2007年10月31日

それが原因で彼は死ぬ フレンズ3-8その5

とにかく歯医者に行きなさい、と言われて、
フィービー: All right, fine, fine, but if you're my next victim, don't come back as a poltergeist and like sucks me into the TV set. (わかったわ、そうね、そうね。でももしレイチェルが私の次の犠牲者になっても、ポルターガイストとして戻って来て、私をテレビの中に吸い込んだりしないでね。)
レイチェル: I promise. (約束するわ。)
フィービー: Although, don't feel like you can't visit. (でも、訪れることができない、とは思わないでね。)

ポルターガイスト、というのは「音を立てる幽霊」のこと。
ei をアイと発音することからもわかるように、これはドイツ語から来た言葉です。
意味は、ドイツ語でまさに「音を立てる幽霊」という意味だそうです。
つまり、ドイツ語の Geist は英語の ghost ということです。(見た目も似ていますね。)

ロングマン現代英英辞典では、
poltergeist: a ghost that makes objects move around and causes strange noises
つまり、「物体をあちこち動かしたり、奇妙な音を立てたりする幽霊」。

1982年の映画で、Poltergeist というのもありました。
邦題も「ポルターガイスト」だったので、上のフィービーのジョークは、日本人にもわかりやすいですね。

Wikipedia 英語版: Poltergeist (film)
上のウィキペディアには、映画のポスターの画像が載っていますが、テレビの前に女の子が座っていますよね。
Wikipedia 日本語版: ポルターガイスト (映画) にあらすじが書いてありますが、フィービーが言っているように「TVの中に引き込まれてしまった」という記載があります。

日本語でも「私を恨んで仕返しに来ないでよ。」とか、「私に取り付いたりしないでよ。」とか言ったりしそうです。
ポルターガイストになってテレビに…というのは、誰もが言いそうなことですが、その後に、「幽霊になって私を訪れるのは構わないのよ。」みたいなことを言っているところが、霊感の強いフィービーらしいわけですね。


ジョーイ: (entering with Monica) Hey, is, is, is Chandler here? ([モニカと一緒に入ってくる] ねぇ、チャンドラーはここにいる?)
ロス: (patting his clothes like he is looking for his wallet) No, no he's not.
([自分の財布を探しているように服をポンポンと叩いて] いいや、彼はいないよ。)
モニカ: You guys, Joey just saw Janice kissing her ex-husband. (ねぇみんな、ジョーイが見たのよ、ジャニスが元夫とキスしてるところを。)
ロス: What? (to Joey) So what are you gonna do? I mean, how, how are you gonna tell Chandler? (何だって? [ジョーイに] それで君らはどうするつもりなんだ? つまり、どうやってチャンドラーに(それを)言うつもりなんだ?)
ジョーイ: Well, I was thinking about that and I, I think the best way would be, to not. (そうだな、それについて考えていたんだけど、最善の方法は、「言わない」ことだと思うよ。)
レイチェル: Joey, you can't keep this to yourself, if you know about this, you have to tell him. (ジョーイ、こんなことを心にしまっておく[誰にも言わないでおく]なんてことはできないわ。もしそれを知っているのなら、彼に言わないといけないわ。)
ジョーイ: It'll kill him. I mean, it'll, it'll just kill him. (そんなことしたら、彼は死んじゃうよ。ただ、彼を殺すことになっちゃうよ。)
フィービー: Well, you could wait till I go to the dentist, maybe I'll kill him. (そうね、私が歯医者に行くまで待つこともできるわね、多分、私が彼を殺すことになるから。)

チャンドラーはいる?と聞かれて、財布を探すように服をポンポンと叩いてみるロス。
チャンドラーがいるかいないか、なんて、見回せばすぐにわかることなのに、わざわざ質問して尋ねているので、ロスの方もあり得ない場所をわざと探してみたのでしょう。
「探してみたけど、やっぱりいないよ。」みたいな感じでしょうか。
こんな風に服をポンポンしたり、ポケットやカバンを探してみたりするようなジョークなら、日本人にも使えそうですね。
もちろん、相手が急いでいる、深刻そうである場合にはあまり使わない方がいいでしょうが。

keep something to yourself は、ロングマン現代英英辞典では、
keep something to yourself: to not tell anyone about something
例) I'd appreciate it if you kept it to yourself.

つまり、「あることについて誰にも言わないこと」、例文は、「あなたがそれを誰にも言わないでいてくれたら、ありがたい。」
「自分の中だけに留めておく」「心にしまっておく」という感じですね。

it は「ジャニスが元夫とキスしていたという事実」、あるいは、「その事実をチャンドラーに言うこと」でしょうか。
もしくは、「言えって言うけど、そんなことしたら、kill him することになる」という「状況」を it で表しているのかもしれません。
「殺す」とは物騒な表現ですが、フレンズ2-20その9 では、kill oneself 「自殺する」という表現が出てきました。
そこでも説明しましたが、kill は「殺す」というよりは「…を死なせる」という感じなんですね。
フレンズ2-6その1 では、
ロス: That's what's gonna kill me. I'm allergic to kiwi. (それを食べたら僕は死んじゃうよ。僕はキウイアレルギーなんだ。)
というセリフもありました。
直訳すると、「キウイ(入りのパイ)は僕を殺すことになるものなんだ」ということですが、日本語では「殺す」よりも「食べると死ぬ」の方が自然ですよね。
今さらながら、ロングマン現代英英辞典で語義を見てみると、
kill: MAKE SOMEBODY/SOMETHING DIE
to make a person or animal die

つまり、「人や動物を死なせること」。
主語は「殺人などの行為者」ではなくて「原因」なんですね。

今、チャンドラーとラブラブであるはずの恋人のジャニスが元夫とキスしていた、なんて、そんなこと聞いたら、チャンドラーは死ぬほど落ち込んじゃうよ、という感じだろうと思います。
世を儚(はかな)んで自殺する、とまでは言っていないと思うのですが、むちゃくちゃショックに思うだろう、ものすごい衝撃を与えてしまうだろう、という感じでしょうね。
そんなこと俺は言えない、というジョーイに、もう少し待ってれば、私の歯医者のジンクス(jinx)、つまり「私が歯医者に行くと人が死ぬ」という法則(?)に則って、彼が死ぬことになるから、そうしたらあなたに責任がなくなる、もしくは軽くなるわよ、と言っています。
ちなみに、「ジンクス」と書きましたが、日本語では幸運についても使いますが、英語の jinx は、bad luck 「縁起の悪いこと」だけに使われるそうです。


(Rach からのお願い)
今回の記事、面白いと思われた方は、下のランキングサイトをクリックして下さい。
皆様の応援が、とても励みになっています。ありがとうございます。
人気blogランキング
にほんブログ村 英語ブログ

posted by Rach at 07:03| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。