モニカ: (entering) Ross (who has his foot on the coffee table), foot on the floor or come over no more. ([入ってくる] ロス、[ロスはコーヒーテーブルに足を乗せている] 足を床に下ろすか、もう二度と来ないか、のどちらかよ。)
ロス: (to Phoebe) Sure, your dresser is missing, but this she notices. ([フィービーに] 本当だ。フィービーのドレッサーがなくなってるのに、モニカが気付いたのは、これだよ。[と言って、自分の足を指差す])
モニカ: What? (何?)
foot on the floor or come over no more という表現が面白いなと思います。
floor と more が韻を踏んでいるようですね。
「足を床に置くか、ここにもう二度と来ないか。」ということで、そんな風に足をテーブルに乗せておくつもりなら、もう出入り禁止にしちゃうわよ、ということ。
ロスはあえて foot とは言わずに、足を手で示しながら、this と表現しています。
フィービーの部屋から家具がなくなっていることにも気付かないのに、ちょっと机に足を乗せてることには、ドアから入ってくるなり気付くのか、とロスはあきれているのですね。
but she notices this. ではなくて、"but this she notices." と、this が前に来ているのもポイントでしょうか。
前に出して強調しているんですね。
「これだよ、彼女が気付くのは。」みたいなニュアンスで、this is what she notices. に近いかな、と思います。
notices と現在形が使われているので、そういうことに気付くのが「モニカの習性・習慣」だと言っているのですね。
ロス: I have to go. Yeah, Carol should be home by now, soo... (行かなくちゃ。そうだ、キャロルが今頃は家にいるはずだから…)
チャンドラー: Umm, how's it going with you guys? (あぁ、ロスとキャロルはどんな感じなの?)
ロス: Oh, better, actually. Y'know I-I-I think I finally figured out why we're having so much trouble lately. (あぁ、前よりはいいよ、ほんとに。ほら、僕たち最近トラブルが多いんだけど、その理由がついにわかった気がするんだ。)
フィービー: Oh, really? (へぇ、ほんとに?)
ロス: Yeah, y'know how I have you guys? Well, she doesn't have any close friends that are just hers. But last week, she met this woman at the gym, "Susan" something. And they really hit it off, and I-I-I think it's gonna make a difference. (あぁ、ほら、僕は君たちみたいな友達を持ってるだろ? 彼女には、彼女自身の親友がいないんだ。でも先週、キャロルはジムである女性に会ったんだよ、「スーザン」何とかっていう名前の。それで、二人はすっかり意気投合したんだ。それで何かが変わると思うよ。)
y'know how I have you guys? を直訳すると、「僕がどんな風に君たちを持っているか知ってるだろ?」ということで、それは「こんな風にいつも一緒に時間を過ごして仲良くしている様子」を説明しているのだと思います。
「ほら、僕らはこんな感じだろ?」ということですね。
she doesn't have any close friends that are just hers で、that are just hers (hers は「彼女のもの」)をわざわざつけているのは、夫である僕の親友たちとはもちろん友達だけど、夫の交友関係じゃなくて、彼女自身の交友関係の友達がいない、と言っているようですね。
"Susan" something (スーザン何とか)でみんな笑ってるのがおかしいですね。
言うまでもなく、キャロルの今の(レズビアンの)パートナーであるスーザンのことです。
こんな風に、今の人物がどんな風に過去のエピソードで絡んでいたか、がわかるのが、こういう過去回想エピソードの醍醐味でもありますね。
hit it off は「仲良くなる、意気投合する、ウマが合う」。
ロングマン現代英英辞典では、hit (verb) の22番目の語義に載っています。
hit it off (with somebody): (informal) if two people hit it off, they like each other as soon as they meet
つまり、「二人の人間が hit it off するというのは、会うとすぐにお互いを好きになる、ということ」
宇多田ヒカルさんの Can You Keep A Secret? という歌の最初の部分に、
Hit it off like this
Hit it off like this, oh baby
という歌詞もありますよね。
make a difference は「相違・違いを生じる」ということですから、「変わる」「影響を及ぼす、効果を生じる、プラスになる」という意味になります。
It doesn't make any difference to me whether A or B. なら、「AでもBでも何ら違いはない(私にはどうでもよい、問題ではない)」という意味ですね。
ロスは、キャロルに友達が出来たことで、今停滞しているこの夫婦関係に変化が起きるだろう、と言っています。
彼はもちろん、夫婦関係が良い方向に変わることを期待して言っているわけですが、実際は、思いがけない方向に変化してしまったわけですよね。
それを知っている観客は、it's gonna make a difference. というロスのセリフを聞くと笑えてしまうわけです。
(Rach からのお願い)
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昨日、この部分のDVDを見ていて、あ、また例によって韻を踏んでるな、と思いました。
それで貴ブログを参照したんですが、このページ冒頭のモニカのセリフ、floor、moreのところ。おっしゃる通りですよね。よかった。
さらに門外漢の深読みで(英語は趣味で専門外)
ここは、Poeの有名な詩The Ravenのモジリかなと思いました。
(フィービのヘタウマの歌の歌詞とか、この脚本家、韻を踏むのが好きだなって感じ。)
この詩、検索すればぞろぞろヒットしますけど、
フレーズ末がnothing more とか nevermore なんかのオンパレードで、それが全部韻を踏んでるんですよね。
もちろん素人の勝手読みですけど、それも楽しいって開き直り。
これからも貴ブログ参考にして、あ、そうかと納得したり、楽しませていただいたり、
お世話になります。
ありがとうございます。
コメントありがとうございます!
セリフを文字で追っていると気付かないこともあるのですが、実際にセリフとして発音されているのを聞くと、韻を踏んでいる部分は耳に残りますよね。
floor or no more と or で結ばれているものが語尾で韻を踏んでいるのが、リズミカルだなぁ、と思いました。
フィービーの歌詞の韻の踏み方も面白いですよね。
私が好きなのは、停電の回(フレンズ1-7)の、
power, sour, scary, dairy みたいな韻の踏み方です。
私は詩とかには全く詳しくなくて(笑)、そのポーの有名な詩、というのも知りませんでした。
Wikipedia 英語版: The Raven
にその詩が載っていて、[show] の部分をクリックすると、全文(?)が読めるみたいですね。
door, more, nevermore が繰り返し出て来ます。
脚本家には、この詩のイメージが頭にあったのかもしれませんね。nevermore という単語も出てきていれば、間違いなくそうだ!と言えるかもしれません。
興味深いお話、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
笑って読み飛ばして忘れてください。)
そうそう。それ例の大停電blackout騒動の巻でのフィービーの歌ですね。あたしは冷蔵庫が止まってもへっちゃらよ。最高ですね。
我が家でもフレンズ人気沸騰なんですが、フィービーの歌がいまいち受けが悪いんで残念です。わたしは大ファンなんですが。
と、ほめといて、歌詞にちょっと疑問というか注文。
2−12(その6)お祖母ちゃんの歌で、子ども相手に歌うフィービーも大好きなんですが。
ここ、そのページでRachさんご指摘のように、dinner、thinnerが韻踏んでます。
(あと、Peru、tooも踏んでるのかな?と思ったんですが、彼女の歌い方だと違うかも。)
で、その前の出だしのとこの歌詞。
Now Grandma`s a person
Who everyone likes
She bought you a train
And a bright shiny bike ですけど、
likes と bike 、sのあるなしは関係ないんでしょうかね。
どうせなら、たとえば前のeveryoneを複数にして、(many pepleとか)
三単現のsをとってlikeとしてくれたらいいな(後ろのbikeを複数にするよりいいか?)と素人考えでした。
ども。お邪魔しました。またなにか書きたくなったらお邪魔させてください。
ありがとうございました。
こちらこそ、お返事ありがとうございます。
englphilliaさんの御宅で「フレンズ人気沸騰」とのこと、私が喜ぶのも変なのですが(笑)、とっても嬉しいです。
フィービーの歌、すごく面白いですよねぇ。うぷぷ…と笑えるものばかりで。
Peru と too も韻を踏んでいるようですね。どちらも、[u:] 「ウー」で終わりますから。
そして、likes と bike も「ライク(ス)」と「バイク」で韻を踏んでいるようですが、確かに、-s をつけるかどうかを揃えた方が、よりその「韻を踏んでいる」ことがはっきりしそうですよねぇ。
私は「詩における押韻の法則」みたいなものは知らないのですが、-s のあるなしはあまり問題ではないのかなぁ?
everyone と単数じゃなくて複数であれば like になりますよね。あるいは bikes と複数になるように文章を変えるとか…。
「おばあちゃんは、誰もが好きになっちゃう人、誰からも好かれる人」というニュアンスで、「あの人もこの人もみんなおばあちゃんが好き」という感じを出すのには、やはり everyone の方が良い、だから、-s がついて、bike と統一が少々取れないけれどもそれはしょうがない、ということなんでしょうか??
毎回興味深いお話、本当にありがとうございます。また遊びに来て下さいね。
Thank you for your reply. I'm looking forward to reading your next comment.
> she doesn't really have any close friends that are just hers
ロスは really とは言っていないのではありませんか? ネット・スクリプトの誤りだと思います。
こんにちは。ご指摘ありがとうございます。
音声を確認させていただきました。おっしゃる通り、really とは言っていませんでした。
早速、上の記事も訂正させていただきました。
貴重なご指摘ありがとうございました<(_ _)>