[Scene: Monica and Rachel's, Rachel is greeting her Father for their brunch.]
モニカとレイチェルの部屋。レイチェルはブランチのために来た父親を迎えている。
レイチェル: (opening the door) Hi, Daddy. ([ドアを開けて] はーい、パパ。)
ドクター・グリーン: Baby. Ross. ([嬉しそうに] ベイビー。[不満そうに] ロス。)
ロス: Dr. Greene. How are you? (offers his hand, and Dr. Green puts his scarf on it.) (ドクター・グリーン、ご機嫌いかがですか? [手を差し出すが、ドクター・グリーンはその手にスカーフを置く]
ドクター・グリーン: Thanks for dinner last night. (昨晩のディナーはごちそうさま。)
ロス: Thank you for teaching me a valuable lesson. (僕に貴重な教訓を教えて下さってありがとうございます。)
ドクター・グリーン: Nice hair. What did you do, swim here? (いい髪型だね。何をしたんだ? ここまで泳いで来たのか?)
ロス: (to Rachel) Okay, that's it, I can't take it anymore. ([レイチェルに] わかった。ここまでだ。もうこれ以上我慢できないよ。)
レイチェル: What? What? He's interested in you. He-he likes your hair, he just wants to know how you got here. (何が何が? パパはあなたに興味があるのよ。彼はあなたの髪型を気に入っているわ。そして、あなたがここまでどうやって来たか、について知りたがってるでしょ。)
日本語でグリーティング・カードという言葉があるので、greet が「挨拶する」という意味は有名ですね。
この場合は、「挨拶する」というよりも「いらっしゃい、どうぞ」と迎えている感じでしょうか。
ロングマン現代英英辞典では、
greet: to say hello to someone or welcome them
「誰かにハローと言う、または歓迎する」
昨晩のディナーでは、ロスがドクターのチップにケチをつけるような形になってしまって、結局ロスが全額払うハメになってしまいました。
ドクターは早速、そのことでイヤミのように礼を言っています。
それに対してロスも「いい勉強になりました」と返事していますね。
ロングマン現代英英辞典では、
lesson: EXPERIENCE
something that provides experience or information that you can learn from and use
learn a lesson (=gain useful experience or information)
つまり、「そこから学んでそれを使うことのできる経験や情報を与えるもの」。
learn a lesson は「有用な経験や情報を得る」。
日本語では「教訓」と訳されることが多いですね。
「貴重なレッスンをありがとうございました。」でも、雰囲気は伝わる気がします。
日本でも何か失敗をしてしまった時に「授業料が高くついたなぁ。」などと言いますが、似た感じでしょうかね。
"Nice hair. What did you do, swim here?" とドクターは言っています。
ナイスな髪型だね、と言いながら、「どうしたらそんな素敵な髪型になるんだろう?」という意味で、Swim here? と尋ねているのですね。
フレンズ3-7その6 で、
ロス: Please, he refers to me as "Wet-Head." (やめてよ。君のパパは僕のことを「ウェット・ヘッド(濡れた頭)」と呼んでるんだよ。)
というセリフがありました。
ここでは実際には Wet-Head とは呼んでいませんが、「どうして君の髪の毛はそんなに濡れているんだ?」という意味で、swim という動詞を使っているのです。
swim here を普通に訳すと「ここで泳ぐ」になるのでしょうが、ここでの意味は「ここまで泳いで来る」のようなニュアンスになると思います。
それは後ほど説明します。
Okay, that's it, I can't take it anymore. について。
take it は直訳すると「それを受け入れる」という感じでしょうか。
I can't take it. または、I can't take it anymore. というのは、決まり文句ですね。
「もう我慢できない、耐えられない。」と我慢が限界に達してしまった時に出る怒りのセリフです。
それを押し止めるレイチェルのセリフが面白いですね。
パパの言葉を文字通り受け取って、パパは Nice hair だって言ったから、あなたの髪型を気に入っているのよ、そして、ここにどうやって来たのか?(how you got here)って尋ねていたでしょ?と言っています。
自動詞 get は「(ある場所に)達する、到着する」という意味です。
その場所が名詞の場合は、get to、つまり、前置詞 to が必要になります。(get to the station など)
here (ここに、ここへ)、there (そこに)、home (家に)という副詞とくっついた場合は、その副詞に方向を示す to の意味が含まれていますので、to を付けない get here, get there, get home で「ここ・そこ・家に到着する」という意味になるのですね。
how はその方法・手段を尋ねているので、「この部屋に来るのに、歩いて来たのか、泳いで来たのか?ってことをパパは知りたがっているのよ」とレイチェルは言っているわけです。
そのレイチェルのセリフを考えると、ドクターの "Swim here?" という質問は、「get の代わりに swim を使ったもの」と捉えるべきかな、と思います。
例えば、プールで泳ぐ練習をしている子供に向かって、親が少し離れた場所に立って「こっちに来て。」と言う場合、"Come here." のニュアンスで、"Swim here." 「こっちに”泳いで”来て。」と言うような、そんな感じかと思います。
ですから、ドクターの質問、What did you do, swim here? は、「何をしたんだ? ここで泳いだのか?」じゃなくて、「何をしたんだ? ここまで泳いで来たのか?」になるのかな、と思います。
here は「ここで」という場所を示しているのではなく、here 「ここへ」という方向を示している、ということですね。
「ここで泳いだのか?」という質問だったとすると、最後のレイチェルのセリフが、"he just wants to know what you were doing [what you did] here?" になるのかな、と思います。
(今日のポイント)
・That's it, I can't take it anymore. のようなキレる時の決まり文句。
この時のロスの置かれている状況、気持ちをよく理解していると、自分が同じような状況になった時に口からスッと出てくる気がします。
・"Nice hair. What did you do, swim here?" というドクターの皮肉を必死にフォローするレイチェル。
ここに来た手段にまで興味を持っているのよ!というそのフォローが微笑ましいです。
・Wet-Head というあだ名を連想させるジョーク、"swim here?"
エピソードの最初の方でそのあだ名が登場しましたが、これが、最終的なオチなんですね。
・swim here のニュアンスを、その後のセリフの get here との対比から掴む。
(Rach からのお願い)
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2007年10月21日
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