2007年12月15日

詐欺師と過食症 フレンズ3-9その16

フィービーはボールを受けて走り、タッチダウンします。
フィービー: Touchdown! Touchdown! (タッチダウン! タッチダウン!)
ロス: Uh, hello, the buzzer buzzed. It doesn't count. (あぁ、もしもし。ブザーが鳴ってたよ。それはカウントしないよ。)
モニカ: After the snap. ((鳴ったのは)スナップの後だったわ。)
ロス: Before the snap. (スナップの前だった。)
ジョーイ: After. (後だ。)
チャンドラー: Before. (前だ。)
レイチェル: Now, does it really matter? (今、それがそんなに大事なことなの?)
レイチェルを除く全員: Yes! (そうだよ!)

the buzzer buzzed. という表現が面白いですね。
buzz するものが buzz した、って当たり前なんですが、これって重複感はないのでしょうか?
日本のテストの英作文で、buzzer buzzed と書いたら何だか減点されそうな気がして(笑)、buzzer sounded の方がベターな気がするのですが…。
ぐぐってみると、"buzzer buzzed" もそれなりにヒットはしますが、
"buzzer buzzed" の検索結果 約 1,010 件
"buzzer sounded" の検索結果 約 111,000 件
で、buzzer sounded の方が断然多いようです。

ブザーの前か後かがそんなに大事なことか?と尋ねるレイチェル。
「そんなに大事なこと」なのです(笑)。
だって、それでそのタッチダウンが有効になるかどうかが決まるのですからね。
ここでもレイチェルが全くルールを知らないことがわかります。


フィービー: Well, okay, I made a touchdown. It was my first touchdown. So? (そうね、いいわ。私はタッチダウンをしたのよ。私の初めてのタッチダウンだったのよ。だから、ね?(いいでしょ?))
ロス: Oh Pheebs, that's great. Doesn't count. (あぁ、フィービー。それはすごいことだよ。カウントはされないけど。)
モニカ: Does so count. (絶対にカウントされるわ。)
ロス: Cheater, cheater, compulsive eater. (詐欺師、詐欺師、過食症。)
フィービー: Oh my God! (まぁ、なんてことを!)
モニカ: Y'know what, that's fine. Maybe you haven't grown up, but I have. (いい、それで構わないわよ。多分、ロスは成長していないのね。でも私は成長したから。)
ロス: Oh-ho, okay. (おぉ、オーケー。)
モニカ: Dead leg! (kicks him in the thigh.) (足を攻撃よ! [と彼の太ももを蹴る])

Does so count. という強調の仕方が面白いですね。
It does count. だけでも強調になるのですが、そこに so までついています。
「本当に、ものすごく、カウントされるのよ」みたいな感じでしょうか。

cheater は「騙す(だます)人、詐欺(さぎ)師、ペテン師」。
このセリフを「詐欺師」と訳すと、キツい感じになってしまいますが、「人をだますやつ、うそつき」くらいのニュアンスでしょうね。

-er で終わる人を表す単語(cheater)を2回繰り返した後、今度は、compulsive eater と続けています。
cheater の -eater と compulsive eater の eater が韻を踏んでいるのですね。
compulsive eater は「過食症の人」。
ロスは成長していない、というセリフから分かる通り、子供じみた悪口ですよね。
そして、実際に彼らが子供だった頃、モニカがズルをすると、ロスがこうやってはやし立てていたのでしょう。
その当時のモニカは大変太っていて、お菓子などを食べるのがやめられない女の子でしたから、「過食症」と罵られるのが、彼女にとっては一番の悪口だったのでしょうね。

compulsive というと、フレンズ3-7その15 で、the compulsively neat one 「几帳面すぎるほど片付いている部屋」という表現が出てきました。
モニカは、compulsively neat 「潔癖症(の人)」でもあるんですね。
彼女の性格を形容する時、compulsive という言葉が付き物のように出てくるわけです。

dead leg! という言い方も面白いのですが、これは、今から蹴るからね、足が死んだみたいに思いっきり痛くしてあげるわよ、という感じでしょうか。


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posted by Rach at 10:05| Comment(7) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。

cheatは中国語でも「欺騙」と言います。私もしょっちゅう騙されます。ボラれます。お釣りもしっかりcountする癖がつきました。

dead end どんづまりみたいな強調表現ですかね。

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Posted by 中国語アドバイザー愛沙 at 2007年12月15日 17:15
愛沙さんへ
いつもありがとうございます。
「欺騙」という漢字なら日本人にもわかりますね。日本ではお釣りを間違える、ということ、ほとんどないですよねぇ。レジが自動でお釣りを計算して出してくれるせいもありますが、何だかお釣りをむきになって数えると、相手を信用していないみたいで相手に悪い気がします(笑)。

dead end もよく出てきますね。I'm dead serious. みたいに使うこともありますね。I'll kick you. 「蹴ってやる」とかじゃなくて、Dead leg! と言って蹴るのが面白いな、と思いました。
Posted by Rach at 2007年12月16日 10:35
最近こちらのサイトみはじめました。
もう更新はされないのでしょうか
いまAUSで英語の勉強をしているのですが、授業でFriendsをよく見るのでとても助かります。
ありがとうございます!!!
Posted by yudai at 2012年05月11日 18:19
過去記事へのコメントになってしまい,恐縮ですが・・・

"dead leg" という表現は,スポーツ医学用語のようです.太腿への強い打撃で筋肉と骨がぶつかって起こる症状で,接触系のスポーツでよく見られる,となっています.
意味的には "I'll kick you" と同意に使っているようで,Rach さんの解釈で問題ないと思います.おそらくフットボールの試合での話なので,この言葉を使ったのでしょう.アメフトの記事で,選手の不出場の理由の説明で,この言葉を聞いたような気もしないではありません.(不確かな情報ですみません)

以前は "dead leg" とは足が(蹴られて)しびれた状態を指すのかなと思っていましたが,どうも違うようです.足が痛くて歩けないときに,"My legs are dead" というのだとネットの記事にありました.生まれたての子鹿状態とのことです.(ディズニーのバンビですね)
Posted by さへき at 2012年05月11日 22:20
yudaiさんへ
コメントありがとうございます。
また、拙ブログを見始めて下さったとのこと、ありがとうございます。少しでも Friends 学習のお役に立てているとしたら嬉しいです。

また、「もう更新はされないのでしょうか」とのことですが、yudai さんがご覧になっている状態では、更新が途絶えているように見えている、ということなのでしょうか??
今もずっと更新していて、今日(2012年05月14日)も記事を投稿しているのですが…。
このブログのサイドバーを見ていただいて、最新記事が表示されていないということだと、何かの不具合かもしれません。もしそのような不具合であれば、ご面倒をおかけして申し訳ありません。
今、どの記事までは閲覧可能か、などの状況を詳しくお聞かせいただけると幸いです。


さへきさんへ
コメントありがとうございます。このように、過去記事にコメントをいただけることは、とても嬉しいです。

コメントをいただいて、私もネット検索してみましたが、おっしゃるように、スポーツ医学用語のようですね。dead leg のことを、別名 Charley horse とも言うようです。
Wikipedia 英語版: Charley horse
http://en.wikipedia.org/wiki/Charley_horse

私は単に「足を思い切り蹴って、死ぬほど痛くしてあげる(足が死んだみたいに痛めつけてあげる)」という感覚で言っただけかな、と思ったのですが、もっと普通にスポーツで聞かれる言葉だと言うことなのですね。さへきさんの分析通り、フットボールなのでそれで使いそうな言葉を使った、ということでしょう。「しびれる」よりもさらにキツい状態なのでしょうね。

My legs are dead. のニュアンスもよくわかりますね。体の部位が死んでしまって機能していない、ような感覚でしょうね。

貴重な情報、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2012年05月14日 17:52
いつもお世話になっています。
スナップは具体的には終了のブザー
のことでしょうか?

10:53 After the snap.
-Before the snap.
Posted by Tamashiro-OB at 2019年07月31日 17:55
Tamashiro-OBさんへ
ご質問ありがとうございます。

snap はアメフト用語で、この記事で説明しておくべきでした。

改めて説明させていただきますと、英英辞典の LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では以下のように出ています。

snap : FOOTBALL [transitive] to pass the ball to the quarterback to start a play

つまり「(フットボール用語)プレーを始めるために、クォーターバックにボールをパスすること」。

以下のウィキペディアにも同じような説明が載っています。

Wikipedia 日本語版:センター (アメリカンフットボール)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC_(%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB)

C(センター)がQB(クォーターバック)にボールをパスする(スナップする)ことでプレーが開始される、ということで、終了のブザーの前にスナップしておれば、終了前に開始したプレーは有効、ブザー後のスナップであれば、そのプレーは無効ということになるわけですね。
Posted by Rach at 2019年08月02日 13:44
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