タイルを張っているジョーイに、
モニカ: Ah-ah-ah, You started this, you will finish it! (あー、あなたがこれ(タイル張り)を始めたんだから、あなたがそれを終わらせるのよ!)
チャンドラー: He started mine first! (俺の方(ユニット作り)を、ジョーイは先に始めたんだぞ。(だから俺の方を先に終えてくれよ。))
フィービー: Build the unit, Cinderellie / Lay the tile, Cinderellie (ユニットを作って、シンデレラ。タイルを敷いて、シンデレラ。)
過去形→未来形、で、「あなたが始めた→あなたが終わらせることになるだろう」ということですね。
因果関係や理由を表す接続詞などは使われていませんが、これを並べるだけで意味はわかります。
「始めたものは終わらせないと」みたいなニュアンスです。
一方のチャンドラーは、ジョーイがユニットをなかなか完成させないし、カウチにニスを置きっぱなしにしたりするので、さっさとユニット作りにケリをつけて欲しいと思っているのですね。
そうやってモニカとチャンドラーの二人が、ジョーイに「あれをしろ、これをしろ」と命じている様子が、継母や義姉たちがシンデレラをこき使っているセリフのように聞こえる、とフィービーは言いたいわけです。
lay the tile は「タイルを敷く」。
同じような表現が、フレンズ1-5その2 に出てきました。
そこで、他動詞 lay と、自動詞 lie などの区別について説明しています。
日本でも有名な童話の「シンデレラ」は、綴りが、Cinderella です。
が、DVDの英語字幕では、上のセリフのように、Cinderellie という綴りになっていて、発音も「シンデレリ」と言っています。
また、ネットスクリプトの綴りは、Cinderelly になっています。
何で、シンデレラじゃなくてシンデレリ、なんだろう?と思ってちょっと調べてみました。
"Cinderella Cinderelly" とフレーズ検索したら、以下のサイトを見つけました。
IMDb: Memorable quotes for Cinderella (1950)
これは、1950年のディズニーのアニメ映画「シンデレラ」のスクリプトを抜粋したものです。
そこに、こんなセリフが出てきます。
Jaq(ネズミの名前): Poor Cinderelly. Ev'ry time she find a minute, that's the time when they begin it. "Cinderelly! Cinderelly!" (かわいそうなシンデレリ。シンデレリに時間ができるといつも、彼女たち[義理の姉さんたち]はそれを始めるんだ。「シンデレリ! シンデレリ!」)
Drizella, Anastasia(二人の義理の姉たち): [from downstairs] Cinderella! ([階下から] シンデレラ!)
[Jaq closes door]
Jaq: [singing] Cinderelly, Cinderelly / Night and day it's Cinderelly / Make the fire! Fix the breakfast! / Wash the dishes! Do the moppin'! (シンデレリ、シンデレリ。夜も昼もシンデレリ。火を起こして! 朝食を用意して! お皿を洗って! モップをかけて!)
Mice(ネズミたち): And the sweepin', and the dustin' / They always keep her hoppin'. (それから掃き掃除に、ホコリはたき。姉さんたちはいつも彼女を忙しくさせる。)
Jaq: She go around in circles 'till she very, very dizzy / Still they holler... (彼女はあちこち駆けずり回って、最後にはもうフラフラ。それでもまだ姉さんたちは叫ぶんだ…)
Mice: Keep-a busy, Cinderelly! (休まないで、シンデレリ!)
セリフ中に、singing とあるように、上に挙げた部分は歌になっているようです。
歌のタイトルは、The Work Song と言うらしく、以下のサイトに歌詞があります。
Lyrics On Demand: Cinderella - The Work Song Lyrics
私はこのアニメのシンデレラを、日本語版ですらちゃんと見たことがないのですが、英語版を見たことがある人なら、すぐにこの”シンデレリ”にピンと来たのかもしれませんね。
…ということで、(何故だかは知りませんが)ネズミたちはシンデレラのことを「シンデレリ」と呼んでいるようです。
このディズニーアニメ「シンデレラ」に出てくる歌をイメージして、フィービーは "Build the unit, Cinderellie / Lay the tile, Cinderellie" と歌うような節をつけて言っているのですね。
そのため、DVDの英語字幕も、「歌詞などを表すイタリック体」で表示されている、というわけです。
(Rach からのお願い)
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ディズニーアニメの字幕はアニメだということもあって正確で英語の学習にはうってつけかも。
日本人はシンデレラのイメージは美しいお姫様という感じですが、ネイティブはもともと灰かぶり姫から来てるので、魅惑的な響きがないのかも、それでネズミたちは好意的愛称になるように語尾に「i」をつけてシンデレリと言ったのでは?レイチェルがレイチになるように。英語ではもとの名前と愛称が結びつかないこともよくありますけどね
前回(フレンズ3-4)の白雪姫は、Grumpy と Sleepy の七人の小人、ですね。
ピノキオは、1-1 で出てきましたが、私は解説を飛ばしてしまいました。
ジョーイをからかって踊り歌いながら部屋を出て行ったチャンドラーが面白かった(笑)。
ピーターパンは、3-9 のセリフに Peter Pan and Tinker Bell が出てきますね? それのことかな?
子供が見ることを想定してあるアニメは、英語がブロークンではないし、汚い表現も出てこないということで、英語の学習にうってつけ、だと思います。特に昔のディズニーはいいかもしれませんね。
ディズニーアニメの名作は、こんな風に引用されることが多いので、見ておくべきだと思うのですが、残念ながら私はあまり見たことがありません。
家にある英語アニメのDVDは、Mr.インクレディブルとカーズだけ(笑)。
日本は「シンデレラ」というと、あのお姫様の姿が浮かびますが、元々の語源「灰かぶり姫」を考えると、蔑称なわけですよね。それで、シンデレリになった、というお話は大変説得力があります。
元の名前と愛称が結びつかない例ですが…
William が Will で、そこから Bill になる、くらいはわかるんですが、どうして Richard が Dick になるのかなぁ、みたいなヤツですね?(笑)