2007年10月14日

コンテストに勝つ フレンズ3-7その26

[Scene: Monica's bedroom, Phoebe is trying to hide the bed from Monica.]
モニカの寝室。フィービーはモニカから例のベッド(レースカー・ベッド)を隠そうとしている。
モニカ: (sees the bed) What's this? ([ベッドを見て] これは何?)
フィービー: Isn't it cool? Varoom! Varoom! (それクールじゃない? バルーン、バルーン!)
モニカ: This is not the bed I ordered. (これは私が注文したベッドじゃないわ。)
フィービー: I know! You must've won like a contest or something. (そうね! 懸賞か何かに当たったに違いないわ。)
(Phoebe starts to make a sound like a car accelerating)
フィービーは車が加速するような[車のアクセルを踏むような]音を出し始める。
モニカ: Phoebe! ([怒って] フィービー!)
(Phoebe makes a sound like a car screeching to a halt.)
フィービーは車がキーと音を立てて止まるような音を出す。
モニカ: Why is this car in my bedroom? (この車がどうして私の寝室にあるの?)
フィービー: I'm sorry, okay, I-I wasn't looking, and the store says that they won't take it back, because you signed for it. (ごめんなさい。いいわ、私は(それを運び入れるところを)見ていなかったの。そして店側は、返品は受け付けないって、だってあなたがそれにサインをしたから。)
モニカ: When did I sign for it? (私がいつサインをしたのよ?)
フィービー: When I was you. (いつって、私があなただった時によ。)

フィービーは Varoom! と車の音の真似をしていますね。
日本語では「ブロブロ、ブルンブルン」となるところが、英語では「ヴァルーム」っていう感じになるんだなぁ。

contest は「コンテスト、競争、競演」。
日本語でコンテストと言うと、「美人コンテスト(a beauty contest)」のように、参加者の「技術・能力・才能」などを競うようなイメージがあるように私は思うのですが(←私だけ?)、今回のセリフの場合は、何らかの賞・賞品を目指して争うこと、つまり、たくさん応募した中から抽選で選ばれて賞品が当たる、応募した懸賞に当たる、みたいな感じのことのようですね。

ロングマン現代英英辞典では、
contest: [countable] a competition or a situation in which two or more people or groups are competing with each other
つまり、「二人またはそれ以上の人々やグループがお互いに競争するという競技または状況」
懸賞に応募すると、たくさんの人とその賞品を巡って争うことになる、そういう situation を contest と呼ぶ、ということでしょう。
フレンズ1-3その2 では、缶ジュースの中に入っている親指(!)を見て、
チャンドラー: Maybe it's a contest? Like "Collect all five." (それってコンテストじゃない? 「5本全部集めよう」、みたいな。)
というセリフがありましたね。

contest という単語を手持ちの英和で調べても「懸賞」という語義は載っていなかったのですが、
研究社 新和英中辞典で「懸賞」を調べると、
けんしょう(懸賞)= a prize contest [competition]
句例) 懸賞に当たる win [carry off] a prize (in a contest)
懸賞に応募する participate in [enter] a prize competition

などと出ています。
prize (賞、賞金)という言葉が出てくると、それをかけた懸賞であることがよくわかるのですが、今回の場合は、そのベッドが賞品で、won a contest 「コンテストに勝った(それを欲しいと思う人の中での競争に勝った)」からそれが貰えた、というニュアンスでしょうね。
ただ、日本語で「コンテストに勝った」と書いてしまうと、モニカが「なんとかコンテストに出場して優勝した」みたいに聞こえてしまうので、「懸賞に当たった」という訳の方がいいかなぁ、と思いました。
ちなみに、DVDの日本語訳は「何かの景品が当たったのかと思った」になっていて、やはり同じように「抽選で当たった」ようなニュアンスが出ていますよね。

ト書きの screech は「鋭い叫び声をあげる」こと。
また「自動車などがキーという音を立てる」という意味にもなります。
「スクリーチ」という音でも何となくそういう雰囲気がわかりますよね。
同じような音の単語に scream がありますが、あれも「叫び」ですね。
フレンズ3-1その2 では、
フィービー: ... all I could hear was, like, this high squeaky sound. (私に聞こえるのは、ほら、甲高いキーキーいう音だけだったのよ。)
というセリフがありましたが、その squeaky という形容詞やその動詞の squeak もよく似た感じですね。

screech は、ロングマン現代英英辞典では、
screech:
1. to shout loudly in an unpleasant high voice because you are angry, afraid, or excited (synonym: shriek, scream)

つまり、「人が怒ったり、恐れたり、興奮したりしているために、不快な高い声で大きく叫ぶこと。同義語 shriek, scream 」
2. if a vehicle screeches, its wheels make a high unpleasant noise as it moves along or stops
例) The car screeched to a halt.

つまり、「乗り物が screech する、というのは、乗り物の車輪が、動く時または止まる時に、高い不快な音を立てる、ということ。」
例文は、「その車はキーッという音を立てて止まった。」

halt は動詞「止まる」、名詞「停止、止まること」なので、
「キーという音を出す」 to (→) 停止(a halt)
つまり、キーと言う音を出して停止する、という感じになりますね。
この screech to a halt というのは決まり文句のようです。
「ほら、かっこいいでしょ!」とノリノリで運転している風を装うのですが、モニカに怒られて、キキーッとブレーキを踏むのが面白い。
ごまかしきれなかったわ、というところですね。
それにしても、「ヴァルーム!」「キキーッ!」…こういう音を出すのが英語圏の人はうまいですねぇ。

サインのやり取りはおかしいですね。
サインをしてしまっているから返品できない、とフィービーは言うのですが、モニカはサインした覚えはない。
「あなたがサインした時」→「それっていつ?」→「私があなただった時、あなたに成りすましていた時よ。」
いかにもフィービーっぽい答えですよね。


(今日のポイント)
・win a contest
contest を「コンテスト」と訳さない方が良いと思う例。
・screech to a halt 「キーという音を出して止まる」
・screech, scream, squeak などに共通する「キーという音を出す」という意味。
スクリー、スクウィーという音からそういうニュアンスを感じて下さい。


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posted by Rach at 10:51| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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