2007年12月31日

「持って行く」にもなるbring フレンズ3-9その31

フィービー: Umm, this stuffing is amazing. Do you think we should bring them some? (うーん、この(ターキーの)詰め物はすごくおいしいわ。彼らに持って行ってあげるべきだと思う?)
ジョーイ: When they're hungry enough, they'll come in. (彼らが思いっきり空腹になったら、(自分たちで)こっちに来るよ。)
その後、画面がカットし、すっかり暗くなった公園で、まだボールの取り合いをしているロスとモニカが映る。

stuffing は「ターキーを焼くときに、中に詰める詰め物」のこと。
フレンズ1-9その3 にも出てきました。

Do you think we should bring them some? について。
some は some stuffing ですね。
フィービーやジョーイの言う、them, they が誰を指しているのかは、このセリフの時点では漠然としているのですが、その後のシーンで、それは今この部屋にいない二人(ロスとモニカ)のことを言っていたのだ、ということがわかります。

bring は「(自分のいるところに)持って来る、持ってくる」と訳されることが多いのですが、ロングマン現代英英辞典の語義は以下のようになっています。
bring:
1. a) to take something or someone with you to the place where you are now, or to the place you are talking about (see also take)

つまり、「自分が今いる場所に、または自分が話題にしている場所に、自分と一緒に何かを持って来る、誰かを連れて来ること」。

「自分が話題にしている場所」は自分が今いる場所と異なる場合も多いですよね。
そういう場合は、「持って来る」よりも「持って行く」という日本語の方がしっくり来る気がします。
そういう、自分が今頭の中でイメージしている場所に何かを「持って行く」場合にも、bring を使うことができる、ということのようです。
この「持って来る」でもあり、「持って行く」でもある、というのは、come が「来る」だけではなく、話題となっている場所、自分がイメージしている場所に「行く」という意味になるのと同じですね。
come=来る、go=行く、ではない、という話は、フレンズ1-9その1 でも触れています。

また、同じくロングマンでは、以下のような意味も載っています。
bring:
5. to make something available for people to use, have, enjoy etc

「人がそれを使う、持つ、楽しめるように何かを利用できるようにすること」

これは日本語で「(人に)…をもたらす」と訳されているもののようですね。

今回のフィービーの bring は「もたらす」というニュアンスに捉えることも可能かな、と思います。
この詰め物が食べられるように彼らにそれを「もたらす」、つまり「彼らに持って行ってあげる」という感じかな、と。

When they're hungry enough, they'll come in. というジョーイのセリフは、「おなかがすいて、何か食べたい、食べないと死にそう…くらいに空腹になれば、こっちに戻ってくるさ。だから、わざわざ持って行ってあげる必要はないよ。」ということですね。
その後のシーンで必死にボールの取り合いをしている二人の姿が映りますが、ジョーイはそれを知っているので、今の二人は食べ物どころじゃないよ、ほっとけばいい、と言っているのです。


ボールを取り合いしながら、
ロス: How come it's always us left in the field holding the ball? (どうして、ボールを掴んでフィールドに取り残されるのは、いつも僕たちなんだ?)
モニカ: I don't know. I guess the other people just don't care enough. (わからないわ。思うに、他の人たちはただ、それほど(フットボールのことを)気に掛けてない、ってことよ。)

感謝祭の料理も食べずにいつまでもボールにこだわっている二人。
care enough は「こんな寒い中でもボールを掴んで離さないほどこだわっている、気にかけている」という感じ。
子供の時は親にあきれられ、今は友人たちに見放され(?)…でも、このこだわりがゲラー兄妹なのね、と思います。


(Rach より年末のご挨拶)
今日で今年も終わりですね。
いつも読んで下さっている方、コメントを下さる方、ランキングを応援して下さる方…読者の皆様には今年も大変お世話になりました。ありがとうございました。
今年も英語学習を続けることができて、Rach はとても幸せでした。
一生こんな風に英語と触れ合っていけたらなぁ、と思っています。

来年もまたよろしくお願いいたします。
来年も皆様にとって素晴らしい年でありますように!


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posted by Rach at 11:55| Comment(6) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いろいろ教えていだきとても勉強になっています。
このサイトを見つけたのは今年も押し詰まってからの大きな収穫でした。
ありがとうございます。

ついこないだまでは、フレンズのフの字も知らなかった新参者です。
自分のことばかりしゃべって恐縮ですが、実は今年の夏頃だったか、BS2で放映したのを録画した
J・アニストンの映画「私の愛情の対象」The Object of my Affection にはまってしまいました。
かなりよくできた映画だと思うし、ヒロインのニーナNina Borowski ボロウスキを演ずるアニストンも魅力的でした。
で、セリフもなにかもすべて知りたいと思うのですが、どうにも聞き取れないところが多い。
ここと思ったところは一日に30回以上、10日以上再生しましたから、何百回も聞いたわけですが、それでも聞き取れない。(私の実力では当然ですが。)
まあ、そんな悪戦苦闘も楽しいわけで、いい映画です。
同名の原作(和訳はまだ出ていません。)もamazonで古本を安く手に入れて、辞書を片手に適当にとばして読みましたが、これがまたいいです。映画化の脚本もなかなかよくできています。

しかし、セリフのわからないところは多い。そんなときに大発見! DVDの字幕選択で英語字幕が見られる!!! 実は以前に知っていたはずなのですが、まったく思い浮かばなかったわけでした。
(さっそくDVDを入手。その英語字幕のおかげで、同じところを何百回も聞き込む努力をしなく、できなくなった弊害?もありますけど。
しかし、Rachさんご指摘のように英語字幕も完全ではないですね。また、英語字幕を見ながら内容を理解するのもこれまたgoodですね、ご指摘のように。)

そんなわけで、いまだにレイチェル=J・アニストン=ニーナみたいな図式が頭に残ってます。

そんなニーナ呆けのわたしに、家人が「フレンズ」てのが人気らしいよ、と教えてくれたわけです。
アニストンの出演作は、その後いくつか取り寄せて見ていたのですが(あまりいいのがない)、「フレンズ」はTVドラマらしいということで敬遠していたわけです。
そんなこんなで秋になりましたが、どうもフレンズ人気はバカにできないようだ、おまけにRachさんのサイトみたいな素晴らしいものがあるじゃないか、といことで、とうとうフレンズに没入!ということになった次第です。

お世話になっています。

ちなみに、わたしもDVDは3シーズンまで持っていて、ちょうどこちらの進み具合と合ってます。
(「私の愛情の対象」のアニストンの相手役ポール・ラッドが出ている9シーズンのも入手しましたが、最初に見た瞬間、みなさんお肉がついたような異様な雰囲気で参りました。そのあと見慣れたら、けっこういいです。)

ほんとに今年はお世話になり、ありがとうございました。
なるだけお邪魔しないようにしますので、(私は書くと長くなりますね。すみません。)これからもよろしくお願いします。
Posted by englphillia at 2007年12月31日 20:18
お久しぶりです!好久不見了!

シンガポール遊学生活も軌道に乗り始めました。
シンガポールは英語で溢れており、ChannelnewsasiaというCNAのアジア版みたいのと、アメリカのエンターテイメントを放送している英語TV局があります。雑誌や本も95%が英語という英語学習者には絶好の学習環境です。
私もシンガに来てから90%が英語生活でHow come〜は親しい友人どうしでよく使いますよ。

これからマリナベイのカウントダウンパーティに行ってきまーす。
10日upしないと圏外にすっ飛びましたー

帰ってきた「実践現代中国語単語集」!愛沙 is back〜Singapore Live!
こちらにもお越しください!
Posted by 中国語アドバイザー愛沙 at 2007年12月31日 22:01
あ!なんかちょっと久々な感じ♪
応援ぽちりんこ。
ゲラー兄妹、、なんだかなぁ笑
こだわりすぎーー!

私、どうしても感謝祭のお料理って、
おいしーーーいって思えないんですよね汗
今までに2回食べただけなんですけど^^

Rachさんの大人なブログにお邪魔できて、
よかったです。

来年もがんばってくださいませ〜!
良いお年をお迎えくださいね^^
Posted by ゆぶ at 2007年12月31日 22:02
englphilliaさんへ
あけましておめでとうございます。
「勉強になった」「収穫だった」と言っていただけて大変光栄です。こちらこそ、ありがとうございます。

フレンズ3-7その1
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470939.html
で、セリフにアラン・アルダが出てきたので、「私の愛情の対象」について、少し触れています。でも私はこの映画、これまた見たことがありません(爆)。その映画でのジェニファーも魅力的なんですね? 私はフレンズしか見ていないのですが、レイチェル(ジェニファー・アニストン)が好きなので、何だか嬉しいです。

DVDの英語字幕が、セリフを100%再現したものではないとしても、その英語字幕を使って学ぶことは本当に有効だと思います。
日本語の歌の歌詞ですら、たまに勘違いして覚えていることってありますよね。まして英語は他言語ですから、「なんとなく」聞き取るだけではなく、一字一句きちんとチェックして、自分が思っていた単語と違っていたとか、冠詞や前置詞なども細かく見ていけたら、英語を見る目が厳しくなっていくのではないかな、と思います。

シーズン3からいきなりシーズン9に飛ぶと、確かに見かけはぐっと違っているでしょうね(笑)。ゲスト出演のポール・ラッドもいい味出してるなぁ、と思います。

今までフレンズを見たことなかったけれど、見てみたら好きになった、ハマった、と言っていただけるのは、本当に嬉しいんですよ(自分のことのように喜ぶのはヘンですけど…)。男女問わず、面白いと話題にできるドラマだと思います。こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
Posted by Rach at 2008年01月01日 12:27
愛沙さんへ
あけましておめでとうございます。お久しぶりです!
英語の Long time no see. は中国語の「好久不見」を訳したものだと聞いたことがあるのですが、愛沙さんの書かれた挨拶を見ると、やはり Long time no see. のニュアンスみたいですね。

シンガポールは英語学習者には素晴らしい環境のようですね。羨ましいです。
日本にいるとどうしても英語に触れる機会が少なくて、自分から進んで英語に触れていかないといけませんからねぇ。有無を言わさず英語を使わざるを得ない環境に誰か私を放り込んでくれ!とか時々思うのですが(笑)。

How come...? はドラマではしょっちゅう聞きますが、学校では習いませんでしたね。少なくとも私が学生の頃は。

シンガポール生活、満喫して下さいね! 今年もよろしくお願いします。
Posted by Rach at 2008年01月01日 12:29
ゆぶさんへ
あけましておめでとうございます。
いつもありがとうございます。

感謝祭のターキーとかパンプキンとか、あまりおいしくないんですか?(笑)
私はターキーは食べたことないです。

「大人なブログ」(笑)だなんて言っていただけて光栄です。
ゆぶさんも、これからも頑張って下さいね。
私もゆぶさんくらいの年齢から何かやり直せたらなぁ、なんて時々思うのですが、まぁ済んだことを悔やんでもしょうがないので、今のこの年齢で前向きに生きていたいと思います。お互い頑張りましょうね。今年もよろしくお願いします。
Posted by Rach at 2008年01月01日 12:31
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