昨日の記事、フレンズ3-7その27 で、セリフ中に brownies (brownie) 「ブラウニー」という言葉が出てきて、それは「マリファナ入りブラウニー」を示唆している、と説明しました。
フレンズ2-9 では「マリファナ入り」であることをもう少しはっきり示しているやり取りがありましたので、今日は、それについて説明したいと思います。
ちょうど、フレンズ2-9その2 の辺りのシーンなのですが、私は過去記事で説明を省いてしまっていました。
クリスマスに、チップ(お金)の代わりに手作りクッキーをあげようとしているモニカ。
モニカ: Money is so impersonal. Cookies says someone really cares... Alright, we're broke, but cookies do say that. (お金だと非個人的だわ。クッキーなら誰かが心を込めたってことが伝わるでしょ。[チャンドラーたちに「本当にそう思ってるの?」みたいな顔をされて] 確かに私たちはお金がないわ。でも、クッキーは確かにそういうこと(心を込めたってこと)を伝えるのよ。)
フィービー: I can see that. A plate of brownies once told me a limerick. (それわかるわ。昔、お皿いっぱいのブラウニーが私にリメリック(5行詩)を語ってくれたもの。)
チャンドラー: Phoebs, let me ask you something, were, were these, uh, "funny" brownies? (フィービー、質問させて。そのブラウニーって、「ファニー」ブラウニーだったの?)
フィービー: Not especially. But you know what, I think they had pot in them. (特に「ファニー・ブラウニー」だってことはなかったけど、ブラウニーの中には pot (マリファナ)が入っていたと思うわ。)
Cookies (do) say that. は、「クッキーがそのことを伝える」ということですが、フィービーはその say という言葉を「言う、しゃべる」と捉えて、(a plate of) brownies が tell した(= told)と言っているのですね。
クッキーもしゃべるでしょうね、だって、昔ブラウニーがしゃべってるのを聞いたもの、みたいな感じです。
limerick は、研究社 新英和中辞典によると、
5行の戯れの詩
だそうです。
ロングマン現代英英辞典では、
limerick: [countable] a humorous short poem that has five lines that rhyme
つまり、「韻を踏む5行のユーモラスな短い詩」。
Wikipedia 英語版: Limerick (poetry) には、リメリックの例がいくつか載っています。
funny brownies は具体的に「マリファナ入りブラウニー」を指す言葉のようです。
ネット辞書などで裏が取れなかったのですが、このやり取りでは、そういう意味でないと面白さが伝わらないので、言っているチャンドラーも観客もそういう意味で理解しているはずだと思います。
ただブラウニーがしゃべるだけでもかなり尋常ではないのに(笑)、それがリメリックを語ると言うので、「しゃべるブラウニーってどんなのだよ?、リメリックを語るブラウニーなんて、マリファナ入りでラリってるブラウニーじゃないのか?」という感じで、"funny" brownies? とチャンドラーは尋ねているのですね。
pot は「マリファナ、大麻」という意味です。
フィービーは、「特に、funny brownies ってわけじゃなかったけど、ブラウニーにはマリファナが入っていた」と言っています。
チャンドラーにしてみれば、「そのマリファナ入りブラウニーのことを、funny brownies って言うんだよ! 否定したけど、やっぱり funny brownies なんじゃないかよ!」と心の中でツッコミを入れたくなるのですね。
いかにもフィービーっぽいトンチンカンな答えだった、ということです。
Urban Dictionary には、funny brownies は載っていなかったのですが、hash brownies という言葉は載っていました。
hash は hashish、つまり「ハシシ、大麻」のことですね。
Urban Dictionary の語義は以下の通り。
hash brownies: Brownies baked with marijuana for the intention of getting high.
例) You want some of these hash brownies? / Yeah, I need to get stoned.
つまり、「hash brownies とは、ハイになるためにマリファナを入れて焼いたブラウニー。」
例文は、「このハッシュ・ブラウニーが欲しい?」「あぁ、ハイになりたいからね。」
この例文の stoned は「(麻薬などで)酔っぱらって、ハイになって、ラリって」という意味ですね。
フレンズ1-15 のタイトルは、The One With the Stoned Guy 「麻薬で酔っぱらった[ラリった]男の話」で、実際にマリファナを吸った男性が出てきます。
それについては、明日、説明します。
hash という言葉だと、マリファナであることがあまりにも明白なので、それを隠すために、funny brownies というマイルドな表現があるのかなぁ?と思います。
そういう意味では、チャンドラーは、hash brownies と言うと語弊があるので、わざと funny brownies とボカしてみたのかもしれません。
それなのに、フィービーは、大麻を容易にイメージさせる pot という言葉をはっきり出して説明したので、「俺が気を使って言葉を選んだ意味がないじゃん。」みたいな感じが出ているのかもしれません。
「funny brownies ってわけじゃないけど…」と否定しながら、もっとはっきりとした言葉で説明してしまう、という面白さもあるのでしょうね。
funny には「奇妙な、変な(strange)」または「おかしい、滑稽(こっけい)な、人を笑わせるような」という意味があります。
「奇妙な」という意味で使っているとすると、普通の normal brownies ではないというニュアンスで、「変わったブラウニー」という感じになるでしょうか。
「人を笑わせるような」という意味だと、マリファナを摂取するとハイになって、笑いが止まらなくなったりすることから来ているのかな?と思ったりもします。
ファニーとブラウニー(ズ)で韻を踏んでいるようでもありますし、うまく考えたネーミングだなぁ、と思います。
(今日のポイント)
・funny brownies とは?
こういう隠語はなかなか辞書では語義が見つからないのですが、二人のやり取りからそれが何を指すかを想像することはできるかな、と思います。
今回の場合、pot がマリファナだと知っていて、なおかつ、フィービーがトンチンカンな答えを言う人だと知っていれば(笑)、結局、
"Funny brownies had/have pot in them."
ということに気付けるかなぁ?と。
(Rach からのお願い)
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2007年10月16日
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