[Scene: Monica and Rachel's, Phoebe is eating breakfast with Monica while Frank is playing with num-chucks on the balcony]
モニカとレイチェルの部屋。フィービーはモニカと朝食を食べている。一方、フランクは、バルコニーでヌンチャクを操っている。
モニカ: What kind of karate is that? (あれはどんな種類の空手なの?)
フィービー: No kind. He just makes it up. (どんな種類でもないわ。フランクがただ自分で考えた[編み出した]ものよ。)
モニカ: So how's it going with you guys? (それで、あなたたち二人はどんな感じなの?)
フィービー: So far it kinda blows. I don't know, I just thought y'know that he'd feel more like a brother y'know, like you and Ross, just like close and connected and.... (今までのところは、「ダメダメ」って感じね。わからないけど、私はただこんな風に考えていたのよ。彼はただの(一人の)弟である以上のものを感じてくれるかなぁ、って。ほら、あなたとロスみたいに、すごく親しくて、繋がってて…)
モニカ: Oh honey, we're close now. But you-you wouldn't believe the years of-of noogies, and wedgies, and flying wedgies, and atomic wedgies and... (Phoebe shakes her head like she doesn't understand) That's when the waistband actually goes over your head. (まぁ、ハニー。今は私たちは(確かに)親しいわよ。でも、きっと信じられないでしょうね。「頭ぐりぐり」(ヌギー)に、「パンツ引っ張り上げ」(ウェッジー)、それがさらにすごいウェッジーになって、もっと強力なウェッジーにエスカレートして…というのを何年もやってたのよ。 [フィービーは、よくわからないという風に頭を振る] その(一番ひどい)時には、ベルト(腰回り部分)が本当に頭の上まで来てたのよ。)
フィービー: Ah!! (まぁ!)
ト書きに書いてある num-chuck(s) とは、「ヌンチャク」という、ブルース・リーが使っていた武器のことですね。
nunchaku, nunchuku などいろんな綴りがあるようです。
またその起源については、中国説、沖縄説など意見が分かれているようですね。
Wikipedia 英語版: Nunchaku
Wikipedia 日本語版: ヌンチャク では、「ヌンチャクの実演」の動画が見られます(笑)。
フレンズ3-5その10 でフランクは、"pick up some ninja stars" 「忍者スターを見つける(見つけたい)」という話をしていましたが、彼は、忍者映画とか、そこで使われるヌンチャクに興味があるようですね。
何かの「型」通りにやっているのか?と尋ねるモニカですが、フィービーの言うように、フランクは自己流の型で適当にやっているだけでしょう(笑)。
blow は「風が吹く、爆発する」ですから、it blows. は「嵐で大荒れだ、大爆発だ」みたいな感じでしょうか。
「もうドッカーン!って感じよ。」みたいに、「大失敗、うまくいってない、ダメダメ」という悪い状況を説明しているのでしょうね。
また、blow は他動詞で「(チャンスを)棒に振る・逃す、失敗する」という意味もあります。
ロングマン現代英英辞典では、
blow: LOSE AN OPPORTUNITY
[transitive] (informal) to lose a good opportunity by making a mistake or by being careless
つまり、「間違ったり、不注意であったりしたために、良い機会を逃すこと」。
ロングマンでは、こういう意味は他動詞(transitive)としてしか載っていませんが、そういうニュアンスの自動詞として it blows が「だめだ、失敗だ」みたいな意味になっている、ということかもしれません。
フレンズ1-13その2 では、パパに愛人がいることを知ったジョーイが、その二重生活をまるでスパイであるかのように例えた後、
ジョーイ: That'd be cool! This blows. (もしパパがそんな風にスパイだったら、かっこいいな。こんなふうに「愛人がいた」っていうのは最低だ。)
というセリフもありました。
ちなみに、フレンズ3-4その27 に、
フィービー: I am so busted! (もうダメね(おしまいね、大失敗ね)。)
というセリフがありましたが、この bust と、この blow という単語のイメージが似ているような気がします。
So far it kinda blows. という表現は、So far so good. 「これまでのところは順調だ。」という決まり文句に対して、so good の全く反対だ、と言いたいわけですね。
he'd feel more like a brother. について。
feel like A は「(主語が自分を)Aであるように感じる、Aのような気がする」ということ。
この feel like は、feel as if... 「まるで…のような気がする」と同じニュアンスになるようです。
つまり、
he feels like a brother = he feels as if he was a brother
ということになるのでしょう(多分)。
そしてセリフは、feel more like と more が入っているのですが、この more のニュアンスは、「"a brother" 以上の何か」のように感じてくれるかなぁ、と期待していた、彼がただの血の繋がった一人の兄弟としてではなく、もっと何か口では言えないような深い絆を感じてくれるのを期待していた、ということなのかな?と思います。
ロスとモニカみたいに、と言っているのは、ロスとモニカがお互いのことをよくわかっていて、そういう絆みたいなものが感じられたらいいのにな、ということなのでしょう。
ヌギーズ&ウェッジーズ(noogies and wedgies)について。
まず noogies (noogie) から。
発音は、「ヌジー(ズ)」ではなくて「ヌギー(ズ)」のようです。
Merriam-Webster Online Dictionary には、
noogie
Etymology: origin unknown
: the act of rubbing one's knuckles on a person's head so as to produce a mildly painful sensation
つまり、「緩やかに痛い感覚を生み出すため、指の関節を人の頭にこすりつける行為。」
要は、「人の頭にこぶしをグリグリすること」ですね。
よく「クレヨンしんちゃん」で、お母さんのみさえさんがしんちゃんの頭をグリグリやってますが、あんな感じでしょうか?(笑)。
ガツン!と殴られるような衝撃はないけれど、そうやってギリギリ、グリグリされるのも、結構痛いですよねぇ。
次に、wedgies (wedgie) について。
フレンズ2-20その10 で大変詳しく(笑)解説しています。
「相手のお尻にパンツを食い込ませる」という、いたずらのことですね。
モニカは、その wedgies がどんどんエスカレートしていくさまを、flying wedgies, atomic wedgies... と表現しています。
この flying にどういうニュアンスがあるのかよくわからないのですが、flying bomb という言葉があるようです。
意味は「飛行爆弾」。
ですから、flying bomb 級のものが、atomic bomb 級のものに発展した、という意味で使っているのかな、と思います。
パンツを上げて、というのですが、そのウエストが頭の上まで上がってた、と言っています。
随分思いっきり引っ張り上げていた、ということになりますね。
男女間の喧嘩なのに、なんと激しいこと(笑)。
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I thought (that) he'd (you'd, I'd)... は「希望的観測」だ、というのはよくわかります。その後に but が続かなくても、「そんな風に思っていたけど、実際は思っていた通りではなかった、思っていた通りにはならなかった。」というニュアンスが、その thought という過去形に出ますよね。
私は feel more like の more にどうも引っかかってしまって、「(一人の)弟である”以上のもの”を感じる」ことをフィービーが期待したように訳してしまいましたが、catchさんの解釈では、血の繋がった兄弟とは思えないほど全くチグハグで、何ら血縁を感じることがない、ということになるのですね?
そう思ってもう一度DVDを見返して、フィービーのセリフを聞いてみたら、
he'd feel more 「もっと感じてくれる」、like a brother 「一人の弟が感じるように」
というニュアンスになるのかな、と考えを改めました。
その後に like you and Ross と挙げているように、モニカやロスがお互いのことを思っているように、フランクが一人の弟として、姉である私のことをもっと思ってくれる、何かを感じてくれる、という意味の feel more を期待した、という感じでしょうか?
今の状態では、私に対して何の感情も抱いていない、のを痛切に感じる、ということですね?
例文として挙げていただいた never の入った文章だと、「兄弟だ!なんて、絶対に感じてくれることはないだろうと思ってたのに…」、予想外に感じてくれた、というニュアンスになるのでしょうね?
英語の動詞の過去形はややこしいですが、過去形で書くことで「現在は違う」ということを示唆する場合も多く、そういうニュアンスが英語から読み取れるようになったら英語により近づけた気がしますよね。
先日、とある本屋で「シットコムで笑え!」を見かけたので、手にとって見ました(って見ただけ!?)。
遅ればせながら、出版おめでとうございます。たくさん売れるといいですね。
さて、辞書は英辞郎を使っている私ですが、blowに以下のような意味がありました。
〈俗〉(事態などが)非常に嫌だ 【同】suck
suck=「吸う」、blow=「吹く」と反対の言葉で、同じ「嫌だ」という意味に使われるのですね。
先にsuckがありきで、反対語のblowもそのような意味になったのかも?
コメントありがとうございます。
近所に桜のきれいなところがあり、家族で行って、写真をパチパチ撮ってきました。
拙著を手にとっていただけたとのこと、ありがとうございます! また、お祝いコメントもありがとうございます! そうですね、多くの方に読んでいただけるととっても嬉しいです!
私のパソコンに入っている英辞郎は最新版ではなくて、rereさんの書いて下さった語義が載っていないのですが、「英辞郎 on the WEB」で調べると、確かにその語義が載っていました。
suck 「吸う」と、blow 「吹く」という反対語が、どちらもネガティブな意味で使われるって興味深いですね。
blow の場合は「どっかーん!」という爆発のイメージがあるので、なんとなく「ダメダメ」なニュアンスを感じるのですが、suck がどうしてそういう意味になるのかがはっきりとはわかりません。
他動詞には、「吸う」→「巻き込む、飲み込む」→「搾取する、強引に引き込む・引き入れる」→「だます」みたいな意味の変遷はあるようです。そういうネガティブなニュアンスが自動詞の「最低だ、最悪だ」という意味に繋がっているのでしょうか?
そうか、少し古い英辞郎には載ってないのですね。「blow=嫌だ」は案外新しい使い方なのかも知れませんね。
suck がそのような意味になるのは、f で始まる似たスペルの単語と関係あるかもしれません。(自信なし)
こちらこそ、お返事ありがとうございます。
私も新しい英辞郎をインストールしないといけませんね(笑)。
suck は確かに、f-word の f*ck と雰囲気が似ていますね。それの代用として使われたのかなぁ?(私も自信なし…笑)