2007年09月23日

社会に恩返しするチャンス フレンズ3-7その9

モニカ: What's the part? (役は何?[何の役?])
ジョーイ: Well, it's not a part, no. I'm teaching Acting for Soap Operas down at the Learning Extension. (あぁ、役じゃないんだ。大学公開講座で、ソープオペラの演技を教える予定なんだ。)
ロス: Come on! That's great. (わぁ。それはすごい。)
みんな: Wow! (ワオ!)
ジョーイ: Yeah, yeah. It's like my chance to give something back to the acting community. (そう、そうなんだよ。それはまるで、演技の社会に対して何かしら恩返しができるチャンス、って感じだな。)
ロス: Y'know you're probably not allowed to sleep with any of your students. (ねぇ、わかってると思うけど、生徒と寝ちゃいけないだろうね。)
ジョーイ: (glares at him) I know. ([ロスをにらみつけて] わかってるよ。)

ジョーイに仕事が入った、という話になると、必ず、"What's the part?" とみんなが尋ねますね。
フレンズ1-6その3 にも出てきました。
「役を演じる」は、play a part, play a role なのでそういうフレーズを使わないといけないような気が一瞬するのですが、あっさりと "What's the part?" で済んでしまう、そういう「あっさりした便利な表現」をドラマで覚えていけるといいなぁ、と思います。

extension は「伸張、拡張」。「電話の内線」という意味もありますね。
付け毛のことを「ヘアーエクステンション」と呼んだりしますが、それも「伸ばす」ことから来た言葉ですね。(hair extension というのは和製英語ではなく、れっきとした英語のようです。)
ジョーイのセリフでは、「大学公開(講座)」という意味になります。

ロングマン現代英英辞典によると、
extension: UNIVERSITY/COLLEGE
[uncountable] part of a university or college that offers courses to people who are not full time students

つまり、「フルタイムの学生ではない人々に講座を提供する大学の一部分」。

通常の学生に対する講座以上に拡大したもの、という意味で、extension という単語が使われているのでしょうね。

give something back to the acting community. について。
「社会に何かを返す、恩返しをする」と、成功した人がよく言うようなことを言っていますね。
大金持ちになってから、若い頃、苦労したこと、もしくは自分が助けてもらってありがたかったものに寄付をする、とか、自分がいろいろ学んだことを、大した報酬ももらわずに進んで多くの人に教える、などのことですね。

glare は「にらみつける」。
ロングマン現代英英辞典では、
glare: to look angrily at someone for a long time
つまり、「長い時間、誰かを怒って見つめる」。
怒った感情が入っているところがポイントです。

何故怒っているか、について。
「生徒と寝てはいけない」というのは、わかりきったことなのですが、ジョーイは、少しはそういうおいしいこともあるかな?と期待していたのかもしれません。
だから、先に釘を刺されてしまって、むっとしているのかなと思います。
「こっそり期待していたのに、それを口に出す前に先にロスに止められてしまった」から怒っている、のだろう、と。

I know. と言う前に、何だか妙な間(ま)がありますよね。
ジョーイは心の中で、「やっぱりそれってダメなのか? むちゃくちゃホットな女の子がいてもダメなの?」みたいに迷った末に、やっぱりダメとわかって「言われなくてもそれくらいわかってるさ。」と遅ればせながら認めた、という感じかもしれません。
まだ授業が始まってもいないのに、いきなり夢を壊すなよ、みたいな感じもあるでしょうか。


(今日のポイント)
・extension の様々な意味。でも、基本にあるのは「伸びる」というイメージです。
・ト書きの単語に注目。(今回は glare)
今回だけに限ったことではないですが、ト書きでは、「動詞」に注目してみましょう。
「こんなふうに怒った顔で相手を見つめることを英語の動詞では何というのかな?」という視点でト書きに注目してみて下さい。


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posted by Rach at 09:05| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。

look at him angrilyがglare atでいいわけですから、覚えてしまえば楽ですし、状況も分かりやすいですよね。

exにはout ofとかfromという意味があるので、今ある枠組みの外側に存在する、感じだと思います。extra-なんとかだと追加分ですし、日本語のエキストラもレギュラー外の方々ですよね。ex-wifeだと今の奥さんじゃない、前の奥さんとか。

本筋では、ジョーイは甘い夢を壊されたから怒ったんじゃないかなと思います。でも本当は「演劇社会への恩返し」という善意を踏みにじられたので怒ったのかもしれません。

私、あのジョーイの間が大好きです。
Posted by leo at 2007年09月23日 09:42
leoさんへ
またお越し下さって、ありがとうございます。

glare について。
日本語でも、「見る」が基本にあって、「見つめる」「じろじろ見る」「睨む」「凝視する」などといろいろなバリエーションがあります。英語においてもそういうバリエーションを増やしていけると、自分の語彙が増えるし、表現が豊かになりますよね。

ex- の基本的なイメージや意味を知っていると、そんな風に単語を関連付けて覚えることができますね。
過去記事、「語彙をどう増やしていくか?」
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470788.html
で取り上げた参考書「英検1級教本」には、「接頭辞・接尾辞・語根」という項目がありました。
ドラマを見ながら単語を覚えていくことで、似た部分のある単語同士の関連性を漠然と感じることができるのですが、それを体系立てて説明してもらえると、余計に頭が整理されやすくなると思います。

ex-wife なんて言葉は学校では習いませんでしたが(笑)、ドラマではよく出てきます。私もフレンズで覚えました。

leoさんのおっしゃるように、下心のある(?)「甘い夢」を壊されたのでムッとしているのと、善意を踏みにじられたことの両方が関係しているのかもしれません。「これで恩返しできる、って言える俺ってかっこいい」みたいに自分で自分の言葉に酔っているようなところもありますが、せっかくそういうことを言っているのに、ジョーイと言えば「寝る」、のように、女の子の話を持ち出したロスに怒っている、ということかもしれません。
あの「間」に、いろいろな感情が込められているんですね。
Posted by Rach at 2007年09月24日 08:52
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