2007年11月14日

「ぶつかる」からの連想 フレンズ3-8その17

[Scene: Monica and Rachel's, Monica, Rachel, Phoebe, and Joey are there.]
モニカとレイチェルの部屋。モニカ、レイチェル、フィービーとジョーイがそこにいる。
モニカ: Okay, Ben, I won't tell your daddy that you had ice cream for dinner, if you don't tell him about our little bonking incident. (いいかしら、ベン。あなたが夕食にアイスクリームを食べたこと、パパには言わないでおいてあげる。もし、私たちのちょっとしたボンキング(ぶつかった)事件についてあなたがパパに言わなければね。)
レイチェル: Monica, number one, I don't think Ben understands the concept of bribery. And number two, I... (Joey starts laughing in the background) (to Joey) What? (モニカ、ナンバー・ワン[一つ目]、ベンは賄賂(わいろ)の概念を理解していないと思うわ。それから、ナンバー・ツー、私は… [ジョーイは後ろで笑い出す] [ジョーイに] 何よ?)
ジョーイ: You said "number two." (レイチェルが「ナンバー・ツー」って言った。)
レイチェル: I also said "number one." (私は「ナンバー・ワン」とも言ったわよ。)
ジョーイ: I know. (giggles harder) (知ってる。[余計にクスクス笑う])

モニカがベンの頭をぶつけてしまったことを、ベンは "Monica bang!" と表現していました。
モニカはここではその事件のことを、bonking incident と呼んでいますね。
bonk は「…をボンとたたく」「ぶつかる、ぶつける」、そして「…とエッチする」という意味もあります。

ロングマン現代英英辞典では、
bonk:
1. (British English informal) to have sex with someone - used humorously

つまり、「誰かとエッチすること。ユーモラスに使う」。
2. (informal) to hit someone lightly on the head or to hit your head on something
例) He fell, bonking his head against a tree.

つまり、「誰かの頭を軽くたたく、または自分の頭を何かにぶつける」。
例文は、「彼は落ちて、木に頭をぶつけた。」

上の 2. の語義を見ていると、たたく、ぶつかる部位は「頭」であることが多いようですね。(手元の英和辞典では「頭」とは限定されていないのですが。)
今回はまさに頭をぶつけているので、bonk が適切なのでしょう。

フレンズ3-8その15 で bang という動詞について説明しましたが、bang も「ドシンとぶつかる、ドンドンたたく、バタンと鳴らす」以外に「エッチをする」という意味もありましたね。

上のロングマンの語義によると、bonk が「たたく、ぶつける」という意味の場合、lightly 「軽く」とありますので、bang よりもその度合いは軽い、ということのようです。
ぶつけたと言っても、思いっきりぶつけたわけじゃなくて、ちょっと当たった程度よ、という気持ちがモニカの中にあって、bang ではなくて、bonk と言う言葉を使ったのかなぁ、と。
bonking incident は「ごっつんこ事件」みたいな感じでしょうか。

また、ロングマンの語義では「ぶつける」という意味よりも、「エッチする」の意味の方が先に出ていて(イギリス英語のようですが)、bonk と聞くと、そっち系を先に連想する人が多いのかもしれません。
bang にもエッチ系の意味があって、その連想からだと思うのですが、フレンズ3-8その15 では、レイチェルがエッチ関係のオチを言っていました。
ここでは、bang の代わりに bonk を使っていますが、結局、同じようにエッチを連想させる言葉、もしくは「より」エッチを連想させる言葉、になっているのが面白いのかもしれません。
また、bang や bonk など「バン・ボンとたたく」という意味の「何かに(激しく)ぶつかる」言葉が、「エッチする」という意味に発展するところが興味深いなぁ、というか、日本人にもわかる感覚かなぁ、と(笑)。

レイチェルは普通に、「第一に…第二に…」「一つ目には…で、二つ目には…で」と、箇条書きのように言おうとしただけなのですが、それを聞いてジョーイはニヤニヤしています。
number one, number two については、フレンズ3-5その24 で説明しました。
小児語で、number one は「おしっこ、小便」、number two は「うんち、大便」という意味があるんですね。

レイチェルは、「ナンバー・ツーだけじゃなくて、ナンバー・ワンとも言ったわよ。」と言っています。
「ナンバー・ワン、ナンバー・ツーなんだから普通でしょ、ただ、順番に挙げているだけよ。」とレイチェルは言いたいのですが、ジョーイは、「レイチェルは、ナンバー・ツーだけじゃなくて、その前にはナンバー・ワンも言ってた。「うんち」だけじゃなくて、「おしっこ」とも言ってた!」と「余計に」喜んでいるわけです。
ほんとに嬉しそうな顔してねぇ…ジョーイは子供かっ!?


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posted by Rach at 07:06| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
フレンズのDVDをさっそく買ってきました。中国はコピー(盗版ダオバン)天国なのでタダ同然で手に入ります。
ぽちっといきました。よろしくお願いいたします。
「実践現代中国語単語集」愛沙の新着記事:バーチャル・ウォーターと中国の水事情!http://chineseword.seesaa.net/
Posted by 中国語アドバイザー愛沙 at 2007年11月14日 22:55
おはようございます。やっぱ、なんか気になるからコメントしとこ。(笑)主婦は早起き、やろ?

>>例) He fell, bonking his head against a tree.
つまり、「誰かの頭を軽くたたく、または自分の頭を何かにぶつける」。
例文は、「彼は落ちて、木に頭をぶつけた。」

この場合、fallは「落ちる」より「ころぶ」の方がいいかも・・・ 「こける」と大阪弁ならなお良し。(爆)
でも、前後関係がないから分からないですよね。
Posted by まゆみ at 2007年11月15日 06:40
愛沙さんへ
「ぽちっと」ありがとうございます。
フレンズのDVDを購入されたのですね…それも、タダ同然で(汗)。
フレンズを見て、新しい発見などありましたら、教えて下さいね。私もいろいろと見落としている点があると思いますので。
Posted by Rach at 2007年11月15日 09:52
まゆみさんへ
おはようございます。朝早くからコメントありがとうございます。確かに私も起きてました(笑)。

それで、fall は…確かに、「こける」やねぇ…(笑)。「落ちて、木に頭をぶつけた。」って、どういう光景なのかな?と一瞬悩んだんだけど、fall と聞くと、「落ちる」という言葉がすぐに思い浮かんでしまうんですよねぇ。いかん、いかん。
「落ちる」だと、fall off a tree などのように「何から落ちるか」という説明がつくんだろうなぁ。この場合はただ、fall としか言ってないから、「ころぶ」ですよね。「転んで何かに頭をぶつけた」ってよくある話やんか!(と自分をしかってみる…)

ご指摘どうもありがとう。ちょっと気を抜いてましたね、私(笑)。
Posted by Rach at 2007年11月15日 10:00
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