2008年01月24日

歩合制で働く フレンズ3-10その24

[Scene: Joey work, Joey is showing a guy a tree.]
ジョーイの仕事場。ジョーイはある男性に木を見せている。
ジョーイ: Okay, and ah, this one here is a Douglas fir. Now, it's a little more money, but you get a nicer smell. (ここにあるこの木は、ダグラス・ファーです。それで、少し値段が高いですが、より良い香りが楽しめますよ。)
男性: Looks good. I'll take it. (素敵だね。それを貰おう。)
フィービー: (running up carrying a tree) Wait, wait, wait, wait, wait! No, no! You don't want that one! No, you can have this cool brown one. (points to the almost dead tree she has) ([木を運びながら走ってくる] 待って待って待って待って待って! だめよ、だめ。あなたはそんなのを欲しくないわ[欲しくないはずよ]。だめ、このクールな茶色の木がお似合いよ。[自分の持っているほとんど枯れかけた木を指差す])
男性: It's-it's-it's almost dead. (それは、それは、ほとんど枯れてるじゃないか。)
フィービー: Okay but that's why you have to buy it, so it can fulfil its Christmas destiny. Otherwise, they're gonna throw it into the chipper. Tell him, Joey. (そうよ、でも、だからあなたはそれを買わないといけないの。そうすれば、その木はそのクリスマスの運命を全うすることができるんだから。さもないと[それをあなたが買わないと]、店の人はその木をチッパーに投げ入れてしまうことになるのよ。その人に言ってやって、ジョーイ。)
ジョーイ: Yeah, the ah, trees that don't fulfil their Christmas destiny are thrown in the chipper. (えぇ、クリスマスの運命を全うしない木々は、チッパーに投げ込まれるんです。)
男性: I-I think I'm gonna look around a little bit more. (もう少し、他を見て回ることにするよ。)
ジョーイ: Pheebs, you gotta stop doing this. I'm working on commission here! (フィービー、こんなことするのをやめないとだめだよ。ここでは俺は歩合で働いてるんだ。)

Douglas fir (ダグラス・ファー)は日本語では「アメリカトガサワラ、ベイマツ(米松)」というそうです。
Wikipedia 英語版: Douglas-fir には写真も載っています。

ジョーイがダグラス・ファーを勧める時のセリフ、it's a little more money, but you get a nicer smell. は、more, nicer と比較級が並んでいます。
「少し高額になるけれど、香りは他のものよりも良い」ということです。
more money の方には、a little をつけて「高いと言っても少しだけ」であることを示して、ちょっぴり金額を上乗せするだけで、より良い品質のものが買える、と言っているわけです。
なかなか良い宣伝文句だと思うのですが、これはきっとジョーイが考えたものではなくて(笑)、お店の人にそう言うように教えられていたのでしょう。

commission は「歩合」。
work on commission は「歩合制で働く」ということですね。
つまり、ジョーイがたくさん木を売れば売るほど、彼のお給料が上がる、ということです。

I'll take one. 「それをもらうよ。」というのは、店屋で買うことを決めた時の決まり文句で、お客はそこまで言って、もうすっかり買うつもりになっていたことがわかります。
なのに、フィービーが割り込んだせいで、あっちに行ってしまった、俺の給料が減っちゃったじゃないか、営業妨害だよ、という感じですね。

枯れた木を勧める、という妙な行動を取る販売員とその友達に対して、お客の男性は明らかにいやな感じを覚えたでしょうね。
でも、この人は紳士なのか、いやそうな顔はしているものの、あからさまに怒ったセリフは言っていません。

やんわりと、"I think I'm gonna look around a little bit more." 「もう少し別のところを見てこよう。」みたいに言ってその場を去ります。
私たちが海外で買い物をする場合にも、買いたくないものを買わされそうになった時、買うかどうかをもう少し考えたい時に、この表現は使えそうですね。


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posted by Rach at 11:35| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして、長月ともうします。
フレンズは昔一通り見ましたが、こちらのサイトの記事を読み、話の内容を思い出しながら、勉強しなおさせていただいています。よろしくお願いします。
ところで、小さなことなのですが、「want」の訳が気になったので、コメントを寄せさせて下さい。
たとえば英辞郎の動詞3の用法についてですが、ご存知でしょうか?
http://eow.alc.co.jp/%ef%bc%b7%ef%bd%81%ef%bd%8e%ef%bd%94/UTF-8/
今回のフィービーの台詞「You don't want that one!」は「そんなの買っちゃ駄目よ!」というニュアンスだと思うのですが、いかがでしょう?
数日前のチャンドラーの台詞「You don't want to give in to the fear」も同じ用法かなと思うのですが。訳は「恐怖に屈しちゃいけない!」
良く聞く「You don't wanna know」、日本語だと「知らないほうがいいよ」という感じでしょうか、口語だと結構ある表現ですよね(上記の表現とちょっとニュアンスは違うかな?)
初投稿で長々と、しかも指摘したりしてすみません。
毎日更新していらっしゃって、勉強熱心で、とても感銘を受けております。これからも拝読させていただきます。頑張ってくださいね。
Posted by 長月 at 2008年01月24日 23:01
長月さんへ
はじめまして。ご指摘ありがとうございます。

確かに英辞郎には、want to do の形で「〜した方が良い、〜すべきだ」というニュアンスになるとありますね。
今回のフィービーのセリフは、「want to+動詞」ではなくて、「want+名詞」ですが、どちらの場合でも、you want は、「あなたがどう思っているか、何を望んでいるか」ではなくて「話者からの意見として、you は当然…すべきだ」というニュアンスが込められている表現なのだろうと思います。主語が you でありながら、話者の意向が反映された表現、ということでしょうね。

そういう want のニュアンスについては、過去記事でも考察したことがありましたが、それをすっかり忘れていました(笑)。
フレンズ3-9その1
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471025.html

そこにも書いたのですが、you should と比べると、you want to は押し付けがましい感じがするように思います。
You don't want that one! も、You should not get that one! みたいな感じで、まさに「そんなの買っちゃ駄目よ!」というニュアンスでしょうね。

数日前の記事のチャンドラーのセリフ、You don't wanna give in to The Fear. も同じく「恐怖に屈するべきではない」ということなのでしょうね。
解説した時の私は、何となく、You don't wanna..., do you? みたいな付加疑問のようなニュアンスで、「レイチェルだって屈したくはない…そうだろ?」という感じに受け止めたようです。
今から思うと、レイチェルの気持ちを確認しているのだったら、Don't you wanna give in...? という疑問文の形にすると思うので、やはり You don't wanna は、You should not のニュアンスになるんだろうな、と思います。

You don't wanna know. もよく聞く表現ですね。これも直訳すると「きっと知りたくないと思うよ。」みたいな感じで、「君は知らないほうがいい、知るべきじゃない」と思う「話者の気持ち・考え」に繋がるわけですね。

お褒めの言葉、また激励のお言葉、本当にありがとうございます。これからも頑張りますので、また何かありましたらご指摘下さいませ。これからもよろしくお願いいたします。
Posted by Rach at 2008年01月25日 11:55
Now, it's a little more money, but you get a nicer smell.
言われてみると、ここのジョーイのセリフ、たしかに誰かに教え込まれたような感じがしました。言ったあとに、なんだかヘンな表情しておどけてる。

ところで、この it's a little more money って、なんかちょっとおかしな感じがしてしまいます。
かたく言えば、 it requires a little more money とか、あるいは you need a little more money みたいな表現だとスンナリわかるんですが。

it's a little more money だと、このmoneyは「必要な金額」とか「出費」みたいな意味かなあと思うんですが、慣れない私には違和感あります。
しかし、こういう表現もあるということで覚えればいいんだなと、納得はします。

類推で、
「ちょっと時間はかかるけど〜」みたいなときに、
it's a little more time, but 〜
なんて表現も許されるのかなあと、これは類推じゃなくて邪推に近いでしょうか。
Posted by engl at 2008年01月25日 23:40
englさんへ
確かに、it's a little more money という表現、ちょっと気になりますね。
その意味するところは、englさんのおっしゃったようなことで、money を使わずに表現すると、a little more expensive みたいなことですよね?

ジョーイは it's a little more money と表現することで、it costs a little more money だと言いたいわけでしょうね。
money で「出費」という意味を表しているような感じは私もします。辞書にはそういう意味が見当たりませんけれどねぇ(笑)。

"it's a little more money" でぐぐると、フレンズのスクリプト以外にもかなりの数のヒットがあります。そこで、worth という単語とペアになったものをいくつか発見したので、"it's a little more money * worth" とフレーズ検索してみると、
"It's a little more money but worth it." 「少しお金はかかるけれど、それだけの(かかっただけの)価値がある」
というようなフレーズがたくさん見つかりました。
ですから、やっぱりジョーイが使っているようなニュアンスで他の人も使っている…と考えていいような気がします。

ちなみに、"it's a little more time" でぐぐってみたら(笑)、"it's a little more time-consuming" というのが結構ヒットします。time-consuming は「時間を消費する、時間のかかる、時間を食う」という形容詞ですから、time の場合は、「もう少し時間はかかるけれど…」みたいに「(時間が)かかる(consume)」という意味の言葉が入るのが普通みたいですね。

でも、その time を money にしてみて、"it's a little more money-consuming" というフレーズで検索しても全くヒットがありません。money-consuming という言葉(形容詞)は存在するようですが。
Posted by Rach at 2008年01月26日 08:25
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