一昨日の記事、フレンズ3-7その27 で、「マリファナ入りブラウニー」について解説しました。
今日はそれに関連して、フレンズ1-15 を解説します。
英語の原題は、The One With the Stoned Guy 「麻薬で酔っぱらった[ラリった]男の話」でした。
過去記事では、フレンズ1-15その6 辺りのシーンになります。
スティーブというレストランのオーナーがヘッドシェフを探していて、モニカの料理の腕を確かめるために、モニカの部屋に面接にやって来ます。
スティーブはフィービーのマッサージ店のお客さんなので、フィービーは一緒に車に乗って来たのですが、その途中、スティーブが車の中でマリファナを吸うところを見てしまったのですね。
それをレイチェルに必死に説明するシーンです。
レイチェル: What's up? (どうしたの?)
フィービー: [whispers] In the cab, on the way over, Steve blazed up a doobie. ([ささやき声で] タクシーの中で、ここに来る途中に、スティーブは、doobie に火を付けた[doobie を吸った]のよ。)
レイチェル: What? (何?)
フィービー: Smoked a joint? You know, lit a bone? Weed? Hemp? Ganja? (joint を吸ったのよ。ほら、bone に火をつけたの。weed よ、hemp よ、ganja よ!)
レイチェル: OK, OK. I'm with you, Cheech. OK. (わかった、わかった。あなたの言っていることがわかったわ、チーチ。わかった。)
上に出てきた見慣れない英単語(doobie, joint, bone, weed, hemp, ganja)は全てマリファナを表す言葉ですね。
bone 以外は、英辞郎に全て「大麻、マリファナ、マリファナたばこ」などの意味で載っていました。
研究社 新英和中辞典にも、joint, weed, hemp はそういう意味だと書いてありました。
bone は Urban Dictonary に以下の語義が載っていました。
bone: 5) (n) A joint. "Smokin' bones in the staircase" -- Wu-Tang Clan (C.R.E.A.M. 1993).
つまり、bone = joint (マリファナたばこ)ということです。
ウータン・クラン(Wu-Tang Clan)とは、NYをベースに活動するラップグループで、彼らの C.R.E.A.M. という曲に、"Smokin bones in the staircase" という歌詞が出てくるようですね。
weed は普通、「草、雑草」という意味ですが、日本語でも大麻のことを「ハッパ」という隠語で呼んだりしますので、その辺りの感覚は同じようです。
フレンズ3-7その27 でも触れましたが、cannabis という呼び名もありますね。
I'm with you. は、I agree with you. 「あなたに同感よ。」という意味で使うことが多いですが、今回の場合は、「あなたの話が理解できるわ、わかったわ。」みたいな感じでしょう。
「あなたと一緒にいる」→「あなたの話についていっている」というニュアンスですね。
最後のレイチェルのセリフの Cheech について調べてみました。
Urban Dictonary で調べてみると、以下の語義が見つかりました。
Cheech: Another name for weed, or to smoke weed. Named from Cheech Marin (from cheech and chong)
つまり、「weed(大麻)の別名、または大麻を吸うこと。Cheech & Chong の Cheech Marin から命名された。」
その由来となった Cheech & Chong というのはこちら。
Wikipedia 英語版: Cheech & Chong
上のウィキペディアによると、70年から80年代に人気のあった a comedy duo (お笑いコンビ?)だそうで、コメディ・アルバムを出したり、映画になったりもしたようです。
その当時の "hippie, free love and especially drug culture movements" をベースにしたお笑いだった、と書いてありますので、上でフィービーが言ったような麻薬がらみの言葉が彼らのネタには頻出するのでしょうね。
Urban Dictionary によると、cheech は「大麻」そのものも指すし、チーチという名前でもあるのですが、今回のセリフでは、名前を呼び掛け語のように使っているようです。
仮に、「大麻」という意味で使っていて、「わかったわ。チーチ、つまり大麻のことね。」と言っているのだとすると、
"I'm with you. Cheech." とピリオドになるか、
"I'm with you. That's cheech." みたいになるでしょうか?
上のセリフは、DVD英語字幕も、ネットスクリプトも、"I'm with you, Cheech." と Cheech の前はコンマで区切られていて、コンマの後に大文字になっているから固有名詞だ、と考えられるわけです。
実際のレイチェルの言い方も、you と Cheech が繋がっている感じで発音されています。
ピリオドだったら、そこに一呼吸、間(ま)があくはずなので、やはり呼び掛け語の人名として使っているのだと思えます。
ですからここでは、「そんなに隠語をたくさん出して詳しく説明してくれてありがとう、チーチ。よくわかったわ。」みたいな感じで、フィービーをチーチと呼んでいるのでしょうね。
(今日のポイント)
・今回はマリファナの隠語がたくさん出てきましたが、このフィービーの言い方から、それが全てマリファナを指す言葉であることは想像できますね。
私は確認のため、本当にそういう意味があるのかどうか裏を取ってみましたが、実際はそこまでする必要はないでしょう。
こんなにたくさんの表現があるんだなぁ、とどこかに心に留めておけば、また別の映画などで出てきた時に、「今回はこれを使っているな。」と楽しめる…そんな感じかな、と思います。
でも、調べてみると、Cheech が人名だった、というサブカルネタが楽しめたりもしますので(笑)、裏を取る作業も無駄ではないと思うのですが…。
(Rach からのお願い)
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2007年10月17日
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