間違ってレースカー・ベッドを受け取ってしまったことを言い訳するフィービー。
フィービー: Y'know what, it's all Joey's fault, 'cause he left his nose open! (ほら、全部ジョーイのせいなのよ、だって彼の鼻が無防備だったんだもの。)
モニカ: Did you make brownies today? (今日、ブラウニーを作ったの?)
leave(left) his nose open は「彼の鼻を open な状態にしておく」ということで、これはボクシングで、「鼻を殴られないように防御するのを怠る」ということでしょう。
ジョーイは全く無防備で、いつパンチを食らってもおかしくない状態だったのよ、と非難しているわけですね。
そこがオープンじゃなかったら、私も攻撃しなくて、鼻血を出すこともなくて、こんなことにならなかったのに、ということです。
ロングマン現代英英辞典では、open の語義の説明に、
語義4 not covered, 語義14 not blocked
という見出しが載っていますが、その「カバーされていない」「ブロックされていない」が近いような気がしますね。
Did you make brownies today? について。
「あなたもしかして今日ブラウニーを作った?」と、モニカは怪訝そうな顔で尋ねています。
まず、普通にブラウニーと言うと、チョコレートケーキのことですね。
下のウィキペディアには、写真もあります。
Wikipedia 英語版: Chocolate brownie
(ちなみに、この次のエピソード フレンズ3-8 では、冒頭シーンにブラウニーが登場します。)
でも、ここでのセリフの意味は、フィービーが一生懸命言い訳している内容がモニカには理解不可能なので、「フィービー、あなた一体何わけのわからないこと言ってるの? 頭、大丈夫?」みたいな感じになります。
レースカー・ベッドと、ジョーイの鼻が無防備だったことと、どういう関係があるのよ!?と言いたいのですね。
どうして「ブラウニー」なのか?
それは「ブラウニーにマリファナ(大麻)を入れて作る」ことがあるからです。
だから、「あなた、ヤクでもやったの?、ラリってるの?」みたいな意味になるのですね。
「マリファナ入りブラウニー」というものが存在することを、ある人が教えてくれたのですが、それを聞かなかったら、「ブラウニー」の隠された意味に一生気付かなかったかもしれません。
Wikipedia では、Wikipedia 英語版: Cannabis foods (Cannabis brownie) に詳しいことが載っています。(cannabis も「大麻」という意味です。)
大麻を入れた食べ物が世界中にはいろいろあって、その代表格がブラウニーなんですね。
色や味が濃いから、混ぜてもわかりにくい、ということかな?と思ったりします。
上のウィキペディアの In pop culture という項目では、さまざまな映画でそういう「マリファナ入りブラウニー」が出てきたことが載っています。
残念ながら、私はどの映画も見たことありませんでした。
また、フレンズのことも書いてありません。
セリフで言及されているだけで、実際にマリファナ入りブラウニーが出てきたわけではないから、でしょうね。
フレンズのような若い人が見る可能性が高いテレビドラマでは、実際に「そのもの」を登場させるのは難しいのかもしれません。
これだけいろんな映画に出てくるので、日本人の中でも「マリファナ入りブラウニー」についてご存知の方は多いのかも…。
「ブラウニーと言えば、もしかしたらアレが入ってるかもしれない」っていうのは暗黙の了解みたいなもので、だから今回のセリフのように、ただ、brownies と言うだけで観客は笑うのですね。
実は、以前のエピソード フレンズ2-9 にもそういうブラウニーの話が出てきました。
また、フレンズ1-15 には、マリファナの話が出てきました。
どちらとも、当時の解説では省いてしまっているので、明日、明後日に、その過去エピソードについて触れたいと思います。
「マリファナの話なんてどうでもいいぞー!」という方には申し訳ありません。
(今日のポイント)
・ブラウニーの隠された意味。
上のセリフで、ただのチョコレートケーキだと思ってしまうと、このセリフの面白みが伝わってきませんよね。
自分が外国で暮らした時に、こういうブラウニーに遭遇することがあるのかもしれません。
「ブラウニーにはマリファナが入っているものもある」ということを知識として持っていないと、誰かが勧めてくれたものを知らずに食べてしまうかもしれない。
自分の身を守るためにも、そういうことに関する知識は必要なのかな、と思います。
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上の記事では、「これはマリファナ入りブラウニーを指している」と断言しているようになっていますが、私がいろいろ考えてみた結果、多分そうだと思うんですけど…程度なんですよね、実際のところは(笑)。
実は、DVDの日本語訳では、「ジョーイの鼻血のせいよ。」「チョコでも/ピーナッツでも食べ過ぎたの?」という風に訳されていました。
でも、'cause he left his nose open! から「鼻血」という意味を連想することはできないように思うのです。
私はこの「鼻血とチョコ」は、「わかりやすい日本語のジョークに置き換えた」のだと理解しています。
私の「マリファナ入りブラウニー」という解釈が正しいとしてそれを日本語に訳そうとすると、「マリファナ入りブラウニーでも食べたの?」と言ってしまうと説明っぽい上に長すぎるし、「ブラウニー」だけでは日本人にはわからないし。
大麻は違法なので、「マリファナ入りブラウニー」とさらりと言ってしまっていいのか、みたいな問題もあるのかな?とか。
ヤクでもやったの?みたいなニュアンスが近いようにも思うのですが、それもちょっと過激だし、直接大麻を吸ったほどでもないけど、ちょっとあなた変よ、みたいな感じが、ブラウニー食べたの?になるのかな、と思うのですね。
モニカはジョーイが鼻血を出したことは知りませんよね。見ている観客は、「鼻が無防備だった→鼻血が出た」というイメージが湧くのですが、モニカは鼻血のことは全く知らないので、「鼻が無防備だった」という説明が全く意味不明だっただろうと思うのです。
ちょっと間を置いてからモニカは聞き返しているのですが、「チョコレートの食べすぎ、チョコレートがたくさん入ったものを作った?」という質問にしては、あまりにも不審そうな顔に見えるんですね。
「全部ジョーイのせいだ。ジョーイの鼻が無防備だったから。」という言い訳をするフィービーに対して、「どうしてジョーイが関係あるのよ? あなたの言ってることわけわかんないわよ。」と言っているように私は感じました。
鼻血が出るほど何かを食べた、なら、ブラウニーよりももっとダイレクトな「チョコレートを1瓶食べた?」とかになりそうかな?と。
前のエピソード 2-9 でも、マリファナ入りブラウニーの話をしていたことを考えると、ブラウニーにはマリファナが付き物だ、みたいなイメージがあるように思うのです。同じドラマであるだけに、常にそういうニュアンスで使われる、という可能性が高い気がするんですね。
逆に、私の中で、その 2-9 の funny brownies のイメージが強烈にあるために、その全てが「マリファナ入り」を指しているように聞こえてしまう、という危険性もあるのかもしれません。
長くなりましたが、'cause he left his nose open! というフィービーのセリフから、その brownies はそういう「アブナイ」ブラウニーを指しているのだと私は解釈しました。
「私は違うと思う」というご意見がありましたら、是非お寄せ下さいませ。