レイチェル: (entering, to Ross) The most unbelievable thing happened to me today. ([部屋に入ってきて、ロスに] 最高に信じられないことが、今日私に起こったのよ。)
ロス: Hi! (はーい!)
レイチェル: Hi! So I'm out having lunch at Monica's and this guy starts talking to me, and it turns out he works for a buyer at Bloomingdale's and there happens to be an opening in his department. So I gave him my phone number and he's gonna call me this weekend to see if he can get me an interview! (はーい! それで、私がモニカの職場でランチを食べていると、ある男性が私に話しかけてくるの。それで、彼はブルーミングデールズでバイヤーのもとで働いているっていうのがわかったの。 そして、彼の部署でたまたま(仕事の、職の)空きがあるのよ。だから私は彼に私の電話番号を渡したの。私に面接を用意できるかどうかを、今週末に彼が私に電話してくれる予定なの。)
ロス: Wow! (ワオ!)
レイチェル: I know! (そうでしょ! [ワオ!って感じでしょ?])
ロス: What, so this guy is helping you for no apparent reason? (何、それじゃあ、そいつは、特に何の理由もなく君を助けようとしているの?)
レイチェル: Uh-huh! (えぇ、そうよ!)
ロス: And he's, he's a total stranger? (それで、彼は全く知らない人なんだね。)
レイチェル: Yeah! His name is um, "Mark" something. (そうなの! 彼の名前は、うーんと、「マーク・なんとか」よ。)
ロス: Huh. Sounds like "Mark Something" wants to have some sex! (ふーん。「マーク・なんとか」は(君と)エッチしたいみたいだね!)
レイチェル: What? (何ですって?)
レイチェルは入って来ていきなり、ビッグニュースを伝えようとします。
ハイ!のような挨拶もなしで話を始めようとしていたので、ロスはその話を聞く前に、まずは「はーい、やあ」と言ってみたようですね。
「挨拶もなしかい? ちょっと落ち着いて話してよ。」というところでしょうか。
それに対してレイチェルも、興奮する気持ちを抑えて、「はーい」といったん答えてから、話を始めているのですね。
その出来事を語る時、途中までは現在形が使われていますね。
臨場感、その場の状況をリアルに実況している感じでしょう。
he works for a buyer は「バイヤーのもとで働く」。
work for は「…に勤めている、…で働く、…に雇われている」。
フレンズ3-10その15 にも出てきました。
彼がバイヤーなのではなく、彼はバイヤーのために働いている、上司がバイヤーである、ということだと思います。
ロスがワオ!と言うので、I know! と返すのですが、「そうなのよ!」というニュアンスですね。
「そうでしょ?、ワオって感じでしょ、すごいでしょ?」とレイチェルは言いたいのですね。
でも、ロスが言ったワオ!の意味は違うようです。
apparent は「明白な、明らかな」なので、for no apparent reason は「はっきりした理由もなく、これといった理由もなく」という意味になります。
フレンズ3-8その20 では、for no reason が出てきました。
「理由」という言葉が出たついでに、ちょっと脱線するのですが…。
「理由なく」と聞くと、ジェームズ・ディーンの映画「理由なき反抗」を思い出してしまう私です。
その原題は "Rebel Without A Cause" ですね。
(フレンズ2-11その1 で、ちょこっとそのタイトルについて触れています。)
without cause 「理由もなく」、without good cause で「正当な理由なく、しかるべき理由なしに」という意味です。
普通は、without cause と冠詞なしで使うようですが、映画のタイトルは、without a cause と a が入っていますね。
cause は基本的には不可算名詞ですが、具体的なものを指す場合には可算になる、と辞書にあります。
タイトルに入っている a は、「たった一つの理由もなく」みたいな強調のニュアンスがあるのかなぁ?
without a cause の方がリズム感があるように思うし、インパクトを感じます。(私だけ?)
フレンズ3-8その25 では、reason と cause の違いについて触れています。
cause には「(何かを引き起こす)原因」、reason は「(何かをするようになった)理由」というニュアンスがあるようです。
ジェームズ・ディーンの without a cause のニュアンスは、「反抗を引き起こすことになった”きっかけ・原因”もなく」「きっかけもなく反抗する」みたいなことでしょうか?
若さゆえの反抗心、別に何かトリガーとなる出来事があったわけではないけれど、何だかむしょうに反抗したくなる…というような…??
上のセリフの for no reason は、「何故助けようとしたか?の理由」もなしに助けた、というニュアンスだと思います。
人がある行動をする場合、普通は何らかの理由・目的があるものだけれど、この男性の場合はそれがないの?という感じですね。
…ということで、長い脱線になりましたが、日本語で「理由なく」と訳される可能性の高い、for no reason と without cause のニュアンスの違いについて考察してみました。
レイチェルは本当に、その男性に対して異性として興味を持っているわけではないようです。
名前もちゃんと覚えていない、というのは本当のことでしょう。
その仕事に関する夢のような話で頭がいっぱいなのですね。
ロスのワオ!は、初対面の見ず知らずの男性が、そんな親切な話を「何の理由もなく」持ち出した、ということに驚いた、そんなの信じられないよ、という意味のワオ!です。
男としてそんなの納得できない、その for no reason にはウラがあるに違いない…。
「彼は君とエッチしたいから、そんな親切にするんだよ。」(!!)
ついに「男の本音」を言ってしまったロス(笑)。
have some sex の後には、with you がついていないので、「君と(エッチしたい)」とまではっきり言っているわけではありませんが、「エッチが目的で女性に近づいた、下心があって親切にした」とロスは言いたいわけですね。
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多分、あなたにとっては忌まわしき名でしょう(笑)
別に嫌味を言いにきたわけじゃありません 一応和解済みのはずだし、、、
書き込むのは久しぶりだけど、ずっとここの愛読者でした。
で、、書き込んだのはあなたの 言葉の微妙なこだわり、、それが此処の魅力です。
私自身も再考を促されたので投稿しました。
reason とcause なるほど難物ですね
去年の記事では 確か英英辞典を基に reasonは経過 causeは その対象物 へ主に力点を置かれた解説のように私はとりました。
私も今年、、、去年と何度も読みましたが なかなか複雑ですね。
で、、、此処は単純に reason・・・理由 cause・・・・原因 と一般化している日本語訳に立ち戻って考えると私なりに納得しました。
つまり より厳密に言えば reason・・・論理的に説明した理由 cause・・・結果に対する原因
これでわかりました causeは「結果」というもがあって、それを意識しての理由付けなんですね。
要するに時制の問題かと??
「膝をすりむいた 何でかというと転んだから」 これは原因 causeです。 因果関係の果が、すでに過去形 おきてしまったこと。
「今日、学校を休ませてください 父の葬式なんです」これは理由 reason まだ起きていないが、これから起きるであろう事の因
だから、これが明日になり過去形となれば「昨日、学校休んだのは父の葬式だったんだよ」 ここではcause もアリだと思うのです。
例に挙げた 理由なき反抗(without a cause ) 映画ではすでに ジェームズ・ディーンは不良少年化している 過去形なわけけです。
これからなろうとするんじゃなくて。 だから此処はcauseでいいんだって!
フレンズで言えば
ロス: What, so this guy is helping you for no apparent reason? (何、それじゃあ、そいつは、特に何の理由もなく君を助けようとしているの?)
この時点でレイチェルは、まだ助けてもらっていません。 あくまで見込みです。 だからreasonなんでしょう。
去年の記事で言えば
You know, when my parents split up, it was because of that guy. Whenever I'd see him, I'd always think y'know "You're the reason. You are why they're not together." (ほら、俺の両親が別れた[離婚した]時、その離婚はそういう男が原因だったんだよ。彼を見るといつも、俺はこう思ってた。「お前が理由[原因]なんだ。お前が、パパとママが一緒にいない理由なんだ。」って。)
これは 両親が分かれたって過去形なのでcauseで妥当な気もするのですが、大西理論的に言えばチャンドラー当時の子供の頃に気持ちは帰っていて、その子供時代の中でも遥か過去を追憶してるんじゃなく ほとんど同時くらいの感じじゃないのでしょうか?
離婚した直後、直前ぐらいのタイミング、危ない瀬戸際でのツブヤキと取れば、ここはcauseを使うよりreasonのほうが臨場感、ビビットさが伝わります。
もっと、こだわればYou're the reason使われてた時点では、離婚という形で完結していないようにも見えます。
離婚したという事実の前提をしたうえで、さらに少し前の 両親が一緒にいなかった時期の感情の吐露
あくまでthey're not togetherにかかっているわけだから。 思っていたときは一緒にはいないかもしれないが、離婚という形の過去形にはなってないとも読み取れるのです。 いささか理屈っぽくなりましたかね?
過去の思い出話じゃなく まさにそのときの生の感情 これで自分なりには理由付けできました。
さらに追加すると、此処の考察は秀逸です http://www.nagaitosiya.com/a/cause_reason.html
時間的順序と不可逆性の関係だそうです。
此処の文章は難しいので完全に理解できませんでした でも、それをヒントに頭に浮かんだこと
理由と帰結の関係が原因と結果の関係と置き換えられるか、、可逆か不可逆かがポイント
causeの因果関係は自然な感じ 転ぶ→膝をすりむく 膝をすりむく理由は転ぶになりますが、転ぶ理由は膝をすりむくとはなりません
すなわち不可逆性の関係
reasonは人為的な意識が作用
(わざと)押す→すべる すべる理由は押すからにもなるし、押す理由は滑らすためともなります つまり可逆性の関係
葬式と学校を休むの例だと 自然現象なら 学校を休む理由は葬式にはなっても、葬式の理由は学校を休むためとはなりません
しかしこれに 人為的(ずる休み)という網をかぶせれば 見事に(うその)葬式の理由は学校を休むためとはなり可逆性の関係が成立します。
自分でも書いてて少し頭がこんがらがってしまいましたし、先の文章と矛盾するところもあるかもしれません。
でも何となく以前よりは両者の微妙な差異 分かったような気もするのですが。
reasonには動機、道理の意味もありこれらはまさしく人為的の範疇です。 だから因果の因とするcause的な理由も含みますが、人為的、作為的も含む分だけreasonの守備範囲のほうが広いのかなと・・・・
学校を休む原因(理由)は風邪を引いたから。 原因、理由どちらも置き換え可能 ※自然現象
徹夜で勉強する理由は、試験に合格するためだ 此処では原因の置き換えはミスマッチ ※人為的、人間の意志が作用
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
また、マイブログをずっと読んで下さっていたとのこと、ありがとうございます。
cause というと、いつも cause and effect 「原因と結果、因果」という対で使われますよね。また動詞だと「…の原因となる、引き起こす」という他動詞になります。ですから、「直接何かを引き起こしたもの」というニュアンスで、時制の話で言うと、必ず cause が先に存在しないといけない、ということですよね。cause を動詞として使う場合に、主語に当たるような事柄、それが、名詞の cause 「原因」なのかな、と思います。
reason の「理由」という意味は、直接引き起こしたもの、というよりは、頭の中で想像されている何かであるような気がします。reason は、the reason why という形でよく使われるように、「何故そういうことをするに至ったか」みたいな「何故」のニュアンスが強いように思います。「これこれこういうわけだから、こういう行為をすることになった。」という「わけ、事情」みたいな感じでしょうか。
3-8 については、「直接の原因」じゃなくて、「何故一緒にいないかの理由」だ、という意味で、reason を使っているようなイメージを私は受けました。力ずくで両親を引き裂いたとか、直接的に二人を裂くような行為をしたのではなくて、その男性の存在があって、パパがその男性に惹かれることで、夫婦仲が冷めてしまった、というような。そういう「理屈」を語るために、reason という言葉が使われているのかな、と思ったのですね。(あくまで私の受けた印象に過ぎませんので、参考程度に思って下さい。)
教えていただいたリンクの考察、大変興味深いですね。「時間的順序と不可逆性」のお話、大変参考になります。
おっしゃる通り、reason は「道理、理屈、理性、判断力」のような「人間の意志」とかかわりの深い言葉ですよね。ですから、客観的な原因ではなくて、「〜したいと思ったから」とか「〜するために」というような「何かしらの行為をするに至った動機、気持ち、理由」を指す、ということになるのでしょうね。
私もまだその差を完全に掴めた気はしていないのですが、またいろんな事例に出会うことで、少しずつ掴めていくようになるのかな、と思っています。
貴重なご意見、ありがとうございました。