2008年03月15日

もっと楽しんでいるように聞こえた フレンズ3-11その41

ジョーイ: All right, that's it! He cannot do this to Phoebe! (gets up) This guy is gonna get the butt-kicking of a lifetime! (stops and turns around and asks Rachel) But is he a big guy? (いいさ、そこまでだ! フィービーにこんなひどい仕打ちはさせないぞ。[立ち上がる] こいつには生涯最高のケリを入れてやる。[立ち止まって振り返ってレイチェルに尋ねる] 彼は大男か?)
ロス: Ah, we'll all go. (motions to Chandler) Come on. (the guys leave) (あぁ、僕たち全員で行くよ。[チャンドラーに来いというしぐさをして] 来いよ。[男性たちは部屋を出る])
フィービー: Thanks, you guys. Thank you! (ありがとう、みんな。ありがとう!)
チャンドラー: Don't worry! (心配するな!)
フィービー: God! I hope they kick his ass! (もう! 男性陣が彼を懲らしめてくれるように願うわ。)
レイチェル: Honey, I'm sorry. (ハニー、同情するわ。)
モニカ: Y'know if it's any consolation, he really did sound like he was having more fun with you. (Rachel nods in agreement) (ねぇ、もしこれが何かの慰めになるのなら…あなたと一緒の時には今よりもっと楽しんでいるような音だったわよ、ほんとに。 [レイチェルは同意してうなずく])
(We hear the guys knock on the door upstairs, and the guy answering it.)
男性陣が上のドアをノックする音、そして(相手の)男性がそれに答えているのが聞こえる。
男性: (muffled) May I help you? ([こもった声で] 何か御用ですか?)
(We hear the guys start to attack him, but the guy manages to calm them down and gets them to agree to what he did. Monica throws up her hands
in disgust.)
男性陣が彼を非難しようとするのが聞こえる。が、彼は何とか男性陣を落ち着かせ、彼のしていることを納得させる。モニカはがっかりした様子で手を上げる。

He cannot do this to Phoebe! は、下でフィービーが聞いている可能性も大いにあるとわかっていながら、他の女とエッチするなんて許せない、フィービーに対してこんなひどいことをさせておくわけにはいかない、という感じですね。

of a lifetime は「生涯最高の」。
the butt-kicking of a lifetime は「彼が今までお尻を蹴られた中でも、最高に痛いヤツ」をお見舞いしてやるというニュアンスでしょう。

そうやって威勢のいいことを言うジョーイですが、ふと我に返って、「もしかして大男じゃないよねぇ?」と確認するのがおかしいですね。

consolation は「慰め、慰めとなるもの」。
if it's any consolation は「それが何らかの慰めとなるものであれば」ということで、今から言うことがあなたにとって慰めになるといいのだけれど、というニュアンスですね。

sound は「音を出す」で、「…に聞こえる、(音を聞くと)…のように思われる」。
聞こえている音から判断すると、あなたと一緒の時は今の女性とのエッチよりも、もっと楽しんでいる様子だったわ、ということで、つまりは、あなたとの時の方が音が激しかった、声も激しかった(?)ということを言っているのですね。
上の様子もすごいけど、あなたとの時はもっとすごかったわよ、きっとあなたとの時の方が彼は楽しんでいたはずよ、と慰めているのです。
確かにヘンな慰め方ですが(笑)、フィービーを含めた女性陣は、それで納得している、そうであればまだ救われると思っているようなのが面白いですね。

ところが怒りに行ったはずの男性陣が、また声はこもっているので何て言ってるのかはわかりませんが、「ふーん、君の言っていることも一理あるな。」みたいなことを言っているような、納得した響きが聞こえてきます。
彼は女性だけではなく、男性をも言いくるめるのが上手い人みたいですね。
結局、みんなが彼の術中にハマってしまった、というオチと、モニカの「だめだこりゃ」みたいなしぐさが楽しいです。


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posted by Rach at 11:47| Comment(3) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ドラマ自体ももちろんオモシロいですが、Rachさんの解説だけ読むのもナイスで、
これは一粒で何度でもオイシイ。

それで、これはちょっと細かい話ですが、
Monica throws up her hands in disgust.
語感をいうほど英語を理解していないんですが、このdisgustってかなり強い表現だと感じます。
「がっかりして」「だめだこりゃ」は弱い感じを受けました。
辞書の語義でいうと、「失望」もありますけど、「反感」「嫌悪」のほう。
強いていえば、「アイツら も〜 サイテイ!」ぐらいの感じ。(エラそうにすんません)
ただ、上のト書き自体がひとつの個人的な解釈でしょうから(違う?制作サイドの、いわばofficial?)
モニカの仕草をin disgustと記述するのが適切かどうか。実はいまDVD見直せないので、これもすんません。あとで見直します。
たぶん、Rachさんのコメント通りの仕草なんだろうな。

あるいは、in disgust が、それほどの強い表現とは限らず、ちょっとガッカリぐらいもあるのかなあ。
Posted by engl at 2008年03月15日 19:46
If it's any consolation,について
If it's any consolation,+文章はひとを慰めるときの決まり文句なのですが、第三者が慰めるとき慰めの言葉が慰めにならなくてかえって傷つける場合もありますから使い方は難しいですね。ましてや傷つけた当事者がIf it's any consolation,をつかうと何を言っても慰めにならないことが多いように思います。異性を振るときに絶対に言ってはならない最低な言葉はThere are plenty of better men(women) in the world. 経験談で〜す。(笑)
Posted by ジョーイ at 2008年03月16日 07:53
englさんへ
私の拙い解説をそのようにお褒めいただき、本当にありがとうございます!

disgust はロングマン現代英英辞典では、
disgust: a strong feeling of dislike, annoyance, or disapproval
「嫌悪[嫌いなこと]、困惑、または不同意の強い感情」。
(dislike などの言葉をどういう日本語に訳すかで、またニュアンスが違ってくるのですが…)

英辞郎では、
in disgust=あきれて、うんざりして、不快そうに
研究社 新英和中辞典では、
in disgust=いやになって、うんざりして

disgust という言葉については、
研究社 新英和中辞典では、
「(むかむかするほどの)いや気、いとわしさ」という語義が出ています。
英辞郎の disgust の項目には、
「かなり強い嫌悪を表す語なので、使用には注意が必要。」
とも出ています。

ですから、「嫌悪」のイメージが一番ぴったりするのでしょうか?

気持ち的にはまさに「アイツら も〜 サイテイ!」なのでしょうね。モニカのしぐさを見ていると、「嫌悪感」というよりも「だめだこりゃ」が合っているような気が(なんとなく)したので、上ではそう書いてしまったのですが、もう少し強い感情なんでしょう。それを考えると「がっかりして」という日本語は間違いですね。「がっかり」だと、disappoint という言葉が使われるでしょうからね。「うんざりして」の方がまだ良いですね。
日本語の訳語だけでは計りにくい、そういう「どの程度の嫌悪なのか」というところが理解できるといいのですが…。

ちなみに、上のト書きは、ディクテーションした方のイメージで書いているようです。ですから、制作サイドのオフィシャルなもの、ではないはずです。そのシーンを見て受けたイメージを文字にしている、ということですから、すべてのネイティブが in disgust という表現が妥当だと思うかどうかは、わからないですね。日本語の「がっかりして」「うんざりして」「あきれて」もすべてネガティブな感情の表れですが、微妙なイメージの違いがありますからね。英語の場合も同じことが言えるのだろうと思います。


ジョーイさんへ
>If it's any consolation,+文章はひとを慰めるときの決まり文句
なんですね。今回はまさにそういう使い方をしていますよね。

ジョーイさんがおっしゃるように「傷つけた当事者が使うと慰めにならない」というのは確かにそうでしょうね。その「最低な言葉」(笑)を聞いて思い出したセリフがあります。
フレンズ1-12その5
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470085.html
ロス: Listen...you deserve so much better than him. (ねぇ、君にはパウロなんかよりもっといい男がお似合いだよ。)
この場合は、美しい慰めのセリフだと思いました。ロス自身がその「もっといい男」であると、さりげなくアピールしているわけでしょうが(笑)、それでも「あんな男に君はもったいないよ。」という意味ですから、女性はいやな気持ちはしないでしょう。

一方、その「最低な言葉」の場合は、日本語で言うと「世界中に僕よりいい男は五万といるよ。」「僕みたいな男より、世間には良い男がいっぱいいるよ。」ということですよね。その「僕みたいな男」と言うあなたに振られる私は一体何なのよっ!?、と女性の方は言いたくなる…わけでしょうねぇ?
「経験談」って…。その後、修羅場でしたか?(笑)
Posted by Rach at 2008年03月16日 09:43
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