[Scene: Monica and Rachel's, Monica is tying a ribbon to a vase.]
モニカとレイチェルの部屋。モニカは花瓶にリボンを結んでいる。
フィービー: What are you wrapping? (何をラッピングしているの?)
モニカ: Oh-ho, look what I got Julio. (あぁ、私がフリオに買ったものを見て。)
フィービー: Yeah, it's a vase. (あぁ、花瓶ね。)
モニカ: Yeah, just like the one in the poem. (えぇ、詩にあったもの[花瓶]とまさに同じよ。)
フィービー: Well, not exactly like the one in the poem. (ねぇ、詩の花瓶と全く同じものではないわ。)
モニカ: What do you mean? (どういう意味?)
フィービー: Remember how you said you were really dense about poetry? Oh. (hugs her) (あなたが本当に詩に疎いって言っていたこと覚えてる? あぁ。[モニカをハグする])
[Scene: The Moondance Diner.]
ムーンダンス・ダイナー。
モニカ: (to Julio) So I'm just an empty vase, huh? ([フリオに] それで、私はただの空っぽの花瓶なのね?)
フリオ: What? (何だって?)
ト書きの tying a ribbon to a vase の tying は tie 「…を結ぶ、結びつける」の -ing 形ですね。
tie+目的語+to+Aで、「目的語をAに結びつける、くくりつける」という意味になります。
研究社 新英和中辞典には、
Tie the horse to a tree. 馬は木につないでおきなさい。
という例文も出ています。
フレンズ3-12その16 で、フリオが書いた "The Empty Vase" という詩が出てきました。
モニカは「私は詩に疎いのよ」と言いながらも、この詩は気に入ったようでした。
が、フレンズ3-12その17 で、フィービーはこの詩の本当の意味をチャンドラーに説明しています。
つまり、「空っぽの花瓶=モニカ」だということを。
モニカはそのことに全く気付かず、その詩に出てきたような花瓶を買って、フリオにプレゼントするつもりのようです。
「get+目的語(人)+目的語(もの)」のように目的語を二つ取る場合、「人にものを買ってやる、人にものを手に入れてやる」という意味になります。
look what I got Julio. はその「目的語(もの)」が前に来た形で、「私がフリオに買ってあげたものを見て。」ということです。
自分が「空っぽ」だと言われたことに気付かず、嬉しそうにラッピングするモニカに、それは詩に出てきた花瓶とは違う、詩の中の花瓶には他の意味があるのだ、と示唆するフィービー。
「あなたは詩に疎いって言ってたでしょ。」、つまりは「あなたは詩の本当の意味がわかってないのよ。」と言っているのです。
フィービーがモニカをハグした後、画面がいきなりムーンダンス・ダイナーに切り替わります。
実際にフィービーがモニカに事情をあれこれ説明するシーンは出てきませんでしたが、このモニカのセリフを聞くと、フィービーから全てを聞いたのだな、ということがわかりますね。
テンポ良く話を進めるために、画面の切り替えが効果的に使われていると思います。
(Rach からのお願い)
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、、、、の件ですが確か吹き替えでは逆になってましたね? (違ったらごめんさい)
モニカが買ったんじゃなく買ってもらったように解釈したんです 台詞から
でも、それだとリボンを結びつけてる意味がないですね それだと逆だから
というわけで細かい描写の意味も理解することが出来ました たぶん、あれは吹き替えの翻訳された人のほうが間違ってるのでしょう。
次に、ここでクリンナップ・トリオやボーンヘッドなどの本来の語源を教えていただきました。
なので野球にはお詳しいのかなと思い最近知ったこと
江夏の21球でも有名なウェスト・ボール あれを私はずっとウエスト、、つまり腰の辺りに来る球なのかなと思っていたんですが、実際は遊び球、無駄球、、、つまりwaistでなwaste ( 無駄にする, 浪費する )だったんですね
いわれてみれば腰の辺りなんかに投げれば絶好球なわけですから、そもそもおかしいのですが。
ということで自慢にもならない小さな発見でした。
それと、遅くなりましたが御本出版おめでとうございます。
ずっと以前、、あなたのこの努力が何らかの形で報われると良いですねといった覚えがありますが、努力が報われてよかったと正直思います。
誰か見ていてくれるものですね。
最期にまた質問なんですが、、、今日 -ing 形を取り上げておられたのでそれに関連して。
最近、日向先生のコラムで面白い記事を読みました。
動名詞と不定詞の微妙な差異です。 はるか昔の中学英語で、どちらも「・・・すること」と覚えていましたが。
実際は微妙な差異があり、
TO不定詞 vs ING形(動名詞)のニュアンスの違いは…
「例えば」という仮定 vs 客観的な事実
未来志向の話 vs 今もそうであると認められる事実の話
まだ具体化していない可能性の話 vs 実際に経験した出来事 ということらしいです。
なにやら以前此処で意見交換した 理由と原因の違いのニュアンスと似てると思って興味深く拝読したのです。
あれも同じ因の話でも未実現の当人の頭の中にあることと、実際起きてしまったことの違いだったと思います。
で、、管理人さんも 過去の記事で このTO不定詞 vs ING形(動名詞)の違いに注目された記事があればお教えください。
なければフレンズのなかで似たような部分で気づかれた部分でもあれば 考えお聞かせください。
まずは、お祝いコメントを下さって、ありがとうございます。毎日楽しくブログを書けていたことが幸せだったのですが、それが今回「本」という「形」になったことは本当に嬉しかったです。
また、look what I got Julio. についてのご意見ありがとうございます。
DVDでは、日本語字幕は「フリオにあげるの」となっているのですが、音声(吹替)では「フリオにもらったの」と言っていますね。
それでこの部分をもう少し詳しく解説しようと思って、上のような記事になったのです。
get というと、「手に入れる」というニュアンスがあるので、とにかく「モニカが手に入れた」わけですが、もし「フリオからこの花瓶を手に入れる」みたいなことだと、get this vase from Julio みたいに from などの前置詞が必要になる気がします。
研究社 新英和中辞典の get 「受け取る」の例文として、
get help from one's friends 友人たちから助力を得る。
というのも載っています。
ただ、「プレゼントとしてフリオがくれた、フリオからもらった」という場合に、get ... from と表現すると、少し違和感があるように思いますが…。
ここでの get は二つ目的語を取って、「モニカがフリオのために(これを)手に入れた」となっているのがポイントだと思います。got という言葉を聞くと「モニカがゲットしたんだ、手に入れたんだ」となり、日本語だとそこから「モニカがもらったんだ」という想像が働いてしまいがちになるので、今回はその「目的語2つ」の部分に注目してみた、ということですね。これからプレゼントとしてあげようとしているので、「リボンをかけている」「ラッピングしている」ということになるのですね。
フレンズの場合は、WOWOW で日本語吹替版の放映が先にあって、その後しばらくしてからDVD化されるようです。DVDとして発売される時に日本語字幕がつけられるのだと思います。
日本語字幕をつける際に、吹替版で何らかの間違いがあったとしても、その一言を訂正するために、吹替の声優さんにその部分だけ取り直してもらうわけにもいきませんから、翻訳者の方にとっては、間違いに気付いても直せない…というのが辛いだろうなぁ、といつも思っています。
私のようなブロガーの場合は、後から「追記」という形で訂正できるので、それだけでも気が楽だなぁ、と。プロの方は本当に大変ですね。
野球は詳しいわけではなくて、「ウエスト・ボール」という言葉も初耳です。
Wikipedia 日本語版: ウエスト
にも、ウエストボールの簡単な説明が載っていますね。どうやら和製英語のようですが…。確かに、腰の waist ではなくて、waste のようです。カタカナで書いてしまうと、違った英単語を思い浮かべてしまう、というのは、日本語表記の限界を感じますね。
日向清人先生のコラム「ビジネス英語雑記帳」は、面白くてためになって本当に素晴らしいですよね。私もよく読ませていただきます。
動名詞と to不定詞のニュアンスの違いに気をつけるようになってくると、英語への理解がまた一層深まった気がしますよね。
マイブログでは、以下の記事で to不定詞と動名詞の違いについて触れています。
フレンズ2-10その9
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470306.html
ロス: It was nice meeting you. (会えて良かったよ。)
会った時は、Nice to meet you. と言うが、さようならの時は、Nice meeting you. と言う。try to kill (未遂)と try killing (既遂)の違い、などにも触れています。
フレンズ1-1その5
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470811.html
ポール: Well, you might try accidentally breaking something valuable of hers, say her- (そうだな。妻の持ち物で価値のあるものを「ついうっかり」 break してみてもいいかも。例えば彼女の…)
壊そうとする(try to break)のではなく、実際に壊してみる(try breaking)と言っているのが面白いなぁ、と思いました。
つまり、「壊すふりをしてみたらいい(結果までは言及していない)」ではなくて、「実際にアクシデントのふりをして壊してみたらいい」とアドバイスしているのですね。
他にも、学校英語で習ったものでは、
forget to... 「〜するのを忘れる、忘れて…しない」(未来の行為)
forget ...ing 「…したのを忘れる」(過去の経験)
というのもありました。
その二つの違いに注目してセリフを見てみると、話者のニュアンスや意図するところが明白になるように思います。そういう部分が面白いですね。