レイチェル: Okay, look, I know, all right, just one dinner, please, just one night for me, please? I just want him to love you like I do. (Ross looks at her) All right, well, not exactly like I do, but, but, if you do come to dinner, I'll love you like I do in that black thing that you like. (わかった、ねぇ、1回のディナーだけよ、お願い。私のために一晩だけ、お願いよ。私はただ、私があなたを愛するように、パパにあなたを愛して欲しいだけなの。[ロスはレイチェルを見つめる。] えーっと、私が愛するのと全く同じように、じゃないけどね。でも、もしロスがディナーに来てくれたら、あなたが好きなあの黒いのを着た時と同じように、あなたを愛してあげるわ。)
チャンドラー: (leaning in) I'll go. ([身体を傾けて入ってくる] 俺が行くよ。)
ロス: Fine. (わかったよ。)
レイチェル: Thank you. (ありがとう。)
ロス: Hi, Gunther. (やあ、ガンター。)
ガンター: Yeah. We'll see. (あぁ、これからどうなるかの成り行きを見てるよ[これからどうなるかはわかんないよ]。)
私がロスを愛するように、パパにもロスを愛して欲しいの、というレイチェルですが、精神的に愛する、というだけではなく、具体的な愛の行為も含めて?みたいに、一瞬ロスは想像してしまったんでしょうね。
もちろんそんなことはないのはロスもわかっているのですが、何から何まで君と同じようにパパに愛してもらいたくはないよ、と言いたげなロスなので、もちろん、全く同じじゃないけどね、とレイチェルは付け足ししています。
そして、同じように愛すると言えば…とその行為のことでふとある考えを思いついたレイチェル。
in that black thing と thing という漠然とした言葉を使っていますが、恐らく「下着」のことでしょう。
きっとかなりセクシーなもので(色も黒だしね、ふふふ…笑)、そういうのを着て、かなり激しく(?)愛し合ったことがあるのでしょうね。
ディナーに来てくれたら、お礼に「あの時みたいに」サービスしちゃうわよ、と言っているわけです。
lean はロングマン現代英英辞典によると、
lean: [intransitive always + adverb/preposition] to move or bend your body in a particular direction
つまり「ある方向に、身体を動かす、または曲げること」
この場合は、急に身を乗り出して、話に割り込むという感じですね。
横で話を聞いていたチャンドラー、パパのことでモメている間は、そんなことどーでもいいや、という感じで他人のふりなんですが、セクシーな話になってくると、耳がダンボになっちゃったんですね。
そんなサービスしてくれるなら、いやがるロスの代わりに俺が行ってやるよ!と思わず身を乗り出すチャンドラーがおかしい。
We'll see. は「(結果がどうなるか)今にわかるだろう」「成り行きを見守ろう、様子を見よう」という意味になります。
この see は、ロングマン現代英英辞典では、以下の語義が該当するでしょうか。
see: IN THE FUTURE
[intransitive and transitive] to find out about something in the future
'Can we go to the zoo, Dad?' ' We'll see .' (=used when you do not want to make a decision immediately)
つまり、「未来に、何かについてわかること」。
例文は、「パパ、動物園に行ける?」「そのうちに(行けるかどうか)わかるよ[様子を見よう]。」(=すぐに決心したくない場合に使う。)
フレンズ2-14その8 にも、We'll see. は出てきました。
よく似た表現で、You'll see. というのもあります。
ロングマン現代英英辞典に以下の例文が載っています。
Things will work out, you'll see (=you will find out that I am right).
つまり、「ことはうまく行くよ。そのうちわかるよ。(=俺が正しいってことがもうじき君にもわかるよ。)」
We'll see. と You'll see. はよく似ていますが、そのニュアンスの違いは、I (私)が含まれているかどうか、でしょうね。
We'll see. の場合は「話者である私自身も今のところはわからない、君も私も時が経てばそのうちわかるだろう」、You'll see. の場合は「私はあることを確信していて、君もそのうちにそれがわかるよ」という感じですね。
で、ここのガンターのセリフなんですが、ロスとレイチェルは、今はこんなラブラブぶりを見せ付けているけど、二人の間もこれからどうなるかわからないぞ、俺が彼女を横取りできるかも、彼女が僕に心変わりするかも、未来のことなんて今はわからない、今は何とも言えないけど、そのうちにわかる時が来るさ…みたいなことでしょうか?
「このままで済むと思うなよ。」という日本語の捨てゼリフもありますが、それに近いかも。
「この幸せが続くとは限らないぞ。」という感じですね。
上に挙げた We'll see. と You'll see. の違いを考えてみると、怖い顔でにらんではいるのですが、ガンター自身も「レイチェルが僕のものになる」という確信はないのでしょうね(笑)。
絶対に僕が奪い取ってやる、と思っているのなら、You'll see. 「今に見てろ、俺が必ず奪い取ってやるからな。」になるような気がします。
ガンターも、ただ幸運が自分の方に転がってくる可能性を待っているだけ、という感じで、それが We という主語に出ている気がするのですが、どうでしょう?
ロスはガンターのレイチェルに対する気持ちを知らないようなので、一体何を怒っているのか、多分気付いていないでしょうね。
(今日のポイント)
・We'll see. と You'll see. のニュアンスの違い。
・We'll see. は「今はわからない。そのうちわかる。」というニュアンスなのですが、ガンターのように怒った様子で言うと、「いつまでもこの(幸せな)状態のままとは限らないぞ。」という捨てゼリフっぽい言葉になります。
こういう、辞書からはなかなか掴みにくいニュアンスを、ドラマを見ることで掴んで下さい。
(Rach からのお願い)
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そうですね、これらの表現は、状況などによって意味が違ってくることが多いようですね。上のロングマンの例文だと、「今はわからない。今は決めかねている。」ということで、返事を先延ばしにしているわけですね。相手に対する感情はあまり関係ない気がします。
今回のセリフは、We'll see who has the last laugh. だ、というお話、全くその通りだと思います。
「最後に笑うのは誰かな、それが今にわかるよ。」ということですね。
ロングマン現代英英辞典の語義は以下の通り。
have the last laugh: to finally be successful, win an argument etc, after other people have earlier criticized you, defeated you etc
つまり、「他の人がそれに先立ってある人を批判してきた、または負かしてきた後に、(批判されていた)その人が最後に成功すること、議論に打ち勝つこと」
私は「捨てゼリフ」だと思ったんですが、「挑発」の方がより近いですね。彼が一生懸命すごんでみせているのに、ロスには何のことだかわからない、というおもしろさ、ということでしょう。
ガンターとレイチェルの間にすでに何かがあって(「実はロスよりもガンターの方が好き」と言われたとか?)、レイチェルは俺のものだ、という事実がないと、You'll see. は使えないのですね? もしくは、絶対に俺なら落とせる、というかなり強い確信とか秘策(?)があっても、使えるでしょうか??