2007年08月26日

氷山の一角 フレンズ3-6その11

モニカ: Oh, my God! I went to high school with her. (to Rachel) Rachel! Hi! (まぁ、なんてこと! 私、彼女と一緒に高校に通ってたのよ[彼女は高校の同級生だったのよ]。[レイチェルに] レイチェル! はーい!)
レイチェル: Monica! Look! Hi! What do ya think? (shows her, her ring) (モニカ! 見て! ほら! どう思う? [モニカに自分の指輪を見せる])
モニカ: Oh, my God! You can't even see where the Titanic hit it. (まぁ! タイタニック号がぶつかった場所が見えないわねぇ。)
レイチェル: Yes, his name is Barry. He's a doctor, thank you very much. (そうね。彼の名前はバリー。彼はお医者さんなの。どうもありがとう。)
モニカ: Awww, just like you always wanted. Congratulations. (あぁ、あなたがいつも望んでいた全くその通りになったのね。おめでとう。)
レイチェル: Thank you. So how-how about you? Are-are you seeing anybody? (ありがとう。それで、あなたの方はどうなの? 誰かとお付き合いしているの?)
モニカ: Aww, not right now. (あぁ、今現在は(お付き合い)してないわ。)
レイチェル: Oh, well, that's okay. (あぁ、そう、大丈夫よ。)
モニカ: I know. (わかってる。)
レイチェル: Yeah. (えぇ。)
(An awkward silence) 気まずい沈黙。
モニカ: So, I think I'll get-get back to my friend. (それじゃあ、友達のところに戻るわ。)
レイチェル: Oh, yeah, sure, sure, sure, sure. (points at Chandler, who holds up the cue ball as a "Remember me?" thing) Listen, can we please have lunch the next time I'm in the city? (えぇ、どうぞ、どうぞ。[その友達であるチャンドラーをレイチェルが指差すと、チャンドラーは「僕を覚えてる?」という感じでキュー・ボールを掲げる] ねぇ、私が次にこの街に来た時にランチを一緒に食べましょうか?)
モニカ: Oh, that'd be great. (あぁ、それは素敵ね。)
レイチェル: Okay. (わかった。)
モニカ: Thanks. (ありがとう。)
レイチェル: Bye. (バイバイ。)
モニカ: Bye. (to Chandler) Ten bucks says I never see that woman again in my life. ([チャンドラーに] 一生の間にもう二度とあの女に会うことはない、というのに10ドルかけるわ。)

I went to high school with her. を直訳すると、「私(モニカ)は彼女(レイチェル)と一緒に高校に行っていた。」ということですが、別に連れ立って通っていた、ということではなくて、学校生活を一緒に過ごしていた同級生(classmate)ということですね。
フレンズ3-6その7 のコメント欄 では、「同級生」に関する表現について、意見を交換しています。興味のある方は、合わせてお読み下さい。

You can't even see where the Titanic hit it. について。
タイタニック号、と言えば、処女航海中に氷山にぶつかって沈んだことで有名ですね。
氷山というのは、水面下に隠れている部分がかなりあって、水面上に見えているのはその一部分だそうです。
ロングマン現代英英辞典では、
iceberg: [countable]
a very large mass of ice floating in the sea, most of which is under the surface of the water

つまり、「海に浮かんでいる氷の非常に巨大な塊、その大部分は水面下にある」

ですから、the tip of the iceberg 「氷山の一角」という言葉もあるわけですね。
同じくロングマンでは、
the tip of the iceberg: a small sign of a problem that is much larger
例) The reported cases of food poisoning are only the tip of the iceberg.

つまり、「ずっと大きな問題の小さな兆候(サイン)」、例文は、「報道された食中毒事件は氷山の一角に過ぎなかった。」

そもそも「氷山」なんてあまり日本では見かけないものですから(オホーツク海では流氷は見られますが…笑)、この「氷山の一角」という言葉は、the tip of the iceberg を直訳したものなのでしょうね、多分。

それで、実際にタイタニック号が氷山のどの部分にぶつかったのか、私は詳しく知らないのですが、水面下に隠れていた部分にぶつかったんでしょうか?
モニカのこのセリフは、その指輪の宝石がとても大きくて、まるで氷山のように、表面に見えている部分以上に実際は厚みがあって、かなりのカラット数みたいね、と言いたいのだろうと思います。
まさに、「この見えている部分は”氷山の一角”なんでしょうね。」みたいな感じで、かなり大きそうね〜と感心しているということでしょう。
iceberg という単語を使わず、「タイタニック号が当たった」と表現することで iceberg であることを示唆している、という面白い表現だなぁ、と思います。

指輪の宝石の大きさを誉められたので、「そうなの、私の彼はお医者さんなのよ。ありがとう。」と言っていますね。
この「ありがとう」は、「そうなの、こんな指輪を買ってくれるようなお金持ちのお医者さんと結婚できたのよ。おかげさまで。」みたいな感じでしょうか。
相手はまだお祝いの言葉を言っていないのに、先にそのお礼を言ってしまっているように、つまり、お祝いの言葉を催促しているようにも聞こえます。
それを聞いた後に、モニカがやっとお祝いの言葉、Congratulations. を言っていますね。

"just like you always wanted." というモニカの言葉からわかるように、レイチェルはずっとお医者さんと結婚したいと言っていたようですね。

フレンズ1-23 でロスの元妻キャロルの出産のために病院に来たレイチェルが、イケメンのお医者さんと知り合うというシーンがありました。
過去記事では解説を飛ばしていますので、脱線になりますが、以下で少し説明します。

彼にアタックしようとしたレイチェルは、服まで着替えてきたのですが…。
フィービー: Hey. Ooh, look at you, dressy-dress. (まぁ、あなたのその姿。ドレッシーなドレスねぇ。)
モニカ: Did you go home and change? (レイチェルは家に帰って着替えてきたの?)
レイチェル: Yeah, well, it's an important day. I wanna look nice. Um, has uh Dr. Franzblau been by? (えぇ、だって、(ロスの子供が生まれる)大切な日だもの。素敵に見えるようにしたいわ。あ、フランツブラウ先生を見かけなかった?)
モニカ: No, I haven't seen him. (いいえ、彼を見てないわ。)
レイチェル: Well, where is he? He is supposed to be here. What if the baby needs him? (まぁ、彼はどこかしら? ここにいないといけないのに。もし赤ちゃんに先生が必要になったらどうするの?)
チャンドラー: Rachel, what is the deal with you and doctors, anyway? Was like your father a doctor? (レイチェル、ところで、君とお医者さんとの間には一体何があるの? 君のお父さんはお医者さんだったりするとか?)
レイチェル: Yeah, why? (そうよ、どうして(そんなこと聞くの?))
チャンドラー: No reason. (理由はないよ。)

レイチェルは「大事な日だから」などと言っていますが、そのお医者さんのためにおしゃれをしてきたのは見え見えですよね。
チャンドラーは 1-23 の時点では、レイチェルのパパがお医者さんだということを知らなかったようで、「医者になると目の色が変わるけど、パパもお医者さん、とかそういうやつか?」とポロッと言ってみたら、本当にそうだった!…ので、会話を打ち切ったのです。

そのレイチェルのパパは 2-22 に出てきましたが、みんなが Dr. Greene と呼んでいたように、本当にお医者さん(外科医)ですね。
それで彼女も裕福な家庭で育ったので、結婚するならお医者さん、と決めていたということでしょう。

(3-6 の解説に戻ります)
結婚が決まったレイチェルは、今、恋人がいないモニカに「大丈夫よ。」みたいに言うのですが、それが惨めなモニカを慰めるセリフのように聞こえます。
大きな婚約指輪を見せびらかす友人に "that's okay." と言われてしまうと、余計に自分の現状を冷静に分析して、かえって惨めになるというか…。
別に普段からそんなに深刻に悩んでいるわけでもないのに、そんな風に言われて、I know. 「わかってる。私も大丈夫だと思う。気にしてないわ。」と言い返すのがモニカらしい気がします。

モニカの友達を見ると、それがさっきの男(笑)チャンドラーだったことに気付くレイチェル。
チャンドラーはその気まずい出会いを、キュー・ボールを見せることでアピールしているのですね。
「俺は、さっきこのボールを落とした男ですよ。覚えてる?」という感じで。

bucks says は、フレンズ3-5その32 にも、
チャンドラー: I got five bucks says you can't. (出来ない、って方に5ドル賭けるよ。)
というセリフが出てきました。
今回のモニカのセリフ、Ten bucks says I never see that woman again in my life. は「10ドルがそう言ってるわ。間違ったら、その10ドルが自らの身を差し出すわ」というニュアンスでしょう。
ランチを一緒に、というのはただの社交辞令で、金持ちと結婚することをひけらかして、恋人がいない私を慰めようとする女なんかと、ご飯を一緒に食べるもんですか!という感じでしょうね。

これまでのエピソードでわかるのですが、高校時代はかなり仲が良かったようなのに、その後、疎遠になってしまったようです。
1-1 でレイチェルが突然現れた時に、結婚式に招待してもらってないとモニカは言っていましたが、「その程度の仲」になってしまっていたんですね。
結局、今はルームメートとなって、無二の親友になっているわけですから、チャンドラーはちゃんと10ドルを貰えたのかな?(笑)

(Rach からのお願い)
今回の記事、面白いと思われた方は、下のランキングサイトをクリックして下さい。
お陰様で、ランキングも好調です!
皆様の応援が、とても励みになっています。ありがとうございます。
人気blogランキング
にほんブログ村 英語ブログ

posted by Rach at 11:20| Comment(12) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
You can't even see where the Titanic hit it.について
主語がYouなのでRachさんの解説どおり、こんな大きな宝石はみることが出来ないと褒めています。しかも以前の解説にもあったように英語はオーバーな形容をしますね。関係副詞の where はここでは場所を意味してないと思います。タイタニックがぶつかった氷山の類の大きな宝石をみたことがないという意味だと思います。現在、未来、過去の状況とか立場、要点を表してると思います。日本語でも「日本の高齢化はこの先どこへ行くのだろう」みたいに。
Posted by iwarebiko at 2007年08月26日 15:47
モニカ: Oh, that'd be great.この台詞こそ社交辞令ですね。モニカ言い方で解りますね。その気があるならOh, that'll be great.でしょうか。誠に言いにくいのですがラブ・アクチュアリーの最後の感動的な台詞にありました。(笑)
Posted by catch at 2007年08月26日 16:27
iwarebikoさんへ
You can't see の you は「一般の人」を表す you ですよね?
大きな宝石を巨大な氷山に例える、というのが英語ならではのオーバーな形容ですよね。

where については、私も何だかしっくりしなかったのですが、これは「関係副詞」なんでしょうか、やっぱり。
いろいろ考えてみたのですが、結局のところ、「これだ!」という感じが掴めません。だらだら長くなりますがお許し下さい。

まず、it というのは、その目の前の指輪についている大きな宝石を指していますよね。
私は where を「疑問副詞」だと思ったようで、can't see where 「どこだかわからない、どこだか見えない」という風に解釈したようです。
その where というのは何の場所に対する疑問詞かと言うと、
the Titanic hit the bottom of the iceberg 「タイタニック号は氷山の下部にぶつかった」のような、その「ぶつかった部分、場所」を疑問詞にした文章かと思ったんですね。

でも、そういう場合には、You can't even see where the Titanic hit it. という文章にはならないような気もします。
この文章だと、「the Titanic hit it+場所を表す副詞」という文章の「場所を表す副詞」を疑問詞にした文章になって、「北大西洋の真ん中で」などの、タイタニックがそれに当たった場所(地理的な場所)を疑問詞にしたような文章になってしまうのかなぁ??

もし「当たった場所(部分)」そのものを疑問詞にするのであれば、You can't even see which part of it is hit by the Titanic. (当たった場所を主語にした受動態)とか、You can't even see which part of it the Titanic hit. (当たった場所を目的語にした能動態)などになるんでしょうか??(よくわかりませんが)

ということを考えると、この where を「当たった部分」を指す疑問副詞、だと解釈するのは無理がありそうですね。

関係副詞だ、ということになると、これは「先行詞がない関係副詞」ということで、the place where 「…するところ」みたいな感じで「状況」を表しているということなのでしょうか?
そう考えて直訳すると、「タイタニック号がその宝石にぶつかったのを[ぶつかったところを]見ることすらできない。」みたいになるのでしょうか?(hit は現在形であれば hits になるはずなので、ここでは過去形、という解釈でいいですよね?)

「タイタニック号がぶつかった氷山に見立てている(それも iceberg という単語は使わずに)」という点は、意見は一致していますよね。ただ、「タイタニックがぶつかった氷山の類の大きな宝石をみたことがない」という意味になる、という部分が、まだ納得しきれていません。
すみません、私自身もどこがどう納得できないのかうまく説明できないので、無理に追加説明していただかなくてもいいのですが…。

ちょっと話がずれますが、
例えば、先日、
フレンズ3-6その9
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470917.html
で、レイチェルの友達の叫びが野鳥みたいだと言う時に、
モニカ: I swear I've seen birds do this on Wild Kingdom. (確か、私、「野生の王国」って番組で鳥があんな風にしてるの、見たわ。)
と言っていましたよね。
それの応用で、
I swear I've seen the Titanic hit it in the film. (確か、私、映画で、タイタニック号がそれにぶつかるのを見たわ。)
みたいに言ったのなら、わかりやすかったかなぁ…と思ったり(笑)。

長々とすみません。私ももう少し考えてみます。
Posted by Rach at 2007年08月27日 11:31
catchさんへ
That'd be great. の would は「もしそういうことがあるのなら、great だろう。」という仮定法ですよね。

ロングマン現代英英辞典の nice の項目に、that'd be nice が載っています。
that'd be nice (=used to accept an offer or agree with a suggestion)
(例文)
'Would you like a cup of coffee?' 'Yes, that'd be nice.'
I thought it would be a nice idea to send them some flowers.
It would be nice if you could let us know in advance.

つまり、「that'd be nice は、オファーを受け入れる、または提案に同意するために使われる」
例文は、「コーヒー1杯どうですか?」「えぇ、それはいいですね。」
「彼らに花を送るのは良いアイデアだと思います。」
「もし事前に我々にお知らせ下されば、ありがたく存じます。」
みたいな感じでしょうか?

この That'd be nice. と同じニュアンスで、人が何か申し出をしてくれた場合に、"That'd be great. Thank you." 「そうしてくれたらありがたい。」みたいに言うことも多いです。
そういう意味で使う場合は、相手の申し出に対しての遠慮があって、「あなたには悪いけれど、”もし”そうしていただけるのなら」という意味の婉曲さが込められているわけですね。

そして、今回のセリフの場合は、レイチェルとモニカは友達なので、普通はそんな遠回しな言い方をしなくても、もっと素直に、「それいいわね。」="That'll be great." とか、あるいは "Sounds great." とかでも良いでしょうか。

レイチェルは、Could we please とかではなくて、Can we please と言っていて、本心からかどうかはともかく、そんなに遠回しな言い方はしていませんよね。それに対して、「もしそんなことがあれば、素敵ね。」と返しているところにモニカがそれをそれほど望んでいないことが出ている、という感じでしょうか?

誠に言いにくいのですがラブ・アクチュアリーまだ見ておりません。(笑)
いろいろ例えに出して下さるのに、その例えがわからないと困りますよね。近いうちに見ます(いや、ほんとに…笑)。
Posted by Rach at 2007年08月27日 11:35
You can't even see where the Titanic hit it.は
You can't even see the ring.
Titanic hit it in a scene. の二つに分けて解釈しました。in a sceneがwhereに置き換わって一つの文になったと考えたのですが。フレンズの英語は必ずしも文法で説明出来ないところもあるような気がします。おおよその意味は通じてると思うのですが。9分通勤に遅れてますのでここまで。
Posted by ジョーイ at 2007年08月28日 07:50
ジョーイさんへ
朝の通勤前のお忙しい時間に申し訳ありません。

英語で説明していただいて、おっしゃるニュアンスがわかりました。
日本語で言うとどうなるか?という部分も解析しがいはあるんですが、本当に細かいニュアンスになってくると、
英語で別の表現で言い換えるとどうなるか?
私の日本語訳が間違っているとしたら、その日本語訳ならどういう英語になるはずなのか?
というところが知りたい!といつも思うんですよ。

You can't even see where the Titanic hit it. というセリフには、see the ring の the ring という目的語に当たる部分が欠けていますよね。だから、「(氷山みたいな)そんな大きな宝石を見たことない」という風に解釈することは可能なのかな?と悩んだのです。
が、英語の語順どおりにたどっていくと、You can't even see 「見ることすらない」、where the Titanic hit it 「ある状況で、タイタニック号がそれに衝突した」、になるので、
「タイタニック号が衝突したような”それ”はめったに見られないわよねぇ。」という感じになるのでしょうね?
そのままの語順で訳すとすると、「見ることってないわよねぇ(めったに見られないわよねぇ)、タイタニック号がぶつかったような氷山みたいなやつ。」という感じでしょうか?

文法で説明しようとすると、どうしても where が see の目的語になるような気がしてしまいます。でも、この場合は、その目の前の宝石を説明するために、"where the Titanic hit it" がついている、ということなんでしょうね。それを言って初めて、氷山みたいだ、と言っていることがわかる、という。where という関係副詞は自由度が広い気がします。何かを後付けで説明するのに便利な言葉ですよね。

私は文法にがんじがらめになっているわけでは決してないのですが(Believe me!... lol)、ニュアンスを掴みにくい場合に、文法の基本的法則に立ち戻るとすんなりわかる場合もありますよね。今回はちょっとそれには該当しなかったようです。

9分も遅れてしまって、ボスに怒られないと良いのですが…(笑)。
Posted by Rach at 2007年08月28日 11:51

Rachさん、私もここでのwhereは初めにRachさんがご説明くださったように単純に疑問詞なのかと思っていました。どこにタイタニック号がぶつかったのか全く見えないわね、と、タイタニック号がぶつかった氷山くらい大きいのね、ということを言いたいのかな、と。
フレンズで勉強をし始めてからやっと、文法ってちゃんと活きてるんだ〜と納得しました。初めの頃ははRachさんの文法用語もさらっと読み飛ばしていたんですが(汗)、だんだん入ってくるようになりました!が、ここでwhereが疑問詞として使われるのには文法的に無理があるのですか?
Posted by kiki at 2015年01月09日 07:58
kikiさんへ
コメントありがとうございます。
コメントをいただいて、改めて、問題の You can't even see where the Titanic hit it. を考えてみたのですが、やっぱりこの文は難しいですね^^
2007年に、この記事を書いて、その後、いくつもコメントをいただく中で、私の解釈も二転三転していますよねぇ。今の私が考えるとどう捉えるか、というのを、ここで改めてまとめてみたいと思います。

2007年当時の私が最初に考えたのは、where は「疑問副詞」で、「タイタニック号がそれのどこに当たったのか見えない」という意味だろうという解釈でした。「当たった場所が見えないほど下には大きな部分が隠れている」みたいなことかなぁ、と。
別の英文に言い換えるとすると、
Only you can see is the tip of it. (tip of the iceberg) 「見えているのはその一部分だけである(氷山の一角である)」
The real size of the stone is much larger than it looks. 「その宝石の本当の大きさは、見かけよりもかなり大きい」
みたいな感じかなぁ、と思ったのですね。

ですが、指輪(の宝石)を氷山に見立てて、「タイタニックがその氷山に当たった場所がどこかわからない」という意味にしようとすると、where ではなく、which part of (it) のような英語にしないといけない気がするわけです。can't see where the Titanic hit it の where を「疑問副詞」だと考えると、「どこで、タイタニック号が氷山にぶつかったかがわからない」になって、「どこで」というのは、地理的な場所を問う「どこで」という意味になってしまいそうな気がするのです。where 以下を通常の疑問文にすると、Where did the Titanic hit it? 「タイタニック号は”どこで”それに当たったの?」になり、「それの”どの部分に”当たったの?」という意味にはならないように思ったわけですね。

疑問副詞と考えても文法的に意味は成立するけれども、その場合は、「(地理的に)どの場所でタイタニック号が氷山に当たったか」という意味になってしまうのでは?と思います。文全体を訳すと、「タイタニック号がどこで(どの場所で)それに当たったかすら見ることができない、わかることさえできない」という意味になりそうで、その場合、どういう意味でそう言っているのかもよくわからなくなるように思うわけですね。

最初に上の記事を書いた時は、「どこにタイタニック号が当たったか(見えない、わからない)」みたいな日本語のイメージから、氷山が連想されて、即座に「氷山の一角」的なことを言っているのだと思ってしまったのですが、私は「氷山の一角」(大きなものの小さな一部)という言葉にとらわれ過ぎていたのかもしれない、と今は思ったりしています。レイチェルが自慢気に見せびらかした指輪は、これでもか!と大きな宝石がついた指輪だったはずで、「見た目より実際には大きい、タイタニック号に当たった部分が見えなくて隠れているほど、下には大きな部分が隠れている」みたいな先入観で考えてしまったのがいけなかったんだろうなぁ、と。指輪の大きな宝石が、氷山のように大部分が隠れている、という発想自体がよく考えたら間違っていたんだろうなぁ、と。「氷山の一角」のように、宝石の一部しか見えてない指輪なんて、アクセサリーとしての指輪の意味ないじゃん、ってことですね^^

「タイタニック号がどの場所でそれ(指輪)に当たったかを見ることすらできない、わからない」みたいな意味だと考えると、where が指す場所に意味があるように聞こえますが、モニカのセリフは、「その指輪の宝石が、まるでタイタニック号がぶつかった氷山みたいに大きい」と言いたいわけで、「場所」はポイントではない気がする、という意味でも、where を疑問副詞として解釈するのは、「文法的には可能だけれども、文脈の意味として無理がある」という気がするのです。

今回、私が改めてこの文章を見た時、問題のセリフの where は関係副詞っぽいニュアンスを感じました。ただ、この文章を文法的にきっちり分析するのは難しい気がしています。You can't even see の see の目的語が欠落している感じがすると言いますか。上のジョーイさんのコメントにあるように、「フレンズの英語は必ずしも文法で説明出来ないところもあるような気がします」がまさに当てはまるような気が私もします。

モニカが言いたいことは恐らく、You can't even see such a huge stone/ring. 「そんな大きな宝石/指輪なんか、見ることすらできないわね」→「見たことないような大きな宝石ね」というようなことで、その指輪の宝石の大きさに驚いているわけですが、それをはっきり、stone/ring のように言葉としては表現せず、where the Titanic hit it 「タイタニック号がそれにぶつかったのよね」と続けることで、その指輪の宝石が、「タイタニックがぶつかった氷山(のように大きかった)」と表現してみせた、ということかなぁ、と。
「タイタニック号がそれにぶつかった」というセリフの最後まで聞いた時点で、モニカが「あなたの指輪はタイタニックがぶつかった氷山みたいに大きいわ、そんな大きな宝石見たことない」という意味だとわかる、という感覚かな、と今は思っています。

正直、今でも「これだ!」と明確に説明できる言葉が見つからないのですが、私がこの文章から受けた今の印象は上のような感じ、ということですね。ちょっとこの文章は気になるので、引き続き考えてみたいと思います。また何か思いついたら書きます^^

コメントありがとうございました(^^)
Posted by Rach at 2015年01月10日 11:39

Rachさん、ご説明下さってありがとうございます。
なるほど、私は日本語訳と話の流れにひきずられて解釈をした気がします。先行詞がないので関係副詞とは考えず、日本語の「で」、「に」、「が」で聞いているポイントが全く変わってくるのに、勝手に「どこに」とイメージで当てはめていたんですね。 
1−10、I see where this is going 言いたいことがわかったぞ、のような使い方なのでしょうか。。。 

それにしても、この記事は8年も前なのですね!最近勉強を始めて毎日Rachさんに会っているようなものなのですが、可愛らしいお写真も目にしているのでこの当時の小さなお子さんがいらっしゃるイメージのままでした。お子様はもうとっても大きくなっていらっしゃるのですね〜。 勝手にびっくりしました(笑)!
Posted by kiki at 2015年01月14日 12:21
kikiさんへ
こちらこそご丁寧なお返事ありがとうございます。
私も最初は「どこに」だと思ってしまったんですよね。その解釈についてコメント欄でご意見をいただけたことで、もう一度、英語を見直してみると、「どこに当たったか」という意味だと解釈するのは無理のような気がしてきた、、ということでした。今、改めて解釈し直そうとしても、これだ! という決め手に欠けると言うか、どうもしっくりこなくて、結局、8年前の解釈とほぼ同じようなことになってしまいました^^

I see where this is going. の where は、「この話の行き先がわかったぞ」みたいな感じですよね。この場合は、「先行詞を含む関係副詞」となり、the place/point みたいな場所を表す先行詞が省略されているようなニュアンスになりますよね。This is where I live. 「ここが私の住んでいるところです。ここが私の住まいです」と同じ感覚ですね。

で、今回の where は、文法的に言うと、「関係副詞」に当たるだろうとは思うのですが、上のような「先行詞を含む関係副詞」とは、少し違う感じがするんですよね。どちらかと言うと、「関係副詞の非制限的用法」(そしてそこで)に近い感じがするのです。(本来は、「カンマ+where」の形になる用法ですね)

繰り返しになってしまいますが、(再度、私自身の頭を整理したいこともあるのでw)、もう一度、書かせていただきますと、、

You can't even see it, where the Titanic hit it. みたいな感じがすると言いますか、where ではなくて、which にして、You can't even see the thing, which the Titanic hit. に近い感覚がすると言いますか。

where の文章を前からイメージしていくと、「それを見ることすらないわ、(”それ”って言うのは)(ある場所で)タイタニック号がそれにぶつかった(んだけどね)」みたいな感じで、要は、「タイタニックがある場所でぶつかったもの(=氷山)を見ることすらないわ」と表現することで、「そんなの見たことない、タイタニック号がぶつかった(氷山の)ようなもの」→「あなたの指輪=氷山(のように大きい)」と表現している感じがするわけです。

can't even see の目的語に当たる言葉を言わないまま、where で説明を続けて、「タイタニック号がそれ(it)に当たった」まで言うことで、「タイタニック号が当たった氷山(みたい)」と言っていることがわかる、みたいな感覚だろうと思っています。あえて「氷山」という言葉を使わずに、「タイタニック号が当たったもの」と表現することで、「氷山」のようだと言っているとわかる、という流れになっていると思うのですね。
ただそれを、文法的にバシッと説明できない感じが、もどかしいです^^

それから、「8年前の記事」についてのコメントもありがとうございます。また、「可愛らしいお写真」との大変嬉しいコメント♪ もありがとうございます。この記事を書いた頃は、まだ二人ともちっちゃかったですが、今はもう、上の男の子が14歳、下の女の子も10歳になります。自分の過去の記事を読むと、ついこないだ書いたような気がするのに、本当に月日の経つのは早いですね。

「毎日Rachさんに会っているようなもの」と表現していただけたことも、とても嬉しく思っています。私のブログが、少しでも kikiさんの英語学習のお役に立てるとしたら、本当に光栄です。毎日ブログを覗いて下さるだけの価値があるものが書けるように頑張りますね!
Posted by Rach at 2015年01月15日 16:19
こんにちは

> the Titanic hit the bottom of the iceberg 「タイタニック号は氷山の下部にぶつかった」のような、その「ぶつかった部分、場所」を疑問詞にした文章かと思ったんですね。

hit のような動詞では the Titanic hit the iceberg on the bottom のような形も可能です。これで疑問が氷解するのではありませんか? of which part と考えると、場所の前置詞が入らないのでうまく行きません。

ちなみに、事故直後に撮影された氷山の写真では、船体の塗料が付着していて衝突した跡がわかるそうです。
Posted by mq at 2018年07月26日 12:55
mqさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。

「hit のような動詞では〜のような形も可能」というコメントを拝見し、まさにそうだと気づきました。これまでこのセリフについて様々なご意見を頂戴してきましたが、長年に渡る「氷山問題」がまさに「氷解」しましたね(^^)

hit のような動詞については、
・hit someone on the head のような「hit+目的語(人)+場所」という形を取る
・日本語のように「人の頭を叩く」(hit someone's head)という形ではなく「人を叩く、その場所は頭の上である」(hit someone+on the head)というニュアンスになる
ということを、私はこれまで何度も説明してきたはずですのに、このセリフに関してはその連想が全く浮かばなかったようです。

You can't even see where the Titanic hit it. は「タイタニック号がそれの”どこに”ぶつかったか見えない」ということで、そのように表現することで、

タイタニック号がぶつかったもの=氷山

その宝石はタイタニック号がぶつかった氷山みたいに大きい

さらには「ぶつかったところが見えない」という表現から、

見た目以上にボリュームがありそうな宝石、一体何カラットあるの?

のような意味も込められている、ということになるでしょうか?

「船体の塗料が付着していて衝突した跡がわかる」というお話も納得です。hit「当たる」を使って表現する際には「何かに当たった場合、それのどの部分に当たったかという”箇所・場所”」の連想が働くのが常で、その点を where で表現したのが今回のセリフということなのですね。

貴重なご意見、誠にありがとうございました<(_ _)>
Posted by Rach at 2018年07月26日 18:47
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。