2007年10月05日

新しいあだ名は「大物くん」 フレンズ3-7その20

ドクター・グリーン: All right, kids. Ready? (よし、君たち。準備はいいか?)
ロス: Thanks again, Dr. Greene. (もう一度御礼を言いますね、ドクター・グリーン。)
(Ross takes a twenty and slips it underneath the bill when Dr. Green isn't looking.)
ロスは、20ドルを取り出して、ドクター・グリーンが見ていない間に、請求書(勘定書)の下に紙幣を滑り込ませる。
ドクター・グリーン: Oh, wait, wait, wait, wait, I think I forgot my receipt. (おぉ、待ってくれ、待ってくれ。レシート(領収書)を忘れたようだ。)
ロス: Oh, ah, you don't need that. (あぁ、そんなの要らないですよ。)
ドクター・グリーン: Why not? (どうして要らないんだ?)
ロス: The carbon. It's messy, I mean, it gets on your fingers and causes, the, the ah, night blindness. (カーボン紙ですよ。手が汚れます。つまり、カーボンが指について、夜盲症(鳥目)を引き起こしますよ。)
ドクター・グリーン: (gets his receipt and notices the twenty) What is this? Who put a 20 down here? Huh? ([レシートを取って、20ドル紙幣に気付く。] これは何だ? 誰がここに20ドル紙幣を置いたんだ? あぁ?)
ロス: Oh, yeah, that would be me, um, I have, I have a problem I-I tip way too much, way, way, too much, it’s a sickness, really. (あぁ、それは僕みたいですね。僕には問題があるんです。チップを出しすぎる、もうものすごく高額のチップを出す、っていう問題が。それは病気ですね、本当に。)
レイチェル: Yeah, it is, it is. (to Ross) We really, really have to do something about that. (あぁ、そうね。そうね。[ロスに] 私たち、本当にその件について対処しないといけないわね。)
ロス: I know. (そうだね。)
ドクター・グリーン: Excuse me, you think I'm cheap? (ちょっと待て。ロスは私がせこいと思っているのか?)
レイチェル: Oh Daddy, no, he didn't mean anything by that, he really didn't. (まぁ、パパ。違うわ。ロスの今の発言は、何かを意図したものじゃないのよ[何も(深い)意味はないのよ]。本当に何のつもりもないの。)
ロス: Nothing I do means anything, really. (僕のすることで、意味のあることなどありません。)
ドクター・グリーン: This is nice. I pay $200 for dinner. You put down 20, and you come out looking like Mr. Big Shot. You really want to be Mr. Big Shot? Here, I'll tell you what, you pay the whole bill, Mr. Big Shot, all right? (rips up the bill, and throws it at Ross, then leaves) (これはいい。私はディナーに200ドル払う。君は20ドルを置いて、大物ぶって(ミスター・ビッグ・ショットのような姿で)店を出る。ロスは本当に大物になりたいか? ほら、いいか、全部の勘定を君が払いなよ、大物くん。いいだろ?)
請求書をビリビリに破いて、それをロスに投げつけて、出て行く。
ロス: Well, "Mr. Big Shot" is better than "Wet-Head." (あぁ、「ミスター・ビッグ・ショット(大物くん)は、ウェット・ヘッドよりもましだよね。)

carbon は「炭素」ですね。
日本語にもなっていますが、「複写用のカーボン紙」も指します。
carbon dioxide だと「二酸化炭素」ですね。
請求書(bill)と領収書(receipt)が2枚複写式になっていて、その領収書の方を持って帰らないといけない…ということでしょう。

messy は「取り散らかした」「汚れた、体を汚す(ような)、やっかいな、面倒な」という意味になります。
ロングマン現代英英辞典では、
messy:
1. dirty or untidy

「汚い、または散らかった」
2. (informal) a messy situation is complicated and unpleasant to deal with
「messy な状況とは、複雑で扱うのが不愉快なこと」
3. making someone or something dirty or untidy
「人やものを汚くしたり、散らかった状態にする(ような)」

この場合は、カーボン紙そのものが汚いとか汚れているのではなくて、「それに触ると、触れると」手が汚れる、という意味の messy なんですね。
ちょっと調べてみたのですが、night blindness と carbon との関係はよくわかりませんでした。
ロスが適当に思いつきで言っているだけかもしれません。

ついチップを置き過ぎてしまうのが僕の病気だとごまかすのですが、それでパパの置いたチップの額に不満であることがわかってしまうのですね。

Nothing I do means anything. という表現はなかなか日本人には出てこない感覚ですね。
日本人的に考えると、What I do doesn't mean anything. または、What I do means nothing. と言ったところでしょうか?
英語では名詞を否定する no や nothing という単語がありますので、主語としていきなり否定のものを持ってきて、"無 means anything" のような構文になるのですね。
means anything なもの(何かしら意味のあるもの)が「ない」ということです。
文の後半に、not mean anything や mean nothing と来て「(主語)は意味がない」とするよりも、いきなり nothing で文を始めて、「…するものは全くない」とする方が、意味は強烈になる気がします。

上では、「僕のすることで、意味のあることなどありません。」と訳してみましたが、「僕のすることにはどれも意味がない。意味など深く考えずに行動してしまうのが僕なんです。」とも言えるでしょうか?

big shot は「大物(おおもの)、有力者」。
パパにしてみれば、「ディナーを全額払わせておいて、その私のチップにケチをつけて、少しチップを上乗せしただけで、偉そうにするな!」という感じなのでしょう。
パパのセリフによると、今回のディナーの料金は200ドル。
ロスは20ドルを置いたので、10%をチップとして置くのが「普通」みたいです。
パパは4%ほどしか置いていない、とロスは言っていましたので、それはかなり少ないようですね。

タイムリーなことに、アメリカ人のデイズさんが、ご自分のブログで、チップについての記事を書いて下さっています。
Rocking in Hakata: チップについて
日本語と英語の両方で書かれていて、チップと労働者最低賃金との関係、州によるチップの違い、の話が書かれていてとても参考になります。
興味のある方はぜひご覧下さい。

パパを完璧に怒らせて、またプライドを傷つけてしまったので、非常に困った立場になったロス。
Wet-Head というあだ名については、フレンズ3-7その6 で出てきました。
「濡れた頭」「濡れ頭」よりはまだ「大物くん」の方がましだよね、と自分を慰めるしかありませんね。


(今日のポイント)
・messy は「汚い、散らかった」という意味ですが、他のものを汚す、つまり「それに触ると、触れると(手など)が汚れる」という意味もあります。
・Nothing I do means anything. についての考察。
・新しいあだ名 Mr. Big Shot 「大物くん」(笑)
「どうせ私はチップをケチった小人物だよ、君はチップを弾む太っ腹の大物だね。」みたいな皮肉が込められたあだ名ですね。


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posted by Rach at 14:44| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
前にWet-Head.が笑いの伏線と解説されていましたが今回Well, "Mr. Big Shot" is better than "Wet-Head." は第二弾の伏線で最終的なオチがあるのがおもしろいところですね。
Posted by catch at 2007年10月06日 00:16
catchさんへ
そうですね。わざわざ「君のパパは僕のことを Wet-Head と呼んでいる」というセリフを入れていたのは伏線で、今回のはその伏線の続きですね。
これで終わりじゃなくて、まだそのあだ名でもう一回遊ぶ、というところがよく出来た脚本だなぁ、と思うのです。後に出てくるそのオチと、それに対するレイチェルのフォローが私は好きですね(笑)。
Posted by Rach at 2007年10月06日 09:42
リンクありがとうございます!
Posted by デイズ at 2007年10月07日 18:22
Dear Deas
The pleasure is mine! Plus, thanks for visiting my blog frequently.
Posted by Rach at 2007年10月08日 07:54
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