2008年02月08日

元カノとその友人 フレンズ3-11その5

チャンドラー: Yeah, she was at Rockefeller Center, skating with her husband. She looked so happy. I almost feel bad for whipping that kid's pretzel at them. (そうなんだ、ジャニスはロックフェラー・センターにいたんだ。彼の夫とスケートをしていた。とっても幸せそうに見えた。そこにいた子供の持ってるプレッツェルを(奪って)あいつらに投げつけたいような、不愉快な気持ちだ。)
ジョーイ: Man, I remember the first time I saw that girl Katherine after we broke up. She was just walking with her friend Donna, just laughing and talking. God, it killed me! (俺も覚えてるよ、あのキャサリンって女の子に、別れた後初めて会った時のこと。彼女は友達のドナと歩いていただけだった、ただ笑ってしゃべって。あぁ、それを見て俺は死にそうだったよ[死ぬほど苦しかったよ]。)
チャンドラー: Yes, but you ended up having sex with both of them that afternoon. (そうだな、でも、結局最後には、その午後に、その二人の両方とエッチをしたんだろ。)
ジョーイ: Sorry, I just-- Any excuse to tell that story, y'know.... (ごめん、俺はただ…その話をするための理由になるならと思って。)

feel bad には「恥ずかしいと思う、当惑する、居心地が悪い」「かわいそうに思う、気の毒に思う、遺憾に思う」「気分が悪い、不愉快に思う」などの意味があるようです。
普通は、I feel bad for だと、「…をかわいそうに思う」という感じですが、上のセリフの場合は、「for 以下のことをしそうなくらい feel bad だ」ということかな?
whip ... at で、「…を素早く投げつける」みたいな意味だろうと思うので、whip that kid's pretzel at them は、その子供(そこに居合わせた子供)のプレッツェルを(素早く奪い取ってそれを)ジャニスと夫に向かって投げる、みたいなことだと思います。

…と思ってよく見ると、felt bad という過去形ではなく、feel bad という現在形です。
普通、almost+過去形で「もう少しで〜するところだった」という意味になります。
「もう少しでそれを投げつけるところだった(でもやらなかった)」なら、I almost whipped that kid's pretzel at them. になるでしょうか?
上のセリフでは、almost は whip にかかっているのではなく、feel bad にかかっているようなので、「まさにそういう気持ち」ではないけれど「ほとんどそういう気持ちである」とやや度合いを弱めている表現、なのでしょうか?
そして現在形なのは、「今でも投げつけたいよ。」と今の気持ちを語っているのでしょうか? それとも、その過去の時点の気持ちを臨場感を込めて現在形で述べているのでしょうか? (この辺はよくわかりません)
(2008.2.9 追記)
下のコメント欄で almost feel bad for whipping... についてのご意見をたくさんいただいています。
興味のある方は、下のコメント欄もご覧下さい。
(追記はここまで)


ジョーイも自分の体験談を話しています。
ジョーイの元カノの場合は、彼と歩いていたのではなく、女友達と歩いていただけ、それでも俺は辛かったよ、だからお前の気持ちがわかるよ、と言いたいようなのですが…。
チャンドラーはその話を知っていて、そんなこと言って、結局その日のうちに、その二人とエッチしたくせに、と言っています。

end up doing は「結局…することになる、最後には…することになる」。
つい最近の フレンズ3-11その2 にも出てきましたね。
「なんだかんだ言って、結局その子たちと寝ちゃったくせに。」みたいなニュアンスが出ていると思います。

ジョーイも自分で言っているように、チャンドラーを慰めたかったのではなくて、その武勇伝(笑)を聞かせたかっただけのようですね。
それを言うために、チャンドラーの話をダシに使った、それを言うための理由として、チャンドラーの話に乗らせてもらった、という感じです。


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posted by Rach at 11:42| Comment(6) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
I almost feel bad for .....について
簡単にいうと、ジャニスは仕合わせそうで自分は哀れだと嘆いてるわけですね、そしてジョーイが同じ経験があると同情するのですが、それがジョーイの自慢になるところが面白いですね。I almost feel bad for ....はI almost feel bad for me whipping that kid's pretzel at them. で「あいつらに投げつけている自分がかわいそうといってもいいくらいだよ」forのあとは人でmeだから省略されていてalmostはfeelにかかっていると思います。
8-2:I feel bad for the woman who ends up with him.彼といっしょになる女の人ってかわいそうね。(フィービーがのちにいっしょになる人に言っています)
Posted by catch at 2008年02月08日 22:13
こんにちは

Feel badはこの場合、罪悪感のことかな、と思ったのですが、
feel bad for は、可哀想に思う、
feel bad about は、悪く思う、
という風に辞書に載っているのですね!
そして、feel bad for --ing をfeel bad about と似た使い方をしているのを少しググって見つけました。

というのも、私は最初この台詞を読んで笑ってしまったのですが、「もう少しでプレッツェルを投げたのを悪く感じるところだ(つまり罪悪感は感じてない)」と理解してしまったからです。
で、辞書で調べて、あら間違ってた?!とびっくりしたのでした。

でももしかしたら口語では?こういう言い方もあり得るのかなと、調べてちょっとほっとしたのですが、いかがでしょう。

字幕や吹き替えはどうなっているのでしょうね。
Posted by 長月 at 2008年02月08日 23:47
僕も「罪悪感」のほうに解釈しました。「ジャニスがあまりにも幸せそうで、プレッツェルを投げつけたのを悪く思うくらいだよ」という感じでしょうか。

Feel bad for(人)で、(人)をかわいそうに思う、ですがこの場合は「for whipping」で「投げつけたこと(過去形)」、たとえば「I am sorry for hitting you」(ぶってごめんね)これもぶったあとに謝っている、すまないと思っているのは現在。

「I feel bad about whipping the pretzel」は「投げつけることを悪く思っている」という現在や未来に起こりうることの意味合いにもとれる場合があるので、ここでのチャンドラーは「I almost feel sorry for whipping the pretzel at them」と投げつけたという過去の行為を悪く思うくらいだよ、といっている気がします。
Posted by テリトリー at 2008年02月09日 06:12
catchさん、長月さん、テリトリーさんへ
まとめレスとなり、申し訳ありません。おまけに非常に長いレスとなります(笑)。
皆様、一緒に考えて下さって、また貴重なご意見を下さってありがとうございます。嬉しいです!

ロングマン現代英英辞典では、
feel bad:
a) to feel ashamed or sorry about something
feel bad about (doing) something
I felt bad about not being able to come last night.
feel bad for
I feel bad for Ann - she studied so hard for that test and she still didn't pass.
b) to feel ill
のように書いてあります。

a) は「何かについて恥ずかしい、または遺憾に思う」
feel bad about の例文は「昨晩、来られなかったことを申し訳なく思った。」
feel bad for は「僕はアンに同情するよ。彼女はあのテストに向けて一生懸命勉強したのに合格しなかったんだ。」
b) は「気分が悪い」

で、私は自分が「不愉快だ、気分が悪い」と言っている、つまり、feel ill という意味かと思ったのですが、そうではないようですね。
feel bad = feel sorry である、と解釈するのが正しいですね。

まず、catchさんのご意見だと、feel bad for myself 「自分をかわいそうだと思うよ」という感じですね。友達に何か悪いことが起こった時に、I'm sorry (for you). 「同情するわ、大変だったわね、かわいそうね。」と言うことがありますが、その sorry と同じ感覚だ、ということですね。上のロングマンの、I feel bad for Ann. と同じニュアンスだと思います。

for の後の目的語は me または myself で、その自分がした内容を現在分詞形で語っている、me, who is whipping... または、me who whipped... みたいな感じでしょうか。

例に挙げていただいた 8-2 のセリフはまさに、feel bad for the woman who... と関係代名詞を使っていますし。(この 8-2 の一連のやり取りも面白いです!)

長月さんとテリトリーさんは「罪悪感」と捉えられた、ということですね。上のロングマンの例で言うと、
I felt bad about not being able to come last night. が近いでしょうか。長月さんがぐぐられた結果にあったように、feel bad about -ing を feel bad for -ing と表現することも可能だろうと思います。そして、どうして about ではないかと言うと、テリトリーさんのおっしゃるように、about whipping だとそれが「投げるという行為」全体を漠然と指すことになり、「投げたという行為が実際に行われたかどうか」が曖昧になってしまう、ということなのでしょう。

テリトリーさんが挙げて下さった feel bad for whipping と feel sorry for hitting の共通点はよくわかります。
hitting という動名詞は「私がぶったこと」(実際に行われた行為)で、my hitting ですが(口語では me hitting と表現されることもあるようですが)、文の主語が I になっているので、動名詞の主語の my が省略されている、ということですね。

だから、結論としては、これはやっぱり「実際に投げた」のだと。「投げたことを反省している」みたいなことですね。

almost が曲者なのですが、これは、その反省・罪悪感の感じ方の度合いを、almost をつけることで、「そんな感じ」とぼかしているのでしょうかねぇ? catchさんの「…といってもいいくらい」、テリトリーさんの「…と思うくらい」の「くらい」もそんなニュアンスですよね? I kind of feel bad for... くらいの(笑)意味でしょうか?

長月さんのおっしゃるように「もう少しで罪悪感を感じるところだ(った)、でも感じていない」だと、I almost felt bad for... と 「almost+過去形」になるかな、と思うのです。
フレンズ3-5その27
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470902.html
で、I almost got my arm broken... が実際には、I almost get my arm broken... と言っているように聞こえるセリフがあります。この場合はどちらでも、「骨折しそうになった、ほとんど骨折」という感じで、骨折した事実に限りなく近いことを言っているようです。I almost felt bad でも、I almost feel bad でもやはり「限りなく feel bad な状態に近い」ことを言っているようで、「実はそれほど罪悪感を感じていなかった」という意味に取るのは難しいのかな、と思います。

almost が feel にかかっているのは間違いないですよね。私は almost という単語を見るたびに、almost+過去形「もう少しで〜するところだった(けど実際はしなかった)」というのを必ず思い出すんですよ。今回の almost も「プレッツェルを投げたのか投げないのか」に関係した almost かと思ったのですが、それなら、almost whipped になるだろうしなぁ、と思ったのです。

参考までに、DVDの日本語字幕では「思わず菓子を投げつけたよ」、吹替は「隣にいた子供のポップコーンを投げつけそうになったよ。」となっていました。
その「思わず」という感覚はわかる気がします。She looked SO happy that I couldn't help whipping... 「彼女があんまりにも幸せそうなんで、それで俺は投げつけずにはいられなかった。」みたいな。

「投げつけそうになったよ」というのは私が感じたのと同じ、almost+過去形のイメージでしょうね。ここで almost が使われていなければ、私も「もう少しで投げるところだった、投げそうになった」みたいなイメージは浮かばなかったと思うのですが。

結局、チャンドラーのセリフは、
「彼らにプレッツェルを投げつけたこと、悪かったと思ってるよ。」という意味なのでしょうか。
「彼女はとっても幸せそうだったから、プレッツェルを思わず投げつけちゃったんだよ。いや、それに関しては悪いことをしたと思ってるんだけどね[それについてはそれなりに反省してるよ]。」みたいなことかな?
それが英語の語順では「彼女は幸せそうに見えた。俺は反省してるんだ、彼らにプレッツェルを投げつけたことを。」と表現されている、ということかなぁ?
聞いたフレンズたちは、「チャンドラーはムッとして、プレッツェルを投げつけちゃったのね。」という「事実」がそのセリフでわかる、ということかと。

内容は、
She looked so happy. So I whipped that kid's pretzel at them. I (almost) feel sorry(bad) for that, though. みたいなことかなぁ、と。

今そういう罪悪感を感じている、今そのことを悪いと思っている、だからここだけ「現在形」が使われているんですね。この気持ちは「その時そう感じた」のではなくて、今の気持ちだということですね。

話は最初に戻りますが、sorry が「罪悪感」か「哀れ」かのどちらか?について。
I feel sorry for you. (目的語が人物)なら「あなたに同情するわ。」で、
I feel sorry for being late. (目的語が動名詞)なら「そのした行為を申し訳なく思う」
みたいな大まかな区分けはあるかと思うのですが、とにかく、その行為をしたのは自分で、自分がその行為をしたことについて、もしくはそういう行為をした自分に対して、sorry だと思っている、ということですね。sorry の意味をどう捉えるかで解釈は少し違ってくると思いますが、「反省・罪悪感」とも取れるし、「哀れ・みじめ・かわいそうに思う」というのも可能だと思います。

me の省略というのも考えられると思いますが、もし「自分が哀れ」であることをはっきり言いたい場合は、for myself とその対象物をはっきり示すかな?と思ったりもします。
そういう意味では「自分のした行為に罪悪感を抱いている」という解釈の方が、今回の場合は自然なのかな、とも思います。

長くなりました。ここまで読んで下さった方、ありがとうございます!
Posted by Rach at 2008年02月09日 10:31
チャンドラーは投げつけてしまったと思います。
完全に「feel bad」ではないのだけれど、やっぱり良く考えると悪いことしたかなぁ…っといった程度の感じですね、ここは。
Posted by モモンガさんた at 2011年12月17日 23:27
モモンガさんたさんへ
コメントありがとうございます。
やはり、almost は「投げた」方にかかるのではなくて、feel bad の方にかかるという理解で良いですよね?
そして、「完全に」ではないけれど、「今思うとなんだか悪い気がする」という感覚が、almost feel bad という almost+現在形のニュアンスだということなのですね?

貴重なご意見ありがとうございました。
Posted by Rach at 2011年12月19日 17:40
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