[Scene: Monica and Rachel's, The entire gang is there.]
モニカとレイチェルの部屋。フレンズ全員がそこにいる。
モニカ: So ah, Phoebe? How was your date? (それで、フィービー? デートはどうだったの?)
フィービー: Oh, well, y'know. (laughs) (まぁ、わかるでしょ。[笑う])
モニカ: Yeah, I do know. (えぇ、本当にわかってるわ。)
フィービー: Ick, you were eavesdropping? (やだ。あなたたち、盗み聴きしてたの?)
レイチェル: Eavesdropping? Pheebs, the ceiling tiles were falling down. (盗み聴きですって? フィービー、天井のタイルが落ちてきてたわよ。)
フィービー: Oh, I'm sorry. But I really like this guy. And I think he really happens to like me. (まぁ、ごめんなさい。でも私は本当にその人が好きなの。そしてたまたま彼も私のことを本当に好きだ、っていうことなのよ。)
(We hear the sound of a bed creaking through the ceiling, and him moaning.)
天井を通して、ベッドのきしむ音が、そして彼のうめく声が聞こえてくる。
ロス: Maybe he's just jumping on a pogo stick and he really likes it? (多分、彼はただ、ポゴ・スティック[ホッピング]に乗ってジャンプしてるだけだよ。それが大好きなんだね。)
(We hear a women start moaning.)
女性がうめき始める声が聞こえる。
ロス: Maybe the pogo stick likes it too. (多分、そのポゴ・スティックの方もそれが好きみたいだね。)
You know. というのは「ほら」という感じの軽い言葉ですが、モニカは I do know. 「私は本当にあなたたちのデートがどうなったかを知ってるのよ。」と答えています。
フレンズ3-1その24 では、ロスの同意を軽く求めながら話をしているつもりが、ロスが「全く不可解だ」という顔をしたので、
チャンドラー: you know. You know... You don't know! (ほら、その、わかるだろ…。わかんないの?)
というのもありましたね。
上の様子を盗み聞きしてたの?、というフィービーですが、盗み聞きしようと思わなくても、勝手に聞こえてくるのよ、それこそ天井のタイルが落ちてきそうなほど激しかったんだから、勝手に耳に入ってきちゃったのよ、ということですね。
そんな恥ずかしいことを言われても、のろけるフィービー。
happen to は「たまたま…する、図らずも…する」。
この場合は、私が彼を好きだから彼も私を好きになってくれた、ということじゃなくて、私は彼が大好きで、偶然にも彼も私のことを好きだと思ってくれてるのよ、お互い、たまたま好きな相手に出会ってしまったのよ、みたいなことですね。
私には彼が理想の男性で、彼にとってもたまたま私がそういう女性だった、と言う感じ。
フィービーの話を聞いていると、本当にラブラブの相思相愛、という感じなのですが…。
pogo stick というのは、日本では「ホッピング」と呼ばれている遊具ですね。
Wikipedia 英語版: Pogo stick には写真も載っています。
ロスはもちろん、それがベッドでエッチしている音だとわかった上で(誰でもわかりますが…笑)、そのベッドのスプリングがギシギシいう音を、あれはポゴ・スティックでジャンプしている音だね、と言っているのですね。
確かに、どちらにもスプリングがついていて、同じようなギシギシ音がしますからねぇ。
男性のうめき声がエッチを楽しんでいる声だとわかっていながら、ポゴ・スティックでジャンプするのが楽しいみたいだ、声を聞いていると楽しんでいるのがわかるね、みたいに言っています。
今度は女性の声も聞こえてきたので、その「乗られている方のポゴ・スティック」も、嬉しそうな声を上げているね、その行為を楽しんでいるようだね、とダメ押ししています。
どこまでもポゴ・スティックだと言い張りながら(笑)、エッチなジョークを言っているロスが面白いです。
(Rach からのお願い)
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eavesdropping という言葉が面白いですね。
eave は「家の軒、ひさし」(通例 eaves)で、eavesdrop は「雨だれ」。
軒下で雨宿りをしながらその家の中の会話を盗み聞きする人を eavesdropper と呼ぶようになり、そこから転じて eavesdrop = 「盗聴する」 になったという話をどこかで読みました。
ここの場面でレイチェルは eavesdropping に引っ掛けて、「雨粒どころではなくて、天井のタイルが落ちて来たわよ」と言ってるのだと解釈しても面白いかも。
eavesdrop の語源、おっしゃる通りみたいですね。
ロングマン現代英英辞典で、eavesdrop の Word origin を見てみると、
Origin: eavesdropper 'someone who stands close to a wall, where rainwater drops from the eaves, in order to listen secretly'
とあります。つまり、「壁の近く(雨水が家のひさしから落ちる場所)に立っている人。盗み聞きをするために。」
その語源を考えると、フィービーとレイチェルのやり取りが、もっと深い意味を持ってきますね。
私の最初の解釈は、
「盗み聞き」じゃなくて、聞こうと努力しなくても勝手に聞こえてしまう、それくらい音がやかましかったから。
というふうに思ったのですが、実は、drop と fall (どちらも「落ちる」)をかけたジョークだったようですね。
「軒下で聞いていて、雨粒が落ちてきた」んじゃなくて、「天井のタイルが落ちてきた」わよ、という返しなのでしょう。
ですから「…と言ってるのだと解釈しても面白いかも」ではなくて、きっと rereさんの解釈が、本来のジョークの意味として正しいものなのだろうと思います。「こっそり聞かなくても、勝手に聞こえてしまう」という意味ももちろん含んでいるとは思うのですが。
興味深いご意見、ありがとうございました!