[Scene: continued from earlier.]
その前のシーン(ジョーイの裸を見てしまう)からの続き。
モニカ: Oh my God! What the hell are you doing? (なんてこと! 一体あなたは何をしてるの?)
ジョーイ: You said, "You wanna come in for some lemonade?" (君は、「うちに来て、レモネードでも飲まない?」って言ったじゃないか。)
モニカ: So? (それで?)
ジョーイ: Whoa, ah!! Were you just gonna give me some lemonade? (あぁ! 君はただレモネードをくれようとしただけなの?)
モニカ: Yeah huh!! Cover yourself up! (えぇ、そうよ!! それを隠してよ!)
ジョーイ: Oh right. Sorry. (あ、ごめん。[裸の前を隠す])
モニカ: God, I don't believe this! When someone asks you in for lemonade and to you that means they wanna have sex? (もう、こんなの信じられない! 「レモネードでも飲まない?」って誰かが誘ったら、それはあなたにとっては、エッチしたい、って意味になるの?)
ジョーイ: Well, usually...yeah. Well, not just lemonade. Iced tea, sometimes juice. Look, sorry. I just... I thought you liked me. I'm such a jerk. (あぁ、たいていはね。レモネードじゃなくて、アイス・ティーだったり、時にはジュースだったり。ごめん、俺はただ、君が俺に好意を持ってると思ってたんだ。俺ってバカだよな。)
モニカ: It's okay. I suppose it could happen to anyone. Not anyone I know, but... By the way I can still see it. (いいのよ。それは誰でも起こり得ることだと思うわ。誰でも、とは言っても、私の知り合いにはいないけど。でも、ところで、まだ「それ」が見えてるわよ。)
ジョーイはまた慌てて前を隠す。
レモネードって言うとそういう意味になるわけ?と尋ねるモニカに、時にはアイス・ティーだったりするけど、と、そのバリエーションを説明するジョーイ。
そんなこと、聞いてるんじゃないと思うけど(笑)。
あまりのことに驚きと怒りを隠せないモニカですが、ジョーイの I thought you liked me. というのは図星だったでしょうね。
それを聞いて怒りが少しトーンダウンしてしまったようです。
I thought you liked me. という過去形は、「俺は、君が俺を好きなんだ、と思っていた。でも実際は、君は俺のことを好きじゃなかったんだね。それは俺の誤解だったんだ、ってことが今わかったよ。」というニュアンスが表れています。
あえて、付け加えるとすると、I thought you liked me. But in fact, you don't like me. Now I understand. みたいな感じでしょうか?
こんな風にくどくど言わなくても、I thought... というだけで、「思っていたけど、実際は違う。俺の思い違い・勘違いだった。」というニュアンスが出るわけですね。
フレンズ3-5その3 でも、
レイチェル: I thought you only met him once. (フィービーは弟さんと一度しか会ったことないと思ってたけど。)
というセリフがありましたが、「思ってた(けど、実際には何度か会ってるのかしら?)」というニュアンスがその thought に出るわけです。
相手に向かって言う場合に、I believed you. 「あなたを信じてた(のに)。」とか、I loved you. 「あなたを愛してた(のに)。」のように過去形にするだけで、「今は違う」ということがわかる、だから、過去形か現在形かの違いは大きい、ということです。
I forgot it. なら、「私はそれを忘れてたわ。」→「今、やっとそれを思い出したわ。」ということになります。
フレンズ2-15その5 に出てきたレイチェルの "I forgot!" というセリフがまさにそれですね。
英語では、三単現(三人称・単数・現在)の -s を付けたか付けないか、などの間違いなら、意味を取るのに支障はありませんが、このように時制を間違えてしまうと、全然意図するところと違ってしまう場合がありますので、気を付けましょう。
誰にでも起こることね…と言った後、やっぱり誰でも、ってわけじゃない、私の知り合いの中では、やっぱりこんなことあり得ないわ、と言い直しています。
が、ジョーイの裸を見るまでは(笑)、良い雰囲気だったのは間違いないですよね。
こんな結果になってしまいましたが、モニカが最初はジョーイに気があった、という話は、すでに、フレンズ1-7その3 で語られていました。
フィービー: I was the last to know you had a crush on Joey when he was moving in. (ジョーイが引っ越してきた時に、モニカがジョーイに気があったっていう話を知ったのも、私が最後だったし。)
ジョーイ: What? (何だって?)
フィービー: Looks like I was second to last. (これは、最後から2番目だったみたいね。)
2005年7月のその記事で、「このモニカがジョーイに気があった、という話は、後のエピソードで、当時の回想シーンが出てきますので、お楽しみに。」と書いたのですが、その回想シーンが今回説明したシーンです(たどり着くのに、2年もかかっちゃったよ…笑)。
モニカの方も、ジョーイの身体に触ったりして、結構積極的でしたから、こんな急展開でなければ、いいムードになって…ということもあり得たのでしょうが、今までジョーイが付き合ってきた女性に比べて、モニカはもう少し身持ちが堅かったというか、もう少しムードを大切にするタイプだった、ということでしょうね。
モニカも「こんな風になっちゃうなんて…」と、どこか寂しい気持ちを感じているようでもあります。
(Rach のプチ企画)
今日から9月。いつも長い記事を読んでいただき恐縮なので、最後に「今日のポイント」をごく短い言葉で書く、という企画を考えてみました。
すぐに辞めちゃうかもしれませんけど(笑)、自分の記事を客観的に見るための試みです。
「今日のポイントは何だったんだろう?」みたいな記事を書かないように自らを戒めるためのもの、ですかね(笑)。
ポイントに挙げようと思っているのは、文法事項だったり、単語や熟語だったり、英語学習のコツだったり…と多岐に渡ると思いますが、少しでも読者の方々の英語学習のお役に立てることが書けていればなぁ、と思います。
…で、早速、
(今日のポイント)
過去形は「今は違う」のサイン。
(Rach からのお願い)
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この今日のポイント、いいですね!(ずっとあるのかなぁ、あるといいなぁ)・・・で、真面目に(笑)英語の時制って本当に苦手です。
経験だから、完了形を使う?と思うと単に過去形で大丈夫だったり
→例えば、昨日見た文ですが、「そこに何回行ったの?」を
その本では「How many times did you go there?」でOKとなっていました。もちろんこれが絶対ではないのかも知れないけれど、この日本語を見た時は私は間違いなく完了形を使っています。
で、話を戻すと・・・(笑)過去形は「今は違う」のサイン、なんですね。すごくシンプルだけどすごく良く判りました。現在形もよく文法書で、現在の習慣を表すとか書かれてあってもいまいちふぅ〜ん、そうなんだ、と思っていたけどこうしてドラマを通してみていくと
そのニュアンスがとてもよく判るし。
Rachさんの解説のお蔭ですね、感謝です♪
コメントありがとうございます。
「今日のポイント」をお褒めいただき、ありがとうございます、、なんですが、(と逆接が続くのでおわかりかと思いますがw)、残念ながらそんなに長く続かないプチ企画でした。すみません、、、
ただ、「過去形は「今は違う」のサイン」という言葉自体は、過去形のニュアンスを理解するのにいい感じの表現になったかな、とは自分では思っています(^^)
やっちんさんがおっしゃる、「過去形か現在完了形か」の問題は、ノンネイティブにはほんとわかりにくい世界ですよね。イギリス人に比べて、アメリカ人は過去形で済ますことが多い、とも言いますし、その言葉を発した人が、完全に過去のイメージで捉えているのか、ある時期から今までの間にどうだったか、ということで言っているのか、ということに大きく左右されるようですね。
文法書で用法ごとの例文1文を読むだけではピンとこないことも、ストーリーの流れの中で、複数の人のやりとりのセリフの中で出てくると、意味やニュアンスがわかりやすくなりますよね。
これからもそういう部分に注意して、わかりやすい解説を心がけたいと思います。過去の記事(この記事なんかは6年も前!の記事ですものね)を丁寧にお読みいただけていること、こちらこそ、感謝です♪
いつも思っていることですが、私は、Twitter や Facebook もやっていますが、そちらの場合だと、2007年に書いたものが人の目に触れることはほとんどないだろうし、また、それに対してコメントをいただけることもないでしょうね。自分がいろいろ調べて書いたことが、ちゃんと後々まで残ってくれる、というところがブログのありがたいところで、こうして古い記事も読んでいただけることがわかっているからこそ、毎回の記事もきちんと書いて残していこう、という気持ちにもなれるのだと思います。本当にありがとうございます(^^)