2007年08月23日

俺はお笑い担当 フレンズ3-6その8

モニカ: Hey, did you pick a roommate? (ねぇ、ルームメートは選んだ?)
チャンドラー: You betcha! (もちろん。)
モニカ: Is it the Italian guy? (あのイタリア人の男性?)
チャンドラー: Um-mm, yeah right! (あぁ、そうだよ!)
モニカ: He's so cute. (彼、すごく素敵。)
チャンドラー: Oh yes, and that's what I want. A roommate that I can walk around with and be referred to as "the funny one." (あぁ、そうだよ。それが俺の求めていた相手なんだ。一緒に連れてあちこち歩き回れるルームメートで、俺は「面白い方(ほう)」って言ってもらえるんだよ。)

少し前にジョーイを見かけて「素敵!」と思ったモニカは(笑)、彼を選んだの?と尋ねています。
それについてのチャンドラーの返事、"Um-mm, yeah right!" について。

フレンズ1-8その1 で、「smart で funny だからチャンドラーはゲイに間違えられるんだ」と言うフレンズたちに、
チャンドラー: So is Ross. You ever think that about him? (ロスも賢いし、面白いよ。ロスもゲイだと思ったことある?)
みんな: Yeah, right! (まさか!)
というやり取りがありました。
right 「正しい」という言葉とは裏腹に、みんなは笑っていましたし、口調も小バカにした感じでした。
笑いながらふざけて "Yeah, right!" と言うと、こんな風に「まさか!」という意味になるのですが、今回のモニカへの返事は、文字通りの意味の「そうだよ、モニカの想像通りだ。」ということですね。
だから、モニカはそれを聞いて喜んでいるのです。

実際は、チャンドラーはモニカに嘘を言っているのですが、言い訳は後で適当に考えよう、と思っているのでしょう。
まさか、「モデルが遊びに来るから、お姉さんがポルノ女優だから」という理由でカメラマンの方に決めた、とは女性には言えませんしねぇ。
今回はモニカがジョーイを気に入っているのを知っているだけに、なおさらそんな理由は言えないでしょう。

男性がルームメートを選ぶ場合に、cute であることが理由になることはないのですが(それこそ、ゲイでもない限りは…笑)、モニカが cute だと言うので、チャンドラーは「cute だから選んだんだ。cute なルームメートが欲しかったんだよ。」と答えています。
二人連れ立って歩く場合に、横にかっこいい男性を置いておける、そのかっこいい男性は "the cute one" で、その横にいる俺は、"the funny one" 「面白いやつ、面白い方(ほう)、funny 担当」みたいに言ってもらえるからね、というのがその理由です。
be referred to = I can be referred to ということですね。
人間が二人並ぶと、悲しいかな、必ず「かっこいい方とそうでない方」みたいに分けられてしまうので、俺は「お笑い担当」だしね、と自虐的に言っているわけですね。
冗談っぽく言っていますが、この理由を聞いていると、「男がかっこいい男をルームメートに選ぶわけないじゃないか。わかってないなぁ。」みたいな意味も込められているのでしょう。


モニカ: Oh look, the pool table's free. Rack them up. Back in just a minute. Get ready for me to whip your butt. (ねぇ、見て、プール・テーブルが空いてるわ。取っといて。すぐに戻るわ。私があなたのお尻を叩いてあげるから用意して待っていて。)
チャンドラー: Okay, but after that, we're shooting some pool. (わかった。でも、その後に、俺たちはビリヤード[玉突き]をするんだよ。)

pool は「プール、玉突き」。
ロングマン現代英英辞典では、
pool: GAME
[uncountable]a game in which you use a stick to hit numbered balls into holes around a table, which is often played in bars
shoot/play pool
例) We went to the pub and played pool.

つまり、「棒を使って、番号の書かれた球を打ち、それをテーブルの周囲にある穴に入れるゲーム。そのゲームはしばしばバーでプレイされる。」

そういう台が置いてある場所を「プールバー」と言ったりしますね。
私はプールというのはビリヤードのことだと思っていたのですが、厳密にはプールとビリヤードというのは違うようです。(が、記事中では、わかりやすく「ビリヤード」と表記しておきます。)
プールとビリヤードの違いについては、ここでは説明しませんが、詳しくは以下のウィキペディアの「ポケット・ビリヤード」の項目を参照して下さい。
Wikipedia 日本語版: ビリヤード

Rack them up. の意味がよくわからないのですが…。
ロングマン現代英英辞典には、
rack something up (phrasal verb):
to get a number or amount of something, especially a number of points in a competition
例) He racked up 41 points.

「たくさんの何かをゲットすること、特に競技において、多くの点を獲得すること」
例文は、「彼は41ポイントを獲得した。」

上のセリフの場合は、点数やポイントは関係ないと思いますので、「ゲットする」というニュアンスで、テーブルが空いているから、テーブルを取っておいて、ビリヤードの玉や道具一式を確保しておいて、みたいなことでしょうか?
whip は「…をむちで打つ、(子供などを)折檻(せっかん)する」。
ホイップクリームと言いますが、その whip は「(卵白・クリームなどを)強くかき回して泡立てさせる」ことですね。
また、そういう「打つ、叩く」イメージから、「(競技などで)(相手に)勝つ、打ち負かす」という意味にもなります。
セリフでは、「私があなたのお尻を叩く、むち打つ」ということで、要は「私がビリヤードであなたを負かす、たたきのめすわよ、それを覚悟して待ってて。」ということです。

shoot pool は「プール(というゲーム)をする、ビリヤードをする」ということですから、チャンドラーは「モニカが俺のお尻を叩いた後、ビリヤードをする予定だよ。」と言っているわけですね。
つまり、モニカのセリフの「お尻をたたく」=「ビリヤードでチャンドラーを負かす」という意味なのをわかっていながら、チャンドラーは「モニカが俺のお尻を叩いて、それからビリヤードを始めよう。」と言っているのです。
負けず嫌いのモニカが、チャンドラーに勝ってやる!と意気込んでいるのを、「お尻を叩くって何のこと? そんなにお尻を叩きたかったら、ゲームの前に叩けばいいさ。」と、軽くいなしている感じですね。

(Rach からのお願い)
今回の記事、面白いと思われた方は、下のランキングサイトをクリックして下さい。
現在、ランキングが絶好調!
ランキングが上がれば上がるほど、どんどん調子づく Rach です(笑)。

皆様の応援が、とても励みになっています。ありがとうございます。
人気blogランキング
にほんブログ村 英語ブログ

posted by Rach at 12:23| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rack them upは三角形の枠にボールをいれてボールを並べることだと思います。そしてコテンパンにやられる(whip your butt.)準備をしておいてとモニカが言うのですが、チャンドラーはわざと文字通りの意味にとって鞭でお尻をwhipしてといっています。rackには拷問する拷問台の意味があります。競技前にSMするんだとジョークを言ってるように解釈しました。
Posted by catch at 2007年08月24日 21:14
rack は日本語のラックからわかるように「置き棚」で、また「拷問台」という意味もあるんでしたね(笑)。

ロングマン現代英英辞典の rack [noun] を調べると、
2. the rack:
a piece of equipment that was used in the past to make people suffer severe pain by stretching their bodies
つまり、「人の体を伸ばしてひどい痛みを与えるために、過去に使われた装置。」

そして!そのロングマンに、pool に関係する語義が書いてありました。

rack:
5. (American English) a three-sided frame used for arranging the balls at the start of a game of snooker or pool
つまり、「スヌーカー(玉突き)やプールのゲームの最初に、ボールを並べるために使われる3面の枠(フレーム)」

ほんとだ〜、あの三角の枠、あれをラックって言うんですね。私はビリヤードとかプールとか全然知らないので、全然ピンと来ませんでした。

rack でぐぐって、これを見つけました↓
Wikipedia 英語版: Rack (billiards)

その説明の最初の方に書いてあるのですが、「スタートの位置にボールをセッティングする行為を表現する”動詞”としても使われる」とありますね。rack them up の them は balls ということなんですね?

モニカはもちろん、「三角の枠を用意しておいて。コテンパンにやっつけるから覚悟しておいて。」と言っているのですが、それを「rack、それから whip my butt? じゃあ、そういうプレイを楽しんだ後で、ビリヤードをすることにしよう。」と、モニカがSMしたがっているように受け止めたふり、をしているのですね。
私は「軽くいなしている」だけだと思っていたのですが、その「いなし方」が、「へぇ〜、モニカはビリヤードじゃなくて、”台でお尻ペンペン”したいんだ〜」と言っているところが、チャンドラーっぽいジョークだ、ということですね。うーん深い!
rack も whip your butt も偶然じゃなくて、そういうことを連想させるために脚本家が選んだ単語だ、ということですね。
Posted by Rach at 2007年08月25日 11:36
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。