズの方法も出てきますね。
実は、アリー my Love(Ally McBeal)の 4-22 でも「ケーキの中に指輪」の話が出てきます。そのエピソードでも、そういうプロポーズを女性はどんなイメージで見ているか、などの話が出てきて興味深いです。
もしこのブログの解説が 10-5 まで続いていたら、そのアリーのエピソードと合わせて説明したいと思います(←マジかよ…笑)
throw off という言葉は「投げて」「離す」という感じで、「振り払う」とか「相手を遠くにやってしまう」ニュアンスが感じられますね。throw という動詞を使っていることで、「乱暴に、ぶっきらぼうに、勢いよく」突き放す感じが出るのでしょうか?
前々回の
フレンズ3-4その27
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470870.html
についてですが、catchさんのおっしゃる通りですね。
ジョーイが「勝手に誤解」して、どうだ、おれの推理はすごいだろう、と勝ち誇ったように自慢しているわけですが、そこでまた懲りずにひどいイタリアンアクセントを使っているのが面白い、ということなんですね。
そうやって誤解してくれていれば、そのひどい拒絶の言葉にジョーイがショックを受ける必要もないし、フィービーはエージェントを辞めることができる、もうこれ以上ジョーイの悲しむ顔を見ないで済む…ということですね。
どうして、(in a coy tone) 「はにかんだ、恥ずかしそうな声で」というト書きがわざわざ書いてあるんだろうなぁ?とはちょっと疑問に思ったんですが、その深い意味には思い至りませんでした。
本心からそういう顔をしたのではなく、「あ、気付かれちゃった? ばれちゃった?」という顔を”わざと”演じていた、ということですね。だから、その後のセリフが "Oh, he caught me. I am so busted!" と少々大袈裟な表現になっている、ということでしょうか?
その記事中で、he caught me. か you caught me. のどちらか?について語っていますが、もし he と言っていたとすると、「ここにいるジョーイ・トリビアーニくんが、私の魂胆に気付いちゃった。」みたいな感じになって、ジョーイという人の「すごさ・鋭さ」を強調するように聞こえるとか?(この辺りはよくわかりませんが)
ご指摘通り、フィービーはそんな「こざかしい嘘」はつきませんよね。フィービーはトンチンカンなことはよくやりますが、基本的にはいつも相手のためを思って一生懸命ですから。フィービーが全部でっちあげたにしては、その落とされた理由の数々があまりにも辛辣で面白すぎる(笑)と思っていたんですよ。
pretty dumb に関しては、フィービーがそれを本当に、pretty but dumb だと読み間違えた、ということで、読み間違えてしまったために、ぬか喜びさせてしまい、結局余計にジョーイを落ち込ませることになってしまった、というのが面白いわけでしょうね。
私もまだまだ修行が足りませんね(笑)。ご指摘ありがとうございました。
「わざとらしい気持ちの入ってない台詞」という説明はわかりやすいですね。言葉だけ大袈裟で、びっくりしてみせている、ということですね?
そうやってジョーイを子供扱いしているのに、ジョーイはそのことに気付かず、得意気に当てたことを自慢しているのが面白い、ということなんでしょうねぇ。