2007年07月30日

ひたすら溶かす フレンズ3-5その18

[Scene: Phoebe's, Frank is melting a plastic spoon.]
フィービーの部屋。フランクはプラスティックのスプーンを溶かしている。
フィービー: Okay. So by "melting" you meant melting. (なるほど。それじゃあ、あなたが言ってた「溶かす」っていうのは、本当に「溶かす」ことだったのね。)
フランク: Yeah. (あぁ。)
フィービー: So is it, like, art? (それで、それは、ほら、芸術(アート)みたいなものなの?)
フランク: Yeah, you can melt art. Hey, can I use your phone? (あぁ、アートも溶かせるよ。ねぇ、電話借りていい?)
フィービー: Um, yeah sure. Why you wanna call your mom? (あぁ、いいわよもちろん。どうして? ママに電話したいの?)
フランク: No, I wanna melt it. (違うよ。電話を溶かしたいんだ。)
フィービー: Oh, well, um, not right now. Y'know I'm just gonna go to bed, I think the fumes are giving me a headache. So... (あぁ、今はダメね。私はこれからベッドに入るわ。その臭気[発煙、煙]のせいで頭痛がするのよ、だから…)
フランク: (starts laughing) Yeah! ([(溶かすのが楽しくて)笑い出す] あぁ!)
フィービー: Good night, "bro." (おやすみ、弟くん。)
フランク: Good night. (おやすみ。)
フィービー: Here. (gives him a fire extinguisher) Y'know, just in case. (これ。[フランクに消火器を渡す] ほら、念のために。)
フランク: Oh, excellent! (starts to melt the fire extinguisher's hose.) (おぉ、最高! [(フィービーが去った後)消火器のホースを燃やし始める])

フレンズ3-5その14 で、
フィービー: So, um, what kinda things do you like to do at home? (それで、あなたは家でどんなことをするのが好きなの?)
フランク: Melt stuff. (ものを溶かす。)
というやり取りがありました。
その Melt stuff. の意味がここで明らかになったわけですね(笑)。
melt stuff というのは、何かの比喩などの可能性もあったわけです。
はんだを溶かすなどの作業だったらまだ意味のあることなのですが、本当にただ物体を溶かす、という行為が好き、ということを今目の当たりにして、「あなたの言ってたことは、やっぱりこのことだったのね。」と改めて驚いているのですね。

ここのやり取りのトンチンカン具合も相変わらず面白いですね。
何となく前衛芸術のオブジェになりそうな感じなので、アートみたいなものか?と聞くと、「アートでも溶かせる」と返してくるし…(笑)。
電話を使って何をするのかと思ったら、その電話は「溶かす対象物」だったという…。
さすがのフィービーも電話を渡すまいとするのがおかしいですね。
何だかフィービーがとってもまともな人に見えてきます。

フィービーはその溶かすときに発生する臭い(におい)がきついから…とさりげなくそれをやめて欲しいと”匂わす”のですが(笑)、全くフランクには伝わっていないようです。
本当に「溶かす」のが好きみたいで、エキサイトしていて人の言ってることなど聞いてないという感じです。
彼自身がそのヘンな臭いのせいで、ちょっとラリったような状態になっているということなんでしょうね。
火を使うだけではなく、そういう意味でもこの遊びはかなり「危ない」です。

bro は brother の略で「兄弟」ということですね。
フランクをブロウと呼ぶのがちょっと嬉しそうなフィービーです。

extinguish は「(火・光などを)消す」。
fire extinguisher は「消火器」ですね。
日本に置いてある赤い消火器にも、英語でそう書いてあるので、この単語には、なじみのある人も多いかもしれません。

just in case は「念のため、もしもの場合に備えて、万一…の場合には、もし…があるといけないので」という意味。
just in case の後に文章が続くと、「(その文章の内容が)起こるといけないので」という意味になります。
また今回のように、ただ、just in case とだけ言う、またはそれだけを文末に置くと、「万一に備えて」という意味になり、その「万一の場合」の内容はあえて言わなくてもわかりきっている場合に使いますね。
この場合は、フランクが火を使っているので、「火事になると危ないから」消火器を「万一のために」置いておくわ、と言っているのです。
あえて言うとすれば、"just in case a fire breaks out" とか、"just in case you cause a fire" と言ったところでしょうね。
just in case+S+V の形は、フレンズ2-12その4 に出てきました。

hose は「ホース」ですが、発音は「ホーズ」と濁ります。
パンストのことは、panty hose と言いますね。
それにしても、消火器のホースを燃やしたりするって、ものすごく危険なんじゃ…?(笑)。

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posted by Rach at 08:47| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回も英語の質問ではありませんが、、、
大西先生の情報です!
日曜日、久しぶりに大西節を堪能できました。

鴻上さんこそいないものの 泰斗&クリス の黄金コンビの復活でした。
やはり、この2人  エンターティナーです。
もちろん御両人 立派な教授ですが、人の心に言葉を届けるプロという意味では教育者も
エンターティナーも同じです。

本当は昨日お知らせするべきでしたが 忘れてしまいました。
が、まだ一日残っているので ご報告まで。

出張!ハートで感じる英語塾

放  送: 7月29日(日) 教育テレビ 午後11時〜11時40分(第1回&第2回)
再放送: 7月30日(月) 教育テレビ 午後3時〜3時20分(第1回)
      7月31日(火) 教育テレビ 午後3時〜3時20分(第2回)

詳しくはこちら
http://www.nhk.or.jp/gogaku/english/3monthnew/popup.html

なお、これは番宣ぽい番組で2回のみらしいのですが
10月からは本格的に毎週木曜日に『新3か月トピック英会話 出張!ハートで感じる英語塾』を放送する予定だそうです。
Posted by かつての読者 at 2007年07月30日 22:31
フィービー: Um, yeah sure. Why? You wanna call your mom? この台詞は弟に干渉する姉っぽい台詞になっていますが普通は不自然ですね、フランクの電話を溶かすという台詞の前振りのような気がします。just in caseについてですが、ニュアンスは最悪の事態に備えるという感じがしますが、ポジティブな意味にもなります。ラブ・アクチュアリーの最後のシーンで「just in case」という台詞は感動的でした。
I'm really persistent.(lol)
Posted by catch at 2007年07月31日 00:51
かつての読者さんへ
私も、新聞のテレビ欄を見て、大西先生の番組に気付きました。
10月からの新番組も楽しみですね。
Posted by Rach at 2007年07月31日 09:40
catchさんへ
You wanna 「あなたは…したいのね?」という表現が「干渉する姉」っぽいわけですね。can I use your phone? と聞かれて、普通は、"yeah sure." 「えぇ、どうぞ。」だけなのでしょうが、その後にわざわざ「電話したいの?」と聞き直しているのが不自然なわけですね。確かに「前振り」っぽいです。

ラブ・アクチュアリーの最後では、just in case は感動的に使われるんですね?
Every time you take Love Actually as an example, I always say, "I'd like to watch that movie if I get the chance."
Maybe, I'm the one who is really persistent. (lol)
Posted by Rach at 2007年07月31日 09:44
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