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2007年12月13日

何故8歳なのか? フレンズ1-1その8

フレンズ3-9その12 のコメント欄 で、フレンズ1-1 のセリフに関するご質問がありましたので、今日は、フレンズ1-1 を取り上げたいと思います。

only one woman であったはずのキャロルが出て行って、ロスがそれを嘆いているシーン。
ジョーイはそれを聞いて、アイスクリームのフレイバーだってお気に入りは一つだけじゃない、いろんな種類があるぞ、と言います。
そして、そのセリフは以下のように続きます。

ジョーイ: This is the best thing that ever happened to you! You got married. You were like, what? 8? Welcome back to the world! Grab a spoon!

その "8" とは何でしょうか?というご質問でした。

ネットスクリプトでは、You got married, you were, like, what, eight? と書いてありますが、どちらにしても、8 = eight です。

まず最初に説明すると、この 8 は「8歳」ということです。
「小さい子供」というニュアンスですね。
この部分、DVDの日本語音声では、

「結婚した時はまだガキだったろ? 8つ?」(と言ってジョーイは吹き出す)

になっていました。
だから、私が 8 = 8 years old だと気付いたわけではなくて、吹替の情報でそれが8歳だという意味だとわかった、というだけです。
日本語字幕・音声は意訳されていて、英語本来の意味とはかけ離れたものになっている場合もあるのですが、このセリフに関しては、きちんと 8 が訳出されていて助かったのですね。(ありがとうございます)

そのジョーイのセリフを私なりに訳してみると、

「今回のキャロルとの別れは、ロスにこれまで起こった出来事の中で、最高の出来事なんだぞ! ロスは結婚した、その時、ロスは8歳くらいだったっけ? (現実の)世界によく戻ってきた! スプーンを掴めよ!」

ロスは大学を卒業してから結婚しているので「8歳で結婚した」ということはないのですが(笑)、そのくらい世間を知らない若い間に結婚してしまった、他のいろいろな女性のことを知らずに、「この人が僕のたった一人の人だ」と信じて結婚した、というニュアンスだと思います。
それが今回離婚することになって、再びフリーになった。
アイスクリームのフレイバーをいろいろ吟味して選べるように、今は素敵な女性を選べる立場になったんだぞ、という意味で、「(現実の)この世界にようこそ!」と言っているのですね。
そして、スプーンを掴んで、好きなフレイバーを選ぶように、女性を自分の目で選んでみろよ、と言っているのです。
いかにもプレイボーイのジョーイの言いそうなセリフです(笑)。

何故7歳でも9歳でもなく「8歳」なのか?は知りません。
ちょうど日本人だと小学校低学年(小2〜小3)くらいなので、日本人の言うところの「お前は小学生かっ!?」みたいなニュアンスなんだろうと思います。
「小学生」と言っても、高学年はもうかなり冷めていますし(笑)、小1だとまだ幼稚園児とさほど変わらない感じもします。
うちの息子はもうじき8歳になるのでよくわかるのですが(笑)、一応大人と対等に話は出来るけれども、まだまだ子供っぽい無邪気な部分を残していて、大人の現実を知らない「ガキんちょ、子供」みたいなことなんでしょう。

実は、フレンズの他のエピソードでも、「8歳」という表現が出てきます。
同じような「子供」というニュアンスで使われているようです。
1-1 よりも後になりますが、1-1 から順に解説を読んでいかれる方にとってネタバレにならない程度にセリフを引用します。(どちらも過去記事では触れていません。)

フレンズ1-5その5 辺りのセリフ。

ボブという男性を称賛しているモニカ。
モニカ: I've gotta tell you, Bob is terrific. (ねぇ、ボブって最高ね。)
アンジェラ: Yeah, isn't he? (えぇ、そうでしょ?)
モニカ: It's so great to meet a guy who's smart and funny, and has an emotional age beyond, like 8. (賢くて面白くて、その上、精神年齢が8歳以上の男性に会えるなんて、すごく素敵!)

この部分はDVDの日本語でも「精神年齢が8歳以上の男」ときちんと訳出されていました。
つまり、「賢い人や面白い人はたまにはいるけど、そういう人は精神年齢が幼い、ってことが多いのよね。」とモニカは言いたいようです。(それってチャンドラーのことか?とか思ったりしますが…笑)
で、ボブは smart かつ funny であり、同時に精神年齢も大人である、大人の男性の魅力も持ち合わせている、という稀有な存在よ、そんな男性に会えるなんてすごいことだわ!とモニカは感動しているわけです。

また、フレンズ2-5 にも、8 という数字が出てきます。
フレンズ2-5その9 辺りのシーンです。

モニカが昔、ベビーシッターをしていた子供(スティーブ)と再会するシーン。
モニカ: Oh my god, little Stevie Fisher? How've you been? (まぁ、なんてこと。ちっちゃなスティービー・フィッシャーくん? 元気にしてた?)
スティーブ: Good, good, I'm a lawyer now. (えぇ、元気でしたよ。今は弁護士です。)
モニカ: You can't be a lawyer. You're 8. (弁護士であるはずがないわ。あなたは8歳の坊やだもの。)

最後のセリフで、自分がベビーシッターをしていた子供が今は弁護士になっていることにモニカは驚いています。
DVDの日本語では「うそ、8つだったのに。」となっていました。
そのニュアンスは「私がベビーシッターをしていた頃は、あなたは8歳だったわ。あんなに小さかった8歳のスティービー坊やが、今は弁護士だなんて信じられない。」ということですね。
そのように、日本語としては「8つ”だった”のに。」と過去形で表現するのが自然だと思います。

ところが実際の英語のセリフを見てみると、You're 8. となっています。
were の語尾も -re なのですが、
ロングマン現代英英辞典によると、
're = the short form of 'are'
なので、この場合はやはり、You were 8. ではなくて、You are 8. だと解釈すべきだと思います。
were と過去形である場合は、「過去」であることを示すのが重要なので、are と同じ表記になる 're という短縮形は使わない気がしますし。
ですから、モニカのセリフを英語に忠実に訳すと、「あなたは8歳だったのに。」ではなくて、「あなたは8歳なのに。」と現在の状態を言っていることになります。

このニュアンスを私なりに考えてみると…。
You can't be a lawyer. の can't は可能性を否定しているニュアンスで「…はずがない、あり得ない」みたいなことですね。

あなたは自分が弁護士だって言うけど、そんなはずない、そんなことありえない。
「だって、あなたは8歳なんだもの。」

みたいな感じでしょうか。
私の知っているスティービー坊やは8歳で、今、目の前にいる弁護士だと名乗る人は私の知ってるスティービーくんじゃない、「あなたは私の知っている頃から、すっかり変わってしまったのね。見違えたわ。」ということなのでしょう。

私の知っているスティービーくんは8歳よ、8歳のままなのよ、というのがその現在形のニュアンスなのかな、と思います。

また、モニカが彼のベビーシッターをしていた頃、スティーブは本当に8歳だったのかもしれませんが、とっさに当時の年齢を、それも他人の年齢をすぐにパッと思い出す、というのはちょっと不思議な感じがしますね。
ここでの「8歳」という年齢も、上の2つの例と同じように、「小さな子供」というニュアンスで使っているのではないかな、と私は思います。
世間の仕組みもよくわかっていなかった子供のあなたが、今は弁護士だなんて、という感じで、知的な大人の職業である弁護士との対比として、「8歳の子供」という表現を使ったのかな、と思ったりします。

ということで、「8歳」の話を長々としてしまいましたが、フレンズでは「小学生くらいの子供」の例えでは、やたらと「8歳」という年齢を使いたがる、という気がするので、今回はそれを追及してみました。
「8歳」と聞くと、ネイティブには何か共通したイメージが湧く、ということかな、と思うのですが、どうでしょう?
フレンズ以外でもやはり「8歳」という年齢を使うのかなぁ?


あ、それから、昨日の記事、フレンズ3-9その14 では、チャンドラーの仕事について触れて、「フレンズ1-1(パイロット版)でも、チャンドラーの仕事が数字がらみのものである、ということがわかるセリフがあります。」と書きました。
そのセリフを以下に紹介しておきます。

フレンズ1-1 で、これから仕事に出かけようとしているチャンドラーが、
チャンドラー: All right, kids, I gotta get to work. If I don't input those numbers,... it doesn't make much of a difference... (よーし、みんな。俺は仕事に行かなくちゃ。もし俺がそういう数字をインプットしなかったら…別に大した違いはないけどな。)

make a difference は「違いをもたらす」ということから、「影響を及ぼす、効果を生じる、重要である」という意味になりますね。
偉そうに「俺が数字を入力しなかったら、会社は動かないんだよ。たくさんの人が困るんだよ。」とでも言いたいところなんでしょうが、別に俺が数字を入力したところで、何も大きな違いは生まれないんだけどね、俺の仕事が会社にとってそんなに重要なわけでもないんだけどね。まぁ、とりあえず行ってきますわ、みたいな感じの、「拍子抜け」のオチになっているセリフです。


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posted by Rach at 10:26 | フレンズ シーズン1

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