2007年09月10日

ボールズ フレンズ3-6その25

プール・テーブルの上でキスをするロスとフィービー。
ロス: Ouch! (いたた!)
フィービー: What? (何?)
ロス: Stupid balls are in the way. (holds up two balls) (おバカなボールが邪魔なんだ。[二つのボールを掲げて見せる])
(They both look at each other and start laughing (Lisa almost lost it there), and sit up. Ross hits his head on the lamp again.)
二人ともお互いを見て、笑い始める。[リサ・クドローはこらえ切れずに笑ってしまいそうになる] そして、きちんと座り直す。ロスはまたランプに頭をぶつける。)
ロス: Oh, well. That probably wouldn't have been the most constructive solution. (あぁ。多分、今のは、「最も建設的な解決法」ではなかっただろうね。)
フィービー: You have chalk on your face. (顔にチョークがついてるわ。)
ロス: Huh? (the rest of the gang enters) (そう? [残りのフレンズたちが入ってくる])
フィービー: Oh, Ross, you're right, I don't know why I always thought this was real grass. (まぁ、ロス。あなたの言っていたとおりね。どうして私がいつもこれを本当の草だと思っていたか謎だわ。)
モニカ: Honey, you okay? (ハニー、大丈夫?)
ロス: My wife's a lesbian. (僕の妻はレズビアンなんだ。)
ジョーイ: Cool! (いいねぇ!)
チャンドラー: Ross, Joey. Joey, Ross. (they shake hands) (ロス、ジョーイだ。ジョーイ、ロスだ。 [二人は握手をする])
ロス: Hi. (やぁ。)

情熱的になっている二人なのに、いろんなものが邪魔をします。
今度はロスの大事な部分(笑)にプール・ボールがあって、それが当たって痛かったらしい。
それを取り出して見せるロスですが、自分で言ったセリフ、"Stupid balls are in the way." の stupid balls という言葉を聞いて、自分自身の balls を思い出してしまった、というか、その balls を連想させる洒落みたいになってしまって、つい笑ってしまったんですね。
わざわざ説明する必要もないかもしれませんが、「ボール、玉」と聞いて日本人にもそれを想像する人がいるように、balls と複数形で使うと、「睾丸」という意味になります。(←堂々と書いてしまった…恥じらいを忘れた子持ち主婦は怖いですね…笑)
2つあるということで、複数形なのがポイントでしょうか(笑)。

ロングマン現代英英辞典では、ball [noun] の10番目の項目に、複数形 balls の語義が載っています。
balls [plural]: (informal not polite)
a) testicles
b) courage
例) I didn't have the balls to ask.
c) (British English spoken) something that is stupid or wrong (synonym: nonsense)
例) That's a load of balls!
(see also balls [interjection])


a) が今回の「睾丸」という意味。
b) は「勇気」で、例文は「私には尋ねる勇気がなかった。」
c) は「(イギリス英語・話し言葉) 愚かなこと、間違っていること」(同義語:nonsense)、例文は「それは全くばかげている!」(参照→ balls(間投詞))

b) についてですが、日本語でも度胸のない男性に対して、「○○ついてんのか?」などと罵ったりする表現がありますね。(かなりお下品な例で、すみません)

c) は、balls が「ナンセンス、ばかげたこと、くだらないこと」という意味で、それが間投詞としても使われると書いてあります。
その間投詞の語義を見てみると、
balls [interjection]: (British English not polite)
used to show strong disapproval or disappointment
例) Balls to that!

つまり、「(イギリス英語、polite ではない表現) 強い不賛成、失望を示す」、例文は「それには反対だ、がっかりだ。」

そう言えば、アリー my Love でジョン・ケイジが、"Balls!" 「くだらん!」とよく言っていました。
彼は弁護士ですから言葉に敏感なはずですが、balls の元々の意味を考えると、使う相手に気をつけないといけない言葉のようですね。
かなりあきれている、またはムカついている時しか使っていなかったと思いますし、言われた方も「そんな言い方する? そこまで言う?」みたいな感じだったように思います(多分)。

フレンズ2-9その1 では、
フィービー: Ugly Naked Guy is decorating his tree. You should see the size of his Christmas balls! (裸のブ男がツリーを飾ってるわ。彼のクリスマスのボールのサイズを見てよ!)
というセリフがありました。
これも今回と同じで「彼のモノ」を連想させるジョークなわけですね。

ふと、くだらないことを考えてしまったのですが、野球チームの名前で「なんとかボールズ」なんて名前をつけてしまったりするとマズい、ってことなんでしょうかねぇ?
"Balls!"=「くだらん!」なわけですし、testicles という意味もあるわけだし…。
でも、男性が集まったチームである、という意味では、限りなく正しい名前であるような気もするし…?(爆)。

とにかくその balls という単語から来る連想がおかしくて、二人とも情熱的でシリアスな気持ちがふっとんでしまうわけですね。
ここのト書きが少し変わっていて、"Lisa almost lost it there" つまり、フィービーではなく、リサと書いてあります。
これはフィービー役のリサ・クドローのことですね。
lose it は「自制心をなくす、平静を失う、感情を抑えられなくなる」という感じですが、この場合は、この balls のセリフがあまりにも今の状況にマッチしたものだったので、ウケてしまって、少し演技を忘れて、本気で吹き出してしまいそうになった、ということのようです。
まぁ、そう言われれば、妙にウケているようにも見えますが、珍しいト書きですね。
ファンがディクテーションして書き起こしたスクリプトである、というのがよくわかります。

笑って我に返った二人は、少し落ち着いたようです。
慰めて、慰められて、その場の雰囲気に飲まれて、こんな風に「勢い」で寝てしまうのはよくない、the most constructive solution 「最も建設的な解決法」ではない、ということに気付いたのですね。

みんなが入ってきたので、プール・テーブルで寄り添って座っているのを何とかごまかそうとする二人。
フィービーの言い訳は回りくどいですが、プール・テーブルの緑は「人工芝」(?)、もしくはそれに似せたものなのに、どうして私は本物の草だと思っていたのかしら、ということです。
それを確かめるために、座って触っていたのよ、という言い訳ですね。

ここでエッチをしていたら、フレンズたちに目撃されて大変なことになっていたので、踏みとどまって良かった、という感じ。
元気のないロスが「妻はレズビアンなんだ。」と言っているのに、それを聞いて喜んでいるジョーイ。
彼はこれまでのエピソードで何度も話に出ているように、「レズビアン好き」なんですが、初対面から早速そこに反応していた、というのが面白いです。


(今日のポイント)
balls という言葉を、ちょっと深入りして調べてみる。
一つのイメージがいろんな言葉に広がるさまを感じて下さい。いわゆる「卑語」と言われる言葉ほど、日本語のイメージと重なる部分が多いように思います。
自分で使うことは少ないかもしれませんが、そういう言葉も知っていると、洋画やドラマの「雰囲気」を楽しむことができます。
「下品な言葉は下品なように、荒っぽい言葉は荒っぽいように」聞こえていなければ、それを楽しめたとは言えませんよね。


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posted by Rach at 11:32| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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