2008年01月15日

動機づけとなる恐怖 フレンズ3-10その15

ジョーイ: If you ask me, as long as you got this job, you got nothing pushing you to get another one. You need The Fear. (俺に言わせると、レイチェルがこの仕事を持っている間は、他の仕事をゲットするように後押しするものがない。レイチェルには「恐怖」が必要なんだ。)
レイチェル: The Fear? (恐怖?)
チャンドラー: He's right. If you quit this job, you then have motivation to go after a job you really want. (ジョーイは正しいよ。もしレイチェルがこの仕事を辞めたら、その時に、本当にやりたい仕事を追い求める動機づけが持てる。)
レイチェル: How come you're still at a job that you hate, I mean why don’t you quit and get The Fear? (どうして、チャンドラーは嫌いな仕事に今でもついているの? つまり、チャンドラーも仕事を辞めて、その「恐怖」をゲットしたらどうなの?)
(Chandler and Joey both laugh)
チャンドラーとジョーイは二人とも笑う。
チャンドラー: Because, I'm too afraid.
(だって、俺は辞めるのがすごく怖いから。)
レイチェル: I don't know. I mean I would give anything to work for a designer, y'know, or a buyer.... Oh, I just don't want to be 30 and still work here. (わからないわ。だって、デザイナーとかバイヤーの元で働くためなら、私なら何だってあげちゃうわ[何を犠牲にしてもいいわ]。ただ、30歳でまだここで働いている、っていうのだけは嫌なの。)
チャンドラー: Yeah, that'd be much worse than being 28 and still working here. (そうだな、それは28歳でまだここで働いているっていうのより、ずっとひどいことだよね。)

If you ask me は「私の考えでは、私の意見では、私に言わせれば、私の考えを言わせてもらうとすると」。
「もし君が僕に意見を求めるとしたら、僕の意見はこうだよ。」と、自分の意見や考えを述べる時に前振りとして使うフレーズなんですね。

ジョーイにしてはまともなことを言っています。
とりあえず仕事があるし、少しはお金も入ってくるので、切羽詰ったところがない、他の仕事を探さなくちゃ!と必死になることがない、ということです。

The Fear つまり「恐怖というもの、そういう気持ちにさせる恐怖」が必要だといっていますね。
the がついて大文字にもなっているのは、その恐怖がどういう類の恐怖かが、話の流れからわかるからでしょうか。
「仕事を早く見つけなきゃ!」と焦りを生ませるような恐怖、ということです。

work for は「…に勤めている、…で働く、…に雇われている」。
for の後には会社名も来ますし、このように職種を表す人が来ることもあるのですね。
基本的な意味は「…のために働く」ということで、会社であったり、雇い人であったりするわけでしょう。

ですから、work for a designer は「レイチェルがデザイナーとして働く」のではなく、「上司がデザイナーである環境で働く」、つまり、デザイナーがいる会社(つまりファッション・ブランドの会社)とか、デザイナーのアシスタントとして働く、という意味でしょうね。
work for a buyer なら、百貨店のファッション売り場などでもいい、ということでしょう。
彼女自身がデザイナーとして働きたいのであれば、work as a designer になるでしょうね。

give anything を「何だってあげちゃう!」と訳すと、殿方が色めき立ちそうですが(笑)、この場合は、その夢をかなえるためなら、何を失っても怖くはないわ、今の仕事をやめることなんて全然怖くないわ、ということでしょう。

I just don't want to be 30 and still work here.
このセリフ、女性にとっては重いですねぇ(笑)。
一時的な仕事だと思っているのに、30歳になった時もまだこの仕事のままだったら…という絶望感、よくわかります。
女性というのはどうしてもそういう「年齢が大台に乗る」ということに敏感ですから(笑)。

その話を聞いて that'd be much worse than... と比較する対象を述べるチャンドラーですが…。
30歳でまだこの仕事をしている、っていうのは、28歳でまだこの仕事をしているのよりもひどいね、と言っています。
30歳という年齢を出さずにはいられない女心を皮肉っているのか、仕事の内容うんぬんじゃなくて、ただ単に年を取ることだけを比較しているわけですね。
状況が同じなら、より年齢が高いほうがいやだろうと。

ちなみに28歳という年齢は、このエピソードでのレイチェルの年齢ではないと思われます。
フレンズ7-14 でレイチェルが30歳になるという話が出てきます。
単純に計算すると、今の 3-10 では、25歳くらい、という設定でしょうか。
今25歳のレイチェルが、28歳くらいでは転職できているだろうか、さらには30歳くらいではどうなっているだろうか、というタイムラインを考えると、28歳でまだこのままでも辛いけど、さらには30歳でも転職できていなければ、より悲惨なことになってるね、と言いたいわけでしょう。


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posted by Rach at 12:11| Comment(5) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>ジョーイにしてはまともなことを言っています。
ほんとだ(笑

やっぱりアメリカでも三十路の大台は存在したのか(爆

Rachさんも毎日更新、、お疲れ様です!!
わざわざコメント残していただけて嬉しかったです♪
(お返事はまだですが・・・)

これからもよろしくです!応援ぽちりんこ☆☆
Posted by ゆぶ at 2008年01月15日 22:04
ゆぶさんへ
アメリカでも「三十路の大台」は確かに存在するようです(爆)。

フレンズ2-13その16
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470372.html
で、アリー my Love でアリーが31歳の誕生日に落ち込んでいる、というエピソードについて触れたこともあります。
どこの国でもやっぱり「大台に乗る」のはイヤなんだなぁ(笑)。

ゆぶさんも、マイペースで続けて下さいね。楽しく続けられるのが一番ですよ、ほんとに!
Posted by Rach at 2008年01月16日 11:12
こんにちは。
いつも楽しく読ませていただいています。

モニカの年齢ですが、25歳ではないと思います。
シーズン1の22話の時、モニカが高校生と付き合った時、自分の年を「25歳と13カ月」と白状しています。

そして、シーズン3の13話目にロスがミルクシェークを勧められて「僕は29歳だ」と言うセリフがあります。

モニカの兄。1967年10月18日生まれ。
レイチェルはモニカの兄。1970年5月5日生まれ
モニカは1969年4月22日生まれ

と以下のサイト

http://www.girlstrend.net/drama/

に書いてあるので、この時点では27歳なんじゃないでしょうか?次の誕生日で28歳になるので、「28歳」という言葉が出てきたのだと思います。
Posted by ぷり at 2010年09月06日 12:55
「レイチェルはモニカの兄」と訳の分からないことを書いてしまいました。

モニカの兄は1967年10月18日生まれ。
レイチェルは1970年5月5日生まれ
モニカは1969年4月22日生まれ

ですね。スミマセン
Posted by ぷり at 2010年09月06日 12:58
ぷりさんへ
興味深いお話ありがとうございます。

まず、フレンズのキャラクターの生年月日については諸説あり、年齢にまつわるセリフの情報を集約すると、誕生日が一つに決まらない、という場合もあるようです。
それで「本当の誕生日はいつか?」ということで、ファンの間で話題になったりもするようですね。

ですが、モニカの場合は、1969年4月生まれ、ということで間違いないようです。
以下の英語版ウィキペディアにも、Monica (b. April 1969) is... と書いてありましたので。

(これ以下、いくつかウィキペディアへのリンクをはりますが、ネタバレありますので、知りたくない方はご注意を!)

Wikipedia 英語版: Monica Geller
http://en.wikipedia.org/wiki/Monica_Geller

ただ、モニカの高校時代の同級生であるレイチェルは、少し情報の不一致があるようです。
Wikipedia 英語版: Rachel Green
http://en.wikipedia.org/wiki/Rachel_Green
の Birthday の情報をざっと集約すると、レイチェルの誕生日は、1969年5月5日である可能性が最も高いようです。私が上の記事で使った「(レイチェルが)30歳になる話」のデータだと、レイチェルは1971年生まれ、という計算になってしまうようですね。

Wikipedia 英語版: Ross Geller
http://en.wikipedia.org/wiki/Ross_Geller
の Age and birthday という項目では、生年月日のいろんな可能性が示唆されています。ロスのセリフには自分の年齢にまつわるものが多かった、ということでしょうね。女性陣はやはりあまり自分の年齢をむやみに言いたがらない、ということかもしれません(笑)。

いずれにしても、モニカの誕生日は1969年4月で決まり!のようですね。
ご指摘の通り、フレンズ1-22(1995年5月4日放映)で「25歳13ヵ月」→「26歳1ヵ月」とはっきり言っていましたし。
そしてレイチェルは多少の情報の不一致はあるものの、モニカと高校の同級生(同学年)であることから、生年月日は、1969年5月5日の可能性が高いと言えるでしょう。

チャンドラーはレイチェルに対して「28歳」という言葉を使っていますが、それは、このエピソード、フレンズ3-10(1996年12月12日放映)では27歳で、次の誕生日に28歳になるから「28歳」という言葉が出てきたのだ、というぷりさんのお話、全くその通りだと思いました。

私は「他の生年月日情報との整合性が取れない」とされている「レイチェルが30歳になる話」からアバウトに逆算してしまった…そこが間違いの原因だったようですね(反省)。

貴重な情報ありがとうございました。
Posted by Rach at 2010年09月07日 11:18
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