2007年07月11日

too bad フレンズ3-4その30

[Scene: Monica and Rachel's, Carol and Susan are picking up Ben, while Monica is pouring chocolate syrup, lots of it, into her ice cream.]
モニカとレイチェルの部屋。キャロルとスーザンはベンを迎えに来ている。一方、モニカはチョコレートシロップを、それもたくさん、アイスクリームにかけている。
キャロル: G.I. Joe? G.I. Joe?! (G.I.ジョー? G.I.ジョーですって?)
ロス: Hey, I don't know what to tell you guys. That's the doll he chose. (ねぇ、君たちに何て言えばいいかわからないけど。それはベンが選んだ人形なんだよ。)
スーザン: What'd you do, dip it in sugar? (何をしたの? 砂糖につけた?)
ロス: Look, G.I. Joe's in, Barbie's out. And if you guys can't deal with it, that's just your too bad. (ねぇ、(ベンにとっては)G.I.ジョーがブームで、バービーは流行遅れになったのさ。そして、もし君たちがそれに上手く対応できないっていうのなら、それは君たちが言うところの、"too bad" って感じだね。)

僕が押し付けたんじゃなくて、ベンが自分でG.I.ジョーを選んだ、というロス。
フレンズ3-4その7 で、どうしてベンがバービー人形を持っているのか尋ねたロスに、
キャロル: He picked it out of the toy store himself, he loves it. (おもちゃ屋さんで自分でそれを選んだのよ、それが大好きなの。)
と答えていましたね。
前にそう言われたので、こっちだってそうさ、と言いたいようです。
「何か細工でもしたの?」と言いたげに、「砂糖に漬け込んだ? 砂糖にまぶした?」みたいなことを尋ねているのがおかしいですね。

in や out にはいろんな意味がありますね。
ここでは、in 「流行している、はやっている」、out 「流行遅れになっている、廃れている」が一番近いでしょうか。
ロングマン現代英英辞典では、
in (adjective): (informal) fashionable
out (adjective): no longer fashionable

とあります。

この in, out のイメージは、「入る、出る」のイメージと同じで、「G.I.ジョーが登場し、バービーは去った。」というニュアンスなのでしょうね。
実際にロスのジェスチャーを見てみると、人差し指を外から中に動かして in、 親指で外側を示しながら out と言っています。
日本語で「流行している、登場している」などとはっきり限定してしまうと、却ってその言葉のイメージを狭めることになってしまうような気がします。
G.I. Joe's in, Barbie's out. のように、be 動詞と in, out だけを使ってシンプルに表現しているところが、とても英語っぽくていいな、と思うのですが…。
こういうのは、なかなか日本人にはすっと出てこない表現ですよね。


that's just your too bad. について。
too bad は「お気の毒な、残念な」。
"That's too bad." 「それは残念だね。お気の毒に。」と「同情」を示す意味でよく使われます。

ロングマン現代英英辞典には以下のように書いてあります。
too bad: (spoken)
a) used to say that you do not care that something bad happens to someone
例) 'I'm going to be late now!' 'Too bad, you should have gotten up earlier.'
b) used to say that you are sorry that something bad has happened to someone
例) It's too bad that you couldn't come to the party last night.

a. は「誰かに悪いことが起こるのを気にしないことを言うのに使われる」
例文は、「もう遅刻しちゃうよ!」「それはいけないな、もっと早く起きるべきだったのに。」
b. は「誰かに悪いことが起こったことについて同情していることを言うのに使われる」
例文は、「昨夜、パーティーに来られなかったのは残念だね。」

b. は上で書いた「同情を示す」意味ですが、a. は少しニュアンスが違いますね。
同情するというよりは、「それはいけないな」「そりゃいかんな」とその起こった事実が相手にとって都合の悪いことだと認めつつ、他人事のように距離を置いている感じ、でしょうか。

ここで改めて、ロスのセリフ that's just your too bad. について考えてみます。
一見、your が入っているのがちょっと変な感じで、ネイティブの方でも、you're を your と間違って書くということがたまにあることから、you're too bad の誤植の可能性も考えたのですが、your はやはり所有格のようですね。
ネットスクリプトでは、that's your 'too bad.' と書いてありましたし。
つまり、too bad の前に所有格の your がついていて、too bad は一種の名詞のように扱われているようです。

意味としては、「君たちがよく言う、"(That's) too bad." みたいな感じだね」ということでしょうか。
スーザンがよく口だけ同情する風で、内心は喜んでいるのが見え見えな感じで「残念だったわねぇ。」と言ったりする、というのを踏まえて言っているような気がします。
実際に、スーザンたちがそういうセリフを言っているのは確認できなかったのですが、そういうこと言いそうな雰囲気ありますよね?(笑)

もしくは「それって最低、最悪」という意味の "Too bad!" で、君たちにはもう「なんてこと、サイテーよ!」と言うしかない、文句を言うしかしょうがないね、という感じかもしれません。

ということで、「君たちには残念なことだね。」か「君たちには最悪な展開だね。」かのどちらか、でしょう(多分)。

おまけですが、
フレンズ2-19その10 で、落ち込んでいるジョーイにガンターが話しかけるシーンがありました。
ジョーイ: It's career stuff. They killed off my character on the show. (キャリアのことでね。番組で俺は死んで降板になったんだ。)
ガンター: That's too bad. How'd they do it? (それはひどいな。どうやって降ろされたんだ?)

その過去記事で、私は上のように「それはひどいな。」と訳しているのですが、実際のセリフのニュアンスはもっと同情の気持ちが出ているのでしょうね。
ここでも「残念だね。お気の毒に。」と訳した方がしっくりくるような気がします。

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posted by Rach at 11:32| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさま

10年後の投稿失礼します(笑)

ロスのセリフの
I don't know what to tell you.

というところで
what to tell


what (I have) to tell

みたいに考えていいのでしょうか?

what to tell って文法的にも
よくわからなかったので・・・

よろしくお願いいたします。

Posted by katuo at 2017年03月10日 13:34
katuoさんへ
コメントありがとうございます。10年前の記事にもこうしてコメントいただけることは本当に嬉しいです(^^)

ではさっそくご質問について。
I don't know what to tell you guys. の what to tell は、I don't know what to do. などの what to+動詞、と同じニュアンスですね。
I don't know what to do. なら「どうしていいかわからない」で、直訳すると「何をするべきかわからない」ということになります。
今回のセリフは、do の代わりに、tell (you guys) が使われている形で、「君たちに何を言うべきかわからない」という意味になります。
文法的に言うと「疑問詞+ to不定詞」の形で、この to不定詞は「〜すべき」というニュアンスですね。

ご質問をいただいて改めて思ったのですが、I don't know what to tell you. のような形はあまり見かけないですね。ブログの記事で検索してみましたが、このセリフとあともう一つくらいしかヒットしませんでした。
「何と言うべきかわからない、何と言ったらいいかわからない」という意味では、圧倒的に
I don't know what to say. のような say を使った形が多かったです。

tell はもっぱら「人に告げる」という意味の他動詞で目的語と共に使われるため、今回も tell の後に目的語がついていたせいで、what to do と同じ形式であることがわかりにくかったかもしれませんね(^^)
Posted by Rach at 2017年03月10日 15:48
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