2008年01月01日

スヌーピーの年齢 フレンズ3-10その1

シーズン3 第10話
The One Where Rachel Quits (レイチェルのトラバーユ)
原題は「レイチェルが辞める話」

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

[Scene: Central Perk, Chandler and Rachel are sitting on the couch.]
セントラルパーク。チャンドラーとレイチェルはカウチに座っている。
チャンドラー: (reading the comics) Eh..., I don't, I don't know. ([コミックスを読みながら] うーん、わかんない。)
レイチェル: What? (何が?)
チャンドラー: Well, as old as he is in dog years, do you think Snoopy should still be allowed to fly this thing? (うん、彼はドッグイヤーであの年齢なのに、スヌーピーはまだこういうものを飛ばす[操縦する]のを許されるべきだと思う?)

as old as he is in dog years は、譲歩「…だけれども」を表しているのかな、と思います。
Old as he is in dog years とも表現できるようです。
Young as he was, he... だと「彼は若かったが…」という意味になります。

ロングマン現代英英辞典には、以下の語義が載っています。
as [conjunction]: though
例) As popular as he is, the President hasn't always managed to have his own way.

つまり、「大統領は人気があるが、彼はいつもうまく自分の思い通りにしてきたわけではない。」

dog year については、フレンズ2-21その20 で解説しています。
「犬の7年が人間の1年に相当する、人間が1歳年をとる間に犬は7歳年をとる」という説・通説ですね。
スヌーピーは見かけはあんな「可愛い子犬」みたいだけど、昔からいるから結構な年齢だ、それもドッグイヤーで人間よりも7倍早く年を取るから、人間で言うとかなりの年齢のおじいちゃんだよね、それなのに、こういうものを fly するのを許されるのか?と言っているのですが…。
fly this thing という言葉がちょっと漠然としています。

ここでは、fly を他動詞として使っています。
他動詞の意味としては、「(凧など)を飛ばす」「(飛行機・宇宙船)を操縦する」というのがあります。
ですから、チャンドラーのセリフは、「ヨボヨボのおじいちゃんなのに、飛行機を運転・操縦させて大丈夫?」ということのようですね。
DVDの日本語でも「飛行機の操縦」となっていましたし、そう言えば、スヌーピーがゴーグルをつけて飛行機に乗っている姿もよく見かけますし。


ガンター: Do you remember when you first came here, how you spent two weeks getting trained by another waitress? (君がここに初めて来た時のことを覚えてる? 別のウェイトレスにトレーニングされて2週間を過ごしたのが、どんな風だったか覚えてる?)
レイチェル: Oh, sure! Do you need me to train somebody new? (えぇ、もちろん! 私に新しいウェイトレスをトレーニングして欲しいの?)
ガンター: (laughs) Good one. Actually, ah, Terry wants you to take the training again. Whenever. ([笑いながら] それはいい。実は、テリーが君にそのトレーニングを再度受けて欲しいと思ってるんだ。いつでもいいよ。)
レイチェル: (to Chandler) Eh, do you believe that? ([チャンドラーに] もう。今の話信じられる?)
チャンドラー: (thinks about it) Yeah. ([それについて考えて] うん。)

ガンターのセリフに「私もあれからだいぶ経つから、今度は私が教育係になるのね?」と返すレイチェルですが、「レイチェルが再教育を受ける」話だった、という(笑)。
Good one. というのは、「それは、ナイスな返しだね。ナイスなつっこみだね。」という感じで、思いもよらない返事が返ってきて、今の返事は最高だよ、とちょっとあきれながら皮肉っぽく言っているようです。
Terry (テリー)は、フレンズ1-9その1 に出てきた、セントラルパークの店長ですね。
つまり、ガンターはここのオーナーではなくて、彼もテリーの雇われ人だ、ということです。

私が再教育を受ける必要があるなんて信じられないわよね?、とレイチェルはチャンドラーに同意を求めるのですが…。
そんなことないよ、とフォローしようとしたけど、少しの沈黙の後、「そうだね、」と認めるのが面白いです。
まぁ、誰でも認めざるを得ない、かな(笑)。


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posted by Rach at 12:43| Comment(10) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
新年好!本年もよろしくお願いいたします。
as〜as構文は受験と英検で意味がよく分からないけど短文暗記させられましたよ。I went as far as kobe.とか He is as good as his word. as beutiful as his sisterなんて。
as〜as構文でless than への言い換えとかテストに出てきたのを思い出します。
貴ブログで、はっと思い出すことが今年も多そうです。
本当に勉強になります。

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Posted by 中国語アドバイザー愛沙 at 2008年01月02日 00:44
こちらも、やっとこ明けまして、
おめでとうございます!!

ガンター(笑
彼、なんか面白いですよね。ププ
Good one. 出ましたネ、サーカズム・・・。
レイチェル、トレーニングを受けるとか以前に、
勤務中にお友達とカウチで座り込んで話してたりするし(爆
ま、ガンターに好かれてるから、
何でも許されちゃうかな♪♪

Rachさんのお歳は存じ上げませんが・・・
私くらいの歳に戻ったら、いろいろやりなおしたいと
かいてらしたので、、
25歳くらいに戻ったら、
何をなさりたいのかな、
と興味津々です★

では〜、
応援ぽちりんこ〜〜
Posted by ゆぶ at 2008年01月02日 07:59
愛沙さんへ
明けましておめでとうございます。こちらこそ、よろしくお願いいたします。

as ... as 構文は学校で覚えましたよねぇ。そんな風に「比較級との書き換え」ってのもありました。学生時代の私は、そういう「典型的な書き換え問題」というのは割と得意だったのですが、あれはパズルみたいなもので、そういうのが得意でも英語がペラペラになるわけではないですからねぇ。
大人になってドラマで英語を学ぶようになってから、やっと「使える言語としての英語」が学べた気がします。そして、それがとても楽しいな、と思います。

こちらこそ、貴ブログで興味深い中国語を学ばせていただけて勉強になります。元旦の日経新聞「北京五輪特集」で、中国語では「がんばれ」→「加油」だと書いてあって、「おっ、これは愛沙さんから教えてもらったから知ってるぞ!」とちょっと嬉しかったRachです。北京五輪が近づくにつれて、ますます中国語への注目度が高まりますよね。頑張って下さい!
Posted by Rach at 2008年01月02日 11:42
ゆぶさんへ
アメリカでも新年になったのですね。改めまして、明けましておめでとうございます。

ガンターってユニークなキャラですよね。最初はセリフのないサブキャラの予定だったのが、だんだん存在感が出てきてセリフがつくようになって、いつの間にか「なくてはならないサブキャラ」になってしまった…という話をどこかで読みました。ルックスもインパクトありますし(髪の毛が白い!)、レイチェルへの一途な思いが可愛いんですよね。
日本語でも「それって最高だね!」とイヤミを言ったりしますが、英語の方がそういう sarcasm は顕著かもしれません。あんだけ友達とダベッってたらダメやろ!とは誰でも思いますが(笑)。

私の年齢は、「10年戻っても、まだ25歳には戻れない」というくらいの年齢です(爆)。今の私が25歳くらいに戻れるのなら、「単身NYに旅立つ」とか(えらく漠然とした夢ですけど)、そういうのをやってみたいなぁ、って。でもそれも、こんな風に Rach として英語が楽しくなってきた今だから思うことなんですけれど。

ゆぶさんの年齢での経験は、一生の宝物ですよね。毎日毎日を充実して過ごして下さい。
Posted by Rach at 2008年01月02日 11:45
譲歩節のas 新年さっそく勉強になりましたm(_ _)m
as~asの譲歩は、私はうっかりすると「理由」のほうにとりそうでした。ども。

用例としてあげていただいた
Young as he was, he... も 
As he was young, he ... と同じような「理由」の意味に解釈して流し読みしそうなところでした。よかった。

手持ちの辞書(ずっと、古い旺文社の英和中辞典を使ってたんですが、解体寸前になったので
昨年、研究社のWISDOMにかえてました。内容は批評する力がありませんがhandlingがよくて使いやすい(爆)
そのウィズダムでみると、Young as he was, he... の譲歩は、【ややかたく、主に書き言葉】となってますが、ここのシーンみたいに(as~asですが)話し言葉としても問題ないんでしょうね。

もっとも、フレンズのセリフって、わざと文語というか、書き言葉、かたい表現をして可笑しさを出してる場合があるようですね。
そのへんの微妙なニュアンスが解説されればわかるときもあって、とてもおもしろいですm(_ _)m
(ここのチャンドラーのセリフがそれに当たるということではありません。)

さらに、ウィズダムの記述で、Young as he was, he... を、Young though he was, he ...でも可能としていますね。こちらのほうは、私にはすんなりわかります。
ただし、このthough節のほうがもっと「かたい」としてありました。
Posted by englphillia at 2008年01月02日 11:57
englphilliaさんへ
譲歩を表す as についてのご意見ありがとうございます。

こういう as については、TOEIC満点ホルダーの石井辰哉さんの本、
「TOEIC Test 900点突破 対策と問題」(ベレ出版)
という本で初めて知りました。その本の p.120 に、
形容詞+as+S+V=Although S+V
であることと、その説明が載っていました。そのことが頭に残っていたので、こういう形で as が出てくると、「もしかしてそれかも?」と立ち止まることができるのだと思います。TOEIC対策だけではなくて、そこで得た知識を実際の英語を見る時にも使っていかないともったいない、ですよね?

数研出版「基礎と完成 新英文法」(安藤貞雄 著)の p.446 にもこういう「譲歩の副詞節」が載っていて、

名詞/形容詞/副詞+as [though] +S+V 「…だけれども」
非常に強い<対立>を表す。<文章体>

と書いてあります。ウィズダムに書いてあるように、as の代わりに though も使える、ということですね。though は逆接の接続詞ですから、こういう譲歩の意味になるのはわかりやすいですよね。

私もこういう構文は「かたい」と思うのですが、チャンドラーのセリフのように、最初にも as がついているものは、もう少し柔らかい表現なのかもしれません。

引用ばかりで恐縮なのですが、研究社 新英和中辞典の as の項目に、
as=[譲歩を表わして]
[形容詞[副詞]+as... で] …だけれども、…ながらも
(注:この形は (As) young as he was, he... (彼ほど若くして…)に由来し、本来 young は主節の主語 he に対する同格的な叙述語)

と書いてあります。本来は、as ... as で、それが慣用的に最初の as を省略して使うようになった、ということみたいです。
また、「主節の主語 he に対する同格的な叙述語」という説明が難しいのですが(笑)、「彼、その彼というのは若いのだが…」みたいに彼の説明を付け加えている、そしてその説明が後に出てくる主節の内容と「対立」している、という構図なので、逆接で「若かったけれども」という譲歩の意味になる、ということなんでしょうか??
Posted by Rach at 2008年01月02日 12:52
どうもありがとうございます。よくわかりました。
最後のところは、おっしゃるとおりだと思います、というか、そのように記述されると、とてもよくわかります。

しかし、ご指摘のとおり、「主節の主語 he に対する同格的な叙述語」とはすごいですね(笑)
それじゃあ、要するに、He is young and (but) ... のようなことかいなと思いますが、
それでは、複文ではなくて重文になってしまうから、引用例は従属節ではあるが「同格的」である?
なんだか、かえってややこしくなってしまいますね。

ここはRachさんの表現ですっきり理解できます。
Posted by englphillia at 2008年01月02日 13:52
englphilliaさんへ
よくわかる、と言っていただけて光栄です。私自身もよくわかっていないのですが(笑)、多分、そういう解釈なんだろうなぁ、と。
「同格的な」という表現が曲者なのですが、意味としては主節の文章が、He, who is[was] young, ... となる感じなのかな、と思うのですが、同格、ということだと、He, a young man, ... ということでしょうかねぇ?

そういう「文法事項」そのものにそれほどこだわるべきではないのでしょうが、まぁ、一度くらいはそんな風に文法事項や辞書の説明を自分なりに噛み砕いてみて、それから後は、たくさんの英語に触れてその感覚を養っていけばいいのかなぁ、と思います。何度もぶつかっていくうちに、そのニュアンスは自然に掴めてくるような気はします。
Posted by Rach at 2008年01月03日 11:59
日本語でコミックスというと漫画本のことですが、英語のcomicsは新聞などの漫画欄(comic strip)のことだと思います。漫画本はcomic bookでしょうか。
何話かあとでまた出てきて落ちに絡んできますよ。
Posted by フレンズ研究所所長 at 2008年01月22日 19:40
フレンズ研究所所長さんへ
研究社 新英和中辞典にも、
comic
1. (可算名詞) 漫画本
2. [the 〜s] (新聞・雑誌の)漫画欄

とありますね。
今回のト書きも the comics という「the+複数形」になっていますね。
そして何よりも、この時、そのシーンでチャンドラーは「新聞」を読んでいたのです!
だから、私も新聞の漫画を読んでいる…と頭の中ではイメージしながら、ト書きの comics という単語を見て、そのままカタカナ英語の「コミックス」にしてしまったようです。

でも、間違えたお陰で、the comics が「新聞・雑誌の漫画欄」を指すものだとわかり、大変勉強になりました。ありがとうございました。
Posted by Rach at 2008年01月23日 10:28
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