2008年02月29日

お二人さんを冷やかす言葉 フレンズ3-11その26

ジョーイ: (angrily entering, to Chandler) Can I talk to you for a second?! ([怒りながら入ってくる。チャンドラーに向かって] お前と少し話ができるかな。)
ロス: Hey, Joey! (やぁ、ジョーイ!)
レイチェル: Hey. (they all walk away from Chandler) (はーい。[全員がチャンドラーから離れる])
ジョーイ: Come on. (motions for Chandler to come with him) (こっちへ来い。[俺と一緒に来い、というしぐさをする])
チャンドラー: Why can't we talk in here? With, with, witnesses? (どうして、ここで話しちゃいけないんだ? 目撃者と一緒に。)

ジョーイはものすごく怒っているようです。
だからチャンドラーは、二人きりだと何をされるかわからないから、他のフレンズたちのいるところで話をしようよ、と言っているのですね。
witness は名詞だと「目撃者、証人、立会人」。
ハリソン・フォードとケリー・マクギリス主演の「刑事ジョン・ブック 目撃者」という映画がありましたが、その原題は、Witness でしたね。
アーミッシュの少年が殺人事件の目撃者となって…という映画でした。
語尾に -ness がついているのでいかにも名詞っぽいのですが(kindness 「親切」などと同じ)、「目撃者」という名詞以外にも、他動詞「目撃する」、自動詞「証言する」という動詞としても使われます。


ジョーイ: I just got off the phone with my sister. (たった今、妹の電話を切ったところだ。)
ロス: Ah, which, which one? (あぁ、どの妹?)
ジョーイ: Mary Angela. (マリー・アンジェラ。)
ロス: Mary Angela. (マリー・アンジェラ。)
ジョーイ: Yeah. (あぁ。)
名前がわかって喜ぶチャンドラー。
モニカ: Now which one is she again? (それで、もう一度(聞くけど)、彼女はどの子だって?)
ジョーイ: Why don't you ask Chandler, 'cause he's the one that fooled around with her. She told me you said you could really fall for her. Now is that true? Or are you just gettin' over Janice by groping my sister? (チャンドラーに尋ねたらどうだ? だってチャンドラーは妹とエッチした人間だからな。彼女は俺に言ったんだ、お前が彼女にぞっこんだって。それで、それは本当なのか? それとも、俺の妹の体をまさぐることで、ただジャニスを忘れようとしているのか?)
チャンドラー: It's gotta be the first one. (最初の方に決まってるよ。)
ジョーイ: Really? That's great! You and my sister, sittin' in a tree! (本当に? それってすごいよ! お前と俺の妹が(仲良く)木にとまってるんだ!)
チャンドラー: Yep, I'm in a tree. (そうだな。俺は木の中にいるよ。)

get off the phone は「電話を切る」。
grope は「手探りする」。
そこから、「(女性の体を)触る、まさぐる」という意味にもなります。
同じ「触る」でも、やらし〜いニュアンスが感じられますね。
まさに日本語の「まさぐる」がぴったりだろうと思います。
「まさかと思うけど、ジャニスを忘れるためだけに、俺の妹を grope したんじゃないんだろうな?」みたいな気持ちが入っているので、その grope には「エッチなこと、みだらなことをした」という意味が大いに込められているのだろうと思います。
わざと grope という過激な単語を使っている、ということですね。

sit in a tree は「木にとまる」。
直訳すると「木の中で座る」みたいなことですから、鳥が木の間の枝にとまっているイメージだろうと思います。
ジョーイのセリフを聞いていると、sit in a tree は「鳥が2羽、仲良く並んで木にとまっている」ようなイメージを感じます。

"sitting in a tree" でぐぐっていたら、以下のサイトを見つけました。
Wikipedia 英語版: Xandir and Tim, Sitting in a Tree
ある番組のエピソードタイトルのようですが、このタイトルの出典が Cultural references に書いてあります。
興味深いので引用させていただくと、
The title of this episode is a reference to an old children's rhyme in which two people thought to be in love are said to be "sitting in a tree, k-i-s-s-i-n-g."
訳すと、「このエピソードのタイトルは、愛し合っていると(まわりの者に)思われている二人の人間が、"sitting in a tree, k-i-s-s-i-n-g." と言われる、という古い子供の rhyme (押韻、押韻詩)を参考にしている。」

この "sitting in a tree, k-i-s-s-i-n-g." を見て、思い出したことがあります。
アニメ映画「カーズ(Cars)」で、メーターが、マックィーンとサリーの二人を冷やかすシーンがあります。
中間辺りと最後の方の2回出てくるセリフがこれ(↓)。(DVDの日本語訳も面白いので、引用させていただきます。)

McQueen and Sally parked beneath a tree, K-i-s-somethin'-somethin'-somethin'-t!
(日本語字幕)マックィーンとサリーは仲良しだ 駐(チュー)車しながらチューしてた
(日本語吹替)マックィーンとサリーちゃん、木の下で〜、あっちっちーの〜、えーっと…こっちっちー、っと。


McQueen and Sally parked beneath the tree, K-i-s-s-... i-n-t!
(日本語字幕)マックィーンとサリーは仲良しだ 駐(チュー)車しながらチュー…してる!
(日本語吹替)マックィーンとサリーちゃん、木の下で〜、あっちっちーの〜、えーっと…こっちっちー!


K-i-s-s-... の部分はアルファベット読みで「ケー・アイ・エス・エス…」と言っています。
kissing の部分をわざとそんな風に言って、アツアツの二人をはやす決まり文句のようですね。

このカーズのセリフが面白いのは…。
1) やはり車だと鳥のように木にはとまれないので、sit in a tree の代わりに、park(ed) beneath a tree 「木の下に駐車する」になっています。
それでも、tree という言葉を使うことで、sit in a tree を連想させることができます。
2) メーターは、おとぼけキャラというか、おまぬけキャラというか…なので(ゴメン)、kissing の綴りをちゃんと言えないんですね。
それで、分からない部分を somethin' でごまかしたり(K-i-s-somethin'-somethin'-somethin'-t!)、ing を int と間違えたり(K-i-s-s-... i-n-t!)しているわけです。

日本語字幕では、park と kiss を「駐車」と「チュー」でかけているのが面白い。
「あっちっち」という日本語も、子供が誰かを冷やかす時によく使うフレーズですから、イメージぴったりですよね。(さすがはプロだわ!と感動。)

ということで、長くなりましたが、sit in a tree は「小鳥が木の中で二羽仲良く並んでたたずんでいる様子」を表していて、ラブラブであっちっちの二人を冷やかす子供の言葉に、"sitting in a tree, k-i-s-s-i-n-g" という決まり文句がある、ということです。
グーグルのサーチボックスに、「"sitting in a tree" kissing」などと入れて検索すると、そういうフレーズがたくさんヒットします。

今回ジョーイのセリフの意味を調べることで、カーズのメーターのセリフの意味もわかったのが、私個人としては大変嬉しかったです(笑)。

で、「チャンドラーと俺の妹がラブラブだぁ!」とジョーイは喜んでいるのですが、それに対してチャンドラーは、I'm in a tree. と返しています。
何となく私のイメージですが、「木の中にいる」、つまり、「木の上に追い詰められて降りられない、もう逃げ場がない」ということかなぁ、と。
ジョーイというトラかライオンに追いつめられた草食動物の気分、という感じかな?と思うのですが、どうでしょう??


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posted by Rach at 17:04| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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