2007年10月12日

ビッグになれ! フレンズ3-7その25

レイチェル: All right, look, here's the bottom line, Ross, this is fixable if we act fast, okay? So, I'll invite him to brunch tomorrow, and you can make nice. (わかった。ねぇ、ここが肝心なところなのよ、ロス。もし私たちが素早く行動したら[対処したら]、これは修復可能よ。いい? だから、私はパパを明日ブランチに招待するわ。そしてあなたが(パパに対して)好意的に優しく振舞うの。)
ロス: Look, honey, I have tried to make nice, it doesn't work. (ねぇ、ハニー、僕は仲良くするようにこれまでトライしてきたんだ。うまくいかないよ。)
レイチェル: Okay, look, Ross, I realise that my father is difficult, but that's why you have got to be the bigger man here. (わかった、ねぇ、ロス。私のパパが難しい人だってことはよくわかってる、でもだから、あなたがここでもっと大きな男にならないといけないのよ。)
ロス: Look, sweetie, I could be the bigger man, I could be the biggest man, I could be a big, huge, giant man, and it still wouldn't make any difference, except that I could pick your father up and say, "Like me! Like me, tiny doctor!" (ねぇ、ハニー。僕はより大きな男にはなれるだろう。一番大きな男にもなれるかもしれない。大きくて巨大でジャイアントな男に。そしてそれでも何も変わらないんだ。君のパパを持ち上げて「僕を好きになれ! 好きになれ! 小さなドクター!」って言える場合を除いてはね。)

the bottom line は「最終結果、結論」「肝心なこと、大事なこと、重要なこと、要点」。
bottom line は元々、決算説明書などのような計算書の一番下の行を指します。
そこには、最終的な計算・集計結果、収支決算の数字が表示されるので、そこが一番大事だ、だから、「肝心なこと」という意味になったのですね。
普通は、The bottom line is that... の形で、「つまりは、要は、大事なことは…ということだ。」のように使います。
the bottom line と必ず the をつけましょう。

make nice について。
nice はロングマン現代英英辞典では、
nice: FRIENDLY
friendly, kind, or polite

という意味ですから、「良い感じで振舞う、(けんかしないで)仲良くする」というようなニュアンスでしょうね。

big というレイチェルの言葉に対して、big, huge, giant と同じような類義語を並べて、例えどんなに「大きく」なったとしても、心の広い男になったとしても、パパは心を開いてはくれないよ、パパとうまく行くのは難しいよ、と言っています。
except that は「(that 以下)であることを除いては」で、つまりは、「that 以下だというのなら、話は別だけど、別の可能性がでてくるけど」、that 以下でないならば何も変わらない、ということです。
否定の条件を表す接続詞の unless 「もし…でなければ、…なら話は別だが」と似た感じですね。

いくら大きくなっても、何も状況は変わらない。
でも、僕がパパを指でつまめるくらいの、a big, huge, giant man 「(身長や体のサイズが)でっかい男」になって、パパを怒鳴って威圧すれば、さすがのパパも歯向かえなくて、僕の言いなりになるだろうけどね、と言っているのですね。

レイチェルは「精神的」に大きな心を持って、とお願いしているのを、いくら精神的に大きくなっても無駄だよ、「物理的」に大きくなれたら可能かもしれないけど、と茶化しているわけです。

このビッグについては、日本語の「大きい、ビッグ」にも同じように二通りの意味があるので、日本人にもわかりやすいジョークですよね。

脱線しますが、たまたまテレビを見ていたら、10月20日から公開される「ヘアスプレー(Hairspray)」という映画のCMをやっていました。
サイズが big な(つまり太めの)女の子がスターになる、というお話のようですが、父親に「ビッグになれ!」と激励されているシーンが映っていました。
日本語字幕で「ビッグになれ!」と書かれている部分、実際の英語のセリフでは、
"You've got to think big to be big."
と言っているようです。
Hairspray の英語版オフィシャルサイトの ABOUT THE FILM に書いてあるあらすじでセリフを確認できました。ちなみにこのサイト、音楽が流れるので、会社などでは開かないで下さい…笑)

直訳すると、「ビッグになるためにビッグに[ビッグなことを]考えないといけない。」みたいなことですね。
ロングマン現代英英辞典には、
think big: (informal) to plan to do things that are difficult, but will be very impressive, make a lot of profit etc
つまり、「難しいが、非常に目覚ましい強い印象を与え、多くの利益を生み出すようなことをしようと計画すること。」
日本語で言うと、「野心や大志を抱け、でっかい夢を持て」みたいなことでしょうか?
小さいことにくよくよせずに、目標に向かって大きく考えろ、という感じでしょうね。

この女の子が big であることがその映画の特徴なので、わざと big という言葉を連呼しているのが面白いわけです。(このパパのセリフだけでも2回も出てきますし…笑)
日本語字幕には文字数制限があるので、「大きく考えろ」という部分まではとても盛り込めないのが、翻訳者の方の辛いところですが、その「ビッグになれ!」という訳(やく)で、日本人にも「ビッグな女の子に、ビッグになれ!と言っている面白さ」が十分伝わってきますよね。
ビッグという単語だけは、絶対に日本語訳に盛り込まないといけない、省いてはいけない、ということです。


レイチェル: Okay, well, can't you just try it one more time, Ross? For me? For me? (わかった、それじゃあ、ただあともう1回だけトライしてくれない、ロス? 私のために、私のために?)
ロス: Rachel, one brunch is not gonna solve anything. You gotta face it, okay? We're never gonna get along. (レイチェル、1回のブランチじゃ、何も解決しないよ。君はその現実を認めなきゃ、わかった? パパと僕は決してうまくいかないって。)
レイチェル: Okay, well, you are just going to have to, okay? Because I've already got a mother and a father who cannot stay in the same room together, okay? I don't wanna have a separate room for you too! (starts to cry) (ねぇ、ロスはただそうしなければならないのよ。だって、私はすでに同じ部屋に居られないパパとママを持ってしまったのよ、わかる? ロスとパパの二人のためにも別の部屋を持ちたくない[用意したくない]わ。)
ロス: Okay, okay, okay. (hugs her) I'll get the bagels. (わかった、わかった、わかった。[レイチェルをハグする] ベーグルを買ってくるよ。)

フレンズ2-22 では、仲の悪いレイチェルのパパとママが同じ部屋に居られないので、会場を2つ用意した、という話がありましたね。
この上、パパとロスの時までもそんな気を使わないといけないなんて、我慢できないわ、ということです。

ベーグルは、日本でも見かけますが、「ドーナツ型をした堅いロールパン」のことですね。
フレンズ1-9 で、ロスが、キャロルのお腹の中にいるベンに歌ってあげた歌の歌詞に出てきました。
ロス: Hey, hey, you're my baby, and I can't wait to meet you. When you come out, I'll buy you a bagel, and then we'll go to the zoo. (♪ヘイヘイ、君は僕のベイビー、君に会うのが待ちきれないよ。君が出てきたら、僕は君にベーグルを買ってあげる。それから二人で動物園に行くんだ♪)

ロスがレイチェルにベーグルを買ってくる、と言っているのは、レイチェルの好物だからでしょうかねぇ?
年齢的には立派な女性であるレイチェルが、パパとママのことで心配し悩み、子供のように泣いているのを、ロスが幼い女の子に言うようなセリフで慰めているのが微笑ましい、という感じでしょうか。


(今日のポイント)
・the bottom line 「肝心なこと」
・big 「大きい」の二つの意味。
これは日本語でも同じように表現できるので、感覚的にはわかりやすいと思います。
たまたま近日公開の「ヘアスプレー」のセリフで、同じように両方の意味で使われていたので、タイムリーかな、と思って取り上げてみました。


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posted by Rach at 12:23| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
最後の"I'll get the bagels."というのは、
冗談半分で「明日のブランチではベーグルを食べよう」と言っているのかと思いましたが…
まあ些細ですし、何とも言えないですが。
Posted by BBB at 2014年01月25日 13:58
BBBさんへ
コメントありがとうございます。
コメントを読ませていただいてから、私ももう一度そのセリフについて考えてみました。それを以下に書かせていただきますね。

「パパとのブランチでベーグルでも食べよう」と言いたいとしたら、We'll have some bagels for brunch. のように、動詞は have になるような気が私はしました。
get だとやはり、日本語の「ゲットする」のような「得る、獲得する」という感覚になるので、I'll go get the bagles. という意味で、「よしよし、君の好物のベーグルを買ってくるよ」と言ったように思います。
the bagels のように定冠詞 the がついているのも、「あのベーグル」というニュアンスで、レイチェルがいつも食べているあのベーグル(いつものあのお店のベーグル)、という感覚が入っているのかなとも思いました。

解釈を一緒に考えて下さり、ありがとうございました(^^)
Posted by Rach at 2014年01月27日 15:47
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