2007年11月12日

頭をぶつけたい場所 フレンズ3-8その15

[Scene: Monica and Rachel's, Monica and Rachel are dressing up Ben in the entire rain suit from Rainy Day Bear.]
モニカとレイチェルの部屋。モニカとレイチェルはレイニーデイ・ベアが着ていたレイン・スーツ一式をベンに着せているところ。
モニカ: It just makes more sense as an ensemble. (その方が、アンサンブルとして、よりしっくり来るわね。)
レイチェル: Right. (そうね。)
モニカ: Besides, it takes the focus off the hat. (その上、アンサンブルにしたら、(関心の)焦点が帽子から離れるわ。)
フィービー: (running through the door) No! Oh! You're alive! You're alive! ([ドアを駆け抜けてきて] (もし誰かが死んでたりしたら)いやよ! あぁ、あなたたち生きてる! 生きてる!)
レイチェル: See, Pheebs, I promised you no one would die, didn't I? (ほらね、フィービー。私はあなたに約束したでしょ、誰も死なないって。ね?)
フィービー: Yeah, well, we'll see about that. Can I use your phone? I just wanna call everyone I know. (そうね、そうだ、それを確かめなくっちゃ。電話借りていい? 知ってる人全員に電話をしたいだけなんだけど。)
モニカ: Sure, we have no money, go ahead. (もちろんいいわよ。私たちはお金がないけどね。どうぞ。)
フィービー: (on phone) Hey, you're not dead! Okay, see ya. ([電話で] はーい、あなたは死んでない! オッケー、じゃあね。)

make sense は「意味をなす、道理にかなっている、筋が通っている、つじつまが合っている、もっともである」。
ensemble は「アンサンブル」。
古いフランス語から来た言葉のようです。
「全体的効果」のことで、音楽のアンサンブルは「合唱・合奏曲[団]」、服の場合だと「調和のとれた一揃いの服」ということですね。
こぶを隠すには、帽子だけかぶればいいんだけど、レインコートの帽子だけかぶっているのは変だから、全部着せちゃおう、全部着せた方が自然ね、ということです。

I just wanna 「私はただ…したいだけ」と言っているのですが、知り合い全員に電話をかけるとなると、一体、電話代はいくらに…?
それを「そんなことしたら電話代はいくらになると思ってるの?」とも言わずに、「私たち金欠だけどね。」「でも、フィービーは心配でたまらないだろうし、言い出したら聞かないタイプだから、そんなに電話をかけたければかければいいわ。」と言っているのです。
「あなたは死んでないわね。じゃあね。」だなんて、電話をかけてこられた方は「何だったんだ、今のは?」とびっくりしていることでしょう。
でも、フィービーの友達だから、そういうわけのわからない言動には慣れているかもしれませんが。


ベン: Monica. (モニカ。)
モニカ: Oh, my God! He just said my name! Did you hear that? (まぁ、なんてこと! ベンが今、私の名前を言ったわ! 今の聞いた?)
ベン: Monica bang! (モニカ、バーン!)
レイチェル: Okay, I heard that. (えぇ、聞いたわよ。)
モニカ: Did he just say, "Monica bang"? (ベンは「モニカ、バーン」って言った?)
レイチェル: Uh-huh. (えぇ、そうね。)
モニカ: Oh, my God! He's gonna rat me out! (なんてこと! ベンは私を密告しようとしているわ!)
ベン: Monica bang! (モニカ、バーン!)
モニカ: Oh-ho-ho, sweetie, sweetie, you need to stop saying that now. It's no big deal, it's not even worth mentioning. You see? We all do it all the time. See? Watch this, Ben, Ben, Ben. (goes over and starts hitting her head on the post) Ow, Monica bang! (does it again) Everybody bang! (repeats) Ben bang! (repeats) Rachel bang! (repeats) Bang, Rachel! Bang! Oh, isn’t that fun? (あぁ、可愛い坊や[スイーティー]、それを言うのを今すぐ辞めなくちゃ。大したことじゃないわ。言うほどの価値もないことだわ。わかるでしょ? 私たちはみんな、それをいつもしてるのよ。わかる? これを見て、ベン、ベン、ベン。[向こうへ行って、柱に頭をぶつけ始める] あぁ、モニカ、バーン! [(その動作を)もう一度する] 誰でも、バーン! [(動作を)繰り返す] ベン、バーン! [繰り返す] レイチェル、バーン! [繰り返す] バーンよ、レイチェル! バーン! あぁ、それって楽しいでしょ?)
レイチェル: (goes over and hits her head on the post) Look at that! (repeats) Look at that! (repeats) We all do it! (repeats) Okay, I'm stopping now. ([向こうへ行って、柱に頭をぶつけ始める] それを見て! [繰り返す] それを見て! [繰り返す] 私たちみんなそれをするのよ! [繰り返す] いいわ、もうやめるわ。)
モニカ: You okay? (大丈夫?)
レイチェル: Oh yeah! Y'know, if it's not a headboard, it's just not worth it. (えぇ! ほら、もしそれがベッドのヘッドボードじゃないなら、やる価値もないわね。)

bang ですが、自動詞では「ドンドンたたく、ドシンとぶつかる」、他動詞では「…をバタンと鳴らす」、また間投詞として「バタン!(ドアが閉まる音)、ズドン!(銃が発射される音)」という意味もあります。
よくピストルの絵の横に Bang! と書いてあるので、日本人にもおなじみですよね。
モニカの名前を言ったと大喜びしているくらいですから、ベンはまだほとんどしゃべれない状態なわけです。
だから、Monica bang! は、「モニカ、ゴーンってぶつける」みたいな「主語+カタコトの動詞」か、「モニカ、バーン!」「モニカ、ごっつん!」という感じの「名前と擬音語」みたいな感じかもしれません。
上では、擬音語のように訳してみました。

rat out は「(人を)裏切る、密告する」。
ロングマン現代英英辞典では、
rat somebody out: if someone rats you out, they are disloyal to you, especially by telling someone in authority about something wrong that you have done
例) You can't rat out your teammates.

つまり、「誰かが人を rat out する、というのは、その誰かがその人に対して不実[不誠実]であるということ。特に人がした何か悪いことを、権力者に告げ口するという方法で。」
例文は「君は君のチームメートを密告することはできない[密告してはいけない]。」

「モニカ、バーン」なんてわざわざ言うほどのことじゃないわよ、誰でも頭をぶつけるのよ、と自分の頭を柱にぶつけるモニカ。
レイチェルにも同じことをさせます。

最後の headboard に関するレイチェルのセリフ、ここで観客が笑っていますね。
どうやらエッチな意味のオチのようです。
headboard は「ベッドのヘッドボード、頭板」、つまり、ベッドの頭の部分にある垂直に立っている板のことですね。
レイチェルのセリフは、もしヘッドボードだったら、やる価値はあるけれど、続けてもいいけれど、みたいな感じ。
それはつまり、ベッドの上でエッチをしていて、その行為が激しくなって、その動きに合わせて頭の上に位置する板に頭をゴンゴンぶつけている、というのなら、お楽しみの一環(?)ってことでいいんだけど、ということでしょうね。(えらく激しい話だ…笑)
どうせ頭をぶつけるなら、ベッドの上で、エッチの最中に頭をぶつけたいわ、ということです。

この bang という言葉ですが、「エッチする」という意味もあります。
ロングマン現代英英辞典では、
bang: [transitive] (not polite) to have sex with someone
つまり、「誰かとエッチする、の上品でない表現(卑語)」。

ですから、bang, bang! と柱に頭をぶつけながら、bang には他の意味もあるわよね、という想像がみんなの頭の中には働いていたでしょう。
そのこともあって、レイチェルはこんなエッチな話をオチとして言っているのでしょうね。


(Rach からのお願い)
今回の記事、面白いと思われた方は、下のランキングサイトをクリックして下さい。
皆様の応援が、とても励みになっています。ありがとうございます。
人気ブログランキング
にほんブログ村 英語ブログ

posted by Rach at 08:17| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
we'll see about thatはロングマンにもそのまま文章で説明がありますが、2つの意味を載せています。ガンターがロスにwe'll see.と言っていましたね。主語がI、we のときのwillは意志もあらわすと思うのですが、誰も死んでないというレイチェルの言ったことに対して、でも、まだ誰も死んでないとは言えないというレイチェルに対して否定的なニュアンスがあるように思います。ロングマンの例文ではwe'll have to see about that.とありますが、これは意志を表していますね。
Posted by catch at 2007年11月12日 21:27
catchさんへ
We'll see about that. については、上の解説ではなんとなく流してしまいましたが、おっしゃる通り、ロングマンに載っていますね。

ロングマンの語義は以下の通り。
we'll see about that (spoken)
a) (also) we'll have to see about that
used to say that you do not know if something will be possible
例) 'I want to go to Joshua's tonight.' 'Well, we'll have to see about that.'
つまり、「あることが可能であるかどうかを知らない、と言う場合に使われる」。
例文は、「今夜、ジョシュアの家に行きたいの。」「行けるかどうかわからないな。行けるかどうか確認しないといけないな。」

b) (also) we'll soon see about that
used to say that you intend to stop someone from doing what they were planning to do
つまり、「誰かがやろうと予定していることをやめさせるつもりである、と言う場合に使われる。」

上のフィービーのセリフは、a) の we'll have to see about that ということで、「誰も死んでないかどうかはまだわからないわよ。確認してみなければわからないわよ。」という感じで、「これから確認するわ。」という意志を表している、ということですね?
Posted by Rach at 2007年11月13日 10:41
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。