[Scene: Central Perk, Rachel is serving some guy coffee.]
セントラルパーク。レイチェルはある男性にコーヒーを給仕して[出して]いる。
レイチェル: Okay sir, um-mm, let me just see if I've got this right. Ah, so this is a half-caf, double-tall, easy hazelnut, nonfat, no foam, with whip, extra hot latte, right? (the guy nods) Okay, great. (she starts to walk away and under her breath) You freak. (ではお客様、これが(注文通り)正しいかどうか私に確認させて(下さい)。これは、カフェインが半分、エスプレットショット追加、サイズはトールで、ヘーゼルナッツ(シロップ)の追加、無脂肪乳、泡なし、ホイップクリームの追加、超熱いラテ、ですね? [その男性は頷く] あぁ、良かった。[彼女は立ち去るが声をひそめて] このフリークめ!)
この注文は、「お好みにカスタマイズ」というやつでですね。
時々、スタバ(STARBUCKS)などで、どれだけややこしい注文ができるか、ということに挑戦したりしている方もおられるようです。
私はあまりこういうオーダーに詳しくないので、近所のスタバに置いてある「スターバックスのドリンクメニュー」というリーフレット(チラシ)を参考のために貰って来ました(笑)。
ダブル、というのは「エスプレッソショットを1回追加する→合計2回にする(?)」ことのようです。
トールはサイズですね。(スタバでは 360cc )
スタバのメニューには、「 Decaffeinated Coffee ディカフェ(カフェインレス)」というのもありますが、上のセリフは half-caf なので、カフェイン半分、ということですね。
シロップの追加・変更という項目に「バニラ/ヘーゼルナッツ/キャラメル/アーモンド」と書いてありますので、easy hazelnut はシロップのことを言っているのだと思いますが、easy って何かなぁ?
ローファットミルク(低脂肪乳)やノンファットミルク(無脂肪乳)への変更も出来るのですね。
また、「ドリンクの温度調節」というのもできるそうで、extra hot というのは通常のものよりももっと熱い温度にする、ということですよね?
「こういうオーダーには私はうるさいよ!」という方は、私の説明で間違っている部分があればご指摘下さい。
(Isabella Rosselini enters)
イザベラ・ロッセリーニが入ってくる。
ロス: (to Gunther) Thank you. ([ガンターに] ありがとう。)
イザベラ: (to Gunther) A coffee to go, please. ([ガンターに] コーヒー一つを持ち帰り[テイクアウト]でお願い。)
(Ross recognises her and goes over to the couch, mouthing 'Oh, my God')
ロスは彼女を認めて、(フレンズたちがいる)カウチに向かう、声には出さず口を動かして「なんてことだ!」と言う。
ロス: Isabella Rossellini! (points to her) (イザベラ・ロッセリーニだよ!)
と彼女を指差す。
モニカ: Are you serious? (they all look) Oh, my God! (本当に? [みんなが見る] まぁ、なんてこと。)
ロス: Damn! I can't believe I took her off my list! (くそっ! 彼女をリストから外しちゃったなんて、信じられないよ。)
モニカ: Why? Because otherwise you'd go for it? (どうして? もしリストから外さなかったなら[リストに載ったままだったら]、トライするつもりだった、って言うの?)
ロス: Yeah, maybe. (あぁ、多分ね。)
レイチェル: Oh-oh, you lie. (またぁ、あなたは嘘つきね。)
ロス: You don't think I'd go up to her? (僕が彼女に近づけないと思ってるの?)
レイチェル: Ross, it took you 10 years to finally admit you liked me. (ロス、あなたが私のことを好きだと最終的に認めるのに10年もかかったのよ。)
ロス: Yeah? Well, missy, you better be glad that list is laminated. (そう? ねぇ、お嬢さん、そのリストがラミネートされていることを喜んだ方がいいね。)
レイチェル: You know what, honey? You go ahead. We'll call her an alternate. (ねぇ、ハニー。どうぞ行って来て。彼女を代役[代理、補欠]とみなす[認める]わよ。)
ロス: Okay, hold my cruller. (わかった。僕のクルーラー(ねじって揚げたドーナツ)を持ってて。)
レイチェル: Okay. (いいわ。)
モニカ: Rach, are you really gonna let him do this? (レイチェル、本当にロスにこんなことさせるつもり?)
レイチェル: Honey, he's about to go hit on Isabella Rossellini. I'm just sorry we don't got popcorn. (ハニー、ロスはイザベラ・ロッセリーニに声を掛けようと[ナンパしようと]しているところなのよ。ただただ残念だわ、ポップコーンがなくて。)
to go はファーストフード店などの決まり文句で、「持ち帰り(用)で、テイクアウトで」。
Is this to eat here or to go? 「こちらでお召し上がりですか? それともお持ち帰りですか?」というのは決まり文句ですね。
フレンズ1-14その1、フレンズ2-19その10 にも出てきました。
ロスがイザベラ・ロッセリーニを recognize (recognise) した、ということですが…。
ロングマン現代英英辞典によると、
recognize: [not in progressive] to know who someone is or what something is, because you have seen, heard, experienced, or learned about them in the past
つまり、「ある人や物について、過去に見た、聞いた、経験した、学んだなどの理由で、ある人が誰か、またはある物が何か、を知ること。」
この場合は、リストに入れようとしていたくらいですから、ロスは何度も映画で彼女を見ていて、彼女の顔や姿を知っていた、だから、本人を目の前にした時に、「あ、イザベラ・ロッセリーニだ!」と気付いた、ということです。
recognize が「分かる、認める、認識する」という意味だと知っている方は多いと思うのですが、「”どういう風に”分かるのか」が分からないと(笑)、細かいニュアンスや他の「分かる」という意味の単語との使い分けができません。
こういう単語こそ、英英辞典できちんと調べてみるべきだと思います。
あまりの驚きと、本人を目の前にして騒いではいけない、という気持ちとで、mouth しているのが笑えます。
この mouth は動詞で、ロングマン現代英英辞典によると、
mouth: [transitive] to move your lips in the same way you do when you are saying words, but without making any sound
つまり、「言葉を言う時にするのと同じように唇を動かすが、音は何も立てないこと」。
つまり、声には出さないで、口の形だけでその内容を相手に伝えようとしているのですね。
声にはならないような、こういうリアクションを、ロスは時々しますよねぇ。
go for it は「目標に向かって努力する、頑張ってやってみる」という意味。
フレンズ2-1その1 にも出てきましたが、フレンズではよく使われる表現です。
go up to は「…の所に行く、…に近寄る」。
ロスは高校生の頃からずっとレイチェルが好きだった、でも、その気持ちをはっきり伝えるのに10年もかかった、とレイチェルは言っています。
「一般人、普通の人」の私にさえ、そんな様子だったんだから、相手がセレブだったら、とてもそんな度胸はないわね、ということでしょう。
それに対してロスは、「ラミネートされている→変更できない→これが最終決定である」と説明して、イザベラは正式な候補者ではないからアタックできないよ、恋人の君としては、イザベラがリスト外だから安心だね、と言っています。
call+人+補語は「人を…と呼ぶ、称する」「人を…とみなす、考える」というニュアンスでしょうか。
または審判がコール(判定)するイメージで、「宣言する」みたいなニュアンスもあるのかもしれません。
最終のリストから外れてはいるけれど、途中で候補に挙がっていたのを私たちは知ってるから、彼女をリストの特別番外編として認めるわ、ということですね。
I'm just sorry we don't got popcorn. について。
don't の後なのに、got と過去形になっていますね。
ネットスクリプト、DVDの英語字幕、どちらも got になっていて、実際にレイチェルも「ガット」と言っていますので、本当に got で間違いないようです。
have got = have で、その have が省略されることもよくありますから、have が省略された形の have got 、つまり、got = have という意味で使われているのでしょうね。
日本の学校の英作文で don't got と書いたら、不正解にされそうですけど…(笑)。
レイチェルは、ロスがどんな風にアタックしようとするのかを観察、鑑賞しようとしています。
だから、恋人としてではなくて、一人の観客として、映画を見るみたいに、その一部始終を見届けたいと思っているのですね。
だから、映画館での必需品のポップコーンのことを言っているのでしょう。
(Rach からのお願い)
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うぷぷ…ウケてしまいました。それはジョーイさんの実体験でしょうか?(笑)
A: I almost didn't recognize you.
B: You never learn.
というやり取りから、英語学習者としても学ぶことは多いので、ここは真面目に分析してみましょう(笑)。
まず、フレンズ3-5その27 に出てきた「almost+過去形」、そして今回のその28 の recognize を使って、「もう少しで君だとわからないところだった。」→「かろうじて君だとわかったけど」、つまり「君は見違えるほど変わってしまったねぇ(それもこの場合は悪い意味で)」と「失言」してしまったわけですね。
それに対しての彼女もかなり辛辣です。
You never learn を直訳すると「あなたは決して学ばない。」、そして「(現在の)習慣的行為」を表す「現在形」が使われているので、あなたの「習性、性質」を言っているわけですね。「あなたは学ばない人だ。」と(笑)。
つまり、その失言を聞いて「あなたって相変わらずそういう失言を繰り返すのね。」「あなたは懲りない人ね。」と言っているわけですよね? 前にも何度かそういう失言をして相手を怒らせたことがあったのに、そこから何も学んでいない、ということですよね。(数々の失言、申し訳ありません。)
ジョーイさんが密かに思いを寄せていた、とのことですが、その相手の方から「あなたってちっとも変わってないわね。あなたは相変わらずね。」と言われたわけですから、ちょっと嬉しかったのではないですか?(笑) 彼女もそういう失言をぶつけられるのが好きそうなタイプに見えますけど…。でも見た目がすっかり変わっていると、せっかくの淡い思いもぶち壊しなんでしょうか?(あぁ、怖い…)
アメリカの吉牛みたいな店でバイトしてる時に
おつゆ少なめね、って意味で
客が easy って言ってました
「easy hazelnut の easy って何かなぁ?」という私のつぶやきに答えて下さりありがとうございます。
「アメリカの吉牛みたいな店」でも、おつゆの量を指定する人がいるんですねぇ。多めの「つゆだく」は何て言うんでしょう?(笑)
easy が「少なめ」というニュアンスはよくわかります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) の easy [adverb] に以下のフレーズが載っていました。
go easy on/with something: to not use or do too much of something
例) Go easy on the cheese - it has a lot of fat.
つまり、「何かを使い過ぎないこと、何かをしすぎないこと」。
例文は、「チーズはほどほどにね。チーズには脂肪がたくさん含まれているから。」
英辞郎にも、
go easy on=(飲食物などを)控えめにする、ほどほどにする
という意味が載っていました。「多すぎない、ほどほど、控えめ」のニュアンスが easy なんでしょうね。
実体験に基づくお話、とても参考になりました。ありがとうございました。