2007年11月13日

キスは何回あったんだ? フレンズ3-8その16

[Scene: Chandler and Joey's, Chandler is waiting for Janice to arrive, and is angrily flipping through a magazine.]
チャンドラーとジョーイの部屋。チャンドラーはジャニスが到着するのを待っている、そして怒った様子で雑誌をめくっている。
ジャニス: (entering) How's my Bing-a-ling? ([入ってきて] 私のビング・ア・リングのご機嫌はいかが?)
チャンドラー: Ah, I don't know. You tell me. Anything you ah, wanna tell me? Because if you... You should-- You would tell me. (あぁ、さあね。君が話せよ。何か俺に言いたいことがあるんじゃないか? なぜなら、もし君が…。もし万が一言うことがあるなら…言うことがあるだろ。)
ジャニス: Why are your eyes so wide? (どうしてあなたの目はそんなに大きいの[大きくなってるの]?)
チャンドラー: You tell me. Maybe it's because I was just fooling around with my ex. Oh no-no-no-no, no-no-no-no, that was you! (さあね。多分それは俺が元カノといちゃついてたから…いや、違う、違う、違う、それは君だ!)
ジャニス: Oh, my God!! (なんてこと!)
チャンドラー: All right! (そうだね。)

flip through は「(本・雑誌などを)パラパラめくる」。
Bing-a-ling という呼び掛け語は、フレンズ3-3その21 にも出てきました。
その記事で、その呼び掛け語の意味について考察しています。

怒って目を見開いているチャンドラーに、ジャニスは、"Why are your eyes so wide?" 「どうしてあなたの目はそんなに大きいの?」と言っています。
このフレーズを聞くと、童話の赤ずきんちゃんで、おばあちゃんに成りすました狼に向かって赤ずきんちゃんが言ったセリフを何となく思い出してしまうのですが、関係ないのかなぁ?
(ちょっと調べてみましたが、その時の赤ずきんちゃんの正確な英語のセリフがわかりませんでした。)

チャンドラーは、"You tell me." という言葉を2回使っていますね。
英辞郎には、
You tell me.=私は分かりません。/知りたいのはこっちだ。/さあね。/よく言うよ。/先刻承知でしょう。
とあります。

You tell me. を直訳すると、「君が言うんだ。言うのは君だよ。」という感じでしょうか。
「そんなこと俺に尋ねるなよ、自分でわかってるくせに俺に言わせるな、自分で言え。」というニュアンスでしょうね。

fool around with は「(異性を)もてあそぶ、遊び半分に付き合う、浮気する、エッチする」という意味。
フレンズ2-5その9 にも出てきました。


ジャニス: How did you know? (どうやって知ったの?)
チャンドラー: Joey told me, he saw you two kissing. (ジョーイが教えてくれた。彼は二人がキスしてるところを見たって。)
ジャニス: In the park? (公園で?)
チャンドラー: No. In his office. How many kisses were there? (違う。彼のオフィスでだ。キスは何回あったんだよ[何回キスしたんだよ]?)
ジャニス: Just those two! (その2回だけよ!)
チャンドラー: Wh-wh-why, wh-why, why, why was there kissing!? There should be no kissing! (な、な、な、何でキスが存在するんだよ? キスなんて存在すべきじゃないのに!)
ジャニス: Oh, I'm sorry, honey, I'm so, so, (nasally) haaaaa! I'm so, so sorry, I just (nasally) haaaaaa! But I, oh what happened was, I-I-I can't breathe. Can you get me a bag or something? (あぁ、ごめんなさい。ハニー、本当に、本当に…[鼻にかかった声で] ハー! 本当に本当にごめんなさい。私はただ [鼻声で] ハー! でも、起こったことは…。息ができないわ。袋か何かをくれる?)
チャンドラー: (giving her a bag) Here. Here. ([彼女に袋を渡す] ほら、ほら。)
(Janice starts to breathe into it and sucks in the receipt, and then spits it out.)
ジャニスは紙袋で呼吸しようとするが、レシートを飲み込んで、それを吐き出す。
ジャニス: It's the receipt. (レシートだわ。)
チャンドラー: I'll take it. All right look, I've got to know. Are you finished with me? (Janice shakes her head no) Are you finished with him? (Janice shakes her head no) Do you still love him? (Janice shakes her head yes) Do you still love me? (Janice shakes her head yes) All right, look, (grabs the bag) I'm gonna need an actual answer here, okay? So which is it? Him or me? (his phone starts to ring) ((そのレシートは)もらっとくよ。よし、いいか。俺は知る必要がある。俺とはもうおしまいなのか? [ジャニスは頭をノーと振る] 彼とは終わりなのか? [ジャニスは頭をノーと振る] まだ彼を愛してる? [ジャニスは頭をイエスと振る] まだ俺を愛してる? [ジャニスは頭をイエスと振る] よし、わかった。[紙袋を掴んで] 俺は本当の答えを知りたいんだ、いいか? それで、どっちなんだ? 彼か俺か? [チャンドラーの電話が鳴り始める])
ジャニス: I don't know. (わからないわ。)
フィービー: (rushing in) Okay, if you're alive, you answer your phone! ([急いで入ってきて] オッケー。もし生きてるのなら、電話に出てよね!)

ジャニスと元夫とのキスを見た、と言われて、「公園で?」と聞き返すジャニス。
ここで観客からもオゥ…というため息がもれていますね。
なんてこった、ジョーイが見た以外の場所でも、キスしてたのかよ、という感じです。

How many kisses were there? という表現が面白いなと思います。
何回キスしたんだ?なら、普通は、"How many times did you kiss?" (二人を you とした場合)、または "How many times did you kiss him?" となるでしょうか?
二人がキスを、君が彼にキスを…という言葉を言いたくなかったんでしょうかねぇ?
キスという行為の回数が何回存在したか?のような、客観的な質問になっている気がします。
だから、2回だと返事したジャニスに、「その2回だけだ」と言うけど、「そもそも、どうしてキスというものが存在するんだ、キスなんてあるべきではないはずなのに!」というセリフに繋がっているのですね。
少ない回数だから許されるってもんじゃない、別れたはずのダンナとキスしていること自体がおかしいだろ? 今は俺という恋人もいるのに、という気持ちですね。

責められたジャニスはパニクって呼吸困難になります。
そこで、袋を使って呼吸していますね。
フレンズ1-1 でも、動揺したレイチェルが紙袋で呼吸するシーンがありました。
そのシーンの様子は以下の通り。

(CUT TO SAME SET. RACHEL IS BREATHING INTO A PAPER BAG)
同じセットのカット。レイチェルは紙袋で呼吸している。
モニカ: Just breathe, breathe.. that's it. Just try to think of nice calm things... (ただ呼吸して、呼吸して…それでいいわ。ただ、素敵で穏やかなことを考えるようにして…。)

パニクった時に胸が締め付けられて、息が苦しくなるのはわかるけれど、その時に紙袋を使って呼吸を整える、という習慣は、日本人にはないような気がするのですが…。
英辞郎にも、
breathe into a paper bag=紙袋の中で呼吸する
という語義が載っているところを見ると、アメリカではよくある光景のようですね。

その後のチャンドラーの質問は、簡単な英語表現ですが、これを英語のままで聞けて、彼の切なさが感じられるといいですね。
「チャンドラーとは終わってないけど、元夫とも終わっていない」と聞いて、おぉー、と残念そうな観客。いつの間にか観客も二人の仲を応援しているようです。
ジャニスは何となく憎めないキャラクターですからねぇ。

と、そんな張り詰めた空気の中で電話が鳴ります。
とても電話に出られるようなムードではありませんね。
日本のドラマでも、ショッキングなニュースを聞いた時などに、持っていた皿を落とす、水道が出しっぱなしになっている、電話が鳴っているけれど誰も出ない…みたいな描写があります。
その件で頭がいっぱいで他のことが考えられない、という心理描写ですね。
この場合は、三角関係なので、事情を察した元夫がかけてきた、という可能性もないではないので、状況はますます緊迫してくるのですが。

で、結局、電話の主はフィービー。
そう言えばさっき、「知り合い全員に電話する」って言ってたなぁ。
私はチャンドラーとジャニスがどうなるかに気を取られていて、そのことをすっかり忘れていました(笑)。
この電話はフィービーからだ、ととっさにわかった人は、かなりフレンズのパターンが読めてきている、ってことですね。


(Rach から説明させていただきたいこと)
ここ最近、1つの記事の長さが随分長くなっていることについての説明です。

解説する箇所が少ない部分についても、セリフは全て取り上げて、私なりの日本語訳をつけておきます。
セリフを全て取り上げるのは、それが全て生きたナチュラルな英語だから。
そして、それに日本語訳をつけるのは、日本語訳を見ることで、私がニュアンスを取り違えている部分がわかることもあるかな、と思うから、です。
簡単な部分ほど、ニュアンスを取り違えていることに自分では気付きにくいのですね。

シーズン1を解説していた頃のように、面白いやり取りだけを取り上げる、という手もあるのですが、そうすると結局、追加記事やコメント欄でフォローすることになって、セリフが前後したりすることで、話の流れがわかりづらくなりそうな気がします。

解説する部分が少ない場合は、できるだけさっさと先に進みたいと思いますので、セリフを含めた記事全体の長さが長くなってしまいますがご了承下さい。
進める時はどんどん進んで、じっくり説明したい部分はゆっくりと…今まで以上にそういう緩急が激しくなるかもしれません。
解説するまでもない部分は、できるだけ省くように努力します。


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posted by Rach at 11:05| Comment(6) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
毎日ありがとう。楽しみにしています。

>>パニクった時に胸が締め付けられて、息が苦しくなるのはわかるけれど、その時に紙袋を使って呼吸を整える、という習慣は、日本人にはないような気がするのですが…。
英辞郎にも、
breathe into a paper bag=紙袋の中で呼吸する
という語義が載っているところを見ると、アメリカではよくある光景のようですね。

「過呼吸症候群」ですね。日本人にも多いらしいですよ。

>>で、結局、電話の主はフィービー。
そう言えばさっき、「知り合い全員に電話する」って言ってたなぁ。
私はチャンドラーとジャニスがどうなるかに気を取られていて、そのことをすっかり忘れていました(笑)。
この電話はフィービーからだ、ととっさにわかった人は、かなりフレンズのパターンが読めてきている、ってことですね。

DVDを見たときの事は覚えていませんが、今Rachさんの記事を読ませてもらいながらでも、フィービーのセリフに「やられた〜」と苦笑いです。ホントよくできてるよね〜
Posted by まゆみ at 2007年11月13日 12:44
詳細な描写記載までひきこまれるものがあります。すごいですねー!
よろしくお願いいたします。
「実践現代中国語単語集」
愛沙の新着記事:バーチャル・ウォーターと中国の水事情!
http://chineseword.seesaa.net/
よろしければご覧ください。
Posted by 中国語アドバイザー愛沙 at 2007年11月13日 23:09
まゆみさんへ
こちらこそ、いつも読んでくれてありがとう。まゆみさんのブログも両方いつも読ませていただいてますよ〜。(コメントあんまり入れられてなくて、ごめんね。)

過呼吸症候群、ですか。よく聞く言葉ですね。
Wikipedia 日本語版: 過換気症候群
の「対処法」という項目に、「ペーパーバッグ法」って書いてありました。
英語の Wikipedia でも探してみたら、
Wikipedia 英語版: Hyperventilation syndrome
の Treatment に、
"breathe into a paper bag" "the paper bag rebreathing method"
という言葉が出てきます。
日本語版・英語版の両方に書いてありますが、この紙袋を使う方法は伝統的対処法だったけれど、最近はそれを疑問視する専門家も多い、ということのようですね。
この方法がスタンダードだから、フレンズでもよく登場する、ということのようですね。
私だけかもしれませんが、日本ではこういうシーンをあまり見かけない気がしたんですよねぇ…。調べてみて、よくわかりました。ありがとう。

このフィービーのオチは、CM break 前のオチなので、重要なオチ(?)ですよね。
フレンズは、こういう緊迫したムードを、どこかでゆるめてくれるジョークが時々入りますよね。ホントよく出来た脚本だといつも感心しながら解説を書いてます。こういう緩急の間(ま)を是非学びたいものですね(笑)。
Posted by Rach at 2007年11月14日 06:49
愛沙さんへ
コメントありがとうございます。
貴ブログ、拝見させていただいています。コメント欄がないようなので、コメント入れられなくて残念なのですが。
北京には「水Gメン」がいるんですね?(笑)。
Posted by Rach at 2007年11月14日 06:50
この長さ、つまり具合、いいですねぇ。 これぞレイチ節の極みです!
Posted by F◆J at 2007年11月14日 12:01
F◆Jさま
久々のコメント、ありがとうございます。このブログ、読んで下さっていたんですね?(笑)

「つまり具合」というのは、「文字のつまり具合」ってことですか?(笑)
記事が長いのは、セリフをはしょってないのも大きいですね。私の説明が相変わらずくどくどと長いのももちろんですが、、、。
上に言い訳じみたことを書いていますが、やはり「本物の生きた英語」をインプットすることはとても大事だと思っていて、どんなに簡単なフレーズでも、それを削りたくないんですよねぇ、、、。
私のくだらん講釈よりも何よりも、フレンズの英語にじかに触れるという経験がとても大事だと思うんですよ。

読む読者の方にしてみれば、見た途端にげんなりしそうな長さなんですけど、私もこれがレイチかな、と思うのです。レイチが書いてるんだから、長くなってもしょうがないや、と読者の方に思っていただけるくらいになればいいな、と思っています。
Posted by R◇ch at 2007年11月15日 09:46
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