[Scene: Monica and Rachel's, Ross and Rachel are entering the living room from her bedroom.]
モニカとレイチェルの部屋。ロスとレイチェルはベッドルームからリビングルームに入ってくる。
ロス: I'm hurt! I'm actually hurt, that you'd think that I'd send you any of those things out of anything other than love. Hurt! Hurt! (僕は傷ついた! 僕は本当に傷ついたよ。僕が愛以外の理由であの人たちを君の元に送ったんだろう、と君が考えているとしたら。)
レイチェル: All right, Ross! I get it!! (いいわ、ロス。わかったわ。)
ロス: I mean, oh my God... (僕が言いたいのは…なんてこった。)
レイチェル: You're hurt! (あなたは傷ついたのね!)
ロス: Can't, can't a guy send a barbershop quartet to his girlfriend's office anymorrrrre? (男性は、もう自分の恋人のオフィスにバーバーショップ・カルテットを送ることはできないの?)
レイチェル: Oh, please, Ross. It was so obvious! It was like you were marking your territory. I mean you might as well have just come in and peed all around my desk! (あぁ、お願いよ、ロス。本当に見え見えだわ。まるで、自分の縄張り(なわばり)をマーキングしているみたい。つまり、あなたが自分でやってきて、私の机じゅうにおしっこをして回ったのと同じよ。)
ロス: I would never do that. (僕はそんなことは決してしないよ。)
I'm actually hurt, that you'd think that I'd send you any of those things out of anything other than love. について。
those things は、レイチェルのところにロスが送ったバーバーショップ・カルテットのことで「ああいうもの、ああいうやつ」という感じで those things と表現しているようです。
anything other than の other than は「…以外の」。
DVDの英語字幕では、anything but love と表記されていますが、この but も「…以外の」という意味なので、意味は同じになりますね。
out of は「原因・動機」を表して、「…から、…のために」という意味になります。
out of curiosity なら「好奇心から」、out of necessity なら「必要に迫られて、やむを得ず」という意味になります。
you'd think, I'd send と 'd がついていますが、これは would の省略形でしょうね。
この 'd のニュアンスについては、うまく説明しにくいのですが…。
I'd send の方は、話者である you = Rachel が、I = Ross について「推測」しているニュアンスでしょうか?
研究社 新英和中辞典の would の項目に、
[話し手の過去についての推測を表わして] …だったろう
というのが載っていますが、そういうニュアンスかなと思います。
そして、you'd think の方は、「君がもしそう思ってるとしたら」みたいな仮定のニュアンスが入っているのでしょうか??
you think と言ってしまうと、レイチェルが that 以下のように思っているのが明白だ、と断言していることになってしまいそうな気がします。
が、レイチェルははっきり口に出してそう言ったわけではないのでしょう。
多分「何てことするの、ロス。あんなことするのはもうやめて! 私がどれほど恥ずかしかったか。」くらいのことを言ったのかなと思います。
喜んでくれると思いきや、自分のプレゼントを否定されたので、もし that 以下のように君が思ってるんだとしたら、僕は本当に傷つくよ、傷ついたよ、と言っているように思いました。
僕がそれを送った理由は「愛」だけなのに、君は僕が out of anything other than love 「愛以外の何か他の理由で」それを送ったと思っているようだから、僕は傷ついたよ、という感じでしょうか。
Can't, can't a guy send a barbershop quartet to his girlfriend's office anymorrrrre? の 最後の anymore の言い方が面白いですね。
not ... anymore [not ... any more] は「もはや…しない、今後はもう…しない」ということなので、「もうそんなことしちゃいけないんだ、もうそんなことはできないんだ。そうなんだね?」というニュアンスでしょうか。
I ではなくて、a guy なので、「一人の男性が恋人にカルテットを送ることはもうできないんだ。」という感じ、つまり、「世の男性は、自分の恋人にそういうことをしちゃいけないんだね?」というニュアンスで言っているような気がします。
文末の anymore を強調することで「そんなこと信じられない!」という気持ちを出しているように思います。
obvious は「見え透いた、露骨な、見え見えな、ばればれの」。
might as well は「…する方がましだ、…するのと同じだ」。
このレイチェルのセリフ、かなりキツいことを言っていますが、当たってる!と思いますね(笑)。
ロスは「君を愛しているがゆえに、君に愛情のこもった贈り物をたくさんした」と言っているのですが、実際は「レイチェルはロスのものだ」というのをいろんなアイテムで強調することで、他の人間がちょっかいをかけないようにしているわけですね。
それはまるで、動物が自分のおしっこで匂いをつけて、自分の縄張りをマーキングしているようなものだ、「愛の名を借りた「見え見えの贈り物」をするくらいなら、もっと直接的にそういう行動に出たらどう?、それと同じことなんだから。」と言っているわけですね。
レイチェルは、peed (ピード、pee おしっこをするの過去分詞形)の部分をものすごく強調して、吐き捨てるように言っています。
よほど、あのプレゼント攻撃に腹が立ったのでしょうね。
あまりの言われように、ロスは、「僕は机におしっこをかけたりはしない」と答えていますね。
動物みたいにマーキングしたつもりもない、ということでしょう。
(Rach からのお願い)
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の部分ですが、
「おしっこをして回った方がまだマシよ。」
というニュアンスかな、と思いました。
お忙しいだろうのに、コメントありがとうございます!
私も考えてみましたが、ご指摘の通り、「まだマシよ」のニュアンスだと思いました。
might as well は「…する方がましだ、…するのと同じだ」と上に書きましたが、そんな風に、英和辞典の日本語訳は、「…する方がまし」という意味と「…するのも同じ」という意味の二通りの意味が載っていますね。その日本語の意味は微妙に違いますので、状況や文脈に合わせて、どちらを選ぶか、ということになるのでしょうね。
それで、今回のセリフは、
you might as well have just come in and peed
となっていて、might as well 以下が、現在完了形になっています。
このように後ろに完了形を伴う場合は、「(そんなことするくらいなら)…した方がましだった」という意味になる(ことが多い)ように思います。
研究社 新英和中辞典の well の項目の、may [might] (just) as well do (as...) の例文に以下のものがありました。
We might just as well have stayed at home. (いっそのこと)初めから家にいたほうがよかった。
(用法) 「出かけていってあんな目にあうくらいなら」の意が含まれる
以上のことをふまえると、今回のセリフも、「同然よ」じゃなくて、「そんな見え見えのことするくらいなら、ダイレクトにマーキングした方が”まだマシよ”」のニュアンスになると思います。「おしっこした方がましよ。」と言われたので、ロスも「そんなことは僕はしないぞ。」と答えている…その方が話の流れもしっくり来ますよね?
ご指摘ありがとう!
might as well as~ = ~をしたらほとんど同じ動作だろう
またお越し下さってありがとうございます!
上のセリフのニュアンスは、「まし」ではなくて、「ほとんど同じ」「…も同然だ」なんですね?
なんとなく、日本語の流れで言うと、「そんな見え見えのことするくらいなら、いっそのこと、直接マーキングして回った方が良かったんじゃないの?」のような「そっちの方がまだましよ!」という挑戦的なニュアンスかなぁ、という気がしたのです。
ちょっとニュアンスは違いますが、
You should've have just come in and peed... 「直接オフィスにやってきて、おしっこすべきだったのに(そうしなかった)」
に近い感じかなぁ、と。
もちろん、これは本心ではなくて、実際にマーキングされて困るのはレイチェルですが(笑)、「その方がましだ!」と言うくらい怒っているのかなぁ、と思ったのです。
でも、ここは、そこまでのニュアンスではなくて、「あなたのやったことは、動物がマーキングして回るのと同じよ!」と「例え」ている感じだ、ということですね?
貴重なご意見、ありがとうございました!