[Scene: The Moondance Diner, Rachel is talking to Monica about her job.]
ザ・ムーンダンス・ダイナー。レイチェルは自分の仕事についてモニカと話をしている。
レイチェル: Oh God, I hate my job, I hate it, I hate my job, I hate it. (もう、私の仕事が大嫌い。大嫌い、仕事が嫌い、大嫌い。)
モニカ: I know, honey, I'm sorry. (わかるわ、ハニー。同情するわ。)
レイチェル: Oh, I wanna quit, but then I think I should stick it out. Then I think: "Why would such a person stay in such a demeaning job, just because it's remotely related to the field they're interested in?" (あぁ、辞めたいって思うの。でも、その後で、その仕事を最後まで我慢すべきだと思うの。それからこう思うのね。「どうしてそういう人間がそういう自分をおとしめるような仕事に留まっているのか、って。ただその仕事が自分の興味ある分野にちょっぴり関係しているからっていう理由だけで。)
モニカ: (gives her a look) Gee, I don't know, Rach. ([レイチェルに視線を向けて] まぁ、どうかしらね[さあね、私にはわからないわ]、レイチェル。)
過去記事、フレンズ2-21その27、フレンズ2-22その1 などにも出てきた、モニカの勤務先のダイナー(簡易食堂)について。
このシーンの最初にそのお店の外観が映ります。
ですから、実際にこういう名前のお店があるんだろうなぁ…とは以前から思っていたのですが、少し前に新聞で興味深い記事を見つけました。
2007年10月21日(日) 日経新聞の「世界 いまを刻む」という記事で、
消えるNYの「名所」 老舗料理店・ライブハウス… 賃料高騰、立ち退き迫られ
という見出しで、ムーンダンス・ダイナーのことが書いてありました。
その記事を以下に一部、引用させていただきます。
米人気映画「スパイダーマン」で主人公の恋人がアルバイトをするレストラン「ムーンダンス・ダイナー」。スクリーンだけではなく、実在する人気店だったが、今年五月、七十年の歴史にあっけなく幕をおろした。
1930年代に流行したアールデコ調の独特の姿にファンは多く、歴史的建造物として、市当局への登録を求める意見も出たが、マンション建築に伴う立ち退きには逆らえなかった。 (引用終わり)
記事の「ムーンダンス・ダイナー」という名前を見て、これってモニカの働いてるダイナーじゃん!とびっくりしたのですが、映画にも登場するほどの有名店だったのですね。
それについて触れている英語の記事を見つけました。
Goodnight, Moondance - February 13, 2007 - The New York Sun
上のサイトの記事によると、このダイナーはソーホー(SoHo)にあるんですね。
ここにもスパイダーマンに出てきた話が書いてあります。
ピーター・パーカーの恋人メリー・ジェーン(MJ)(演じるはキルスティン・ダンスト)がウェイトレスをやっていた、とありますね。
フレンズ以外では、SATC (Sex and the City) にも登場したようです。
また、有名なミュージカル「レント(Rent)」の脚本家 Jonathan Larson は実際にこのダイナーで働いていたそうです。
…ということで、スパイダーマンをご覧になった方は、MJ とモニカの勤務先が同じだと気付いておられましたか?(私はスパイダーマン見てなくて…泣)
そんな有名なお店がなくなってしまったとは、残念ですねぇ…。
stick it out は「最後まで頑張る、最後まで持ちこたえる、我慢する」。
レイチェルのセリフには、then I think が2回登場しています。
「その後、私はこう思う」と、考えが二転三転している様子がわかりますね。
demean は「(人の)品位を落とす」、demean oneself は「品位を落とす、身を落とす」。
それに -ing をつけて形容詞化した demeaning は「自分をおとしめる、卑(いや)しめる」という意味になります。
形容詞の mean は「(人・行為が)卑劣な、下品な」ですね。
remote は「(距離的に)遠い、遠隔の」。リモコン(remote control)の remote ですね。
その副詞の remotely は「遠く離れて」で、be remotely related は「遠く離れて関係している」、つまり「関係が薄い、わずかに関係している」という意味になります。
ファッション業界に関係している、と言っても名ばかりだ、というのを remotely という副詞で説明しているのですね。
「いささかほんのちょっぴり」というところです。
give her a look というのは「ちらっと彼女を見る、彼女に視線を向ける」ということ。
レイチェルは自分のことをボヤいているのですが、実はその内容はそのままモニカにも当てはまるわけですね。
ここは食堂だから、シェフのモニカとしては、料理に関係した職場である、でも、ニセモノの胸をつけたりという変な格好をして働かなくてはいけない…。
むしろモニカの方が状況としてはひどい境遇にいるわけで、それを知ってて、レイチェルはそのセリフを私に向かって言っているのかしら?、私がもっとひどい境遇だってことわかってる?、みたいにレイチェルを一瞥しているのですね。
(Rach からのお願い)
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04:06
"Why would such a person stay in such a demeaning job, just because it's remotely related to the field they're interested in?"
「they」はファッション業界の人々だと
思うのですが・・・
よろしくお願いします。
ご質問ありがとうございます。
この they は such a person を受けた代名詞になります。such a person は単数形ですが、口語ではこのように複数形代名詞の they で受けることがよくあります。
これより前のエピソードだと、
フレンズ2-24その7 に
フィービー: Ooh-oh! Someone's wearing the same clothes they had on last night. (あら? 誰かさんは昨晩着てたのと同じ服を着てるわ。)
というセリフもありました。これも someone という単数形を they という複数代名詞で受けた形になります。
男女の区別がない「they」で受ける
のを思い出しました。
有り難うございました。
ご丁寧なお礼のお返事ありがとうございました。