2007年08月27日

ガーリー・マガジン フレンズ3-6その12

[Scene: Monica and Phoebe's, Ross is on the phone, as Phoebe is walking by carrying a lamp.]
モニカとフィービーの部屋。ロスは電話中。フィービーはランプを運びながら歩いている。
ロス: No real-, honey, really. It's fine. Just g-go with Susan. Really, I, no, I think girls' night out is a great idea. Okay, okay, bye. (違うよ、本当に、ハニー、本当に大丈夫だよ。スーザンと一緒に行けばいい。本当に、外で女の子と夜を過ごすことは素敵な考えだと思うよ。わかった、わかった。じゃあね。)
フィービー: So what are they doing? (それで、キャロルとスーザンは何をするのかしらね?)
ロス: I don't know. Something girly. (わからないな。何かガーリーなことだろうね。)
フィービー: (to Monica, who's entering) Hey, you're early. ([部屋に入ってきたモニカに] まぁ、モニカ、早いのね。)
モニカ: What are you doing with the lamp? (ランプをどうするつもりなの?)
フィービー: I'm just taking it to get rewired. (配線を直してもらう[修理してもらう]ために、(電気屋さんに)持って行くつもりなの。)
モニカ: Oh, don't take it to the same place you took the stereo. 'Cause they've had that thing for over a week. (ステレオを持って行った同じ場所[店]へそれを持っていかないでね。だって、もう1週間以上も、ステレオを預けたままだもの[ステレオが戻ってこないもの]。)

ロスは電話しています。
遊び相手にスーザンの名前が出ているので、これはロスの妻キャロルと話しているのだということがわかります。
girls' night は「女の子たちの夜」ということで、女の子だけで夜に遊ぶ、出かける、夜遊びをする、ということですね。
きっと、「スーザンが誘うんだけど、今夜あなたを一人にして、スーザンと遊びに行ってもいいかしら?」と尋ねているのでしょう。

girly は girlie とも綴るようですが、girl の形容詞形なので、「女の子らしい、少女っぽい、乙女チックな」という意味になります。
この意味の場合は、girlish を使う方が一般的かもしれません。

Merriam-Webster Online Dictionary では、
girlie: GIRLISH
とあって、その girlish の意味は、
girlish: of, relating to, or having the characteristics of a girl or girlhood
つまり、「少女や少女たちの、少女や少女たちに関係した、少女や少女たちの特徴を持った」

また、girly には「ヌード女性の」という意味もあります。
a girly magazine だと「ヌード雑誌」という意味になってしまうんですね。

ロングマン現代英英辞典にも、
girlie: girly (informal)
girlie magazine/calendar etc
a magazine etc with pictures of women with no clothes on

つまり、「girlie マガジンや、girlie カレンダーとは、服を着ていない女性たちの写真が載っている雑誌など」ということで、「裸の女性」であることが語義にもはっきり書いてありますね。

ですから、girlie には girlish という意味があるとは言え、「少女雑誌」という意味で girlie magazine と言うと、間違いなくエッチな雑誌の方だと理解されてしまうので、気を付けましょう(笑)。

ロスはもちろん、女の子同士だから、おしゃれな店でショッピングしたり、おいしい食事を食べたり、デザートを食べながらおしゃべりしたり…という少女的なことをするんだろう、という意味で言っているのですが、このヌードという意味があることを考えると、「裸になってエッチなことをする」という意味のガーリーという意味も匂わすことになって、それで観客は笑っているわけでしょう。
まさに女の子と女の子が”そーゆーこと”をするのも、something girly と表現できるなぁ、みたいな。

ロスはそのセリフの少し前、girls' night という言葉を使っていました。
そこでも観客は笑っていましたが、これも something girly と同じで、「女の子同士が夜、いろんなところを遊び回る」という意味ではなく、「女の子同士の秘密のアブナイ夜」みたいに実際はなってしまうことを観客はわかっているから、笑っているわけですよね。
それに気付かないで「どうぞ、どうぞ」と言っているロスがかわいそうな気がします。

ランプを運んでいる時にモニカが帰ってきたので驚くフィービー。
早いのね、という言葉は、日本語でも、「予想していたよりも、思っていたよりも早かった」、「自分の予定が狂ってしまった、段取りが狂ってしまった」というニュアンスがありますね。
この場合はもちろん、モニカの留守中に、必要なものを引越し先であるおばあちゃん家に運ぼうとしていて、モニカに見つかってしまった…というセリフですね。

I'm just taking it to get rewired. について。
rewire は、re- 「再び」、wire 「配線する」ということなので、「電気の配線を(取り)替える、配線し直す」という意味になるのですが…。
その日本語だとどういう意味がいまいちピンと来ませんね。
ロングマン現代英英辞典では、
rewire: [transitive]
to put new electric wires in a building, machine, light etc

つまり、「ビルや機械や照明に新しい電気配線を入れる」

最初、get rewired は、違うコンセント(outlet)に差し込む、差し替える、みたいな意味なのかと思ったのですが、そうではなくて、ランプの電気がつかなくなったから、電気屋さんに持って行って配線を修理してもらう、ということのようですね。
the same place you took the stereo は「例のステレオを持って行ったのと同じ場所」、つまり、同じように修理に出したお店、ということです。
they've had that thing の they は店の人、修理屋さんを指し、that thing は 修理に出したステレオを指しています。
have had ... for over a week. は継続を表す完了形で、「もう1週間以上も、…を所持している」、つまり「1週間以上前に修理に出したのに、まだ戻ってきていない」ということ。

この話で、フィービーのステレオももう彼女の部屋にはないことがわかりますね。
そして、そのステレオについても、それがなくなっているのに気付いたモニカに「電気屋さんに修理に出したの」と説明したのだ、ということもわかります。
モニカはフィービーの引越しに全く気付いていない、ということがよくわかりますね。

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posted by Rach at 11:41| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは!
フレンズって 裏を読まないと笑えないんですよね・・・・Rachさんの解説を読めば あ〜って納得なんですけどね
そうだ これから 私も英英辞典を使うようにします・・・せっかくもってるのにこっちで 殆ど使うことなく 英和の方が簡単じゃないですか・・・・でも ニュアンスがちがうんですよね!!
girlie 初めて聞きました・・・・・girlishは使ったことありましたが・・・・こんど チャンスがあったら ネイティブの友達に girlieでジョーク言ってみようかな・・・・反応楽しみですね(笑)

☆ momo

ps: No way の件も しらなかったなぁ〜 めちゃくちゃ よく使う言葉でしたよ・・・・

Posted by momo at 2007年08月27日 21:49
momoさんへ
解説を読んで納得できる、と言っていただけてとっても嬉しいです。ありがとうございます。
結構、遠回しな表現、って多いんですよね。あまり直接的に言わないのが洒落たジョーク、なのでしょう。

私もこのブログを始めた頃は英和しか使っていませんでした。英英を使い始めたのは1年半くらい前、でしょうか。それも最初は「勉強になるはずだから」と無理に使おうとしていた感じでしたが(笑)、最近は、英英の方がいろんな意味でしっくり来ます。今はほとんど英和は使わなくなりましたね。特にこのブログで細かいニュアンスを説明しようと思うと、英英の方が断然説得力があります。

私も、girlish は知っていましたが、girlie というのはあまり聞いた記憶がなかったような…。語義を考えると、エッチな意味のイメージが強いようなので、普通の会話でしょっちゅう耳にする言葉ではない、ということなんでしょうね。是非使ってみて下さい。反応楽しみですね(笑)

私はネイティブの人と話す状況がほとんど(というか全く)ないのですが、もし話すことがあれば、"No way!" は使っていたと思います。私も普通の言葉だと思っていました。親しい間柄だけで許される言葉とそうでない言葉、などの使い分けって難しいですよね。
Posted by Rach at 2007年08月28日 11:56
おはようございます!
モニカの
Oh, don't take it to the same place you took the stereo. 'Cause they've had that thing for over a week.

の文ですが、構造も特に難しいわけではなかったのにいまいち意味がつかめなくて、観客も笑ってるしロスもその台詞を聞いてがっくり?してるしどういうことなのかな?急にステレオの話が出てきたけど何のことだろう?なんて思ってしまってたのですが
Rachさんの解説のお陰で納得出来ました!
ありがとうございました!
Posted by Potato at 2013年08月25日 09:41
Potatoさんへ
コメントありがとうございます。
構造も単語も特に難しいところはないのに、、という文章に限って、結構くせものだったりしますよね。この文章などは、動詞は take と have しかないですしね^^ そういう基本単語の文章ほど、動詞の基本イメージがしっかりわかっているネイティブには簡単で、我々ノンネイティブには意外と難しい、ということになりそうです。
解説に納得していただき、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2013年08月26日 12:23
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