2007年11月07日

彼の注意をそらす作戦 フレンズ3-8その11

ロスの子供のベンの子守をしていて、ベンの頭にこぶを作ってしまったモニカ。
モニカ: Okay, we're gonna need a distraction. (わかった、(ロスの)注意をそらすものが必要になるわね。)
レイチェル: Okay, okay, okay. (そうね、そうね、そうね。)
モニカ: That's it. I got it! (それよ、思いついたわ!)
レイチェル: Okay. (よし。)
モニカ: The second that Ross walks in that door, I want you take him back to your bedroom and do whatever it is that you do that makes him go, (high pitched) "rheeeee!" (ロスがそのドアを入ってきた瞬間に、レイチェルにロスをベッドルームに連れて行ってもらいたいの。そして何でもいいからするのよ、彼が「リーッ!」(と甲高い声でモニカは叫ぶ)ってなるようなことをね。)
レイチェル: Or... we could put a hat on his head. (もしくは…ベンの頭に帽子をかぶせる、ってのもアリよ。)

distraction は「気を散らすこと、注意散漫、放心」という人の状態、またそういう状態を生む原因となる「注意をそらすもの、気を散らすもの」、そこから良い意味で気分を紛らわす「気晴らし、娯楽」という意味にもなります。
ロングマン現代英英辞典には、
distraction: 3. [countable] (old-fashioned) a pleasant activity 「楽しい活動」
とありますので、distraction を「娯楽」という意味で使うのは、古い(old-fashioned)ということのようですが。

今回のセリフの「注意をそらすもの、気を散らすもの」という意味は、ロングマンでは以下のように定義してあります。
distraction: 1. [uncountable and countable] something that stops you paying attention to what you are doing
例) I study in the library as there are too many distractions at home.

つまり、「自分がやっていることに注意を向けるのをやめさせる何か」。
例文は、「家に、気をそらす[散らす]ものがたくさんある時は[あるので]、図書館で勉強する。」

distract の -tract は「引っ張る」という意味ですね。
農耕用のトラクター(tractor)も、「牽引車」という意味です。
dis- は分離を表す接頭語。
つまり、distract は pull apart または draw apart ということになります。

「誰かの注意をそらすもの」という意味では、フレンズ2-22その11 に diversion という単語も出てきました。
フィービー: Shh. In a minute, I'm gonna create a diversion. When I do, walk quickly to the door and don't look back. (シーッ。もうすぐ私が気をそらせるわ。その時、ドアへ素早く歩いて行って、振り返らないで。)

diversion は「わきへそらすこと」。
動詞 divert の語源はラテン語で「別の方向に曲がる」(turn in opposite directions)という意味だそうです。

普通の状態であれば、自然とそれに意識が行ってしまうはずのものが存在した場合、その対象物から、意識や注意を「引っ張って離す」のが distract で、「別の方向に曲げる」のが divert だ、ということですね。

モニカが考えた「気をそらすもの」は、レイチェルがロスをすぐに寝室に連れ込むこと(笑)。
そしてその中でたっぷりサービスしてあげればいい、そしたら、ベンのことが気にならないだろうと(笑)。
彼が喜んでいる様子を、go "rheeeee!" と表現しているのに笑えます。
くどくどやることを説明しなくても、その声でわかりますね。
なんか”いいこと”してあげてるんだ、ってことが(笑)。

それにしても、だいたい「注意をそらして」というと、決まって「脱いで!」系の話になることが多い(笑)。
フレンズ3-7その28 では、レースカー・ベッドをチャンドラーに見られたくないモニカが、
モニカ: (to Phoebe) Quick! Take off your dress, he won't notice the bed. ([フィービーに] 急いで! ドレスを脱いで、(そうすれば)チャンドラーはそのベッドに気付かないわ。)
と言っていました。
distraction や diversion という言葉は使われていませんが、ドレスを脱ぐことでチャンドラーの視線がベッドに行かないようにしようとしているのですね。

レイチェルがあっさり解決策を思いつくのもおかしいです。レイチェルの方が冷静です。
こういう場合、だいたいケガをさせた方がパニクるのが普通ですから、しょうがないですが。


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posted by Rach at 11:41| Comment(8) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、こんにちわ。

ここの モニカのセリフ
The second that Ross walks in that door, I want you take him back to your bedroom and do whatever it is that you do that makes him go・・・
のThe second なんですが、何だかとても気になります。最初にこのセリフを見た時に、接続詞的に使っている??と思って(once , as soon as
とかのように)引っかかってしまっていろいろと調べたんですがどこにも
そんなことは書かれていません。やっぱり思い込みですか?
ただ、英辞郎にひとつだけ似た使い方を見つけたんですが、
「The second you touch it,you lose it」(触れたら最後、それを失うことになる)the second +S Vのような使い方ってあるんでしょうか?second に限らず他の序数も使えるのかなぁ?
教えていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
Posted by やっちん at 2013年12月23日 16:38
やっちんさんへ
コメントありがとうございます。

ご質問の The second について。これはおっしゃる通り(!)で、接続詞的に使われているものです。この second は「2番目の」という意味の序数ではなくて、「秒」「瞬間」という名詞の方なのですね。
私も手持ちの英和辞典で調べてみましたが、確かに「接続詞的に使う」用法は出ていませんね。ロングマンやマクミランのような英英辞典にも出ていません。
そんな風に辞書には出ていませんが、これは明らかに接続詞的に使っているものだと思われるので、以下に私の考えを述べさせていただきますね。

second は Wait a second. Just a second. 「ちょっと待って」のように、「ちょっとの間」という意味でも使われますね。Just a second. と同じニュアンスで、Just a moment. という言い方もできますが、まさにこの The second SV というのは、The moment SV の意味で接続詞的に使われているということです。

The moment... の方は、辞書にもちゃんと出ていますね。
研究社 新英和中辞典では、
moment=[the (very) 〜; 接続詞的に] …した[する]瞬間に、…するやいなや
(用法)
that を伴うことがあるが、通例略される
The ghost vanished the (very) moment the cock began to crow. 亡霊はおんどりが時を作り始めるやいなや消え去った。

今回のセリフも、The moment that Ross walks in that door, と同じ意味だということで、「通例略される」と辞書で説明されている that が、このセリフでは略されずに残っていることになります。

話の流れから、The second = The moment と解釈して、特に疑問に思うことなくスルーしてしまいましたが、辞書にその用法が載っていないというのは意外でした。やっちんさんがそこに引っかかり、調べて下さったおかげで、私も改めて辞書を調べることになったわけですから、ご質問いただけて感謝です。

ちなみに、この second は「序数」ではなく「秒、瞬間」の方である、と言いましたが、それに関して、研究社 新英和中辞典に面白い語源の説明があったので、併せてご紹介させていただきますね。

「秒」の方の second の語義に、以下の語源の説明があり、
語源
ラテン語 ‘second minute' の意; 1時間の第1の分け方 (「分」 minute) に対し, 「第2の分」 (=「秒」) の意

つまり「秒」=「第2の分」ということで、「第2の」という意味と「秒」という意味が全くの無関係だというわけでもない、ということです。私は全然別物の単語だと思っていたので、「第2の分」が語源だと聞いて、へぇ〜!という気持ちになっております^^

やっちんさんのご質問で、私もいろいろと勉強になりました。ありがとうございます!(^^)
Posted by Rach at 2013年12月24日 17:05
Rachさん, Merry Christmas!

たくさん調べて下さってありがとうございました。
今回はピンポン!だったんですね、良かった、良かった!
何度読んでも引っかかって、本当に持っているもの総動員したんですが見つけられなくて、「そんな用法はないですよ〜」かなぁ、って思っていたんで嬉しかったです。でも序数しか思い浮かばなかった・・・(汗)
無関係ではなかったのがちょっと幸いでした(笑)
こんな言い方あるんですね、しかも辞書にも文法書にも載っていなかったのでお聞きして本当に良かったです。The momentというのは全く思い浮かびもしなかったです。もうちょっと頭柔らかくしなくては・・・なるかしらん??(爆)
Posted by やっちん at 2013年12月24日 18:10
やっちんさん、Merry Christmas!
そして、ご丁寧なお返事ありがとうございます。
そうです、「接続詞的に」という見解はピンポン♪でした(^^)

フレンズでは、Just a moment. よりも、Just a second. や Just a sec. のような言い方をよく聞くので、second = moment というイメージが私には浮かびやすかったようです。今回はたまたま思い浮かんで、何の違和感もなくスルーしてしまいましたが、やっちんさんがされたように「自分で引っかかって、持っているものを総動員して調べる」というのは、英語学習においてとても大切なことです。私もこうしてやっちんさんとやりとりしたことで、second の使い方をより意識できるようになりましたし^^

そういうことの積み重ねで、ネイティブ英語を受け入れやすい柔らかい頭にどんどんなっていきますから! この調子で頑張って下さいね!(^^)
Posted by Rach at 2013年12月25日 14:14
こんばんは、お久しぶりです。

モニカの下記セリフの構造について確認させて下さい。

モニカ:Do whatever it is that you do that makes him go, (high pitched) "rheeeee!" 

私の解釈は下記の通りです。

whateverは先行詞を含む関係代名詞something thatに置換可能。

関係代名詞で繋がった文を分解すると
Do something.(命令文)
It is something that you do that makes him go.(強調構文)

強調構文を元に戻すと
You do something that makes him go.

上記認識で合ってますかね?
thatが多くて修飾関係に自信がないです。

あと、私がモニカの立場ならyouとdoの間にcanかshouldを入れてしまう気がするんですが、入れない方が自然なのでしょうか?

強調構文をなくし、canを入れると下記の文になりますが
Do whatever you can do that makes him go.
これだとモニカの意図と違うニュアンスになってしまうのでしょうか?
Posted by miz at 2015年08月15日 23:21
mizさんへ
こんにちは、お久しぶりです。コメントありがとうございます。

確かにこのセリフは、that が多いですよね^^ 上の記事では、このセリフを取り上げているものの、英文の構造については一切説明をしていなかったので、ここで改めて、私の見解を書かせていただきますね。

do whatever it is that you do that makes him go, (high pitched) "rheeeee!"

ネットスクリプトでは上のように書いてありますが、DVD英語字幕では、
do whatever you do that makes him go "rheeeee!"
と表現されていました。
その場合だと、前から順番にイメージすると、「あなたがすることを何でもしなさい、(そのことというのは)彼に「リー!」と言わせるような(こと)」になるでしょうか。
ちなみに、上の記事内の和訳では、makes him go, "rheeeee!" を、「彼が「リーッ!」ってなるようなこと」(=直訳すると、「彼が「リーッ!」ってなるようにさせること」)のように訳しましたが、今考えると、この go は、「say の意味で使っている go 」のような気もします。(ここに関しては、「リーッ!」ってなる、という訳でも、それほど方向性は違っていないとは思いますが^^)

whatever の話に戻りますと、DVD英語字幕のセリフの whatever は「先行詞を含む不定関係代名詞」になりますね。「SがVすることは何でも」という感覚で、別の言葉に言い換えると、whatever = anything that になるでしょうか。
Do whatever you like. 「あなたが好きなことを何でもしなさい」と同じ感覚ですね。

字幕ではそのように表記してあるので、「セリフの概要、大ざっぱな意味」としてはそういうことになると思うのですが、実際のセリフはそれよりもう少し複雑な、do whatever it is that you do that makes him go "rheeeee!" という形になっていますね。

この whatever it is については、二通りの解釈を考えてみました。
1つ目は、Whatever it is 「それが何であろうとも、それが何であれ」という譲歩節が存在することから、今回の whatever it is にも「譲歩」のニュアンスが含まれている、ということかな、と。
Do whatever という命令文と、Whatever it is という譲歩節が合体したような感覚と言えばいいでしょうか。
do whatever you do ではなくて、do whatever it is that you do と表現することで、「それがたとえどんなものであろうとも、あなたがすることを何でもしなさい」みたいなニュアンスが出るのかなぁ、と。

2つ目は、英英辞典に、以下の語義が載っていましたので、そちらのニュアンスかもしれないなぁ、と。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
whatever [determiner, pronoun] :
3. used to say that you do not know the exact meaning of something, or the exact name of someone or something
例) The doctor says I've got fibromyalgia, whatever that is.
つまり、「何かの正確な意味、または誰かや何かの正確な名前を知らないと言うために使われる」。例文は、「その医師は、私が線維筋痛、とか何とか、だと言う」。

Macmillan Dictionary では、
whatever :
6. (mainly spoken) used for referring to something when you do not know what it is
例) You there, whatever your name is, come and stand here.
つまり、「(主に口語) あるものが何か知らない時に、それを言及するために使われる」。例文は、「そこの君、君の名前が何だか知らないが、こっちに来て立ちなさい」。

モニカとしては「ロスがリーッ!って言うようなことを何でもして」と言っているものの、具体的にそれがどういうものかというイメージがモニカの中でははっきりしていない、その「それが何かよくわからない」という感覚が、do whatever it is の whatever it is という部分に出ていたのかなぁ、と。

その後に続く、that you do について。
これは、do whatever it is 「たとえそれが何であってもする」というフレーズに、関係代名詞 that で「あなたがする(こと)」と情報を付け足した感じかな、と思います。ですから、it is that は強調構文ではなくて、it is は whatever it is という一つのまとまりで、that は、whatever it is という一つのまとまりとして完結してしまったフレーズに、情報を付け足すための関係代名詞 that になるだろう、というのが私の見解となります。

その後、また that を使って、that makes him go... 「彼に…と言わせるような」とさらに付け足すことで、whatever の内容をより詳しく具体的に説明していることになるでしょう。

言葉が発せられた通りに、前から順番にイメージしていくと、

do whatever it is 「それがどんなものであったとしてもそれをする」
that you do 「あなたがする(ような)こと」
that makes him go, "rheeeee!" 「彼に”リーッ!”と言わせる(ような)こと」

になるでしょうか。
それを日本語っぽい表現にすると、「それがどんなものであったとしても、あなたがすることで、彼に”リーッ!”と言わせるようなことをしなさい」になるでしょうか。

また、you do の間に can か should を入れてしまいそう、というお話について。
can を入れると「あなたができることを何でもして」、should だと「あなたがすべきことを何でもして」となりますね。
それがこのセリフでは、that you do のように表現されていることについては、you do という「現在形」を使うことで、「あなたが(普段)することをして」という感覚になるような気がします。
「それが具体的にはどんなことかは私にはよくわからないけど、とにかく、あなたが普段するようなことで、彼にリー!と言わせるようなことを何でもいいからしてちょうだい!」とモニカは言いたいのかなぁ、と。

「彼が叫びそうなことをいろいろ考えて(普段しないようなことも含めて)出来る限りのことをやってみて」ということではなくて、「普段やっているようなことで、彼が喜ぶようなことをしてみて」というのが、that you do that makes him go... なんだろうな、と私は思ったわけですね。
「彼がどんなことをしたら喜ぶか、彼女のあなたならわかってるでしょ? 普段やってる中でそういう効果のありそうなことをやってみて」と言っている感覚かなぁ、と。

最後にもう一度、確認しておきますと、Do whatever it is that you do というのは、内容としては Do whatever you do とほぼ同じようなことだと思うのですが、whatever it is という形にすることで、「それがどんなことであろうと」という「譲歩」の感覚を出しているか、もしくは、「それがどんなものかよくわからないけど」というような「言っているモニカ当人はその行為の具体的なイメージがわからない」ことを示しているかのどちらか、だろうと思う、、のですが、正直、この部分はあまり自信はありません。この後も引き続き考えてみますね(^^)

興味深いご質問、ありがとうございました!
Posted by Rach at 2015年08月17日 22:27
do whatever it is that you do that makes him go, "rheeeee!"
これは、レイチさんの解説にあるように
この whatever it is は It doesn't matter what it is. の感じで、
微妙な日本語ですが
「あなたが普段する彼にリー!と言わせるようなことなら、それが何でもいいからしてちょうだい!」のようになるでしょうか。

whatever it is that you do は whatever you do と異なり、
it is があることで「それが何でもいいから」のようになると思います。

that you do と that makes him go, "rheeeee!" が、
二重、三重に whatever にかかっていて、複雑そうな構文ですが、会話でも普段によくある形ですし、英語的なかっこいい文ですよね。
Posted by Joe F. Scyzthem at 2015年08月19日 23:44
Joe F. Scyzthemさんへ
コメントありがとうございます。セリフのニュアンスについて、一緒に考えていただけて、とても光栄で嬉しいです(^^)

「It doesn't matter what it is. の感じ」というご説明、なるほどな、と思いました。「それが何でもいいから」という日本語にも納得です。私が訳した「どんなものであろうとも」という譲歩のニュアンスよりも、「それが何でもいいから」の方が、この時のモニカの心境に合っていますものね。

「会話でも普段によくある形」とのお話だったので、改めてフレンズのセリフで調べてみると、確かに他のエピソードにもこの表現が出てきていました。
この記事は フレンズ3-8 なので、それより後のエピソードになってしまいますが、ネタバレしない程度に書かせていただくと、

フレンズ6-13
she should be able to do whatever it is that she wants to do!

フレンズ9-8
Because I managed to survive whatever it is that killed the three of you!

というセリフでした。複数のエピソードに出てきたところを見ても、よくある表現と言えそうです。
that... が「二重、三重に whatever にかかっていて」というところに、英語の「情報をどんどん継ぎ足す」感覚がよく出ていて、確かに「英語的なかっこいい文」♪だと思います。
そういう「英語的なかっこいい文」を、モニカが例の早口でまくしたてるところがまた、さらにかっこいいですね^^

上のコメントを書いた時点では、どうもまだ自分の中でしっくり来ない部分があったのですが、いただいたコメントを読ませていただいて、もやもやが晴れた気がします。
興味深いコメント、ありがとうございました!(^^)
Posted by Rach at 2015年08月20日 14:28
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