シーズン3 第9話
The One With the Football (フットボールは燃えるぜ!)
原題は「フットボールの話」
最初に少し説明させて下さい。
今回のエピソードはタイトルからもわかるように「フットボールの話」です。
フレンズには珍しくスポーツをしながら話が進む、という展開で、フットボール用語が頻発、掛け声のような短いセリフが続くシーンが多いです。
今回、思い切って、そういう部分はバッサリ省略することにしました。
面白いジョークを説明すること、英語学習者として学べる表現などに注目して、解説を進めていくことにします。
今回の 3-9 で様子を見ながら進めていって、できたら、3-10 以降も、そんな風に解説全体を短くしていって、一気にスピードアップをはかろうかな、とも考えています。
そういう「ブログの解説方針」については、いろいろと思うところがあるのですが、そういうことに関してはまた別の機会に改めて述べます。
女性陣は感謝祭の料理を作っていますが、男性陣はテレビのフットボールに釘付けです。
フィービー: Hey, it's your Thanksgiving too, y'know, instead of watching football, you could help. (ねぇ、あなたたちの感謝祭でもあるのよ。フットボールを見る代わりに、手伝うことができるんじゃない?)
男性陣: We know. (they don't move) (そうだね。[彼らは動かない])
モニカ: Okay, Rachel, you wanna put the marshmallows in concentric circles. (ねぇ、レイチェル、マシュマロを同心円上に並べたいでしょ?[並べたいわよね])
レイチェル: No Mon, you want to put them in concentric circles. I want to do this. (いいえ、モニカ。それを同心円状に並べたいと思っているのはあなたよ。私がしたいのはこれよ。)
(Rachel sticks a marshmellow into Monica's nose. Monica takes it out of her nose by closing one nostril, and blowing.)
レイチェルはモニカの鼻にマシュマロを突っ込む。モニカは片方の鼻の穴を閉じて鼻から息を出すことで、マシュマロを鼻から取り出す[押し出す]。
モニカ: Every year. (毎年、これよ。)
concentric は「同心の、同中心の」。
concentric circles は「同心円」です。
concentric の反意語は、eccentric 「(円が)中心を異にする、離心の」。
eccentric と言えば「(人・行動などが)常軌を逸した、一風変わった」、というエキセントリックの意味の方でよく使いますね。
エキセントリックという言葉を知っている日本人は多いと思うので、この機会に、concentric という単語も覚えてしまいましょう(笑)。
you wanna ... と人に言う表現は、ちょっと高慢なお願い、命令のような感じがします。
フレンズ2-22その11 で、
モニカ: You wanna push the caps until you hear them click. (カチッって音が聞こえるまで(ペンの)キャップを押してね。)
というセリフがあり、その記事のコメント欄で、「You wanna という表現は、押しつけがましく聞こえる」というコメントをいただきました。
その記事の時にいろいろ考えてみたのですが、You wanna というのは直訳すると、「あなたは〜したい」ということで、つまり「あなたは〜したいわよね?」とか「あなたは〜したいと思ってるはずよ」というニュアンスが出てしまうから、押しつけがましく聞こえる、ということなんだと思います。
「並べてね、並べるのを手伝ってね。」というようにお願いするのではなく、レイチェルがそれをするのが当然であるかのように You wanna を使ったので、レイチェルはムッとしたのでしょう。
その後のセリフ、"No Mon, you want to... I want to do this." で、レイチェルは you と I の部分を強調しています。
そこがあなたと私の見解の異なるところだ、というのを明白にしているのですね。
このように主語が違うことを明白にしたい場合は、日本語では、「…したいのはあなたで、私がしたいのは〜よ」みたいに言うといいでしょうか?
今回のニュアンスも、「いいえ、モニカ。それをしたいと思ってるのは”あなた”の方よ。”私”がしたいのはこれよ。」という感じですね。
辞書で、you want to という表現について調べてみると、you should や、you ought to 「…すべきである、…した方がいい」のようなニュアンスであると書いてあります。
フレンズ2-22その11 のコメント欄 でその辺りについても説明しています。
you should と you want to の違いはどこにあるか?について、私なりの意見を述べてみると…。(以前に書いたコメント欄の内容とカブりますが)
You want というと、相手がそれを「欲する、望む」ということを話者が勝手に決め付けているような響きがあるように思います。
それがもっともなアドバイスだったら、「そうねぇ、その通りよねぇ…」と素直に聞けるのでしょうが、そのアドバイスが思ってもみないことだったり指摘されたくないことだったりすると、「私が want to かどうかはあなたが決めることじゃないわ、大きなお世話よ!」てな感じに受け止めてしまって、今回のレイチェルみたいな反応をしてしまうのかな…と思ったりします。
モニカの Every year! は、あきれたように腕を上げて、「全く、毎年これよ!」という感じ。
毎年、マシュマロのことでこういうやり取りをしているのか、マシュマロに限らず、こんな風に料理を作るのを仕切るたびに、レイチェルに仕返しされるというやり取りが繰り返されている、ということか…。
3-18 では、これと同じようなパターンのセリフ、Every night! 「毎晩だよ。毎晩、これだよ。」というセリフも出てきます。
面白いシーンが出てきた場合、それだけでも面白いのに、それが「毎年、毎晩」繰り返されている、というのがその every ... というフレーズでわかって、さらに笑えてしまうのですね。
(Rach からのお願い)
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concentricで思い出したのですが、シンガポールに住んでいた時にイギリスの植民地らしく「center」でなく「centre」になっていました。例えばcommunity centre 共同中心 と表記されておりました。
instead ofを書き換えよなんてのもよく出題されますよね。
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いつもありがとうございます。
綴りってそんな風にイギリスとアメリカで違いますよね。recognise と recognize とか、favour と favor とか。私はアメリカ式綴りの方が見慣れているので、イギリス風綴りを見ると、一瞬「おや?」と思ってしまいます。
instead of は
instead of 名詞(モノの代わりに)、
instead of doing (〜する代わりに、〜しないで)
と使えて便利な表現ですね。
今気づきましたが、上の訳も、
instead of watching football 「フットボールを見る代わりに」
じゃなくて、
「フットボール(なんか)見てないで」
というニュアンスの方が近いのかもしれません。
「イメージキャラクター」の中国語、よくその機能を表してますね。
https://en.wikipedia.org/wiki/One_(pronoun)
perhaps, '自分' in japanese?
それとも、”ねぇ、レイチェル、マシュマロを同心円上に並べられる。”
モニカが「you」と言うとき、そっくりレチェルについて反していない
ミニカは「どなたか (ここでない) は〜〜したい」と言っています。思うにそうでしょう。
ラチェルは、モニカの言うことが分かります、しかし文字どおりに解釈しました事にする。
(すみません、私の文法がひどいです。カナダ人です。)
ご迷惑をおかけしてすみません
コメントありがとうございます。私が日本語で書いた記事を、カナダ人の方(かた)にお読みいただけて大変光栄で嬉しいです。
確かに、you には、one (= a single person) や、people in general の意味がありますよね。日本人は、you =話をしている相手・話し相手 (the person someone is speaking to) だと考えてしまう傾向にありますので、そこは気をつけなければいけない部分だと思っています。
Johnさんの解釈では、
You wanna put the marshmallows in concentric circles. というモニカのセリフは、
「マシュマロを同心円上に並べられる」 Marshmallows should be put in concentric circles.
という内容を、主語を「一般的な人を表す you」にして表現している、ということになるでしょうか?
「マシュマロって、同心円上に並べたら、きれいよ」 Marshmallows would look better in concentric circles.
というような「一般論」をモニカが言っている、という感覚かもしれませんね。
「一般的なアドバイス」としてモニカが言った言葉を、レイチェルは、いつもの命令口調のモニカっぽい発言のように、わざと文字通りに受け止めて、「私が何をしたいか(私が何をすべきか)を、あなたが言わないで」という意味で、No, Mon, you want to... と返した、ということになるでしょうか。
Macmillan Dictionary では、you want の形が以下のように説明されていました。
you want/don't want to do something
used for advising or warning someone that they should/should not do something
You want to be careful, I think you've drunk too much.
You don't want to go there alone.
つまり、「誰かに、何かをすべき(または、するべきではない)ことを、アドバイスする、または警告するために使われる」。
例文は、「気をつけた方がいいよ。君は(酒を)飲み過ぎたと思う」。「そこに一人で行かない方がいいよ」。
このように you want は、「助言・アドバイス」や「警告」として使われるフレーズなので、今回の場合も、「話し相手のレイチェルに対してアドバイスした」と私は解釈したのですが、特に「レイチェル」個人のやり方に対してアドバイスしたわけではなく、一般論的なアドバイスをしただけだった、ということですね?
手伝っているのに口出しされて、ムッとしたレイチェルは、モニカの you wanna という言葉を文字通りの意味で受け止めた、ということになるのでしょうね。
Here let me translate their lines into other expressions;
Monica: Okay, Rachel, you wanna put the marshmallows in concentric circles. (meaning, "The marshmallows should be put in concentric circles.")
Rachel: (taking her 'you wanna' line literally on purpose as a typical bossy Monica remark) No, Mon, I don't want to do it. You're the one who wants to put them in concentric circles. And you know what I really want to do? This. (Rachel sticks a marshmallow into Monica's nose.)
Please correct me if I make any error in my interpretation.
Again, thank you so much for reading my blog piece written in Japanese and for giving me useful advice. :)