[Scene: The street, Chandler and Joey are walking past a jewelry store.]
ストリート。チャンドラーとジョーイは宝石店の横を通り過ぎているところ。
チャンドラー: Hey, hold on a second, hold on a second. Do you think these pearls are nice? (なぁ、ちょっと待って、待って。このパールっていいと思う?)
ジョーイ: I'd really prefer a mountain bike. (俺はマウンテンバイクの方がずっといいな。)
チャンドラー: Janice's birthday's coming up, I wanna get her something special. Come in here with me. (ジャニスの誕生日がもうすぐなんだ。俺は何か特別なものを買ってあげたいんだ。店に俺と一緒に入ってくれ[入ろう]。)
ジョーイ: Whoa, whoa, whoa, wait, whoa. Do you ah, wanna get her something special? Get her flowers, get her candy, get her gum, girls love gum. (おいおいおい、待てよ、おい。お前は彼女に特別なものを買ってあげたいのか? 花をあげろ、キャンディーをあげろ、ガムをあげろ。女の子はガムが好きなもんだ。)
チャンドラー: That's a good idea, "Dear Janice: Have a Hubba-Bubba birthday." I would like to get her something serious. (それは良い考えだ。”愛しのジャニスへ。ハブ・ア・ハバブバ・バースデイ。” 俺は彼女にシリアスな[本格的な、真剣な]ものをあげたいんだ。)
ジョーイ: Oh, you want something serious. Y'know what you should do? You should get her one of those um, barium enemas. Those are dead serious. (あぁ、シリアスなものが必要なんだな。何をすべきかわかってるか? お前は例のバリウムの浣腸(かんちょう)をあげるべきだよ。あれは本当にシリアスだからな。)
チャンドラー: All right. Look, I'm gonna go in here, and you don't buy me anything, ever! (starts to go into the store) (わかった。なぁ、俺は店の中に入るよ。そしてお前は金輪際、俺に何も買うなよ!)
チャンドラーは店に入ろうとする。
チャンドラーが「このパールいいよね。」と言うと、「俺はバイクの方が好きだ。」というジョーイ。
宝石だから、女性にあげるプレゼントとして良いか悪いかの話をしているわけですが、ジョーイらしいボケですね。
ジャニスと元夫がキスしていたことを知っているジョーイは、「特別なもの」つまり「高価なもの」をあげようとするチャンドラーを阻止しようとします。
最初は花ですが、それがキャンディー、ガムとどんどん安っぽいものを挙げていくのですね。
girls love gum. は現在形で習慣や習性を表し、「女の子はガムが好きなものだ。それが常識だ。」みたいなことです。
ガムをあげると、Have a Hubba-Bubba birthday. になる、とチャンドラーは言っています。
Have a Happy Birthday. は「良い誕生日を。」みたいな決まり文句ですね。
Have a nice day. Have a Happy Christmas. などと同じです。
それが、バブルガムみたいなものを食べながら、フーセンを膨らませながら言うと、ハッピーが「ハバブバ」みたいになっちゃうよ、という感じでしょうか。
そんなジョークや冗談みたいなものじゃなくて、もっと恋人としてシリアスなもの、本格的なものをあげたい、というチャンドラーに、serious なものと言えば…と妙なものを出してくるジョーイ。
enema は「浣腸、浣腸剤、浣腸器」。
ロングマン現代英英辞典では、
enema: [countable] a liquid that is put into someone's rectum to make their bowels empty
つまり、「人の腸を空にするために、直腸に入れる液体」
ロングマンの barium の項目には、a barium enema も載っています。
a barium meal/enema/swallow: a substance containing barium that you swallow or that is put in your bowels before you have an X-ray, because it makes the organs in your body easier to see
つまり、「a barium meal/enema/swallow とは、X線撮影をする前に飲み込む、または腸に入れるバリウムを含んだ物質。そうすることで、体の中の器官がより見えやすくなる。」
よく胃の検査などでバリウムを飲むと言いますが(私は飲んだことないですが)、そういう口から入るものが、a barium meal や a barium swallow になるのでしょうね。
enema はお尻に刺す方ですから、大腸がんの検査などの時に使うのでしょうか。
キツいやつ、って言えばあれしかない、あれはこたえるぜ、みたいな感じですね。
one of those は、フレンズ3-6その19 で解説しました。
「みんながよく知ってる例の…の一つ」のような感じですね。
この場合は、「お前も知ってるようなあの浣腸、ああいうのを1個プレゼントとしてあげたらいい。」みたいにアドバイスしているのですね。
しかし、ほかにもいろいろキツいものはあるだろうのに、よりにもよって浣腸だなんて…(笑)。
ロマンチックのかけらもないですね。
dead は「完璧に、完全に」とその後に続く形容詞を強調する副詞です。
今回のセリフでは、浣腸が dead serious だと言っているのですが、「自分が冗談ではなく真剣である、本気である」ことを示すセリフとして、I'm dead serious. 「僕は(冗談ではなく)大真面目だ。」というフレーズはよく使われますね。
つまり、上の二人のやり取りは、serious を別のニュアンスで受け止めている面白さなのですね。
今回のジョーイは、チャンドラーが真剣なものを買ってしまわないように、わざと意味を取り違えたように返事しているのです。
チャンドラーが言っているのは、「冗談でなく真剣な」という意味、ジョーイが言っているのは、「重大な、ゆゆしい」ことと言う意味、serious damage 「重大な損害」や、a serious illness 「重病」みたいな悪い意味の serious ですね。
heavy と似た感じでしょうか。
真剣に商品を吟味しようとしているのに、ジョーイが変なことばかり言うので怒ってしまったチャンドラー。
ジョーイはプレゼントの趣味が悪過ぎるから、今後、お前からのプレゼントは要らない、買ってくれなくていいよ、と言っていますね。
(Rach からのお願い)
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ご指摘ありがとうございます!
実際にDVDでも確認してみましたが、確かに「ブバ」とは発音していませんね。カタカナで書くと、「ハブ・ア・ハバババ・バースデイ」みたいに聞こえます。
「ブバ」と書いてしまったのは、ローマ字読みをしてしまったせいですね。デイズさんは日本人に英語を教える立場の方なので、よくご存知だと思いますが、この「日本人がすぐに英語をローマ字読みしてしまうクセ」というのが、英語の正しい発音を覚える際に邪魔になることが多いです。私もいつも気をつけなくっちゃ、と思っていたのに、こんなところでボロが出るなんて…(笑)。
バブリシャス(Bubblicious)というガムのブランドがあるのですね。
Bubblicious Flavors
http://www.theultimatebubble.com/flavors.html
Wikipedia 英語版にも、Bubblicious という項目があります。
bubble gum (バブルガム、日本ではフーセンガムとも言います)の連想から、Bubba という言葉が出てきた、ということですね。
ほんとだ! その名前のガム、本当にありますね! 情報どうもありがとう!
"Hubba Bubba" でぐぐると、結構あっさり見つかっちゃいました(笑)。
Wikipedia 英語版: Hubba Bubba
という項目も存在します。
Wm. Wrigley Jr. Company (The Wrigley Company) というメーカーのブランドのようですね。
メーカーの公式サイト(アメリカ版)はこちら(↓)。
Wrigley: Hubba Bubba: A Whole New Kind of Bubble
http://www.wrigley.com/wrigley/products/products_hubba_bubba.asp
メーカーの公式サイト(イギリス版)はこちら(↓)。
The Wrigley Company Ltd. - Hubba Bubba
http://www.wrigley.co.uk/index.cfm?articleid=138
http://www.hubbabubba.com/hubba-bubba/game.do
は、Hubba Bubba Bubble Racer というゲームができるサイト。
また、サイトそのものは終了してしまったようですが、
Hubba Bubba - It's Funbelievabubble-
というタイトルのサイトもあったようですね。
Unbelievable をもじって、Funbelievabubble 「ファン・ビリーヴァ・バブル」になってるのが面白いな、と思いました。
バブルガムと言えば必ず、bubble という言葉をどこかに混ぜたくなるんですねぇ(笑)。
フレンズでたまにこういう医療用語が出てくると「これって覚えておくべきなの?」とふと考えてしまいます。まあ「超音波診断」や「肺気腫」「水ぼうそう」「歯科矯正」などは日常でも使われる単語ですが、「塞栓症」や「羊水穿刺」なんて単語があること自体このドラマで初めて知りました。まあ「羊水…」は女性なら知ってるのかもしれませんが、それにしても専門的過ぎると思うのは私だけでしょうか?
極めつけは「鼻中隔彎曲症」(2-14)!思い起こせば高3の冬、私が生まれて初めて入院したのがまさにこの手術のためでした。当時「こんな病名、もう一生見ることも聞くこともないだろうな」と思いましたがまさかこの歳になってこのドラマで遭遇するとは!しかも英語で(笑)。いや驚きました。でもレイチェルと同じ疾患なら光栄です(レイチェルのは本当かどうか疑問ですが)ハハ…。
まあこういう難しい言葉を知ってるとネイティブの人に妙に感心されたり驚かれたりして結構な印象を与えることができるので覚えていて損は無いかもしれませんね。でも逆に向こうが知らなかったりして(笑)。
コメントありがとうございます。
そのキーワード(笑)、コメント欄ではエラーになるんですね^^ 記事中ではオッケーでも、コメント欄ではエラーになる単語がいくつかあって、スパムコメント防止のためにそういう設定になっているようですが、エラー認定されるような単語であるという意味でも、ジョーイの提案のトンデモ具合がよくわかりますよね^^
フレンズは日常会話が多いですが、トピックによってはものすごく専門的な言葉も出てきますよね。私も自分と関係ない用語であれば、特に覚えずに済ませてしまいますが、orthodontist 「歯科矯正医」とか、palaeontologist 「古生物学者」などの言葉は、何度も出てくるので自然と覚えてしまいました。
ETさんのお話にあるように、英語学習をしている時に、ご自分の体験と関係ある言葉に遭遇したりすると、驚きですよね。ドラマを使って英語学習をしていると、「めったに出てこないような単語」に出会うことも多いですが、そういうのもまた、ドラマで学ぶ楽しみであり、醍醐味なのでしょうね(^^)