ロス: Well, I was with Carol for, like, eight years. And I lost her. And now, if it's possible, I think I love you even more. So, it's hard for me to believe I'm not gonna, well, that someone else isn't gonna take you away. (そうだね、僕はキャロルと、ほら、8年も一緒にいたんだ。そして僕は彼女を失った。そして今、もしそれが可能なら、君をもっとずっと愛せると思う。だから、僕が…ほら、誰か他の人が君を連れて行ってしまわないと信じることが僕には難しいんだ。)
ガンター: Let it be me. Let it be me! (それが僕でありますように。それが僕でありますように!)
レイチェル: Honey, that's very sweet. It just seems to me, though, that if two people love each other and trust each other, like we do, there's no reason to be jealous. (she kisses him) (ハニー、それはとっても素敵(な言葉)だわ。だけど、私にはこう思えるの。私たちのように、もし二人の人間が互いに愛し合っていて、互いに信頼し合っているのならば、ジェラシーを感じる理由なんてない、って。 [レイチェルはロスにキスする])
昨日の続きです。
So, it's hard for me to believe I'm not gonna, well, that someone else isn't gonna take you away. について。
この解釈はちょっと迷いました。
昨日の記事、フレンズ3-12その29 と今日の記事のセリフでは、hard という単語が何度も出てきます。
昨日の記事の this whole Mark thing is really hard for me. の hard は「つらい、苦しい、耐え難い」みたいな意味ですね。
今回の it's hard for me to believe... の hard についても、私は最初「つらい」という意味なのかと思いました。
「誰かが君を連れ去ると思うことがつらい」みたいな意味なのかな?と。
でも、よく見ると、someone else isn't gonna と否定形になっていますので、「連れ去る」ではなくて「連れ去らない」です。
ネットスクリプトもDVD英語字幕も両方、isn't になっていますし、ロスの実際のセリフも isn't と言っているように聞こえる気がします。(かなり微妙ですが)
また、「誰かが君を連れ去ると思うことがつらい」と言いたいならば、it's hard for me to imagine (or think) someone else is gonna take you away. のように、believe 以外の動詞が使われるような気がします。
believe という動詞は日本語の「信じる」という語義の通り、ロスは that 以下のことを信じたいと思っているけれども、それを信じることが難しい、と言っているセリフなのかな、と思いました。
つまり、この場合の hard は「しにくい、困難な、難しい」という意味で、hard to believe ... で「…を信じがたい」、hard for me to believe ... で、「僕が…を信じることは難しい」みたいな意味になるのだろう、と。
「もう長い間付き合っていて、そう簡単に別れるはずがない、と自分では思っているけれども、誰かがレイチェルを奪い去っていくことなんてない、と信じることは、僕にとっては難しい。そんな風に安心することなんてできないんだ。」みたいな意味かなぁ、と思いました。
「好きで好きでしょうがないから、不安でたまらない。」みたいな感じ??
someone else isn't gonna ... の前にある、I'm not gonna... について。
gonna の後、動詞はありませんね。
文章が終わらない状態で、well と一呼吸置いて、that someone else isn't gonna ... と言い換えています。
おそらく、ロスは最初、I'm not gonna lose you と言おうとしたのかな、と思いました。
キャロルの話をした時に、And I lost her. と寂しそうに言っていましたので、それと同じことがまた起こることを想定しているのだと。
だから、lose という単語を使おうとしたけれども、それは自分にとってあまりに悲しすぎる単語なので、「僕が失う」ではなくて「誰かが連れ去る」と言い換えたのかなぁ、と。
これも、上に説明したのと同じく、「僕が君を失うことなんてない」と信じることが僕にとっては難しいんだ、「君を失うはずはない」と自信を持って言い切ることができないんだ、みたいなことを言いたかったのだと思います。
何だかえらく遠回しな表現だと思うのですが、「ただの言葉上の表現」に過ぎなくても、「君を失う」「誰かが君を連れ去る」ということは言いたくなくて、「誰かが君を連れ去ったりはしない」と信じることができない、みたいな言い方になっているのかな、とも思います。
もっとシンプルに表現することも可能だと思うのに、わざとこういう言い方をしているところに、ロスの複雑な気持ちが見え隠れしているような気がするのですが、どうでしょう??
"Let it be me." と言っているガンターが面白いですね。
it = someone ということで、その「誰か」が僕でありますように、レイチェルを連れ去る人間、つまりロスからレイチェルを奪い去る人間が僕でありますように、と祈っているわけです。
昨日の記事、フレンズ3-12その29 で、わざわざト書きに、
(Gunther is eavesdropping in the background.)
と書いてあったのは、このセリフへの伏線だったのですね。
love と trust があれば、ジェラシーを感じる必要なんかない、というレイチェルのセリフですが、それは正論ではあるけれども、人間は感情の動物…頭ではわかっていても、不安な気持ちになるものですよね。
この後、このセリフが重要な意味を持ってきます(笑)。
(Rach からのお願い)
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>someone else isn't gonna と否定形になっていますので、
>「連れ去る」ではなくて「連れ去らない」です。
私もこれ聞いた時(スクリプト見たとき)なんでsomeone else is gonna・・・じゃないの??って思いました。そっかロスの複雑な心中を表現していたんですね〜
解説読んで納得です。今回はRachさんと同じところに「?」って思えて小さく喜んでました(笑)
・・・ところで、ネイティブって(っていうかロス?)はこんな回りくどい言い方して自分で何言ってるか判らなくならないんだろうか??
・・・変なところに素朴な疑問持ってしましました(爆)
コメントありがとうございます。
私も最初、あれ?と思って、よーく考えてみたら、そういうことかなぁ、と考えて、上のような解説記事を書きました。
回りくどい言い方は、ノンネイティブにはわかりにくい部分ですよね。その言葉に慣れてるからこそ言える、ということなんでしょうね(^^)